未来編
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用があるからと雲雀が退出し
部屋には朝陽だけが残った。
チェーンからボンゴレリングを外し、指に嵌めてみる。グッと力を込めてみるも何も起きない。
だが朝陽はまるで誘導されるように匣へとリングを嵌め込んだ。
すると匣ば開き、中から白く小さな兎が出てきて、ちょこんと布団の上に乗った。
「…ブラン」
「♪」
兎の名を呼べばピンク色の瞳を輝かせ、
朝陽の手に擦り寄る。
兎…ブランを撫でながら、部屋の窓から見える空を見上げる。
「……早い所綱吉達と合流しないとだな…」
急に未来 に飛ばされた彼らはきっと困惑しているだろう。困惑しながらも少しずつ前に進んで、その度に迷っているだろう。
「ピス…ピス…」
「……信じてるぞ、綱吉」
ブランを匣に戻し、リングにチェーンを通す。
……ぐらっと視界が暗転し、布団へと沈む。
目の前が二重にも三重にも重なり、暗くなっていく。
「ぁ……インスピレーションわいた…」
ーーーーーーーーーー
風紀委員だった頃からの右腕である草壁から
過去の綱吉達が来たと報告を受け
雲雀は黒曜の一件以来ずっと一緒にいるヒバードを飛ばそうと外に出ていた。
「みーどーりーたなーびくー♪」
ヒバードは飛びながら並盛中の校歌を歌い
時節何かを探すようにキョロキョロと
辺りを見渡している。
「……」
『なぁなぁヒバード!このフレーズ歌える!?』
「なーみーもーりーのー♪」
『最っ高!
やっぱりヒバード天才!恭弥!聞いた!?』
そういえば、朝陽はよく指揮棒代わりなのか、細い木の枝を持ってヒバードと楽しく歌っていた。
雲雀はヒバードを見上げ口を開く。
「……朝陽なら部屋だよ」
「アサヒ♪アサヒ♪」
「また後でおいで、今は自由に飛んでいいから」
ヒバードはわかっているのかいないのか、
何も言わぬままどこかへと飛び去っていく。
それを見送って、朝陽の部屋を覗きに戻った。
「朝陽?」
中を覗けば中途半端に布団をかけ、眠っている朝陽がいて、なるべく物音を立てないように近付いた。
「……」
布団をかけ直そうと膝を折るが、
そこで初めて朝陽の寝息が荒いことに気付いた。
「……やっぱり…無理をしてたんだね…
病気には人一倍うるさいくせに」
起きる様子のない彼女の頭を撫で、布団をかけ直す。
するとどこからか、しなやかな黒猫が現れ小さく鳴いた。
「…ノワール、どこにいたの?」
「にゃ〜ん」
「……」
ノワールと呼ばれた黒猫は一つあくびをすると雲雀に目もくれず枕元に置いてある匣に触れようと腕を伸ばす。
「戻る前に教えて、君はこっちの朝陽によって開匣されて出てきたのかい?それとも…」
ノワールは雲雀を見るやいなや、
ベッと舌を出して匣の中に戻った。
それに苛立ち、舌打ちすると朝陽の瞼がゆっくりと動いた。
「…ぃいーんちょーくん…?」
「……まだ寝てていいよ」
「……」
その瞼を隠すように手を置くと
数秒とせず寝息を立て始めた。
やはりその息遣いはいつもより荒い。
「……なんでいつも一人で抱えるんだい」
耳を澄ませないと聞こえない荒い寝息。
よく見れば顔色も悪い。
だがその寝顔はその寝息と顔色からは信じられない位、安らかだった。
なんで表に出そうとしない?
なんで隠すそうとする?
