ファイル島編
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おもちゃの町から出て
また行く宛もなく歩く子どもたち。
山に近づいているからか、
気温が下がってきて
ルーチェモンはピッタリと律にくっつきながら歩いていた。
「うぅ、寒いよ〜…」
「萎れそ〜…」
寒がっているみんなとは違い、
寒さに強いゴマモンとガブモンは元気よく歩いていた。
「まっ、寒いのも悪かないよな!」
「「「え〜〜〜!?」」」
「そんなぁ!勘弁してくださいよー!」
「だーって雪が降ったら、雪合戦できるぜ!」
笑顔でそう言った太一に
子どもたちの表情が明るくなる。
逆にデジモンたちは何のことだかわからず?を浮かべていた。
「何?そのユキガッセンって?」
「さぁ?」
「雪合戦かぁ」
「なんやそれ?食べ物かいな?」
「違いますよ。
雪合戦というのは、雪玉をぶつけ合う遊びの一種ですよ」
「なんや…」
「久しぶりに勝負できるな!」
「負けないぜ!」
「律もユキガッセンするの?」
「……かまくら…」
「カマクラ?カマクラって?」
「今度こそ食べ物でっしゃろ!」
「違いますって…」
雪に対する楽しみを胸に笑い合うみんなだが
そんな中、年長者である丈だけが深刻そうな顔でみんなを見守っていた。
ーーーーーーーーーー
少し歩くと一面銀世界になり、
寒気が一気に駆け抜ける。
「これからどうするの…?」
「とりあえず先に進む!
ここでボケっとしててもしょうがないだろ?」
「え!?この雪原をか!?」
「そうだよ!これ以上は無理だよ!」
「じゃあどうするんだよ?
前は雪原、後ろはあの山、
どっちにしろどっちかに進むしかないだろ?」
周りは見渡す限りの雪原が広がっていて
タケルとミミははしゃいでデジモンたちと雪原を走っている。
「……水の、音……」
「え?」
「あと、なんか変なニオイが…」
「そう言えばくさいわ…」
律の言葉に続き、クンクンと鼻を動かしているアグモンとピヨモン。
ルーチェモンが翼を広げ飛ぶと〝あれじゃない?〟とある方向を指さした。
「煙が出てる!」
「そうか!このニオイは…!」
「温泉だー!!」
「「温泉ー!?」」
何日かぶりのお風呂に胸を高鳴らせ
みんなは走ってそこまで行く…が、
「……ってこれ…沸騰してるぜ…」
「これに、浸かるんかいな…」
「まさか…」
「煮えテントモンができるわね…」
「そないなこと言わんといてぇなルーチェモン!!」
入ることはできないが、それの傍は温かく、寒さを凌げる場所を見つけられたと安堵する。
「呑気なこと言ってる場合か!
食料はどうするんだよ!?
ここには食料なんて……」
「あるよ?」
「何言ってんだよ、
こんなゴツゴツした岩だらけの所に…」
そう言う丈だが、
タケルが指差す先には冷蔵庫があった。
「非常識だ…!
なんでこんな所に冷蔵庫が!?」
「何が入ってるのかな?」
「そういう問題じゃないだろ!?」
「とりあえず開けてみたら?」
「だからー!」
「ミミ、ゼリーがいいなー!」
丈の制止も聞かず、太一は〝開けちゃえ!〟と扉に手をかけ、ガバッと開ける。
そこには……
「うわぁ!」
「卵だ〜!!」
冷蔵庫の中身は大量の卵であり
今日の夕飯確保!とみんなで喜んだ。
「ちょ、ちょっと待ってよ!
食べられるかどうかわからないじゃないか!」
「大丈夫だよ!
毒見だったら俺がやるからさ!」
「何言ってんだよ!
食べられるにしても人の物を勝手に食べるなんて泥棒と変わりないじゃないか!」
「仕方ないだろ? 腹減ってるんだから」
「事情を話せばわかってくれるわよ!」
「何しろ、非常事態ですからね」
「夕食はこれで決まりや!」
丈はまだ何か言いたげだったが
結局みんなに流され、目玉焼きやゆで卵、オムレツを作ることに。
岩を鍋代わりに次々と卵を割って 焼いていく。
「律ちゃん、卵割るの上手ね!お手伝いしてるの?」
「……太一…と、オムライス…作ってました…」
「オムライス!いいわね〜!」
そんな話をしながらデジモンたちが作ってくれた器に完成した料理を乗せていく。
完成した時には既に夜になっていた。
「「「いただきまーす!!」」」
「いただきまーす…」
数日振りのまともなご飯にみんなは顔を明るくさせ、次々と口に運んでいく。
「律ちゃん熱くない?」
「……大丈夫、です…」
珍しく太一の横ではなく、空の隣に座った律は空にあれよあれよと世話を焼かれていた。
「ふふ、ごめんね、私も律ちゃんと仲良くなりたくて太一にお願いしたの」
「……なかよく……」
「律ちゃんの事、もっと知りたいの。
色々と聞いてもいいかな?」
「……はい……」
コクッと頷いた律に空は顔を緩めて色々話す。
何が好きで何が嫌いか、得意なことは何か…など様々だったが踏み切った話はなく心なしか楽しそうにしている律に太一も嬉しそうに顔を緩めていた。
だがその向かい側でただ1人、黙々と不安気にご飯を食べている丈にゴマモンが声を掛ける。
「なんだ丈、食べないのか?」
「あぁ……家に帰ればこんな苦労しなくていいんだなって思ってさ…」
丈のその一言でその場はシーンと静まり、
悲しげに眉を下げた。
「……ぁ…」
「…あたし、おうちに帰りたい…」
「みんな、どうしてるかな…」
「あれからもう、4日も経ってるんですよね…」
「……ねぇ!みんな!
