未来編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
γの匣から数字の書かれた色とりどりの球が出てきて、緑色の雷を纏い時雨を襲ってきた。
「時雨蒼燕流 守式二の型 花時雨」
舞うように刀を振るう。
瞬間、青い炎が花びらのように散り、襲ってきた球が失速…時雨の周りに落ちた。
「(ビリヤード…)」
『主、気をつけろ。
当たったらケガどころじゃ済まないぞ』
「……物を斬るのは、気が滅入るわね…」
「まだ終わりじゃねぇぞ」
地面に落ちた球を見つめていると
γの持つ棒…ビリヤードのキューに雷が纏い
落ちた球が浮かび上がる。
「時雨さん!」
「………あまり使いたくなかったけれど…
…“私、山本時雨は味方、敵はγ”……」
「何をするつもりだか知らねぇが、大人しく召されな」
「“敵に突っ込みなさい”」
バチバチッ
「?なっ!!?」
時雨に向けて弾いたはずの球が
方向転換し、打った本人であるγへと向かう。
瞬時に避けるが、球はまるで意思があるような複雑な動きを取りγを翻弄する。
「くっ…!!」
「あなや、防ぎますか〜」
γは右手に嵌めているリングから雷を放ち
球を落とすと匣の中へ戻した。
「一体何をした」
「大層なことはしてないわ〜
私はただ、あの子達に語りかけただけよ〜
あなた達のご主人様は悪い人なのよ〜って」
物にも魂は宿り、
大事にすればするほど声は届く。
詠うように紡がれた言葉にγは意味がわからないと目を吊り上げる。
「あなや、風流がわからないのね〜
と、なると…雅もわからないのかしら〜」
「悪ぃな、オレにはフウリュウとやらもミヤビとやらも理解できないんだ、ジャポネーゼ特有のものかい?」
「……日本には物を大事にする習慣がある。
何年も、何年も、壊れたら直して使い続ける習慣があるの。
そして100年経つ頃に神が宿るとされているわ。
それを付喪神、と言うの」
「ツクモガミ、ねぇ」
「信じるも信じないもあなた次第。
でもあなたに反逆したあの子達は間違いなく…心が宿っていた」
「つまり何か、おまえはオレのもんを唆した…と?」
「言い方は悪いけどそうなるわね〜
あなたの武器は…作られたばかりかしら?
案外すぐに言う事を聞いてくれたわ〜」
“可愛い子達ね〜”
くすくす笑っていると凄まじい勢いで雷が襲ってきた。それを飛んで避け、刀を構え直す。
鋒を向けた先には雷を纏う2匹の狐がいた。
「雷狐 。
お淑やかなヤマトナデシコ…ってやつかと思ってたがとんだ悪女だな」
「あなや、心外ね〜
女の子はずる賢いのよ〜?」
『奴さんの得物は中々のもんだが
俺っち達からしたらまだまだ赤子同然。
だがこれ以上の言霊は大将の身が危ねぇ……
どうする、俺っち達が出るか?』
「……(私の仕事は彼らを守ること。
雲雀君や朝陽さんが来るまで時間を稼いで…彼らを守り通してみせる。)」
山本と獄寺が心配そうに時雨を見ている。
それを背中で受けて時雨は大きく息を吐くと刀に炎を纏わせた。
「大丈夫、上手くやるわ」
布が風に乗って揺らめくと、
またどこからか花びらが舞い時雨の周りに短い刀が数振り現れた。それぞれ青い炎が纏い、γへと刃を向けている。
「行け」
時雨が刀を振り下ろすと
周りに浮いていた刀が一斉にγへと向かい
まるで人が使っているかのような鋭い斬撃を放つ。
「ぐ…!
(どうなってやがる…
マフィアとは関係ねぇはずじゃ…!)
