未来編
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「ハハハ!そっか!
10年前っていうとリング争奪戦が終わった頃か」
「うん」
「懐かしーな」
「みんな奮闘したんでしょう?
私も見てみたかったわ〜」
「時雨はダメだ、オレ、スクアーロにボロボロにされたんだぜ?そんな情けねぇ姿、見せられねぇよ」
「だからこそよ〜」
「……時雨、何か企んでるな?」
「はにゃら 〜ひほひは 〜」
くすくすと笑みを絶やさない時雨の頬を引っ張りながら、森の中を歩いていく。
性格こそ変わらない山本だが、隣を歩く彼女を見る目は慈愛に満ちていて、何だか見ている側が照れ臭くなってしまう。
「えーっと…時雨…さん…も、ボンゴレなんですか?」
「いいえ〜、私はただの一般人よ〜」
「一般人?」
「そうよ〜
でもボンゴレの雨の守護者である山本武の妻という立場は、嫌になるほど狙われるから…
一般人…なんて言葉は似合わないのかもしれないわね〜」
“敵はいつもスパスパ斬って来たのよ〜”
と無邪気な様子で言う時雨に寒気を覚えた。
山本と一緒にとは言え、あのモスカを沈めたその実力は本物だろう。
そう思っていると先を歩いていたラルから
“走らなくていいのか”と苦言が漏れた。
「そっか、言ってなかったな。
おまえの知ってるアジトの在処の情報はガセなんだ。」
「……?」
「わりィ!もうそろそろだな、
オレを見失わないようについてきてくれ。
時雨はこの中な!」
「あなや、私は大丈夫よ〜?」
頭を振る時雨の手を引いて、スーツの中 に入れ、その内ポケットから匣を取り出す。
匣に右手の指に嵌めてある指輪の宝石部分を当てると、その匣から何かが飛び出し、風が舞う。
「!?」
「何だ!?」
「防犯対策のカモフラだ、よそ見はするなよ。」
その言葉と同時に強烈な雨が降り注ぐ。
目も開けられないような雨が振る中、
山本と声が響いて、何とか目を開ける。
そこには先程まで無かった階段があって、
山本と時雨は綱吉達を呼んだ。
「時雨、濡れてねぇか?」
「気にしなくていいのに…」
「最初にこの雨受けて風邪ひいたのおまえだろー?」
「……そんな意地悪を言う人にはお夕飯を抜きにします。」
「えぇ!?時雨の手作りは!?」
「沢田君達に食べてもらいます!
さぁ、失礼な男は放っておいて行きましょう!
扉なら私でも開けますから!」
「待て待て待て!!謝るから先に行くなって!」
頬を膨らませて階段を降りていく時雨を捕まえて、呆然としている3人を手招きする。
「アジトって地下にあるんだ…!」
「ああ、そうだ。
他にもこんな入り口が6カ所ある。」
パネルに手を伸ばした時雨だが
山本に手を取られ、また懐の中に仕舞われる。
「ここは、ボンゴレの重要な拠点として
急ピッチで建造中だったんだ………」
そのままエレベーターへと乗り、
地下へと降りていく。
エレベーターの扉が開くと、そこには広い空間が広がっていた。
「いまんとこ、
6割方できてるってとこだな。」
「す…すげー!!
ボンゴレってこんなの作っちゃうの!?」
「あなや〜?
あなたが驚いちゃダメよ〜?」
「え?」
「このアジトはね、あなたが作らせたのよ〜?」
「!えー!!?オ……オレがー!!?」
「そうよ〜
今よりももっと大きくなったあなたが、
非常事態に備えてがんばったのよ。」
「あ、あの…!
(うわーよく見るとすっごい美人…
ていうか山本の目が怖い…!!)」
うふふと笑いながら自分の頭を撫でている時雨に見惚れているとその後ろにいる山本が笑いながらこっちを見ていた。
目が笑っていない彼の笑顔は
時雨が睨みつけた事によって崩れ、涙を流していた。
「おい、あの装置はなんだ?」
「あれはメカニックのジャンニーニさんが作ってくれた装置よ。
……ラル・ミルチさん、でしたよね?」
「?ああ、そうだが」
綱吉の頭から手を離し、
今度はラルの痣のない頬に手を添える。
そしてゆっくりとした動作で彼女の耳に顔を寄せる。
あまりにも自然で、敵意のないそれに
反応が遅れ、気付いた時には耳を通して甘い囁き声が脳内に響いた。
「ラル・ミルチ、“ゆっくり、眠りなさい”」
「っ……」
「「!?」」
グラッと揺れ、倒れて来るラルを受け止め、
時雨は眠っている彼女の髪を梳いた。
「な、何を…!」
「少し眠ってもらっただけよ〜
彼女も長い戦いの中で疲れ、精神的ショックも多いみたいわね、こんなに簡単に……
それにね、あの装置には
ある物質を遮るバリアが張られているの。
ここは彼女達にとって…“外界”とは違うものだから」
「彼女達…?」
「少しすれば目を覚ますから安心して。
(にしても…弱い“言霊”とは言え、こんなに早く…)」
「オレが運ぶ」
「お願い。
さぁ、行きましょうか〜」
ラルを山本が抱き上げ、長い廊下を歩いていく。
そして一つの扉の前で足を止めた。
「どうぞ」
時雨が扉を開け、手を部屋へと向ける。
綱吉達がその部屋に入ったのを確認して
時雨も入り、扉を閉めた。
10年前っていうとリング争奪戦が終わった頃か」
「うん」
「懐かしーな」
「みんな奮闘したんでしょう?
