未来編
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カレーを作り終え、準備を終えた京子達は綱吉達を呼んでくると出て行ってしまい、そのには時雨だけが残っていた。
「……食べる気…しないな……」
部屋に漂うカレーの匂い…
普段なら食欲を唆るものだと言うのに
思いの外疲れ切っていた自身の心はそれを受け付けなかった。
適当に説明をつけて部屋に戻ろうと立ち上がれば、賑やかな話し声と共にみんなが部屋へと入ってきた。
「時雨さん!」
「あなや〜綱吉君、案外元気そうね〜」
“よかったわ〜”と柔らかく微笑めば、治療してくれてありがとうございましたと頭を下げられる。
話は終わったのだろう、それぞれ迷いのない凛々しい顔付きになっていた。
「いいのよ〜
また痛みとか出たらすぐに言ってね〜」
「はい!
あれ?食べないんですか…?」
「私はまだやる事があるからみんなで食べて〜
洗い物とか任せちゃうけどいいかしら?」
「はい!あの、何か持っていきますか?」
「いらないわ〜
あ、ランボ君、イーピンちゃん。
手伝ってくれてありがとう〜
冷蔵庫の中にぶどうゼリー入ってるからみんなで食べてね〜」
「やったー!
ごほーび!ごほーび!ありがとー時雨ー!」
「〜〜〜!!」
「いいえ〜
それじゃあごゆっくり〜」
「ぁ…」
軽く手を振って部屋を出ていく際、
何か言いたげな山本が視界の隅に入るが
気付かぬふりをして部屋を出た。
「……」
部屋へと戻り、ベッドへと倒れ込む。
枕に染み込んだ夫の残り香が鼻をくすぐり、
じわりと視界が滲んでいく。
「……」
コンコンコン
『時雨…さん…?いますか…』
「!」
ノックと共に扉の向こうから聞こえたまだあどけなさが残る夫になる前の彼の声。
目元に溜まった涙を拭いて扉を開けると、カレー皿が2つ乗ったトレイを持つ山本がいた。
「小僧からきっと朝から何も食べてねーから持ってけって言われて……オレも、その…聞きたいことあるから…よければ一緒にどうっスか…?」
ぎこちなく笑う彼の思いを邪険にすることはできず、時雨は扉を押さえて中へと入れる。
「その様子だとリボーンさんから、聞いたのね?」
「うっス、時雨さんが未来のオレの奥さんって。
時雨さんなら時雨蒼燕流の使い手でもあるから親父の事も何か知ってるかな…って」
彼の言葉に“そう…”と返して
小さなテーブルにトレイを置くよう促す。
食欲がないことを伝えれば心配そうに眉を顰められた。
「元々食べない人だから気にしなくてもいいわ〜
良ければ食べちゃって」
「でも朝からって…」
「あなや〜?
大人の言う事は聞いた方がいいわよ〜?」
まだ納得は行ってなさそうだが、
“お話、聞きたくないの?”と言えば渋々スプーンを持って食べ始めた。
「改めましてね、私は山本時雨。
10年後のあなたの妻です。
これ、お祝言の時の写真、まだあなたのお父様が生存していた時のものよ〜」
4年位前のものね〜と言いながら
写真立ての中にある写真を見せる。
そこには紋付袴を来ている成長した自分と白無垢を着た彼女…その横には少し老けたけど笑顔は全く変わっていない見慣れた実父が写っていた。
「親父…」
ボンゴレ狩りに巻き込まれて亡くなってしまった己の父。時雨の言葉を聞いて、リボーンから聞いた事は本当だったのだとスプーンを持つ手が震える。
だがすぐにその震えを止めて、時雨を見る。
まだまだあどけない、子供の目だが、時雨はその覚悟を決めた瞳を見てニッコリと微笑んだ。
「覚悟は決まったようね〜」
「まぁ、元々未来を変えるって宣言してるんで!」
山本はそう言うといつものように笑う。
どんなに大人になろうとその笑顔は変わらない。
また潤み始めた目元を見られないよう微笑むけれど、鋭い彼には見破られてしまったようで目にわかるくらい慌てている。
「え、あ、あの!?
オレ何か悪いこと言ってた…!?
泣かせるつもりは…えーっと…」
「ふふ、ごめんなさい、困らせちゃったかしら〜」
「…………」
「あなや、その顔は信じてないわね〜?
……本当よ…ただ、あなたの笑顔に弱いだけ、」
「えぇ…」
「ふふ、さぁ早い所食べてしまいなさいな。
お料理が冷めちゃいますよ〜」
ニコニコと笑いながらお茶を用意し始めた時雨の背中を見つめ、山本はふと気になった事を問う。
「そーいや、オレと時雨さんっていつ会ったんスか?あっちじゃ、まだ会ってない…スよね?」
「あなたが言うのならそうね〜」
湯呑みを置けば既に時雨の分のカレーにも手をつけていて、口の周りを茶色に染めながら?を浮かべている。
くすくすと笑いながらペーパータオルで口元を拭けば照れ臭そうに笑い返された。
「武君、この世界はいずれあなた達が辿るかもしれない未来の一つ。
この現代には私がいても、
あなたのいる過去にはいないのかもしれないわ〜」
「…えーっと…?どーいう……」
「あなや、少し難しかったわね〜
簡単に言うとね、私は元々世界から“消された”存在なのよ〜?」
「……食べる気…しないな……」
部屋に漂うカレーの匂い…
普段なら食欲を唆るものだと言うのに
思いの外疲れ切っていた自身の心はそれを受け付けなかった。
適当に説明をつけて部屋に戻ろうと立ち上がれば、賑やかな話し声と共にみんなが部屋へと入ってきた。
「時雨さん!」
「あなや〜綱吉君、案外元気そうね〜」
“よかったわ〜”と柔らかく微笑めば、治療してくれてありがとうございましたと頭を下げられる。
話は終わったのだろう、それぞれ迷いのない凛々しい顔付きになっていた。
「いいのよ〜
また痛みとか出たらすぐに言ってね〜」
「はい!
