未来編
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〜翌日〜
早朝に目を覚ました時雨はまだ眠っている山本を起こさないよう起き上がり、白い着物と赤い袴を着てその上からボロ布を羽織る。
「んー…時雨…?」
「おはよう、あなた。
先にご飯作ってくるからゆっくり起きてね」
「んー…」
布団をかけ直し、
頭を撫でればまた寝息を立てて眠りにつく。
くすくす笑いながら外へ出れば、ラルと鉢合わせた。
「あなや、おはようございます、ラルさん」
「…あぁ…」
「昨日は申し訳ありません。
今からラウンジで朝食の準備をするので
よければどうですか?」
「……山本時雨、昨日のあれは何なんだ?
オレはいつの間にか寝ていて…それで……」
「あれは“言霊”ですよ、
私は言葉で人を操ることができるんです。」
「言葉で?そんなもの聞いたことも見たこともないが…」
「えぇ、馴染みはないでしょう。
何せ、言霊というのはあまりにも使い難く、
使い方を誤れば、簡単に人を殺めかねない、危険なものですから。」
2人で長い廊下を歩いていくと机や椅子が並ぶ食堂のような場所について、時雨はそこに設けられたキッチンに立ち冷蔵庫を開ける。
「言霊発動の条件は2つ。
術をかける人の真名を知っていることと
術をかける人にどうして欲しいか、明確に伝え、念じる事です。」
少し大きめの鍋に水を入れてお湯を沸かす。
米を研いで、炊飯器にセットしてスイッチを押す。
「真名はフルネーム。
私はあの時、ラル・ミルチさんに“ゆっくり眠ってほしい”という念を言葉に乗せて、あなたを眠らせました。」
大根と玉ねぎ、豆腐を切り分け、
沸騰したお湯の中に入れていく。
チラッとラルを見れば怪訝な顔でこちらを見ていて、ニコッと笑ってみせる。
「本当にそれだけなんですよ。
言葉だけ聞けば簡単な事のように思えるでしょう。
でも、言葉に思いを乗せるというのは案外難しいものなんです。」
煮込んでいる鍋の火を弱め、
今度は卵をいくつか取り出してボウルの中で溶いていく。
「日本では昔から言ったことが本当になるというものがあって、それが言霊の語源です。
日本の人があまり言葉を発しない理由ももしかしたら言霊が影響しているのかもしれないですね。」
熱したフライパンに油を引いて
だしを入れた溶き卵を少しずつ垂らしていくと、箸を使って器用に巻いて行く。
「……その力は何でも叶うのか?」
「人智を超えることはできませんよ、
所詮、言霊というのは“生物”に対する動作を操る程度なので」
“仕方がありません”と続け、
5人分の卵焼きを作り終える。
綺麗に焼けたわ〜と機嫌良さそうに笑っている彼女を横目で見ていると、いつの間に淹れたのか、お茶の入った湯呑みを置かれた。
「ラルさんがどんな思いでここにいるのか、
私にはわからないけれど…
その身体で無茶をするのはよくないですよ〜」
「……」
黙ったまま、波を撫でるお茶を見ていると
リボーンとスーツを身に着けた山本が現れ
それぞれ挨拶をしてきた。
「おはようあなた、リボーンさんも。
よく眠れましたか?」
「おう、ありがとな時雨。
おかげさまでぐっすりだぞ、」
「いい匂いがするな!飯できてるのか?」
「あとはご飯が炊けるのを待つだけですよ〜
お茶でも飲みますか?」
「オレはエスプレッソを所望するぞ」
「わかりました、武君は?」
「時雨が淹れたやつなら何でも。」
「はぁい、とても苦くてしぶ〜いお茶を用意するわ〜」
「待て、冗談だからそれは勘弁…ってあれ?時雨さーん!?」
