尸魂界篇
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「…よ…夜一さん…」
“本物…なの…?”という声は掠れていて届いたかどうかはわからない。だが、彼女がここにいるという事は…と天寧はグッと口を結んだ。
「先代隠密機動総司令官
及び同第一部隊“刑軍”総括軍団長__四楓院夜一。
久しく見ぬ顔だ、行方を晦ませて百余年…
死んだものとばかり思っていたが…」
白哉の鋭い目付きも
彼女は特に気にする様子はない。
夜一の後ろにいた一護は白哉を倒すと斬魄刀を構える…が
「…倒す?おぬしが?あ奴を?…愚か者」
一護は夜一によって腹を貫かれ意識を失った。
「なっ!?何してんだ夜一さん!!」
気を失い、夜一に支えられた一護を見て
海燕が焦ったように叫ぶ。
だが横にいた浮竹は冷静に“薬か”と夜一を見据えていた。
「“穿点”か“崩点”か、強力な麻酔系の何かを内臓に直接叩き込んだな。…彼を治す気か、夜一」
「…浮竹」
「治させると思うか。
させぬ、兄はここから逃げることはできぬ」
「いいえ、逃げさせるわ」
「!」
逃がす気はないという白哉の腕を天寧が掴み
身動きが取れないように首筋に手を添える。
「その手を退けろ、志波副隊長補佐」
「退かない。君に一護は殺させない」
「何故旅禍に加担する」
「あの子はルキアを助けに来てくれた。
それだけで十分よ」
夜一さん、行ってと声をかければ、
夜一は天寧に感謝を述べ姿を消した。
「“瞬神”夜一…護廷から離れても尚、その実力は衰えてないようね。…これじゃ、今の君でも夜一さんに勝つのは無理よ。昔みたいに逃げ切られて、びゃーびゃー泣きながら戻って来るのが見えるわ」
夜一の霊圧が遠のいたのを確認して白哉から手を離す。その際に殺気立った視線を向けられるも天寧は鼻で笑い返した。
「私の手もまともに振り解けない君が夜一さんに勝てるわけないでしょう?」
すると白哉は興が冷めたと言わんばかりに踵を返した。そんな白哉を浮竹が止めるも白哉は聞く耳を持たずこの場から去った。
「…È una persona problematica. 」
白哉が去った事で緊張が解れたのか、
ルキアは顔色を悪くしその場に崩れ落ちた。
「ル…ルキアさんっ…!?」
「…よく頑張ったわね…もう大丈夫よ…」
崩れ落ち、倒れたルキアを抱き上げ
浮竹と岩鷲の様子を見ている海燕へと目を向ける。
「天寧、朽木を…もう一度牢へ入れてやってくれ…」
「…はい。
花ちゃん、悪いけど岩鷲の事をお願いしてもいいかしら」
「!わ、わかりました!」
元気よく返事をした花太郎に微笑み、天寧は牢へと足を進めた。腕に抱いているルキアは今にも消えてしまいそうな程軽く、思わず眉を顰めてしまった。
「ね…さま…」
「必ず、助けるからね」
意識が朦朧としているルキアにこの言葉が届いているかは解らない。それでも、必ず助け出すと腕に力を込めた。
ーーーーーーーーーーー
散らばった旅禍の6人の内、3人は重傷だった為
四番隊の救護牢に入れられ、1人は十一番隊に保護されているらしい。
後の2人…一護と夜一はどこかに身を潜めているのか霊圧を感じられず、行方不明のまま。
だが天寧の血は一護は強くなろうとしているのだと、騒いでいるから大丈夫だろう。問題は____
「先程入った各牢番からの緊急報告で__
阿散井副隊長、雛森副隊長、吉良副隊長の三名が…
牢から姿を消されたとのことです」
牢から姿を消した、
三人の副隊長…否“二人”の副隊長だ。
「天寧」
「恋次の方は大丈夫。
問題なのはイヅルと桃の二人ね。
この件、冬獅郎…日番谷隊長には?」
「既に耳に入れているかと」
「…(やっぱ…動くわよね…)」
「あいつ、動いてんのか」
「桃を助けに行く、あの人ならそう言うわ」
天寧の脳裏に浮かぶは藍染が遺した手紙…内容は知らない。だが…あれはきっと、“火種”だろう。
「兄さん、少し行ってくる」
「俺も行くぜ。
あのガキの事だ、雛森ばっかに目が行って暴走して、天寧が傷付く事になるかもしれねえだろ」
「…私はそう簡単に傷付いたりしないわ。
大切な人が傷付く方が…私はツラいのよ」
ーーーーーーーーーーー
同時刻、十番隊の執務室で三人の副隊長が脱走したという報告を受けた日番谷は一人、三番隊の隊舎にて吉良と、吉良を逃がした市丸と対峙した。
雛森が来る前に市丸を殺すと斬魄刀に手をかける日番谷だが、その前に現れたのは件の雛森であり___
「____やっと…見つけた……
こんな処に居たのね…」
「止せ雛森!!
