未来編
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各々が来たる作戦日のために修行を重ね、
3日後………
時雨は短刀ではなく打刀を片手に
山本がいるであろう部屋に近付いてその襖を切り捨てる。
すると足下に水が流れてきて
時雨の頭上を燕が飛び回る。
目の前には時雨金時に炎を纏わせて構えている山本。
「「時雨蒼燕流」」
「攻式 六の型」
「特式 十の型」
動き出したのはほぼ同時。
燕と共に突っ込んでくる山本を迎え撃つべく
時雨は刀を振り上げた。
「燕特攻 !!!」
「神立!!」
ザンッ!!ザァァ…
2つの刃がぶつかり合い2人の間に雨が降る。
その雨が降り止むと同時に時雨のボロ布と髪飾りが床に落ちた。
「………お見事。
山本武、私からの試験は合格と見なします。
よく頑張りましたね」
刀を鞘に納め、
床に落ちた布と髪飾りを拾う。
ニコッと優しく笑うと山本は安堵の息を吐いた。
「ありがとうございます!!」
「では、ご褒美をあげますね〜」
「ごほーび?」
疑問符を飛ばしている山本を手招きし
簡易なキッチンとなっている奥の部屋へと呼ぶと、時雨は割烹着を身に着けた。
「座って待っててね、すぐに作るから」
「作るって、何を?」
布と髪飾りと刀を置いて手を洗うと
炊き立ての白米を三角に握っていく。
焼き海苔を巻いたり、ふりかけをかけたり
中に昆布や鮭などを入れたり、どんどん作って皿に乗せていく。
あっという間に炊飯器の中は空っぽになり、
大量のおにぎりが乗った皿を山本の前に置いた。
「おにぎり…?」
「はい、修行で疲れたでしょう?
いっぱい食べてお腹を満たしてね」
時雨はそう言って笑うとお湯を沸かし始め、湯呑みと茶葉を出した。
山本は大量のおにぎりに唖然としながらも自身の腹の音で我に返り、手を合わせた。
「いただきます!」
ガツガツ…ムシャムシャ…
自分でも気が付かないほど腹が空いていたのか
おにぎりを食べる口や持つ手は止まらない。
時雨はその様子を微笑ましそうに見つめ、お茶を差し出した。
「どうかしら」
「うまいっス!
時雨さんのおにぎり、親父のよりうめー!何個でも食べれそうだぜ!」
「ふふ、ありがとう。
未来のあなたも好きでね、お仕事で遠くに行った後とかよくせがまれて作ってたの〜」
今回の件が一段落したらまた作らないいけないわね〜と笑っていた時雨は徐ろに口を閉じ、俯いた。
「……武君」
「?はい」
「私に勝ったら私のことを話す。
その約束を、果たしましょうか」
真剣な声音で紡がれたそれに動きが止まる。
時雨は優しく微笑んでいて
傍に立てかけておいた刀を優しく撫でている。
「答えられる範囲で質問に答えるわ」
「………」
ーーーーーーーーーー
夜、朝陽は1人、机と向き合っていた。
机の上には雲雀にも見せたあの石と紙。
「………会えて、ない……」
石と“なってしまった”それに指を滑らせ
何も反応がないそれに虚しさだけが残る。
修行が一段落し、
あとは作戦当日に向けて体調を整えるだけ。
余裕ができた瞬間、一気に虚しさが押し寄せて来た。
「………………」
「戻ってたのかい?」
思いに更けていると襖が開いて、
着物姿の雲雀が入ってきた。
雲雀はその手を伸ばして朝陽を後ろから抱きしめるとその耳に口を寄せる。
「僕がいるのにこの石ころに夢中なのかい?」
「………石ころと言ってくれるな。
それと今の私は君の妻じゃない、他人だ」
「大丈夫、近い将来そうなるから」
“安心して”と吐息混じりの声で囁かれ
思わず身震いする。
何が安心しろだと心中で悪態をついて、石ころと呼ばれたそれを握り締める。
「……それで、何しに来たんだ」
「可愛げがないね」
「君が言うのか…!?」
「心外だよ。
あぁ、それと作戦についてだけど。
朝陽、君は僕とここで待機だよ」
「何?」
「正確には攻めてくるであろう群れの排除」
「!なるほど、奴らも嗅ぎ付けていたのか…
だが私が行かずともおまえなら…」
「はぁ、君はミルフィオーレから狙われてるんだよ?君が出向いたら、敵に捕まりに行くものじゃないか、そんな君を僕が離すとでも?」
“何言ってるの?”と呆れた顔で言われ、
朝陽もジト目になって雲雀を見返す。
だが雲雀の言うことも理解できるから素直に頷いた。
