尸魂界篇
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「先の話を聞いておらんかったのか小娘?
儂を引き剥がす事など不可能!!
この小僧の身体は儂の物になったのだ!
あとはこれからじっくり、一晩かけて儂が此奴の霊体を内から喰らい尽くすだけのこと!!」
姉様!!とルキアの叫びが聞こえる。
だが天寧は澄んだ瞳のまま虚を見つめ
刀身に…瞳と同じ色の炎を灯した。
「いいえ、引き剥がせるわ。
私と空調 ならそれができるもの」
「戯言を!!」
虚が天寧目掛けて飛び掛ってくる。
それを空調で受け止めると、刀身に灯った炎が海燕の身体を包んだ。
「なっ!?なんだ、これは!!うぐぅ!!」
「………(これだけじゃ引き剥がせない…
やっぱり中から直接炎を流し込まないと)
海燕兄さん、頑張って耐えて…!」
虚の苦しんでいる声が響き渡る。
それが海燕の苦しむ声にも聞こえて天寧は悲しげに眉を顰め、空調を構え直した。
その様子を見ていたルキアは顔を青褪め
同士討ちにも思える戦いを止めようと身を乗り出そうとするも、それは浮竹により止められた。
「やめるんだ朽木」
「で、ですが…!!」
「天寧の炎は燃や す為に灯されるものじゃない」
「え?」
「天寧の斬魄刀…空調の炎は
ただものを燃やすだけの普通の炎とは違う。
…今は天寧に任せるんだ、朽木」
「……………は…い…」
ルキアは渋々と刀から手を離し、天寧を見つめた。
「海燕兄さん…兄さん………お兄ちゃん…」
待ってて、今助けるから。
この声は果たして届いているのか…
………どうか、届いていてほしい…
海燕には謝りたい事がある。
都を止められなかった事を…
都を死なせてしまった事を…
「忌々しい小娘めぇ!!
この炎ごと、喰らってやろう!!」
この炎は燃やすのではない…灯すのだ。
迷う者を導くように…悲しみから掬い上げるように…
安心させるように…包むように…
天寧が大きく息を吸うと、
炎が大きく激しく燃える。なのに熱くはない。
「あなたにこの炎は喰らえない。
この炎はあなたを浄化させる為に灯されているのだから」
「なめた口をぉ!!」
「兄さんの身体から出ていけっ!!」
炎を纏う刀身が海燕の心臓を貫いた。
温かな炎が海燕の身体を包み、虚の力を分離し…消滅させていく…
「っ…」
「………天寧…」
意識が戻ったのか、海燕の腕が天寧の肩に回って、抱き寄せられる。
「………あまり、動かないで…
少しでもズレたら兄さんまで死んでしまう…」
まだ、虚の力は残っている。
これを全て浄化しないと治療に移れないのだと
炎を灯したままの空調を再度握り直す。
「悪いな…ツラい思いさせて…」
「本当よ…帰ったらお説教だからね…」
雨でも降っているのか…冷たい水が頬を伝う。
だが、天寧は気にせず処置を続けた。
虚の残滓を取り除いてから、ゆっくりと…回道をかけながら空調を抜き取る。
「天寧!!海燕は…!」
「ルキア、悪いけど四番隊に連絡を。
重傷者一名よ、できるだけ急いで」
「は、はい!」
海燕をゆっくり寝かせて、
回道を心臓を中心にかけていく。
浮竹も大きな傷を中心に回道をかけ始めた。
「…………隊長…
…ありがとうございました…
俺を…戦わせてくれて…」
「…ああ…」
「…天寧も、悪いな…」
「謝る暇があったらさっさとこの傷治して
空鶴姉さんや岩鷲から一発殴られてよね…」
「はは、そりゃ…覚悟しねーと…」
暫くして、四番隊の隊士達が駆けつけて
海燕は運ばれて行った。
天寧や浮竹の的確な治療のおかげで一命を取り留め、以前のように働けるまでに回復した。
みんな喜んでいた。
浮竹さんも、仙太郎も、清音も…ルキアも…
彼を慕っていた隊士達も涙を流して喜んだ。
あの時…治療していた時の海燕の頬は濡れていた。
果たしてあれは雨のせいなのか、はたまた別のものなのかは…もう覚えてもいない。
ただ、覚えているのは____
「(あの時の私の手も………
…こんな感じで、冷たかったなぁ…)」
藍染と市丸に斬り伏せられた、今の自分のような…
手の冷たさと…頬を伝う生温い涙だった。
儂を引き剥がす事など不可能!!
