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西暦2205年
歴史の改変を目論む「歴史修正主義者」によって
過去への襲撃が始まった。
それは、大きい歴史だけでなく、小さくも深い歴史を持つ家系にも手を伸ばし、刃を振るった。
「そう…それじゃあ…もう…」
「既に両親は事切れていて、
残っていたのはその娘だけだ」
その歴史修正主義者に対抗すべく
時の政府は「審神者」という物の想い、心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ者を集めた。
その審神者によって生み出された
「刀剣男士」と共に歴史を守るために。
「…今は、この子だけでも無事で良かった。
よくやってくれましたね、山姥切国広」
ここは時の政府事務局内にある医務室。
真っ白なベッドの上には
身体中を包帯とガーゼに包まれた小さな女の子がいた。
ベッドの脇にはメガネをかけた女性と
薄汚れた布を羽織った、金髪の綺麗な男が立っており、その少女を見ていた。
「……そいつは、どうなる」
「しばらくは政府の預かりになるわ。
でも…この子には、審神者になる資格がある。」
「…そうか…」
西暦20XX年12月、
とある家が燃え、とある家系が消滅した。
歴史修正主義者が送り込んだ、
時間遡行軍によって
唯一生き残った少女すらこの世の歴史から消滅させられた。
「………………」
男…山姥切国広はあの時から自分の布を離さない少女の小さな手を見る。
炎のせいでついた煤は綺麗に拭き取ったが
満足に治療できなかったそれは赤く少し腫れており痛々しかった。
「……」
少女は山姥切が助けに入った後
すぐに気を失い、手厚い治療を受けた。
その間、ずっと山姥切の布を離さず、
数時間経った今も、離すことは無かった。
「……小さい、な」
「…当然よ。
まだ、7歳なんだから」
布を掴んでいる手は自分の手で覆い隠せる程小さくて、優しく、包むように握る。
すると、少女の睫毛がふるりと揺れ、
瞼がゆっくりと開かれた。
「「!!」」
「………………」
少女の目は暫く天井を向いていたが、
やがてゆっくりと山姥切と女性の方に動く。
そして、2人は愕然とした。
何故ならその少女の目には、
光が差しておらず、全てに絶望したかのような、暗い影が漂っていたのだから…
「っ……大丈夫?
痛い所はない?」
「…………いたい……て、が……」
女性が優しく声をかければ、
少女はゆっくりと口を動かして
目を布を握っていた手に持っていく。
同時にその布の持ち主である山姥切へと目を向けた。
「……お、にぃ…さ…」
「……大丈夫か」
「……おとうさん、おかあさん…」
「…まずは手の治療だ、そら手を離せ」
「…おにいさんは…?」
手を離そうとすれば少女の眉が下がり
山姥切はグッと息を詰まらせる。
それを見ていた女性が苦笑を漏らし
“山姥切国広、付いててくれる?”と言い
医者を呼びに行った。
「………………」
「……大丈夫か?」
「……おとうさんと、おかあさん……」
「……あの時の事、覚えてるか…」
“あの時の事”
そう言うと、少女の目から涙が落ちた。
どうやら覚えているらしい。
「っ……」
「……ばけもの…が……」
「……怖かったな…」
涙を流す少女の頭を撫で、親指で涙を拭う。
こういう事をやった事が無いから
加減はわからないものの、少女が安心したように目を細めているから良しとする。
「そら、もう泣き止め」
「……」
ーーーーーーーーーー
あれから手の治療を受けた少女は相変わらず山姥切の布を掴んでいた。
女性はそれを微笑ましそうに見てから
少し真剣な面立ちで少女と向き合った。
「はじめまして、
私は時の政府の天乃 と言います。」
女性、天乃はそう言うと
“あなたのお名前はこれでいいかしら?”と
小さな紙を渡してきた。
その紙には「あさり しぐれ」と書かれていて、少女…時雨はコクッと頷いた。
「良かった。
……それじゃあ…辛い事を思い出させてしまうかもしれないけれど…聞いてくれる?」
「……ぅん…」
「ありがとう。
……それじゃあ…まずご両親についてだけれど…
残念ながら、助ける事はできなかったわ」
「……」
「そして…あなたを含めたご家族は…
全員、この世に存在しなかった事になってしまった。」
「……そんざい、しなかった……」
