尸魂界篇
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卯ノ花は静かに目を伏せ、斬魄刀に手をかけた。
海燕がそれに反応して天寧を守るように抱き締めるも、天寧は卯ノ花をジッと見つめていた。
「私は負傷した副隊長達を連れ、四番隊へと戻ります。本来であれば、天寧さんも肉雫唼の臓 の中で治療したい所ですが………貴女にはその真実を総隊長に伝える義務があります。行ってくれますね?」
「…はいっ」
天寧と海燕は顔を見合わせ頷き合い、
卯ノ花への頭を下げると、瞬歩でその場から去った。
残された卯ノ花は目を伏せたまま、ゆっくりと息を吐く。
「………いけませんね…」
そしてその場に倒れている副隊長達や鬼道衆の面々の治療に当たるべく、斬魄刀の名を呼んだ。
ーーーーーーーーーーー
肌どころか内臓すら焼かれるような霊圧を感じ
天寧を抱えた海燕がスピードを上げた。
「(無事でいてくださいよ、浮竹隊長!!)」
この強い霊圧は総隊長・山本元柳斎重國のものだとすぐに解った。そしてその凄まじい霊圧の矛先が浮竹に向いていることも___
「…思えば昔からおぬしら二人は…否三人の力は飛び抜けとった。
女に弱く、振舞いは軽薄じゃが
思慮深く、誰よりも真実を見通すことに長けておった春水。
体は弱いが寛厚で人望厚く、
常に、皆の中心であった十四郎。
自他共に厳しく、頑固な一面もあったが
誰よりも周りを見て、皆の背中を押し続けた天羅。
そして、ひとたび戦いとなればその力たるや超軼絶塵。同輩にも先達にも並ぶ者無し。
志高く、錬磨を絶やさず、おぬしらは力を磨き、儂自らが創った学院からの初めての隊長となった」
凄まじい霊圧の所有者である山本は淡々と語っていた。目の前に立つ二人の教え子に向けて。
「自慢じゃった。我が子の様に信じとった。
意気は違えど、歩む道は同じであると。
痛恨なり」
山本の持っていた杖から一振りの斬魄刀が現れる。古びていても存在感を放つそれに、浮竹も京楽も冷や汗を流す。
「これでは死した天羅も報われぬ」
「…元柳斎…先生…!志波は…っ」
「何も言うな。問答は埒も無し。抜け」
斬魄刀が鞘から抜かれ、刃同士がぶつかり合う。
だが山本はそれを一閃し、薙ぎ払った。
「…どういうつもりじゃ、おぬしら。
斬魄刀も解放せずにこの儂と戦う気か?」
「…どうしても戦わなくちゃダメなのかい、山じい…」
「黙れ。教えた筈じゃ。
正義を忽にする者を儂は許さぬと」
「自分の正義を貫けと
教えてくれたのもあんたさ、山じい」
「その為に力をつけろと教えてくれたのも貴方です、先生…!」
京楽と浮竹はそう言うも、
山本は“戯けるな”と一蹴した。
「世界の正義を蔑ろにしてまで通すべき己の正義など無い」
ならば世界の正義とは何だと問いかけても
答えは返ってこない。
代わりに返ってきたのは山本の凄まじい霊圧と
「万象一切灰燼と為せ『流刃若火』」
全てを燃やさんとする太陽のような熱気だった。
ーその熱は天を焦がし、雲すら消す。
ーその刃の通る道は、世の一切を灰燼に帰す。
「この霊圧…!
