未来編
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時は遡り、
綱吉と獄寺が10年後に飛ばされた後の事…
「朝陽?」
「!」
未来に飛ばされた朝陽の後ろには、黒いスーツと紫色のシャツに身を包んだ男が立っていた。
男は切れ長の目を開かせると足早に朝陽へと近付いて目線を合わせるように膝をつく。
「おまえ…委員長君…?」
呟くようにそう言えば、
雲雀は懐かしそうに目を細め
呆然と自分を見ている彼女を見つめ返した。
「そうか…君はもう…
話は後だよ、今は僕に従って」
「……わかった。
ここから3時の方向、武器の音がする…
近付いて来てるみたいだ…」
「うん、知ってる。
だからこそ君を迎えに来たんだ」
“とりあえずボンゴレリングにこれを”とマーモンチェーンを渡され、指からリングを抜き取ってそのチェーンを通した。
「通したね?それじゃあ行こうか」
「……わかった」
リングを握った手を大きな手で掴まれて、力強く引かれる。急なそれによろけてしまうが、雲雀によって優しく支えられ森の中へと消える。
「しかし、見違えたな。
あの委員長君がここまで成長するなんて…」
「そうかい?
僕からしたら君はずいぶんと……」
「?」
「……いや、何も変わってないね、この童顔。」
「………………
なぁ、失礼な事言ってる自覚はあるか?
全く…時間というのは残酷だ…純粋だと思っていた君がここまで歪んでしまうなんて…」
「今の言葉そっくりそのまま返すよ。
そういう所も変わってなくて何より。」
ハァ…と溜息を吐かれ、思わずジト目になってしまう。すると雲雀は振り返って朝陽の頬を優しく撫でた。
突然の事に驚いてしまうが、雲雀があまりにも真剣な表情をしていたから戸惑いながらも開いていた唇を結ぶ。
「朝陽、君ならわかっているはずだよ。
風の炎、使える……いや、使っているんだろ?」
「……未来の私か…」
「全部“共有”してるんでしょ?
言っておくけど、朝陽から聞いてるから隠しても無駄だよ。」
今度は朝陽が溜息を吐く番だった。
やれやれと肩を大袈裟に落として
“確かに…”と言葉を続けた。
「確かに、全部共有したよ。
今のボンゴレのこと、風紀財団のこと…
それから…私と結婚して夫婦になってること」
「そうだよ、僕と未来の君は夫婦。
ちゃんと愛し合ってできた仲だよ。
まぁ、君は相変わらずあの小動物にご執心みたいだけど…」
「みたいだな…」
拗ねたように顔を背ける彼に乾いた笑みを浮かべると、不意に頬を撫でていた雲雀の手が額へと移動し熱を測るように当てられる。
「それで?大丈夫なのかい?」
「?大丈夫って?」
「……君は僕やその鞄から膨大な情報を共有した。
今の君の脳はその情報を処理するために働きっぱなしだろう?頭痛は?痛みはないかい?」
彼の問いかけに呆気に取られ、何度か瞬きを繰り返すが、すぐに“へぇ…”と笑って雲雀を見上げた。
「別に心配はいらな……」
「嘘」
「!」
途端、握られていた右手を引かれ、
近くの木に押さえつけられる。
それに驚いていると、ズイッと顔を近付けられた。
「言ったはずだよ。
君の事は全部知ってるって。
痛いことも、辛いことも全部笑顔で隠してしまう、君の悪い癖だ。」
「!……へぇ…」
バレてるんだ…と笑みを浮かべつつ力を抜けば
腰に腕が回り身体を支えられた。
「まさか、教えられてたとはいえ私の演技が見破られる日が来るとは…私もまだまだか…」
「隠される僕の身にもなってほしいけどね。」
雲雀はそう言うと、朝陽を抱き上げ歩いていく。
いきなりのそれに瞠目するが、暴れても無駄だと、共有した記憶から読み取り大人しくしている。
無視していた頭の痛みに意識が向き
ズキズキと痛みが主張し始める。
意識も朦朧としてきて目を瞑ると上から優しい声がした……気がした。
「おやすみ、朝陽。」
綱吉と獄寺が10年後に飛ばされた後の事…
「朝陽?」
「!」
未来に飛ばされた朝陽の後ろには、黒いスーツと紫色のシャツに身を包んだ男が立っていた。
男は切れ長の目を開かせると足早に朝陽へと近付いて目線を合わせるように膝をつく。
「おまえ…委員長君…?」
呟くようにそう言えば、
雲雀は懐かしそうに目を細め
呆然と自分を見ている彼女を見つめ返した。
「そうか…君はもう…
話は後だよ、今は僕に従って」
「……わかった。
ここから3時の方向、武器の音がする…
近付いて来てるみたいだ…」
「うん、知ってる。
だからこそ君を迎えに来たんだ」
“とりあえずボンゴレリングにこれを”とマーモンチェーンを渡され、指からリングを抜き取ってそのチェーンを通した。
「通したね?それじゃあ行こうか」
「……わかった」
リングを握った手を大きな手で掴まれて、力強く引かれる。急なそれによろけてしまうが、雲雀によって優しく支えられ森の中へと消える。
「しかし、見違えたな。
あの委員長君がここまで成長するなんて…」
「そうかい?