この小僧の身体は儂の物になったのだ!
あとはこれからじっくり、一晩かけて儂が此奴の霊体を内から喰らい尽くすだけのこと!!」
姉様!!とルキアの叫びが聞こえる。
だが天寧は澄んだ瞳のまま虚を見つめ
刀身に…瞳と同じ色の炎を灯した。
「いいえ、引き剥がせるわ。
私と
「戯言を!!」
虚が天寧目掛けて飛び掛ってくる。
それを空調で受け止めると、刀身に灯った炎が海燕の身体を包んだ。
「なっ!?なんだ、これは!!うぐぅ!!」
「………(これだけじゃ引き剥がせない…
やっぱり中から直接炎を流し込まないと)
海燕兄さん、頑張って耐えて…!」
虚の苦しんでいる声が響き渡る。
それが海燕の苦しむ声にも聞こえて天寧は悲しげに眉を顰め、空調を構え直した。
その様子を見ていたルキアは顔を青褪め
同士討ちにも思える戦いを止めようと身を乗り出そうとするも、それは浮竹により止められた。
「やめるんだ朽木」
「で、ですが…!!」
「天寧の炎は
「え?」
「天寧の斬魄刀…空調の炎は
ただものを燃やすだけの普通の炎とは違う。
…今は天寧に任せるんだ、朽木」
「……………は…い…」
ルキアは渋々と刀から手を離し、天寧を見つめた。
「海燕兄さん…兄さん………お兄ちゃん…」
待ってて、今助けるから。
この声は果たして届いているのか…
………どうか、届いていてほしい…
海燕には謝りたい事がある。
都を止められなかった事を…
都を死なせてしまった事を…
「忌々しい小娘めぇ!!
この炎ごと、喰らってやろう!!」
この炎は燃やすのではない…灯すのだ。
迷う者を導くように…悲しみから掬い上げるように…
安心させるように…包むように…
天寧が大きく息を吸うと、
炎が大きく激しく燃える。なのに熱くはない。
「あなたにこの炎は喰らえない。
この炎はあなたを浄化させる為に灯されているのだから」
「なめた口をぉ!!」
「兄さんの身体から出ていけっ!!」
炎を纏う刀身が海燕の心臓を貫いた。
温かな炎が海燕の身体を包み、虚の力を分離し…消滅させていく…
「っ…」
「………天寧…」
意識が戻ったのか、海燕の腕が天寧の肩に回って、抱き寄せられる。
「………あまり、動かないで…
少しでもズレたら兄さんまで死んでしまう…」
まだ、虚の力は残っている。
これを全て浄化しないと治療に移れないのだと
炎を灯したままの空調を再度握り直す。
「悪いな…ツラい思いさせて…」
「本当よ…帰ったらお説教だからね…」
雨でも降っているのか…冷たい水が頬を伝う。
だが、天寧は気にせず処置を続けた。
虚の残滓を取り除いてから、ゆっくりと…回道をかけながら空調を抜き取る。
「天寧!!海燕は…!」
「ルキア、悪いけど四番隊に連絡を。
重傷者一名よ、できるだけ急いで」
「は、はい!」
海燕をゆっくり寝かせて、
回道を心臓を中心にかけていく。
浮竹も大きな傷を中心に回道をかけ始めた。
「…………隊長…
…ありがとうございました…
俺を…戦わせてくれて…」
「…ああ…」
「…天寧も、悪いな…」
「謝る暇があったらさっさとこの傷治して
空鶴姉さんや岩鷲から一発殴られてよね…」
「はは、そりゃ…覚悟しねーと…」
暫くして、四番隊の隊士達が駆けつけて
海燕は運ばれて行った。
天寧や浮竹の的確な治療のおかげで一命を取り留め、以前のように働けるまでに回復した。
みんな喜んでいた。
浮竹さんも、仙太郎も、清音も…ルキアも…
彼を慕っていた隊士達も涙を流して喜んだ。
あの時…治療していた時の海燕の頬は濡れていた。
果たしてあれは雨のせいなのか、はたまた別のものなのかは…もう覚えてもいない。
ただ、覚えているのは____
「(あの時の私の手も………
…こんな感じで、冷たかったなぁ…)」
藍染と市丸に斬り伏せられた、今の自分のような…
手の冷たさと…頬を伝う生温い涙だった。