「さっさと片付けて綱吉達と合流し、
“作戦”を成功させやすくする、それが条件だ」
3日後………
時雨は短刀ではなく打刀を片手に
山本がいるであろう部屋に近付いてその襖を切り捨てる。
すると足下に水が流れてきて
時雨の頭上を燕が飛び回る。
目の前には時雨金時に炎を纏わせて構えている山本。
「「時雨蒼燕流」」
「攻式 六の型」
「特式 十の型」
動き出したのはほぼ同時。
燕と共に突っ込んでくる山本を迎え撃つべく
時雨は刀を振り上げた。
「
「神立!!」
ザンッ!!ザァァ…
2つの刃がぶつかり合い2人の間に雨が降る。
その雨が降り止むと同時に時雨のボロ布と髪飾りが床に落ちた。
「………お見事。
山本武、私からの試験は合格と見なします。
よく頑張りましたね」
刀を鞘に納め、
床に落ちた布と髪飾りを拾う。
ニコッと優しく笑うと山本は安堵の息を吐いた。
「ありがとうございます!!」
「では、ご褒美をあげますね〜」
「ごほーび?」
疑問符を飛ばしている山本を手招きし
簡易なキッチンとなっている奥の部屋へと呼ぶと、時雨は割烹着を身に着けた。
「座って待っててね、すぐに作るから」
「作るって、何を?」
布と髪飾りと刀を置いて手を洗うと
炊き立ての白米を三角に握っていく。
焼き海苔を巻いたり、ふりかけをかけたり
中に昆布や鮭などを入れたり、どんどん作って皿に乗せていく。
あっという間に炊飯器の中は空っぽになり、
大量のおにぎりが乗った皿を山本の前に置いた。
「おにぎり…?」
「はい、修行で疲れたでしょう?
いっぱい食べてお腹を満たしてね」
時雨はそう言って笑うとお湯を沸かし始め、湯呑みと茶葉を出した。
山本は大量のおにぎりに唖然としながらも自身の腹の音で我に返り、手を合わせた。
「いただきます!」
ガツガツ…ムシャムシャ…
自分でも気が付かないほど腹が空いていたのか
おにぎりを食べる口や持つ手は止まらない。
時雨はその様子を微笑ましそうに見つめ、お茶を差し出した。
「どうかしら」
「うまいっス!
時雨さんのおにぎり、親父のよりうめー!何個でも食べれそうだぜ!」
「ふふ、ありがとう。
未来のあなたも好きでね、お仕事で遠くに行った後とかよくせがまれて作ってたの〜」
今回の件が一段落したらまた作らないいけないわね〜と笑っていた時雨は徐ろに口を閉じ、俯いた。
「……武君」
「?はい」
「私に勝ったら私のことを話す。
その約束を、果たしましょうか」
真剣な声音で紡がれたそれに動きが止まる。
時雨は優しく微笑んでいて
傍に立てかけておいた刀を優しく撫でている。
「答えられる範囲で質問に答えるわ」
「………」
ーーーーーーーーーー
夜、朝陽は1人、机と向き合っていた。
机の上には雲雀にも見せたあの石と紙。
「………会えて、ない……」
石と“なってしまった”それに指を滑らせ
何も反応がないそれに虚しさだけが残る。
修行が一段落し、
あとは作戦当日に向けて体調を整えるだけ。
余裕ができた瞬間、一気に虚しさが押し寄せて来た。
「………………」
「戻ってたのかい?」
思いに更けていると襖が開いて、
着物姿の雲雀が入ってきた。
雲雀はその手を伸ばして朝陽を後ろから抱きしめるとその耳に口を寄せる。
「僕がいるのにこの石ころに夢中なのかい?」
「………石ころと言ってくれるな。
それと今の私は君の妻じゃない、他人だ」
「大丈夫、近い将来そうなるから」
“安心して”と吐息混じりの声で囁かれ
思わず身震いする。
何が安心しろだと心中で悪態をついて、石ころと呼ばれたそれを握り締める。
「……それで、何しに来たんだ」
「可愛げがないね」
「君が言うのか…!?」
「心外だよ。
あぁ、それと作戦についてだけど。
朝陽、君は僕とここで待機だよ」
「何?」
「正確には攻めてくるであろう群れの排除」
「!なるほど、奴らも嗅ぎ付けていたのか…
だが私が行かずともおまえなら…」
「はぁ、君はミルフィオーレから狙われてるんだよ?君が出向いたら、敵に捕まりに行くものじゃないか、そんな君を僕が離すとでも?」
“何言ってるの?”と呆れた顔で言われ、
朝陽もジト目になって雲雀を見返す。
だが雲雀の言うことも理解できるから素直に頷いた。
「さっさと片付けて綱吉達と合流し、
“作戦”を成功させやすくする、それが条件だ」