あれ?食べないんですか…?」
「私はまだやる事があるからみんなで食べて〜
洗い物とか任せちゃうけどいいかしら?」
「はい!あの、何か持っていきますか?」
「いらないわ〜
あ、ランボ君、イーピンちゃん。
手伝ってくれてありがとう〜
冷蔵庫の中にぶどうゼリー入ってるからみんなで食べてね〜」
「やったー!
ごほーび!ごほーび!ありがとー時雨ー!」
「〜〜〜!!」
「いいえ〜
それじゃあごゆっくり〜」
「ぁ…」
軽く手を振って部屋を出ていく際、
何か言いたげな山本が視界の隅に入るが
気付かぬふりをして部屋を出た。
「……」
部屋へと戻り、ベッドへと倒れ込む。
枕に染み込んだ夫の残り香が鼻をくすぐり、
じわりと視界が滲んでいく。
「……」
コンコンコン
『時雨…さん…?いますか…』
「!」
ノックと共に扉の向こうから聞こえたまだあどけなさが残る夫になる前の彼の声。
目元に溜まった涙を拭いて扉を開けると、カレー皿が2つ乗ったトレイを持つ山本がいた。
「小僧からきっと朝から何も食べてねーから持ってけって言われて……オレも、その…聞きたいことあるから…よければ一緒にどうっスか…?」
ぎこちなく笑う彼の思いを邪険にすることはできず、時雨は扉を押さえて中へと入れる。
「その様子だとリボーンさんから、聞いたのね?」
「うっス、時雨さんが未来のオレの奥さんって。
時雨さんなら時雨蒼燕流の使い手でもあるから親父の事も何か知ってるかな…って」
彼の言葉に“そう…”と返して
小さなテーブルにトレイを置くよう促す。
食欲がないことを伝えれば心配そうに眉を顰められた。
「元々食べない人だから気にしなくてもいいわ〜
良ければ食べちゃって」
「でも朝からって…」
「あなや〜?
大人の言う事は聞いた方がいいわよ〜?」
まだ納得は行ってなさそうだが、
“お話、聞きたくないの?”と言えば渋々スプーンを持って食べ始めた。
「改めましてね、私は山本時雨。
10年後のあなたの妻です。
これ、お祝言の時の写真、まだあなたのお父様が生存していた時のものよ〜」
4年位前のものね〜と言いながら
写真立ての中にある写真を見せる。
そこには紋付袴を来ている成長した自分と白無垢を着た彼女…その横には少し老けたけど笑顔は全く変わっていない見慣れた実父が写っていた。
「親父…」
ボンゴレ狩りに巻き込まれて亡くなってしまった己の父。時雨の言葉を聞いて、リボーンから聞いた事は本当だったのだとスプーンを持つ手が震える。
だがすぐにその震えを止めて、時雨を見る。
まだまだあどけない、子供の目だが、時雨はその覚悟を決めた瞳を見てニッコリと微笑んだ。
「覚悟は決まったようね〜」
「まぁ、元々未来を変えるって宣言してるんで!」
山本はそう言うといつものように笑う。
どんなに大人になろうとその笑顔は変わらない。
また潤み始めた目元を見られないよう微笑むけれど、鋭い彼には見破られてしまったようで目にわかるくらい慌てている。
「え、あ、あの!?
オレ何か悪いこと言ってた…!?
泣かせるつもりは…えーっと…」
「ふふ、ごめんなさい、困らせちゃったかしら〜」
「…………」
「あなや、その顔は信じてないわね〜?
……本当よ…ただ、あなたの笑顔に弱いだけ、」
「えぇ…」
「ふふ、さぁ早い所食べてしまいなさいな。
お料理が冷めちゃいますよ〜」
ニコニコと笑いながらお茶を用意し始めた時雨の背中を見つめ、山本はふと気になった事を問う。
「そーいや、オレと時雨さんっていつ会ったんスか?あっちじゃ、まだ会ってない…スよね?」
「あなたが言うのならそうね〜」
湯呑みを置けば既に時雨の分のカレーにも手をつけていて、口の周りを茶色に染めながら?を浮かべている。
くすくすと笑いながらペーパータオルで口元を拭けば照れ臭そうに笑い返された。
「武君、この世界はいずれあなた達が辿るかもしれない未来の一つ。
この現代には私がいても、
あなたのいる過去にはいないのかもしれないわ〜」
「…えーっと…?どーいう……」
「あなや、少し難しかったわね〜
簡単に言うとね、私は元々世界から“消された”存在なのよ〜?」