尸魂界篇
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副隊長…否、隊長達に匹敵する力を持つ十三番隊の副隊長とその補佐を見て、市丸は不敵な笑みを浮かべ、踵を返した。
「!待て、市丸!!」
「やめなさい、冬獅郎」
「!」
市丸を追おうとする日番谷を制し、
天寧は斬魄刀を鞘に戻した。
「総隊長にはそれなりに誤魔化しておきます」
「おおきになぁ、副隊長補佐さん」
市丸は吉良と共にその場から立ち去った。
それを見送って、腕に抱いたままの雛森の顔を覗き見る。
「(夜でもわかる程顔色が悪い…
手も…刀を強く握りすぎたのね、血がついてる)」
傷付いた雛森の手に簡単な回道をかけ、
海燕へと引き渡す。
「兄さん、桃をお願い」
「天寧…雛森は…」
「簡単な治療はしてあるから、あとは四番隊に任せましょう。…牢に入れるかどうかは冬獅郎が決めて」
「天寧、これからどうする気だ」
“市丸隊長を追いかけるのか”と問う海燕に、
日番谷はハッと目を見開いて天寧の手を掴む。
藍染の遺書…あれが本当なら天寧は既に犯人が解っているはずだ。ここで行かせたら…
「(天寧が…死ぬ…!)」
「…」
日番谷の思いが伝わっているのか、天寧は何とも言えない顔で微笑み、その手に自分の手を重ねた。
「Mi dispiace …Ma devo andare. 」
「何、言って…」
「兄さん、後はお願い」
「…ダメだ、お前も来い天寧」
「ううん…ダメ。
兄さんはルキアの処刑の方をお願い。
こっちは私が何とかするわ」
「なら俺がっ」
「冬獅郎は隊長としての役目があるでしょう?
だからダメ。冬獅郎は冬獅郎の役目を全うして。
私は私ができる事をやるから」
「それでお前が傷付いたらどうするんだ!」
「私が頑丈な体してるのはわかってるでしょう?
大丈夫、ちゃーんと戻ってくるからね」
日番谷の手を取り、手のひらにそっとキスをする。
“おい!”という制止の言葉を聞かず、天寧は瞬歩でその場から去った。
「天寧!!……クソッ!」
「…俺は雛森を四番隊へ連れて行く。
その後の事はお前に任せるぞ、日番谷」
「…隊長を付けろ、志波。
俺は天寧を追いかけ___…?」
ひらり…と視界の端に黒い蝶が羽ばたく。
地獄蝶と呼ばれるそれが海燕の肩に止まると
声が響いた。
『隊長並びに副隊長各位に御報告申し上げます。
殛囚・朽木ルキアの処刑の日程について最終変更がありました』
「は?」
『最終的な刑の執行は…現在より29時間後です』
「!!何だと!?」
『これは最終決定です。
以降、日程の変更はありません、以上…』
静かに締め括られたそれに、海燕は大きく舌打ちをしドタドタと足音を立てながら歩いていく。
「志波…!」
「…十三番隊 は処刑を止める。
こうなった以上、天寧にその調査を託す。
お前はお前で好きにしろ。
けどな、天寧を泣かせる事だけはするんじゃねえぞ。天寧を泣かせたら俺はお前を許さねえ」
海燕はそう言うと瞬歩で去った。
一人、そこに残された日番谷はその場に立ち尽くすも、やがて拳を強く握り十番隊の隊舎へと戻った。
「松本!」
「隊長…!?」
「ついて来い、処刑を止めるぞ」
処刑まで時間が無い。
藍染の遺書に書いてあった事が本当なら
この処刑は止めなければならない。
天寧が行動に出てしまっている以上
彼女が危険な目に遭うのは確実だ。
護らなければ…
『ごめんね…』
「(天寧は、俺が護るんだ…!!)」
ーーーーーーーーーーー
「____なるほど、そういう事だったのね」
時を同じくして、とある場所に来ていた天寧の元にも地獄蝶がやって来た。処刑は今から29時間後…ついにここまで早まってしまった。
その理由もこの“惨劇”を見れば一目瞭然。
尸魂界全土から集められた40人の賢者と6人の裁判官で構成される、尸魂界の最高司法機関__中央四十六室
尸魂界・現世を問わず、死神の犯した罪咎は
全てここで裁かれ、その裁定の執行に武力が必要と判断されれば隠密機動、鬼道衆、護廷十三隊等の実行部隊に指令が下る。
そして一度下った裁定には例え隊長格といえど
異を唱えることはできない。
「Mi hai preso. 」