私も見てみたかったわ〜」
「時雨はダメだ、オレ、スクアーロにボロボロにされたんだぜ?そんな情けねぇ姿、見せられねぇよ」
「だからこそよ〜」
「……時雨、何か企んでるな?」
「
くすくすと笑みを絶やさない時雨の頬を引っ張りながら、森の中を歩いていく。
性格こそ変わらない山本だが、隣を歩く彼女を見る目は慈愛に満ちていて、何だか見ている側が照れ臭くなってしまう。
「えーっと…時雨…さん…も、ボンゴレなんですか?」
「いいえ〜、私はただの一般人よ〜」
「一般人?」
「そうよ〜
でもボンゴレの雨の守護者である山本武の妻という立場は、嫌になるほど狙われるから…
一般人…なんて言葉は似合わないのかもしれないわね〜」
“敵はいつもスパスパ斬って来たのよ〜”
と無邪気な様子で言う時雨に寒気を覚えた。
山本と一緒にとは言え、あのモスカを沈めたその実力は本物だろう。
そう思っていると先を歩いていたラルから
“走らなくていいのか”と苦言が漏れた。
「そっか、言ってなかったな。
おまえの知ってるアジトの在処の情報はガセなんだ。」
「……?」
「わりィ!もうそろそろだな、
オレを見失わないようについてきてくれ。
時雨はこの中な!」
「あなや、私は大丈夫よ〜?」
頭を振る時雨の手を引いて、
匣に右手の指に嵌めてある指輪の宝石部分を当てると、その匣から何かが飛び出し、風が舞う。
「!?」
「何だ!?」
「防犯対策のカモフラだ、よそ見はするなよ。」
その言葉と同時に強烈な雨が降り注ぐ。
目も開けられないような雨が振る中、
山本と声が響いて、何とか目を開ける。
そこには先程まで無かった階段があって、
山本と時雨は綱吉達を呼んだ。
「時雨、濡れてねぇか?」
「気にしなくていいのに…」
「最初にこの雨受けて風邪ひいたのおまえだろー?」
「……そんな意地悪を言う人にはお夕飯を抜きにします。」
「えぇ!?時雨の手作りは!?」
「沢田君達に食べてもらいます!
さぁ、失礼な男は放っておいて行きましょう!
扉なら私でも開けますから!」
「待て待て待て!!謝るから先に行くなって!」
頬を膨らませて階段を降りていく時雨を捕まえて、呆然としている3人を手招きする。
「アジトって地下にあるんだ…!」
「ああ、そうだ。
他にもこんな入り口が6カ所ある。」
パネルに手を伸ばした時雨だが
山本に手を取られ、また懐の中に仕舞われる。
「ここは、ボンゴレの重要な拠点として
急ピッチで建造中だったんだ………」
そのままエレベーターへと乗り、
地下へと降りていく。
エレベーターの扉が開くと、そこには広い空間が広がっていた。
「いまんとこ、
6割方できてるってとこだな。」
「す…すげー!!
ボンゴレってこんなの作っちゃうの!?」
「あなや〜?
あなたが驚いちゃダメよ〜?」
「え?」
「このアジトはね、あなたが作らせたのよ〜?」
「!えー!!?オ……オレがー!!?」
「そうよ〜
今よりももっと大きくなったあなたが、
非常事態に備えてがんばったのよ。」
「あ、あの…!
(うわーよく見るとすっごい美人…
ていうか山本の目が怖い…!!)」
うふふと笑いながら自分の頭を撫でている時雨に見惚れているとその後ろにいる山本が笑いながらこっちを見ていた。
目が笑っていない彼の笑顔は
時雨が睨みつけた事によって崩れ、涙を流していた。
「おい、あの装置はなんだ?」
「あれはメカニックのジャンニーニさんが作ってくれた装置よ。
……ラル・ミルチさん、でしたよね?」
「?ああ、そうだが」
綱吉の頭から手を離し、
今度はラルの痣のない頬に手を添える。
そしてゆっくりとした動作で彼女の耳に顔を寄せる。
あまりにも自然で、敵意のないそれに
反応が遅れ、気付いた時には耳を通して甘い囁き声が脳内に響いた。
「ラル・ミルチ、“ゆっくり、眠りなさい”」
「っ……」
「「!?」」
グラッと揺れ、倒れて来るラルを受け止め、
時雨は眠っている彼女の髪を梳いた。
「な、何を…!」
「少し眠ってもらっただけよ〜
彼女も長い戦いの中で疲れ、精神的ショックも多いみたいわね、こんなに簡単に……
それにね、あの装置には
ある物質を遮るバリアが張られているの。
ここは彼女達にとって…“外界”とは違うものだから」
「彼女達…?」
「少しすれば目を覚ますから安心して。
(にしても…弱い“言霊”とは言え、こんなに早く…)」
「オレが運ぶ」
「お願い。
さぁ、行きましょうか〜」
ラルを山本が抱き上げ、長い廊下を歩いていく。
そして一つの扉の前で足を止めた。
「どうぞ」
時雨が扉を開け、手を部屋へと向ける。
綱吉達がその部屋に入ったのを確認して
時雨も入り、扉を閉めた。