日常・黒曜・ヴァリアー編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「え、綱吉学校なの!?」
ミーンミーン…
蝉が鳴き、暑さが増している夏。
赤茶の長い髪を揺らす女はとある一軒家の前で驚き声を上げた。そしてガクッ…と肩を落とす女に沢田奈々は頬に手を当て“ごめんね〜”と謝ってから言葉を続けた。
「ツっ君、テストの結果が悪くて補習になっちゃったのよ。
せっかく来てくれたのに、ゴメンね朝陽ちゃん」
朝陽と呼ばれた女は頭を振って、安心させるように笑顔を浮かべると、奈々に持っていた紙袋を渡した。
「いいんだよ奈々さん。
あ、これ良い所のフルーツゼリー!冷やして食べて!」
「まぁ!ありがとう!
ツっ君、お昼過ぎには帰ってくると思うけど上がって待ってる?」
「あー…せっかくのお誘いだけど…
明日から九州での撮影だからその最終準備しないと行けなくてなぁ…」
「あらそうなの?
朝陽ちゃんも大変ね〜」
高校生ながらアイドル、女優、作曲家をしている朝陽は毎日忙しなく動いていて、長期休みに入らないと幼馴染である沢田綱吉の元へ顔を出せない日々を送っていた。
「一旦家に帰るよ、準備終わったらまた顔出しに来る!せめて綱吉の顔は見ておきたい!」
「いつでも来ていいからね、
ツっ君にも言っておくから〜」
「はーい!それじゃ奈々さん、またあとで!」
ーーーーーーーーーー
補習を終えて帰ってきた綱吉は追加で出された課題を最近できた友達の山本とやる為、準備をしていた。
「そういえばさっき朝陽ちゃん来たわよ〜」
「え゙っ!?姉さん来てたの!?」
年に数回しかない姉貴分が来ていたことに驚きを隠せないが、同時にすれ違ってしまった事に落ち込む。
それを横で見ていた最近家庭教師となった赤ん坊のリボーンは“ほぅ…”と声を漏らす。
「ツナに姉……いや、姉貴分がいたのか」
「なんで言い直したの…
リボーンも知ってるだろ?
日本のトップアイドル、守沢朝陽」
「あぁ、ツナの部屋にもポスターやらCDやらグッズがあったな、あの女か」
「姉さんの事悪く言うなよリボーン。
っていうか姉さんは巻き込むなよ、姉さんはアイドルとか女優活動で忙しいし……なるつもりないけどオレがマフィアのボス候補なんて知ったら…姉さん、心配するに決まってる!」
赤ん坊だが殺し屋 であり
綱吉をイタリアンマフィア・ボンゴレのボスにしようとしているリボーンは生徒の姉貴分の存在に笑みを浮かべるが、綱吉の言葉にその口角が下がる。
「ずいぶんと可愛がってもらってんだな」
「まぁ…小さい頃からの付き合いだし…
あ、母さん、姉さんってもう来ない…?」
「お昼過ぎに来るって言ってたわよ〜
明日から九州に行くって行ってたからその前にツっ君のお顔が見たいんだって」
「よかったー」
山本と被らないといいなぁ…と思いつつ
準備を進めていると、ピーンポーンと軽快なチャイム音が鳴った。
『奈々さーん!こんにちはー!
綱吉帰ってきましたか?』
「あ!姉さん!!」
外から聞こえてきた女性の声に
綱吉は顔を輝かせて、扉を開ける。
お互いの目が合った瞬間、姉貴分の赤い瞳が輝いて、柔らかいものが顔にぶつかった。
「ふぐっ!?」
「綱吉ーーーーー!!
会いたかったぞー!!」
「むぐぐ!!」
「大きくなったなぁ!
前よりも男前になったんじゃないか!?
カッコいいぞ綱吉ー!!」
「むぐー!!」
ふかふかしたものに包まれ、わしゃわしゃと頭を撫でられる感覚がするけれど、上手く息ができない。
もぞもぞと動いて顔を上げると
満面の笑みを浮かべている姉貴分がいて
綱吉も思わず顔を緩めてしまう。
「ひ、久しぶり…姉さん…」
「久しぶりだなぁ、補習お疲れ様!
さっき奈々さんに美味しいゼリー渡したから食べてくれ!」
「あ、ありがとう!
姉さん、明日から九州なんでしょ?
時間大丈夫?」
「姉さんの心配をしてくれているのか!?
優しいなぁ!綱吉はー!」
「むぐっ!?」
また柔らかいものに包まれて息が詰まる。
相変わらず熱烈で高いテンションだけど…
久しく会っていない姉貴分に綱吉は素直にその温もりに身を委ねた。
「………
あいつが、守沢朝陽か」
“思った以上に強烈な女だな”とリボーンは笑みを深め、部屋の窓から朝陽を観察する。
すると奥の方から山本と獄寺が歩いてくるのが見えた。
「ツナー!」
「あ、山本…に獄寺君!?
