尸魂界篇
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ゾワッ
「っ!!」
嫌な胸騒ぎを感じ天寧は目を覚ました。
勢いよく起き上がった事で、自身の胸に顔を埋めていた日番谷も目を覚まし大きな欠伸を漏らしながら“どうした”と聞く。
「…嫌な予感がする…!」
「!とりあえず着替えろ、話はそこからだ」
二人は死覇装に着替えると、部屋から出て辺りを見渡す。ガンガンと警鐘を鳴らすような頭痛に耐えて天寧はある方向へと目を向けた。
「…………」
「天寧、大丈夫かっ」
「…冬獅郎」
顔色の悪い天寧を支えると眉間に皺を寄せた天寧がこちらを向く。何かに耐えるように揺らめく炎のような瞳を見て思わず息を呑む。
「兄さんにもこの事を話してくる…
冬獅郎は自分の業務を優先して」
「天寧を置いて行けるかよ俺も行く」
「今、瀞霊廷は旅禍の侵攻もあって混乱してるのよ?隊長であるあなたがちゃんとしてないといけないの」
「いつもの面倒臭がりはどうしたよ」
「…私はただ変な責任を負いたくないだけ」
「そう言って今まで背負ってきた責任は一人じゃ背負いきれねぇものだったじゃねぇか、一人で背負うな、俺にも寄越せ」
「………」
“本当にこの子は…”と溜息が出そうになるけれど
それを飲み込んでありがとう…と呟いた。
「でも冬獅郎は十番隊の方に行ってあげて
乱菊もここ最近姿が見えないってうんざりしてたわよ」
「松本はいつもサボってるだけだろうが…
天寧を送ってから行く、それでいいな」
今日は副隊長が集まる定例集会もあるのだ、
迷っている時間はない。
ガンガンと警鐘を鳴らす頭を押さえ、耐えるように目を瞑る。
「っ…(本当に嫌になるわ…こんな血…!)
十三番隊の隊舎まで…お願い」
「わかった、行くぞ」
ーーーーーーーーーーー
十三番隊隊舎にて海燕と合流した天寧は
直ぐ様、海燕に相談を持ち掛けた。
ただでさえ緊迫した状況なのに…と海燕の眉間に皺が寄る。
「チッ、仙太郎!清音!」
「「はっ!!」」
隊長不在の隊首室に第三席の小椿と虎徹が入ってくる。海燕が浮竹の傍にいるよう指示を出すと二人は言い争いをしながらバタバタと部屋を出ていった。
「定例集会の時間だ、行くぞ」
賑やかな二人を見送り、海燕と天寧は定例集会へと向かう。だがどれだけ警戒をし警備を固めるようにしたとしても…天寧の中の血が鎮まる事はなかった。
「…」
胸を抑える天寧の頭に大きな手が乗る。
驚いて顔を上げると海燕が優しい笑みを浮かべていた。
「大丈夫だ、兄ちゃんがいるからな」
「!」
何が大丈夫なのか、根拠はない。
だが従兄の言葉は声は手はいつも自分や志波家の人達を支えてくれた。“あの時”と、同じように。
「___うん…ありがとう、兄さん」
「おう、天寧は笑顔が似合うんだから笑っとけ」
ぐしゃぐしゃと乱暴に頭を撫でられる。
でも安心するからと、天寧も甘えるように擦り寄った。
少しは気を紛らわせられたかな…なんて思っていても、天寧の血は騒ぎ続けている。
自分の血は間違った事を伝えない。
その嫌な予感はすぐに当たる事になった。
『いやあああああああああ』
「「「!!!」」」
突如瀞霊廷に響いた女の悲鳴。
その声は婚約者である日番谷の幼馴染で
天寧自身も妹のように可愛がってる…
「桃…!?」
始めに動いたのは三番隊の副隊長である吉良だった。
遅れて他の副隊長が動く中、天寧は違和感を感じて、足を止めた。
「(何…この違和感…!?)」
「天寧、どうした」
従妹の様子がおかしいことに気付いた海燕が駆け寄ってきて、顔を覗き込まれる。その顔は心配の色に染まっていて天寧は首を横に振った。
「大丈夫…それより桃の所へ行こう、何か…変な感じがするの」
嫌な予感…とも言い難い…何か。
あの嫌な予感とこの予感は別物なのか…
それが解らないのがもどかしい。
兎に角、行かなければ…と鈍い身体に鞭を打って
悲鳴が上がった方に向かう。
「どけって言うのがわからないの!!」
「だめだと言うのがわからないのか!!」
瀞霊廷内にある東大聖壁…
そこでは雛森と吉良が抜刀し対峙していた。
ただ事ではないと察した天寧と海燕は頷き合うと、今にも斬魄刀を解放しそうな二人を取り押さえた。
「そこまでよ」
「大人しくしろ、吉良、雛森」
「…………………__天寧さ…」
「し、志波副隊長…!!」
刀を持つ手を押さえ、首に左腕を回して手を添えると雛森は涙を浮かべたまま天寧を見上げた。
あの優しい子が何故こんな事を…と辺りを見渡すと
近くの壁に血が垂れているのが見え、その血を辿る。
「!!」
その血の先…壁の上の方…