傍には僕しかいないのに。
「僕は、君の夫なんだよ…」
その言葉は虚しく消える。
朝陽は起きる気配もないし、書き置きでもして仕事に移ろうと、勝手ながら彼女が愛用している机の引き出しを漁る。
鉛筆やらボールペンやら乱雑に入っているそこから近くにあったボールペンを取り出し、今度は紙を…と漁っていると石のようなものと1枚の古ぼけた紙が目に入った。
「こんなものあったっけ…」
その石は掌に納まる程の小さなもので
よく見るとボタンと画面のようなものがついていた。ボタンを押そうとしても上手く押せず、画面を押しても何も起きなかった。
古ぼけた紙には文字のようなものと
絵本のようなイラストが描かれていた。
文字の方はどう見ても日本語ではなく、
海外のものでもない。見覚えのないものだった。
イラストの方は長い髪の女の子と小さな竜のようなものが描かれていたが白黒故に色まではわからない。
「……」
朝陽なら知っているかもしれないと
ひとまずその石と紙を机の上に起き、改めて紙を探した。
「…君は…何を隠しているんだい…」
部屋には朝陽だけが残った。
チェーンからボンゴレリングを外し、指に嵌めてみる。グッと力を込めてみるも何も起きない。
だが朝陽はまるで誘導されるように匣へとリングを嵌め込んだ。
すると匣ば開き、中から白く小さな兎が出てきて、ちょこんと布団の上に乗った。
「…ブラン」
「♪」
兎の名を呼べばピンク色の瞳を輝かせ、
朝陽の手に擦り寄る。
兎…ブランを撫でながら、部屋の窓から見える空を見上げる。
「……早い所綱吉達と合流しないとだな…」
急に
「ピス…ピス…」
「……信じてるぞ、綱吉」
ブランを匣に戻し、リングにチェーンを通す。
……ぐらっと視界が暗転し、布団へと沈む。
目の前が二重にも三重にも重なり、暗くなっていく。
「ぁ……インスピレーションわいた…」
ーーーーーーーーーー
風紀委員だった頃からの右腕である草壁から
過去の綱吉達が来たと報告を受け
雲雀は黒曜の一件以来ずっと一緒にいるヒバードを飛ばそうと外に出ていた。
「みーどーりーたなーびくー♪」
ヒバードは飛びながら並盛中の校歌を歌い
時節何かを探すようにキョロキョロと
辺りを見渡している。
「……」
『なぁなぁヒバード!このフレーズ歌える!?』
「なーみーもーりーのー♪」
『最っ高!
やっぱりヒバード天才!恭弥!聞いた!?』
そういえば、朝陽はよく指揮棒代わりなのか、細い木の枝を持ってヒバードと楽しく歌っていた。
雲雀はヒバードを見上げ口を開く。
「……朝陽なら部屋だよ」
「アサヒ♪アサヒ♪」
「また後でおいで、今は自由に飛んでいいから」
ヒバードはわかっているのかいないのか、
何も言わぬままどこかへと飛び去っていく。
それを見送って、朝陽の部屋を覗きに戻った。
「朝陽?」
中を覗けば中途半端に布団をかけ、眠っている朝陽がいて、なるべく物音を立てないように近付いた。
「……」
布団をかけ直そうと膝を折るが、
そこで初めて朝陽の寝息が荒いことに気付いた。
「……やっぱり…無理をしてたんだね…
病気には人一倍うるさいくせに」
起きる様子のない彼女の頭を撫で、布団をかけ直す。
するとどこからか、しなやかな黒猫が現れ小さく鳴いた。
「…ノワール、どこにいたの?」
「にゃ〜ん」
「……」
ノワールと呼ばれた黒猫は一つあくびをすると雲雀に目もくれず枕元に置いてある匣に触れようと腕を伸ばす。
「戻る前に教えて、君はこっちの朝陽によって開匣されて出てきたのかい?それとも…」
ノワールは雲雀を見るやいなや、
ベッと舌を出して匣の中に戻った。
それに苛立ち、舌打ちすると朝陽の瞼がゆっくりと動いた。
「…ぃいーんちょーくん…?」
「……まだ寝てていいよ」
「……」
その瞼を隠すように手を置くと
数秒とせず寝息を立て始めた。
やはりその息遣いはいつもより荒い。
「……なんでいつも一人で抱えるんだい」
耳を澄ませないと聞こえない荒い寝息。
よく見れば顔色も悪い。
だがその寝顔はその寝息と顔色からは信じられない位、安らかだった。
なんで表に出そうとしない?
なんで隠すそうとする?
傍には僕しかいないのに。
「僕は、君の夫なんだよ…」
その言葉は虚しく消える。
朝陽は起きる気配もないし、書き置きでもして仕事に移ろうと、勝手ながら彼女が愛用している机の引き出しを漁る。
鉛筆やらボールペンやら乱雑に入っているそこから近くにあったボールペンを取り出し、今度は紙を…と漁っていると石のようなものと1枚の古ぼけた紙が目に入った。
「こんなものあったっけ…」
その石は掌に納まる程の小さなもので
よく見るとボタンと画面のようなものがついていた。ボタンを押そうとしても上手く押せず、画面を押しても何も起きなかった。
古ぼけた紙には文字のようなものと
絵本のようなイラストが描かれていた。
文字の方はどう見ても日本語ではなく、
海外のものでもない。見覚えのないものだった。
イラストの方は長い髪の女の子と小さな竜のようなものが描かれていたが白黒故に色まではわからない。
「……」
朝陽なら知っているかもしれないと
ひとまずその石と紙を机の上に起き、改めて紙を探した。
「…君は…何を隠しているんだい…」