(なんで獄寺君がいるの〜〜〜!?)」
「ん?そこの姉ちゃん誰だ?」
「まさか、10代目を狙う女!?
10代目!離れてください!こいつはオレが…」
懐に手を伸ばす獄寺に綱吉は慌てて朝陽から離れて、彼女を庇うように前に立つ。
「待って待って!!獄寺君ストップ!!
この人はオレの幼馴染で姉貴分なんだ!!」
「「幼馴染…?」」
「……男が、2人……?
綱吉、その子達って…まさか…」
「あ、う、うん。
姉さん、こっちは山本と獄寺君。
最近できた友達…なんだ」
綱吉の言葉に朝陽は目を数回瞬きした後、ブワッ!!とその目に涙を溜めて、また綱吉を抱き締めた。
「むぐっ!?」
「「ツナ!?/10代目!?」」
「つ、綱吉ー!!よかっ、良かったなぁ!!
姉さんは嬉しいぞぉ!!」
「むぐぐー!!」
「そうかそうか!!お友達ができたんだな!
君達も、綱吉のお友達になってくれてありがとう!!私は守沢朝陽!よろしくな!!」
「な、なんだこの馴れ馴れしい女は…!?」
「もりさわ…?あれ、おねーさんどこかで…」
うーん?と頭を悩ませている山本を他所に
朝陽は良かった!良かった!とニコニコしながら綱吉を抱きしめている。
「ハッ!!もしかして遊ぶ約束してた!?
ごめんな!姉さん邪魔しちゃった!」
「ううん、気にしないで!
ちょっと勉強する事になってただけだから」
「そうだったんだ…すまない、2人共。
これからも綱吉と仲良くしてくれ、
この子は確かにダメな所が目立つが…
それ以上に誰にでも優しくて、やる時にはやる強くてカッコいい男なんだ」
「ね、姉さん!!」
恥ずかしいよ…と顔を赤らめている綱吉の頭を撫でれば、綱吉は小さくなって朝陽の後ろに隠れる。
その様子に山本は笑って“知ってます!”と元気よく答え、獄寺も言葉にはしないものの頷いている。
「さぁて、私はそろそろ行こうかな。
勉強頑張れよ中学生!」
「あ、うん!ありがとう、姉さん!
お仕事頑張ってね!」
「もちろん!」
お土産楽しみにしてろよー!と元気よく笑顔で手を振る朝陽に山本は“あ!!”と声を上げた。
「あの人、アイドルの守沢朝陽か!!」
ミーンミーン…
蝉が鳴き、暑さが増している夏。
赤茶の長い髪を揺らす女はとある一軒家の前で驚き声を上げた。そしてガクッ…と肩を落とす女に沢田奈々は頬に手を当て“ごめんね〜”と謝ってから言葉を続けた。
「ツっ君、テストの結果が悪くて補習になっちゃったのよ。
せっかく来てくれたのに、ゴメンね朝陽ちゃん」
朝陽と呼ばれた女は頭を振って、安心させるように笑顔を浮かべると、奈々に持っていた紙袋を渡した。
「いいんだよ奈々さん。
あ、これ良い所のフルーツゼリー!冷やして食べて!」
「まぁ!ありがとう!
ツっ君、お昼過ぎには帰ってくると思うけど上がって待ってる?」
「あー…せっかくのお誘いだけど…
明日から九州での撮影だからその最終準備しないと行けなくてなぁ…」
「あらそうなの?
朝陽ちゃんも大変ね〜」
高校生ながらアイドル、女優、作曲家をしている朝陽は毎日忙しなく動いていて、長期休みに入らないと幼馴染である沢田綱吉の元へ顔を出せない日々を送っていた。
「一旦家に帰るよ、準備終わったらまた顔出しに来る!せめて綱吉の顔は見ておきたい!」
「いつでも来ていいからね、
ツっ君にも言っておくから〜」
「はーい!それじゃ奈々さん、またあとで!」
ーーーーーーーーーー
補習を終えて帰ってきた綱吉は追加で出された課題を最近できた友達の山本とやる為、準備をしていた。
「そういえばさっき朝陽ちゃん来たわよ〜」
「え゙っ!?姉さん来てたの!?」
年に数回しかない姉貴分が来ていたことに驚きを隠せないが、同時にすれ違ってしまった事に落ち込む。
それを横で見ていた最近家庭教師となった赤ん坊のリボーンは“ほぅ…”と声を漏らす。
「ツナに姉……いや、姉貴分がいたのか」
「なんで言い直したの…
リボーンも知ってるだろ?