そこには一振りの刀によって磔にされた藍染の姿があった。
「っ!!」
嫌な胸騒ぎを感じ天寧は目を覚ました。
勢いよく起き上がった事で、自身の胸に顔を埋めていた日番谷も目を覚まし大きな欠伸を漏らしながら“どうした”と聞く。
「…嫌な予感がする…!」
「!とりあえず着替えろ、話はそこからだ」
二人は死覇装に着替えると、部屋から出て辺りを見渡す。ガンガンと警鐘を鳴らすような頭痛に耐えて天寧はある方向へと目を向けた。
「…………」
「天寧、大丈夫かっ」
「…冬獅郎」
顔色の悪い天寧を支えると眉間に皺を寄せた天寧がこちらを向く。何かに耐えるように揺らめく炎のような瞳を見て思わず息を呑む。
「兄さんにもこの事を話してくる…
冬獅郎は自分の業務を優先して」
「天寧を置いて行けるかよ俺も行く」
「今、瀞霊廷は旅禍の侵攻もあって混乱してるのよ?隊長であるあなたがちゃんとしてないといけないの」
「いつもの面倒臭がりはどうしたよ」
「…私はただ変な責任を負いたくないだけ」
「そう言って今まで背負ってきた責任は一人じゃ背負いきれねぇものだったじゃねぇか、一人で背負うな、俺にも寄越せ」
「………」
“本当にこの子は…”と溜息が出そうになるけれど
それを飲み込んでありがとう…と呟いた。
「でも冬獅郎は十番隊の方に行ってあげて
乱菊もここ最近姿が見えないってうんざりしてたわよ」
「松本はいつもサボってるだけだろうが…
天寧を送ってから行く、それでいいな」
今日は副隊長が集まる定例集会もあるのだ、
迷っている時間はない。
ガンガンと警鐘を鳴らす頭を押さえ、耐えるように目を瞑る。
「っ…(本当に嫌になるわ…こんな血…!)
十三番隊の隊舎まで…お願い」
「わかった、行くぞ」
ーーーーーーーーーーー
十三番隊隊舎にて海燕と合流した天寧は
直ぐ様、海燕に相談を持ち掛けた。
ただでさえ緊迫した状況なのに…と海燕の眉間に皺が寄る。
「チッ、仙太郎!清音!」
「「はっ!!」」
隊長不在の隊首室に第三席の小椿と虎徹が入ってくる。海燕が浮竹の傍にいるよう指示を出すと二人は言い争いをしながらバタバタと部屋を出ていった。
「定例集会の時間だ、行くぞ」
賑やかな二人を見送り、海燕と天寧は定例集会へと向かう。だがどれだけ警戒をし警備を固めるようにしたとしても…天寧の中の血が鎮まる事はなかった。
「…」
胸を抑える天寧の頭に大きな手が乗る。
驚いて顔を上げると海燕が優しい笑みを浮かべていた。
「大丈夫だ、兄ちゃんがいるからな」
「!」
何が大丈夫なのか、根拠はない。
だが従兄の言葉は声は手はいつも自分や志波家の人達を支えてくれた。“あの時”と、同じように。
「___うん…ありがとう、兄さん」
「おう、天寧は笑顔が似合うんだから笑っとけ」
ぐしゃぐしゃと乱暴に頭を撫でられる。
でも安心するからと、天寧も甘えるように擦り寄った。
少しは気を紛らわせられたかな…なんて思っていても、天寧の血は騒ぎ続けている。
自分の血は間違った事を伝えない。
その嫌な予感はすぐに当たる事になった。
『いやあああああああああ』
「「「!!!」」」
突如瀞霊廷に響いた女の悲鳴。
その声は婚約者である日番谷の幼馴染で
天寧自身も妹のように可愛がってる…
「桃…!?」
始めに動いたのは三番隊の副隊長である吉良だった。
遅れて他の副隊長が動く中、天寧は違和感を感じて、足を止めた。
「(何…この違和感…!?)」
「天寧、どうした」
従妹の様子がおかしいことに気付いた海燕が駆け寄ってきて、顔を覗き込まれる。その顔は心配の色に染まっていて天寧は首を横に振った。
「大丈夫…それより桃の所へ行こう、何か…変な感じがするの」
嫌な予感…とも言い難い…何か。
あの嫌な予感とこの予感は別物なのか…
それが解らないのがもどかしい。
兎に角、行かなければ…と鈍い身体に鞭を打って
悲鳴が上がった方に向かう。
「どけって言うのがわからないの!!」
「だめだと言うのがわからないのか!!」
瀞霊廷内にある東大聖壁…
そこでは雛森と吉良が抜刀し対峙していた。
ただ事ではないと察した天寧と海燕は頷き合うと、今にも斬魄刀を解放しそうな二人を取り押さえた。
「そこまでよ」
「大人しくしろ、吉良、雛森」
「…………………__天寧さ…」
「し、志波副隊長…!!」
刀を持つ手を押さえ、首に左腕を回して手を添えると雛森は涙を浮かべたまま天寧を見上げた。
あの優しい子が何故こんな事を…と辺りを見渡すと
近くの壁に血が垂れているのが見え、その血を辿る。
「!!」
その血の先…壁の上の方…
そこには一振りの刀によって磔にされた藍染の姿があった。