女を狙え!」
「!時雨さん!!」
「離れて」
「「!」」
その攻撃を掻い潜って、狐が時雨に向かって来る。
飛び出そうとする山本と獄寺を短刀を地面に向けて投げる事で制止し、時雨は上段の構えを取った。
「時雨蒼燕流 攻式六の型 神立!」
狐が目の前に迫って来るのと同時に
勢いよく刀を振り下ろす。
瞬間、雷が鳴ったような轟音が響き、
土煙と共に強烈な雨が降り注ぐ。
「「「!?」」」
雨はすぐに止み、土煙がゆっくりと晴れていく。
土煙の隙間から地面に伏せている狐の姿と
肩で息をしている時雨の姿が見えた。
「はは、こりゃ対した女だ……
まさか狐と互角にやりあうとはな」
“だが”と続けて、時雨を見れば
彼女はゆっくりと膝から崩れ落ちた。
γを襲っていた短刀達も花びらに包まれながら消え、γは短刀に傷つけられた箇所を撫でながら時雨を見下ろす。
「う……」
「時雨さん!!」
山本は倒れた時雨を抱き上げて
守るように頭を胸に押し付ける。
獄寺も匣を開いて戦闘態勢に入っていおり
山本は時雨金時を構える…が、その手に自分より小さな手が重なった。
「……」
「!時雨さん…?」
「“早く、来て…雲雀恭弥…守沢朝陽”」
「時雨蒼燕流 守式二の型 花時雨」
舞うように刀を振るう。
瞬間、青い炎が花びらのように散り、襲ってきた球が失速…時雨の周りに落ちた。
「(ビリヤード…)」
『主、気をつけろ。
当たったらケガどころじゃ済まないぞ』
「……物を斬るのは、気が滅入るわね…」
「まだ終わりじゃねぇぞ」
地面に落ちた球を見つめていると
γの持つ棒…ビリヤードのキューに雷が纏い
落ちた球が浮かび上がる。
「時雨さん!」
「………あまり使いたくなかったけれど…
…“私、山本時雨は味方、敵はγ”……」
「何をするつもりだか知らねぇが、大人しく召されな」
「“敵に突っ込みなさい”」
バチバチッ
「?なっ!!?」
時雨に向けて弾いたはずの球が
方向転換し、打った本人であるγへと向かう。
瞬時に避けるが、球はまるで意思があるような複雑な動きを取りγを翻弄する。
「くっ…!!」
「あなや、防ぎますか〜」
γは右手に嵌めているリングから雷を放ち
球を落とすと匣の中へ戻した。
「一体何をした」
「大層なことはしてないわ〜
私はただ、あの子達に語りかけただけよ〜
あなた達のご主人様は悪い人なのよ〜って」
物にも魂は宿り、
大事にすればするほど声は届く。
詠うように紡がれた言葉にγは意味がわからないと目を吊り上げる。
「あなや、風流がわからないのね〜
と、なると…雅もわからないのかしら〜」
「悪ぃな、オレにはフウリュウとやらもミヤビとやらも理解できないんだ、ジャポネーゼ特有のものかい?」
「……日本には物を大事にする習慣がある。
何年も、何年も、壊れたら直して使い続ける習慣があるの。
そして100年経つ頃に神が宿るとされているわ。
それを付喪神、と言うの」
「ツクモガミ、ねぇ」
「信じるも信じないもあなた次第。
でもあなたに反逆したあの子達は間違いなく…心が宿っていた」
「つまり何か、おまえはオレのもんを唆した…と?」
「言い方は悪いけどそうなるわね〜
あなたの武器は…作られたばかりかしら?
案外すぐに言う事を聞いてくれたわ〜」
“可愛い子達ね〜”
くすくす笑っていると凄まじい勢いで雷が襲ってきた。それを飛んで避け、刀を構え直す。
鋒を向けた先には雷を纏う2匹の狐がいた。
「
お淑やかなヤマトナデシコ…ってやつかと思ってたがとんだ悪女だな」
「あなや、心外ね〜
女の子はずる賢いのよ〜?」
『奴さんの得物は中々のもんだが
俺っち達からしたらまだまだ赤子同然。
だがこれ以上の言霊は大将の身が危ねぇ……
どうする、俺っち達が出るか?』
「……(私の仕事は彼らを守ること。
雲雀君や朝陽さんが来るまで時間を稼いで…彼らを守り通してみせる。)」
山本と獄寺が心配そうに時雨を見ている。
それを背中で受けて時雨は大きく息を吐くと刀に炎を纏わせた。
「大丈夫、上手くやるわ」
布が風に乗って揺らめくと、
またどこからか花びらが舞い時雨の周りに短い刀が数振り現れた。それぞれ青い炎が纏い、γへと刃を向けている。
「行け」
時雨が刀を振り下ろすと
周りに浮いていた刀が一斉にγへと向かい
まるで人が使っているかのような鋭い斬撃を放つ。
「ぐ…!
(どうなってやがる…
マフィアとは関係ねぇはずじゃ…!)
女を狙え!」
「!時雨さん!!」
「離れて」
「「!」」
その攻撃を掻い潜って、狐が時雨に向かって来る。
飛び出そうとする山本と獄寺を短刀を地面に向けて投げる事で制止し、時雨は上段の構えを取った。
「時雨蒼燕流 攻式六の型 神立!」
狐が目の前に迫って来るのと同時に
勢いよく刀を振り下ろす。
瞬間、雷が鳴ったような轟音が響き、
土煙と共に強烈な雨が降り注ぐ。
「「「!?」」」
雨はすぐに止み、土煙がゆっくりと晴れていく。
土煙の隙間から地面に伏せている狐の姿と
肩で息をしている時雨の姿が見えた。
「はは、こりゃ対した女だ……
まさか狐と互角にやりあうとはな」
“だが”と続けて、時雨を見れば
彼女はゆっくりと膝から崩れ落ちた。
γを襲っていた短刀達も花びらに包まれながら消え、γは短刀に傷つけられた箇所を撫でながら時雨を見下ろす。
「う……」
「時雨さん!!」
山本は倒れた時雨を抱き上げて
守るように頭を胸に押し付ける。
獄寺も匣を開いて戦闘態勢に入っていおり
山本は時雨金時を構える…が、その手に自分より小さな手が重なった。
「……」
「!時雨さん…?」
「“早く、来て…雲雀恭弥…守沢朝陽”」