天乃から聞かされた事は…
時雨にとってまだ難しく
だがあまりにも残酷なものだった。
歴史の改変を目論む「歴史修正主義者」によって
過去への襲撃が始まった。
それは、大きい歴史だけでなく、小さくも深い歴史を持つ家系にも手を伸ばし、刃を振るった。
「そう…それじゃあ…もう…」
「既に両親は事切れていて、
残っていたのはその娘だけだ」
その歴史修正主義者に対抗すべく
時の政府は「審神者」という物の想い、心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ者を集めた。
その審神者によって生み出された
「刀剣男士」と共に歴史を守るために。
「…今は、この子だけでも無事で良かった。
よくやってくれましたね、山姥切国広」
ここは時の政府事務局内にある医務室。
真っ白なベッドの上には
身体中を包帯とガーゼに包まれた小さな女の子がいた。
ベッドの脇にはメガネをかけた女性と
薄汚れた布を羽織った、金髪の綺麗な男が立っており、その少女を見ていた。
「……そいつは、どうなる」
「しばらくは政府の預かりになるわ。
でも…この子には、審神者になる資格がある。」
「…そうか…」
西暦20XX年12月、
とある家が燃え、とある家系が消滅した。
歴史修正主義者が送り込んだ、
時間遡行軍によって
唯一生き残った少女すらこの世の歴史から消滅させられた。
「………………」
男…山姥切国広はあの時から自分の布を離さない少女の小さな手を見る。
炎のせいでついた煤は綺麗に拭き取ったが
満足に治療できなかったそれは赤く少し腫れており痛々しかった。
「……」
少女は山姥切が助けに入った後
すぐに気を失い、手厚い治療を受けた。
その間、ずっと山姥切の布を離さず、
数時間経った今も、離すことは無かった。
「……小さい、な」
「…当然よ。
まだ、7歳なんだから」
布を掴んでいる手は自分の手で覆い隠せる程小さくて、優しく、包むように握る。
すると、少女の睫毛がふるりと揺れ、
瞼がゆっくりと開かれた。
「「!!」」
「………………」
少女の目は暫く天井を向いていたが、
やがてゆっくりと山姥切と女性の方に動く。
そして、2人は愕然とした。
何故ならその少女の目には、
光が差しておらず、全てに絶望したかのような、暗い影が漂っていたのだから…
「っ……大丈夫?
痛い所はない?」
「…………いたい……て、が……」
女性が優しく声をかければ、
少女はゆっくりと口を動かして
目を布を握っていた手に持っていく。
同時にその布の持ち主である山姥切へと目を向けた。
「……お、にぃ…さ…」
「……大丈夫か」
「……おとうさん、おかあさん…」
「…まずは手の治療だ、そら手を離せ」
「…おにいさんは…?」
手を離そうとすれば少女の眉が下がり
山姥切はグッと息を詰まらせる。
それを見ていた女性が苦笑を漏らし
“山姥切国広、付いててくれる?”と言い
医者を呼びに行った。
「………………」
「……大丈夫か?」
「……おとうさんと、おかあさん……」
「……あの時の事、覚えてるか…」
“あの時の事”
そう言うと、少女の目から涙が落ちた。
どうやら覚えているらしい。
「っ……」
「……ばけもの…が……」
「……怖かったな…」
涙を流す少女の頭を撫で、親指で涙を拭う。
こういう事をやった事が無いから
加減はわからないものの、少女が安心したように目を細めているから良しとする。
「そら、もう泣き止め」
「……」
ーーーーーーーーーー
あれから手の治療を受けた少女は相変わらず山姥切の布を掴んでいた。
女性はそれを微笑ましそうに見てから
少し真剣な面立ちで少女と向き合った。
「はじめまして、
私は時の政府の
女性、天乃はそう言うと
“あなたのお名前はこれでいいかしら?”と
小さな紙を渡してきた。
その紙には「あさり しぐれ」と書かれていて、少女…時雨はコクッと頷いた。
「良かった。
……それじゃあ…辛い事を思い出させてしまうかもしれないけれど…聞いてくれる?」
「……ぅん…」
「ありがとう。
……それじゃあ…まずご両親についてだけれど…
残念ながら、助ける事はできなかったわ」
「……」
「そして…あなたを含めたご家族は…
全員、この世に存在しなかった事になってしまった。」
「……そんざい、しなかった……」
天乃から聞かされた事は…
時雨にとってまだ難しく
だがあまりにも残酷なものだった。