お前の敵う相手じゃねえ!俺に任せて退がってろ!」
ゆっくりと雛森が抜刀する。
その刃は“雛森!!!”と叫ぶ日番谷の首に当てられる。
「___雛……森……?」
「…藍染隊長の……仇よ」
雛森の目には、涙が浮かんでいた。
「(天寧さん…ごめんなさい…っ)」
“本物…なの…?”という声は掠れていて届いたかどうかはわからない。だが、彼女がここにいるという事は…と天寧はグッと口を結んだ。
「先代隠密機動総司令官
及び同第一部隊“刑軍”総括軍団長__四楓院夜一。
久しく見ぬ顔だ、行方を晦ませて百余年…
死んだものとばかり思っていたが…」
白哉の鋭い目付きも
彼女は特に気にする様子はない。
夜一の後ろにいた一護は白哉を倒すと斬魄刀を構える…が
「…倒す?おぬしが?あ奴を?…愚か者」
一護は夜一によって腹を貫かれ意識を失った。
「なっ!?何してんだ夜一さん!!」
気を失い、夜一に支えられた一護を見て
海燕が焦ったように叫ぶ。
だが横にいた浮竹は冷静に“薬か”と夜一を見据えていた。
「“穿点”か“崩点”か、強力な麻酔系の何かを内臓に直接叩き込んだな。…彼を治す気か、夜一」
「…浮竹」
「治させると思うか。
させぬ、兄はここから逃げることはできぬ」
「いいえ、逃げさせるわ」
「!」
逃がす気はないという白哉の腕を天寧が掴み
身動きが取れないように首筋に手を添える。
「その手を退けろ、志波副隊長補佐」
「退かない。君に一護は殺させない」
「何故旅禍に加担する」
「あの子はルキアを助けに来てくれた。
それだけで十分よ」
夜一さん、行ってと声をかければ、
夜一は天寧に感謝を述べ姿を消した。
「“瞬神”夜一…護廷から離れても尚、その実力は衰えてないようね。…これじゃ、今の君でも夜一さんに勝つのは無理よ。昔みたいに逃げ切られて、びゃーびゃー泣きながら戻って来るのが見えるわ」
夜一の霊圧が遠のいたのを確認して白哉から手を離す。その際に殺気立った視線を向けられるも天寧は鼻で笑い返した。
「私の手もまともに振り解けない君が夜一さんに勝てるわけないでしょう?」
すると白哉は興が冷めたと言わんばかりに踵を返した。そんな白哉を浮竹が止めるも白哉は聞く耳を持たずこの場から去った。
「…
白哉が去った事で緊張が解れたのか、
ルキアは顔色を悪くしその場に崩れ落ちた。
「ル…ルキアさんっ…!?」
「…よく頑張ったわね…もう大丈夫よ…」
崩れ落ち、倒れたルキアを抱き上げ
浮竹と岩鷲の様子を見ている海燕へと目を向ける。
「天寧、朽木を…もう一度牢へ入れてやってくれ…」
「…はい。
花ちゃん、悪いけど岩鷲の事をお願いしてもいいかしら」
「!わ、わかりました!」
元気よく返事をした花太郎に微笑み、天寧は牢へと足を進めた。腕に抱いているルキアは今にも消えてしまいそうな程軽く、思わず眉を顰めてしまった。
「ね…さま…」
「必ず、助けるからね」
意識が朦朧としているルキアにこの言葉が届いているかは解らない。それでも、必ず助け出すと腕に力を込めた。
ーーーーーーーーーーー
散らばった旅禍の6人の内、3人は重傷だった為
四番隊の救護牢に入れられ、1人は十一番隊に保護されているらしい。
後の2人…一護と夜一はどこかに身を潜めているのか霊圧を感じられず、行方不明のまま。
だが天寧の血は一護は強くなろうとしているのだと、騒いでいるから大丈夫だろう。問題は____
「先程入った各牢番からの緊急報告で__
阿散井副隊長、雛森副隊長、吉良副隊長の三名が…
牢から姿を消されたとのことです」
牢から姿を消した、
三人の副隊長…否“二人”の副隊長だ。
「天寧」
「恋次の方は大丈夫。
問題なのはイヅルと桃の二人ね。
この件、冬獅郎…日番谷隊長には?」
「既に耳に入れているかと」
「…(やっぱ…動くわよね…)」
「あいつ、動いてんのか」
「桃を助けに行く、あの人ならそう言うわ」
天寧の脳裏に浮かぶは藍染が遺した手紙…内容は知らない。だが…あれはきっと、“火種”だろう。
「兄さん、少し行ってくる」
「俺も行くぜ。
あのガキの事だ、雛森ばっかに目が行って暴走して、天寧が傷付く事になるかもしれねえだろ」
「…私はそう簡単に傷付いたりしないわ。
大切な人が傷付く方が…私はツラいのよ」
ーーーーーーーーーーー
同時刻、十番隊の執務室で三人の副隊長が脱走したという報告を受けた日番谷は一人、三番隊の隊舎にて吉良と、吉良を逃がした市丸と対峙した。
雛森が来る前に市丸を殺すと斬魄刀に手をかける日番谷だが、その前に現れたのは件の雛森であり___
「____やっと…見つけた……
こんな処に居たのね…」
「止せ雛森!!
お前の敵う相手じゃねえ!俺に任せて退がってろ!」
ゆっくりと雛森が抜刀する。
その刃は“雛森!!!”と叫ぶ日番谷の首に当てられる。
「___雛……森……?」
「…藍染隊長の……仇よ」
雛森の目には、涙が浮かんでいた。
「(天寧さん…ごめんなさい…っ)」
