未来編
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次に目が覚めたのは、夜だった。
視界もよくなり、頭の痛みも引いて来たが違和感は消えていない。
「(委員長君は…)」
頭を抑えながら立ち上がり、部屋から出た。
長い廊下が続いているが1つの部屋から明かりが漏れていて気配を消してそっち近づいてみる。
「……」
少し開いている襖を覗くと、
着流し姿の雲雀が何かを必死に見ていた。
古ぼけた紙みたいだが、裏面に描かれたイラストと文字を見てハッ…と息を呑む。
その音に気付いたのか雲雀がこちらを見て
襖を勢いよく開けた。
「起きたのかい」
「あ、あぁ…今…起きて…」
雲雀は“そう”と呟き、驚き固まっている朝陽の手を引き中へと入れる。
座布団を出して朝陽を座らせるが彼女の目は自分が持っている紙で、雲雀は目を細めた。
「知っているようだね」
「……近くに石みたいなものは」
「これだね」
懐に入れていたあの石を取り出して、目の前に置く。
途端、朝陽の目が見るからに死んでいくのを、見逃さなかった。
「僕もさっき見つけたばかりでね」
「知らなかったのか」
「うん、悔しいけどね、
それでこれはなんだい?」
コロン…と虚しく転がる石のようなものと
古ぼけた絵本のような紙。
朝陽はその石に触れ、大切な宝物のように指を滑らせた。
「……これはある人物の罪の結晶」
「罪?」
「この紙はその一部が綴られているんだ」
雲雀からその紙を受け取り、
暗号のようなその文字をなぞって
まるで読み聞かせをするようにそれを紡いだ。
「ニンゲンは言いました。
“あの闇は私が封印しよう。
何年でも何十年でも何百年でも何千年でも…
何万年でも…抑え続けていよう”」
「……」
「どういう意味かは未来の私に聞いてくれ。
私が言えるのはここまでだ。」
「言わないつもり?」
「言った所でおまえは理解できない。
新たな問題をここで増やすわけにはいかないしな」
朝陽はそう言うと紙を雲雀に返して
その石を拾い上げる。
ひび割れて使い方もわからないそれを大事そうに握りしめ、雲雀の手に乗せた。
「……気に入らないけど…
君のことだし、何かしらの考えがあってのことだよね」
「悩みのタネを増やしたくないだけだよ、
それにまだ本調子じゃないし」
「それを早く言いなよ、ほら部屋に戻るよ」
雲雀によって引き寄せられ部屋に戻ろうと歩みを進められるが、朝陽は首を横に振って、その歩みを止める。
「少し話をしたいと思ったんだ。
あの子達との合流について」
「……」
「綱吉の風であり、あらゆる面で情報通な私と最強の守護者であるおまえは今の綱吉達には必要不可欠。
きっと探しに来るだろうし、
逆に敵に利用されてしまうだろう。」
「……」
「頼む恭弥、私達は一刻も早く
綱吉達と合流しないと行けないんだ。
そうだろう?」
雲雀を見上げそう言うが、彼は何も言わず
ただ無表情で朝陽を見下ろしていた。
「恭弥」
「君の療養が優先だよ。
そんなに早く行きたいならその体を休めることだ」
「!…あぁ、ありがとう」
ぶっきらぼうに言われた言葉は朝陽の表情を明るくさせるに十分だった。
するとどこからか並盛中の校歌が流れ始め
ぽすんっと雲雀の頭に乗っかった。
「…………鳥が……歌ってる……」
朝陽はいきなり現れたそれに呆然としていたが、やがて頬を赤らめて、目をキラキラとさせ、その鳥を見つめた。
「みーどーりーたなーびくーなーみーもーりーのー」
「き、記憶で見た通りだ!
歌う黄色い鳥!委員長君!この子ちょうだい!」
「………呼び方」
「恭弥!!
はーーー!歌う鳥!なんて魅力的なんだ!!
君!私の作った曲を歌う気はない!?」
「アサヒ♪アサヒ♪」
「おお!私の名前も呼べるのか!
恭弥!頼む!この子を私にくれ!」
「過去のこの子には会ってないの」
「ない!!
くぅ!こうしちゃいられない!
すぐにヒバード君用の曲を作らなきゃ!