柔らかい笑みを浮かべながら奥へと消えた時雨と情けなく彼女を呼ぶ山本をよそにリボーンとラルは話を始めた。
ボンゴレ本部の現状をリボーンと静かに耳を傾けていた山本に話し、ラルは少し冷めてしまったお茶を飲み干す。
門外顧問との連絡が断ち切られた今、どうするのか聞けばラルは立ち上がって“白蘭を獲る”と言った。
「あなや〜ラルさんも悪いお人だわ〜
その身体で、無茶はダメだってさっき言ったばかりじゃない」
そこへトレイを持った時雨が来て、
リボーン専用の小さなカップとお茶の入った湯呑を置いた。
「無駄な心配だ。
オレの命は長くはない。
なりそこないにしても非7³線 を浴びすぎた……」
「今のツナ達におまえの力が必要なんだ。
考えなおせねーのか?」
「おまえと山本、時雨がいれば充分だぜ。断る。」
「コロネロの敵を討つ気だな?」
ラルは部屋を出ようとする足を一瞬止めるがまた歩き出す。すると出入口の自動ドアが開き綱吉と獄寺が現れた。
ラルは2人を一瞥すると無言で通り過ぎる。
その様子に2人は?を浮かべた。
「2人ともおはよう。
ちゃんと眠れたかしら〜?
今ちょうどご飯炊けたからそこに座って待っててね」
朝食の準備のため、また奥へと引っ込んだ時雨を見送って、早速というように守護者集めの作戦会議を始める。
「ちょ…ちょっと待ってよ!!
まだ心の準備が…そ…それに…!」
「いつまでも京子達の心配したって始まんねーぞ。
守護者を集めることが最終的に京子達を守ることになるんだ。」
「!!」
「大丈夫っスよ10代目!
アホ牛はともかくイーピンは結構やります!
きっと無事に帰ってきますよ」
「獄寺君…」
「んじゃ、始めっぞ。
あれから山本と話し合ったんだが
最初に欲しい守護者は朝陽だ。
朝陽を見つけ出せればボンゴレ10代目最強の守護者である雲雀も見つかるはずだからな。」
早朝に目を覚ました時雨はまだ眠っている山本を起こさないよう起き上がり、白い着物と赤い袴を着てその上からボロ布を羽織る。
「んー…時雨…?」
「おはよう、あなた。
先にご飯作ってくるからゆっくり起きてね」
「んー…」
布団をかけ直し、
頭を撫でればまた寝息を立てて眠りにつく。
くすくす笑いながら外へ出れば、ラルと鉢合わせた。
「あなや、おはようございます、ラルさん」
「…あぁ…」
「昨日は申し訳ありません。
今からラウンジで朝食の準備をするので
よければどうですか?」
「……山本時雨、昨日のあれは何なんだ?
オレはいつの間にか寝ていて…それで……」
「あれは“言霊”ですよ、
私は言葉で人を操ることができるんです。」
「言葉で?そんなもの聞いたことも見たこともないが…」
「えぇ、馴染みはないでしょう。
何せ、言霊というのはあまりにも使い難く、
使い方を誤れば、簡単に人を殺めかねない、危険なものですから。」
2人で長い廊下を歩いていくと机や椅子が並ぶ食堂のような場所について、時雨はそこに設けられたキッチンに立ち冷蔵庫を開ける。
「言霊発動の条件は2つ。
術をかける人の真名を知っていることと
術をかける人にどうして欲しいか、明確に伝え、念じる事です。」
少し大きめの鍋に水を入れてお湯を沸かす。
米を研いで、炊飯器にセットしてスイッチを押す。
「真名はフルネーム。
私はあの時、ラル・ミルチさんに“ゆっくり眠ってほしい”という念を言葉に乗せて、あなたを眠らせました。」
大根と玉ねぎ、豆腐を切り分け、
沸騰したお湯の中に入れていく。
チラッとラルを見れば怪訝な顔でこちらを見ていて、ニコッと笑ってみせる。