おじいちゃんが、刀を抜いた…!?」
「まだ姿も見えねぇのになんつー霊圧だ…!」
全斬魄刀中、最高の攻撃力を誇る、
焱熱系最強最古の斬魄刀…流刃若火が解放された。
それに引き続き二つの大きな霊圧が揺れ動いたのを感じる。
「浮竹さんと京楽さんの霊圧…ってことは…」
「二人も斬魄刀を解放したのか」
双魚理と花天狂骨…尸魂界全土にただ二つのみ存在する二刀一対の斬魄刀が解放された今、三人が対峙する場所は無法地帯だろう。
副隊長である自分達が行って止められるかも解らないが、この一連の事件の全容を伝える義務があるのだと己を鼓舞し、地を蹴った。
海燕がそれに反応して天寧を守るように抱き締めるも、天寧は卯ノ花をジッと見つめていた。
「私は負傷した副隊長達を連れ、四番隊へと戻ります。本来であれば、天寧さんも肉雫唼の
「…はいっ」
天寧と海燕は顔を見合わせ頷き合い、
卯ノ花への頭を下げると、瞬歩でその場から去った。
残された卯ノ花は目を伏せたまま、ゆっくりと息を吐く。
「………いけませんね…」
そしてその場に倒れている副隊長達や鬼道衆の面々の治療に当たるべく、斬魄刀の名を呼んだ。
ーーーーーーーーーーー
肌どころか内臓すら焼かれるような霊圧を感じ
天寧を抱えた海燕がスピードを上げた。
「(無事でいてくださいよ、浮竹隊長!!)」
この強い霊圧は総隊長・山本元柳斎重國のものだとすぐに解った。そしてその凄まじい霊圧の矛先が浮竹に向いていることも___
「…思えば昔からおぬしら二人は…否三人の力は飛び抜けとった。
女に弱く、振舞いは軽薄じゃが
思慮深く、誰よりも真実を見通すことに長けておった春水。
体は弱いが寛厚で人望厚く、
常に、皆の中心であった十四郎。
自他共に厳しく、頑固な一面もあったが
誰よりも周りを見て、皆の背中を押し続けた天羅。
そして、ひとたび戦いとなればその力たるや超軼絶塵。同輩にも先達にも並ぶ者無し。
志高く、錬磨を絶やさず、おぬしらは力を磨き、儂自らが創った学院からの初めての隊長となった」
凄まじい霊圧の所有者である山本は淡々と語っていた。目の前に立つ二人の教え子に向けて。
「自慢じゃった。我が子の様に信じとった。
意気は違えど、歩む道は同じであると。
痛恨なり」
山本の持っていた杖から一振りの斬魄刀が現れる。古びていても存在感を放つそれに、浮竹も京楽も冷や汗を流す。
「これでは死した天羅も報われぬ」
「…元柳斎…先生…!志波は…っ」
「何も言うな。問答は埒も無し。抜け」
斬魄刀が鞘から抜かれ、刃同士がぶつかり合う。
だが山本はそれを一閃し、薙ぎ払った。
「…どういうつもりじゃ、おぬしら。
斬魄刀も解放せずにこの儂と戦う気か?」
「…どうしても戦わなくちゃダメなのかい、山じい…」
「黙れ。教えた筈じゃ。
正義を忽にする者を儂は許さぬと」
「自分の正義を貫けと
教えてくれたのもあんたさ、山じい」
「その為に力をつけろと教えてくれたのも貴方です、先生…!」
京楽と浮竹はそう言うも、
山本は“戯けるな”と一蹴した。
「世界の正義を蔑ろにしてまで通すべき己の正義など無い」
ならば世界の正義とは何だと問いかけても
答えは返ってこない。
代わりに返ってきたのは山本の凄まじい霊圧と
「万象一切灰燼と為せ『流刃若火』」
全てを燃やさんとする太陽のような熱気だった。
ーその熱は天を焦がし、雲すら消す。
ーその刃の通る道は、世の一切を灰燼に帰す。
「この霊圧…!
おじいちゃんが、刀を抜いた…!?」
「まだ姿も見えねぇのになんつー霊圧だ…!」
全斬魄刀中、最高の攻撃力を誇る、
焱熱系最強最古の斬魄刀…流刃若火が解放された。
それに引き続き二つの大きな霊圧が揺れ動いたのを感じる。
「浮竹さんと京楽さんの霊圧…ってことは…」
「二人も斬魄刀を解放したのか」
双魚理と花天狂骨…尸魂界全土にただ二つのみ存在する二刀一対の斬魄刀が解放された今、三人が対峙する場所は無法地帯だろう。
副隊長である自分達が行って止められるかも解らないが、この一連の事件の全容を伝える義務があるのだと己を鼓舞し、地を蹴った。