インスピレーション湧いてきたー!」
「やめろ、落ち着け、寝ろ」
「やだ!!」
「こいつ…」
寝かせたい雲雀と曲を作りたい朝陽の攻防は強制的に寝かせた雲雀に軍配が上がり、翌朝朝陽から絶望の悲鳴が上がるのだが……それはまた別の話。
「インスピレーションがぁぁぁぁ」
「いい加減にしてくれるかい」
「?」
視界もよくなり、頭の痛みも引いて来たが違和感は消えていない。
「(委員長君は…)」
頭を抑えながら立ち上がり、部屋から出た。
長い廊下が続いているが1つの部屋から明かりが漏れていて気配を消してそっち近づいてみる。
「……」
少し開いている襖を覗くと、
着流し姿の雲雀が何かを必死に見ていた。
古ぼけた紙みたいだが、裏面に描かれたイラストと文字を見てハッ…と息を呑む。
その音に気付いたのか雲雀がこちらを見て
襖を勢いよく開けた。
「起きたのかい」
「あ、あぁ…今…起きて…」
雲雀は“そう”と呟き、驚き固まっている朝陽の手を引き中へと入れる。
座布団を出して朝陽を座らせるが彼女の目は自分が持っている紙で、雲雀は目を細めた。
「知っているようだね」
「……近くに石みたいなものは」
「これだね」
懐に入れていたあの石を取り出して、目の前に置く。
途端、朝陽の目が見るからに死んでいくのを、見逃さなかった。
「僕もさっき見つけたばかりでね」
「知らなかったのか」
「うん、悔しいけどね、
それでこれはなんだい?」
コロン…と虚しく転がる石のようなものと
古ぼけた絵本のような紙。
朝陽はその石に触れ、大切な宝物のように指を滑らせた。
「……これはある人物の罪の結晶」
「罪?」
「この紙はその一部が綴られているんだ」
雲雀からその紙を受け取り、
暗号のようなその文字をなぞって
まるで読み聞かせをするようにそれを紡いだ。
「ニンゲンは言いました。
“あの闇は私が封印しよう。
何年でも何十年でも何百年でも何千年でも…
何万年でも…抑え続けていよう”」
「……」
「どういう意味かは未来の私に聞いてくれ。
私が言えるのはここまでだ。」
「言わないつもり?」
「言った所でおまえは理解できない。
新たな問題をここで増やすわけにはいかないしな」
朝陽はそう言うと紙を雲雀に返して
その石を拾い上げる。
ひび割れて使い方もわからないそれを大事そうに握りしめ、雲雀の手に乗せた。
「……気に入らないけど…
君のことだし、何かしらの考えがあってのことだよね」
「悩みのタネを増やしたくないだけだよ、
それにまだ本調子じゃないし」
「それを早く言いなよ、ほら部屋に戻るよ」
雲雀によって引き寄せられ部屋に戻ろうと歩みを進められるが、朝陽は首を横に振って、その歩みを止める。
「少し話をしたいと思ったんだ。
あの子達との合流について」
「……」
「綱吉の風であり、あらゆる面で情報通な私と最強の守護者であるおまえは今の綱吉達には必要不可欠。
きっと探しに来るだろうし、
逆に敵に利用されてしまうだろう。」
「……」
「頼む恭弥、私達は一刻も早く
綱吉達と合流しないと行けないんだ。
そうだろう?」
雲雀を見上げそう言うが、彼は何も言わず
ただ無表情で朝陽を見下ろしていた。
「恭弥」
「君の療養が優先だよ。
そんなに早く行きたいならその体を休めることだ」
「!…あぁ、ありがとう」
ぶっきらぼうに言われた言葉は朝陽の表情を明るくさせるに十分だった。
するとどこからか並盛中の校歌が流れ始め
ぽすんっと雲雀の頭に乗っかった。
「…………鳥が……歌ってる……」
朝陽はいきなり現れたそれに呆然としていたが、やがて頬を赤らめて、目をキラキラとさせ、その鳥を見つめた。
「みーどーりーたなーびくーなーみーもーりーのー」
「き、記憶で見た通りだ!
歌う黄色い鳥!委員長君!この子ちょうだい!」
「………呼び方」
「恭弥!!
はーーー!歌う鳥!なんて魅力的なんだ!!
君!私の作った曲を歌う気はない!?」
「アサヒ♪アサヒ♪」
「おお!私の名前も呼べるのか!
恭弥!頼む!この子を私にくれ!」
「過去のこの子には会ってないの」
「ない!!
くぅ!こうしちゃいられない!
すぐにヒバード君用の曲を作らなきゃ!
インスピレーション湧いてきたー!」
「やめろ、落ち着け、寝ろ」
「やだ!!」
「こいつ…」
寝かせたい雲雀と曲を作りたい朝陽の攻防は強制的に寝かせた雲雀に軍配が上がり、翌朝朝陽から絶望の悲鳴が上がるのだが……それはまた別の話。
「インスピレーションがぁぁぁぁ」
「いい加減にしてくれるかい」
「?」