目の前に広がっているのはその四十六室が全滅しているという…惨い光景だった。そっと入口付近に付着している血に触ると、簡単にヒビ割れた。
「………四十六室 の事なんて興味のきの字も無いけどさ…それはそれで可哀想だから、せめてこれだけは残しておくわ。
Vergognati.」
「!待て、市丸!!」
「やめなさい、冬獅郎」
「!」
市丸を追おうとする日番谷を制し、
天寧は斬魄刀を鞘に戻した。
「総隊長にはそれなりに誤魔化しておきます」
「おおきになぁ、副隊長補佐さん」
市丸は吉良と共にその場から立ち去った。
それを見送って、腕に抱いたままの雛森の顔を覗き見る。
「(夜でもわかる程顔色が悪い…
手も…刀を強く握りすぎたのね、血がついてる)」
傷付いた雛森の手に簡単な回道をかけ、
海燕へと引き渡す。
「兄さん、桃をお願い」
「天寧…雛森は…」
「簡単な治療はしてあるから、あとは四番隊に任せましょう。…牢に入れるかどうかは冬獅郎が決めて」
「天寧、これからどうする気だ」
“市丸隊長を追いかけるのか”と問う海燕に、
日番谷はハッと目を見開いて天寧の手を掴む。
藍染の遺書…あれが本当なら天寧は既に犯人が解っているはずだ。ここで行かせたら…
「(天寧が…死ぬ…!)」
「…」
日番谷の思いが伝わっているのか、天寧は何とも言えない顔で微笑み、その手に自分の手を重ねた。
「
「何、言って…」
「兄さん、後はお願い」
「…ダメだ、お前も来い天寧」
「ううん…ダメ。
兄さんはルキアの処刑の方をお願い。
こっちは私が何とかするわ」
「なら俺がっ」
「冬獅郎は隊長としての役目があるでしょう?
だからダメ。冬獅郎は冬獅郎の役目を全うして。
私は私ができる事をやるから」
「それでお前が傷付いたらどうするんだ!」
「私が頑丈な体してるのはわかってるでしょう?
大丈夫、ちゃーんと戻ってくるからね」
日番谷の手を取り、手のひらにそっとキスをする。
“おい!”という制止の言葉を聞かず、天寧は瞬歩でその場から去った。
「天寧!!……クソッ!」
「…俺は雛森を四番隊へ連れて行く。
その後の事はお前に任せるぞ、日番谷」
「…隊長を付けろ、志波。
俺は天寧を追いかけ___…?」
ひらり…と視界の端に黒い蝶が羽ばたく。
地獄蝶と呼ばれるそれが海燕の肩に止まると
声が響いた。
『隊長並びに副隊長各位に御報告申し上げます。
殛囚・朽木ルキアの処刑の日程について最終変更がありました』
「は?」
『最終的な刑の執行は…現在より29時間後です』
「!!何だと!?」
『これは最終決定です。
以降、日程の変更はありません、以上…』
静かに締め括られたそれに、海燕は大きく舌打ちをしドタドタと足音を立てながら歩いていく。
「志波…!」
「…
こうなった以上、天寧にその調査を託す。
お前はお前で好きにしろ。
けどな、天寧を泣かせる事だけはするんじゃねえぞ。天寧を泣かせたら俺はお前を許さねえ」
海燕はそう言うと瞬歩で去った。
一人、そこに残された日番谷はその場に立ち尽くすも、やがて拳を強く握り十番隊の隊舎へと戻った。
「松本!」
「隊長…!?」
「ついて来い、処刑を止めるぞ」
処刑まで時間が無い。
藍染の遺書に書いてあった事が本当なら
この処刑は止めなければならない。
天寧が行動に出てしまっている以上
彼女が危険な目に遭うのは確実だ。
護らなければ…
『ごめんね…』
「(天寧は、俺が護るんだ…!!)」
ーーーーーーーーーーー
「____なるほど、そういう事だったのね」
時を同じくして、とある場所に来ていた天寧の元にも地獄蝶がやって来た。処刑は今から29時間後…ついにここまで早まってしまった。
その理由もこの“惨劇”を見れば一目瞭然。
尸魂界全土から集められた40人の賢者と6人の裁判官で構成される、尸魂界の最高司法機関__中央四十六室
尸魂界・現世を問わず、死神の犯した罪咎は
全てここで裁かれ、その裁定の執行に武力が必要と判断されれば隠密機動、鬼道衆、護廷十三隊等の実行部隊に指令が下る。
そして一度下った裁定には例え隊長格といえど
異を唱えることはできない。
「
目の前に広がっているのはその四十六室が全滅しているという…惨い光景だった。そっと入口付近に付着している血に触ると、簡単にヒビ割れた。
「………
Vergognati.」