僕からしたら君はずいぶんと……」
「?」
「……いや、何も変わってないね、この童顔。」
「………………
なぁ、失礼な事言ってる自覚はあるか?
全く…時間というのは残酷だ…純粋だと思っていた君がここまで歪んでしまうなんて…」
「今の言葉そっくりそのまま返すよ。
そういう所も変わってなくて何より。」
ハァ…と溜息を吐かれ、思わずジト目になってしまう。すると雲雀は振り返って朝陽の頬を優しく撫でた。
突然の事に驚いてしまうが、雲雀があまりにも真剣な表情をしていたから戸惑いながらも開いていた唇を結ぶ。
「朝陽、君ならわかっているはずだよ。
風の炎、使える……いや、使っているんだろ?」
「……未来の私か…」
「全部“共有”してるんでしょ?
言っておくけど、朝陽から聞いてるから隠しても無駄だよ。」
今度は朝陽が溜息を吐く番だった。
やれやれと肩を大袈裟に落として
“確かに…”と言葉を続けた。
「確かに、全部共有したよ。
今のボンゴレのこと、風紀財団のこと…
それから…私と結婚して夫婦になってること」
「そうだよ、僕と未来の君は夫婦。
ちゃんと愛し合ってできた仲だよ。
まぁ、君は相変わらずあの小動物にご執心みたいだけど…」
「みたいだな…」
拗ねたように顔を背ける彼に乾いた笑みを浮かべると、不意に頬を撫でていた雲雀の手が額へと移動し熱を測るように当てられる。
「それで?大丈夫なのかい?」
「?大丈夫って?」
「……君は僕やその鞄から膨大な情報を共有した。
今の君の脳はその情報を処理するために働きっぱなしだろう?頭痛は?痛みはないかい?」
彼の問いかけに呆気に取られ、何度か瞬きを繰り返すが、すぐに“へぇ…”と笑って雲雀を見上げた。
「別に心配はいらな……」
「嘘」
「!」
途端、握られていた右手を引かれ、
近くの木に押さえつけられる。
それに驚いていると、ズイッと顔を近付けられた。
「言ったはずだよ。
君の事は全部知ってるって。
痛いことも、辛いことも全部笑顔で隠してしまう、君の悪い癖だ。」
「!……へぇ…」
バレてるんだ…と笑みを浮かべつつ力を抜けば
腰に腕が回り身体を支えられた。
「まさか、教えられてたとはいえ私の演技が見破られる日が来るとは…私もまだまだか…」
「隠される僕の身にもなってほしいけどね。」
雲雀はそう言うと、朝陽を抱き上げ歩いていく。
いきなりのそれに瞠目するが、暴れても無駄だと、共有した記憶から読み取り大人しくしている。
無視していた頭の痛みに意識が向き
ズキズキと痛みが主張し始める。
意識も朦朧としてきて目を瞑ると上から優しい声がした……気がした。
「おやすみ、朝陽。」