日本のトップアイドル、守沢朝陽」
「あぁ、ツナの部屋にもポスターやらCDやらグッズがあったな、あの女か」
「姉さんの事悪く言うなよリボーン。
っていうか姉さんは巻き込むなよ、姉さんはアイドルとか女優活動で忙しいし……なるつもりないけどオレがマフィアのボス候補なんて知ったら…姉さん、心配するに決まってる!」
赤ん坊だが
綱吉をイタリアンマフィア・ボンゴレのボスにしようとしているリボーンは生徒の姉貴分の存在に笑みを浮かべるが、綱吉の言葉にその口角が下がる。
「ずいぶんと可愛がってもらってんだな」
「まぁ…小さい頃からの付き合いだし…
あ、母さん、姉さんってもう来ない…?」
「お昼過ぎに来るって言ってたわよ〜
明日から九州に行くって行ってたからその前にツっ君のお顔が見たいんだって」
「よかったー」
山本と被らないといいなぁ…と思いつつ
準備を進めていると、ピーンポーンと軽快なチャイム音が鳴った。
『奈々さーん!こんにちはー!
綱吉帰ってきましたか?』
「あ!姉さん!!」
外から聞こえてきた女性の声に
綱吉は顔を輝かせて、扉を開ける。
お互いの目が合った瞬間、姉貴分の赤い瞳が輝いて、柔らかいものが顔にぶつかった。
「ふぐっ!?」
「綱吉ーーーーー!!
会いたかったぞー!!」
「むぐぐ!!」
「大きくなったなぁ!
前よりも男前になったんじゃないか!?
カッコいいぞ綱吉ー!!」
「むぐー!!」
ふかふかしたものに包まれ、わしゃわしゃと頭を撫でられる感覚がするけれど、上手く息ができない。
もぞもぞと動いて顔を上げると
満面の笑みを浮かべている姉貴分がいて
綱吉も思わず顔を緩めてしまう。
「ひ、久しぶり…姉さん…」
「久しぶりだなぁ、補習お疲れ様!
さっき奈々さんに美味しいゼリー渡したから食べてくれ!」
「あ、ありがとう!
姉さん、明日から九州なんでしょ?
時間大丈夫?」
「姉さんの心配をしてくれているのか!?
優しいなぁ!綱吉はー!」
「むぐっ!?」
また柔らかいものに包まれて息が詰まる。
相変わらず熱烈で高いテンションだけど…
久しく会っていない姉貴分に綱吉は素直にその温もりに身を委ねた。
「………
あいつが、守沢朝陽か」
“思った以上に強烈な女だな”とリボーンは笑みを深め、部屋の窓から朝陽を観察する。
すると奥の方から山本と獄寺が歩いてくるのが見えた。
「ツナー!」
「あ、山本…に獄寺君!?
(なんで獄寺君がいるの〜〜〜!?)」
「ん?そこの姉ちゃん誰だ?」
「まさか、10代目を狙う女!?
10代目!離れてください!こいつはオレが…」
懐に手を伸ばす獄寺に綱吉は慌てて朝陽から離れて、彼女を庇うように前に立つ。
「待って待って!!獄寺君ストップ!!
この人はオレの幼馴染で姉貴分なんだ!!」
「「幼馴染…?」」
「……男が、2人……?
綱吉、その子達って…まさか…」
「あ、う、うん。
姉さん、こっちは山本と獄寺君。
最近できた友達…なんだ」
綱吉の言葉に朝陽は目を数回瞬きした後、ブワッ!!とその目に涙を溜めて、また綱吉を抱き締めた。
「むぐっ!?」
「「ツナ!?/10代目!?」」
「つ、綱吉ー!!よかっ、良かったなぁ!!
姉さんは嬉しいぞぉ!!」
「むぐぐー!!」
「そうかそうか!!お友達ができたんだな!
君達も、綱吉のお友達になってくれてありがとう!!私は守沢朝陽!よろしくな!!」
「な、なんだこの馴れ馴れしい女は…!?」
「もりさわ…?あれ、おねーさんどこかで…」
うーん?と頭を悩ませている山本を他所に
朝陽は良かった!良かった!とニコニコしながら綱吉を抱きしめている。
「ハッ!!もしかして遊ぶ約束してた!?
ごめんな!姉さん邪魔しちゃった!」
「ううん、気にしないで!
ちょっと勉強する事になってただけだから」
「そうだったんだ…すまない、2人共。
これからも綱吉と仲良くしてくれ、
この子は確かにダメな所が目立つが…
それ以上に誰にでも優しくて、やる時にはやる強くてカッコいい男なんだ」
「ね、姉さん!!」
恥ずかしいよ…と顔を赤らめている綱吉の頭を撫でれば、綱吉は小さくなって朝陽の後ろに隠れる。
その様子に山本は笑って“知ってます!”と元気よく答え、獄寺も言葉にはしないものの頷いている。
「さぁて、私はそろそろ行こうかな。
勉強頑張れよ中学生!」
「あ、うん!ありがとう、姉さん!
お仕事頑張ってね!」
「もちろん!」
お土産楽しみにしてろよー!と元気よく笑顔で手を振る朝陽に山本は“あ!!”と声を上げた。
「あの人、アイドルの守沢朝陽か!!」