「本当にそれだけなんですよ。
言葉だけ聞けば簡単な事のように思えるでしょう。
でも、言葉に思いを乗せるというのは案外難しいものなんです。」
煮込んでいる鍋の火を弱め、
今度は卵をいくつか取り出してボウルの中で溶いていく。
「日本では昔から言ったことが本当になるというものがあって、それが言霊の語源です。
日本の人があまり言葉を発しない理由ももしかしたら言霊が影響しているのかもしれないですね。」
熱したフライパンに油を引いて
だしを入れた溶き卵を少しずつ垂らしていくと、箸を使って器用に巻いて行く。
「……その力は何でも叶うのか?」
「人智を超えることはできませんよ、
所詮、言霊というのは“生物”に対する動作を操る程度なので」
“仕方がありません”と続け、
5人分の卵焼きを作り終える。
綺麗に焼けたわ〜と機嫌良さそうに笑っている彼女を横目で見ていると、いつの間に淹れたのか、お茶の入った湯呑みを置かれた。
「ラルさんがどんな思いでここにいるのか、
私にはわからないけれど…
その身体で無茶をするのはよくないですよ〜」
「……」
黙ったまま、波を撫でるお茶を見ていると
リボーンとスーツを身に着けた山本が現れ
それぞれ挨拶をしてきた。
「おはようあなた、リボーンさんも。
よく眠れましたか?」
「おう、ありがとな時雨。
おかげさまでぐっすりだぞ、」
「いい匂いがするな!飯できてるのか?」
「あとはご飯が炊けるのを待つだけですよ〜
お茶でも飲みますか?」
「オレはエスプレッソを所望するぞ」
「わかりました、武君は?」
「時雨が淹れたやつなら何でも。」
「はぁい、とても苦くてしぶ〜いお茶を用意するわ〜」
「待て、冗談だからそれは勘弁…ってあれ?時雨さーん!?」
柔らかい笑みを浮かべながら奥へと消えた時雨と情けなく彼女を呼ぶ山本をよそにリボーンとラルは話を始めた。
ボンゴレ本部の現状をリボーンと静かに耳を傾けていた山本に話し、ラルは少し冷めてしまったお茶を飲み干す。
門外顧問との連絡が断ち切られた今、どうするのか聞けばラルは立ち上がって“白蘭を獲る”と言った。
「あなや〜ラルさんも悪いお人だわ〜
その身体で、無茶はダメだってさっき言ったばかりじゃない」
そこへトレイを持った時雨が来て、
リボーン専用の小さなカップとお茶の入った湯呑を置いた。
「無駄な心配だ。
オレの命は長くはない。
なりそこないにしても
「今のツナ達におまえの力が必要なんだ。
考えなおせねーのか?」
「おまえと山本、時雨がいれば充分だぜ。断る。」
「コロネロの敵を討つ気だな?」
ラルは部屋を出ようとする足を一瞬止めるがまた歩き出す。すると出入口の自動ドアが開き綱吉と獄寺が現れた。
ラルは2人を一瞥すると無言で通り過ぎる。
その様子に2人は?を浮かべた。
「2人ともおはよう。
ちゃんと眠れたかしら〜?
今ちょうどご飯炊けたからそこに座って待っててね」
朝食の準備のため、また奥へと引っ込んだ時雨を見送って、早速というように守護者集めの作戦会議を始める。
「ちょ…ちょっと待ってよ!!
まだ心の準備が…そ…それに…!」
「いつまでも京子達の心配したって始まんねーぞ。
守護者を集めることが最終的に京子達を守ることになるんだ。」
「!!」
「大丈夫っスよ10代目!
アホ牛はともかくイーピンは結構やります!
きっと無事に帰ってきますよ」
「獄寺君…」
「んじゃ、始めっぞ。
あれから山本と話し合ったんだが
最初に欲しい守護者は朝陽だ。
朝陽を見つけ出せればボンゴレ10代目最強の守護者である雲雀も見つかるはずだからな。」