目玉焼きには何かけて食べる?」
沈んでいく空気を変えようと、空が話を変える。
その質問に真っ先に答えたのは丈だった。
「目玉焼きには塩コショウに決まってるじゃないか」
「俺、醤油!」
「マヨネーズ」
「私はソース!律ちゃんは?」
「……おろし、ポン酢……」
「僕も、おろしではありませんがポン酢を少々」
「ポン酢?」
「律ちゃん、それ美味しいの?」
「……詩音が、好き…」
「えー!みんな変よ!
やっぱり、目玉焼きって言えばお砂糖よね!
あたしその上に納豆乗っけたのも大好きー!!」
「納豆…?」
ミミのまさかの発言にみんなは固まり
何も言えなくなったらしく、乾いた笑いしか出なかった。
「えー!?みんな目玉焼きにそんな変なものをかけるのか!?ショックだ!日本文化の崩壊だ!」
「何訳のわかんない事言ってんだよ?」
「お、おい丈?」
「そこまで悩むか普通?
ま、納豆は悩むかもしれないけどな…」
「だって、目玉焼きには塩コショウだもの!
ソースでもマヨネーズでもなく、塩と胡椒!」
「やれやれ、丈は融通がきかないな〜」
「なんだと!?」
「だってそうだろー?
どーでもいいことで悩むし」
「僕のどこが融通がきかないんだよ!?」
「ほーら!すぐムキになるー!」
ケンカになりそうな丈とゴマモンをヤマトが止めようとするも、丈はその手を振り払った。
「うるさい!僕は落ち着いてるよ!
いつだってね!!」
「今日はどうかしてるぞ…疲れてるんじゃ…」
「疲れてなんかないよ!
どうかしてるのは、みんなの方だ!」
また行く宛もなく歩く子どもたち。
山に近づいているからか、
気温が下がってきて
ルーチェモンはピッタリと律にくっつきながら歩いていた。
「うぅ、寒いよ〜…」
「萎れそ〜…」
寒がっているみんなとは違い、
寒さに強いゴマモンとガブモンは元気よく歩いていた。
「まっ、寒いのも悪かないよな!」
「「「え〜〜〜!?」」」
「そんなぁ!勘弁してくださいよー!」
「だーって雪が降ったら、雪合戦できるぜ!」
笑顔でそう言った太一に
子どもたちの表情が明るくなる。
逆にデジモンたちは何のことだかわからず?を浮かべていた。
「何?そのユキガッセンって?」
「さぁ?」
「雪合戦かぁ」
「なんやそれ?食べ物かいな?」
「違いますよ。
雪合戦というのは、雪玉をぶつけ合う遊びの一種ですよ」
「なんや…」
「久しぶりに勝負できるな!」
「負けないぜ!」
「律もユキガッセンするの?」
「……かまくら…」
「カマクラ?カマクラって?」
「今度こそ食べ物でっしゃろ!」
「違いますって…」
雪に対する楽しみを胸に笑い合うみんなだが
そんな中、年長者である丈だけが深刻そうな顔でみんなを見守っていた。
ーーーーーーーーーー
少し歩くと一面銀世界になり、
寒気が一気に駆け抜ける。
「これからどうするの…?」
「とりあえず先に進む!
ここでボケっとしててもしょうがないだろ?」
「え!?この雪原をか!?」
「そうだよ!これ以上は無理だよ!」
「じゃあどうするんだよ?
前は雪原、後ろはあの山、
どっちにしろどっちかに進むしかないだろ?」
周りは見渡す限りの雪原が広がっていて
タケルとミミははしゃいでデジモンたちと雪原を走っている。
「……水の、音……」
「え?」
「あと、なんか変なニオイが…」
「そう言えばくさいわ…」
律の言葉に続き、クンクンと鼻を動かしているアグモンとピヨモン。
ルーチェモンが翼を広げ飛ぶと〝あれじゃない?〟とある方向を指さした。
「煙が出てる!」
「そうか!このニオイは…!」
「温泉だー!!」
「「温泉ー!?」」
何日かぶりのお風呂に胸を高鳴らせ
みんなは走ってそこまで行く…が、
「……ってこれ…沸騰してるぜ…」
「これに、浸かるんかいな…」
「まさか…」
「煮えテントモンができるわね…」
「そないなこと言わんといてぇなルーチェモン!!」
入ることはできないが、それの傍は温かく、寒さを凌げる場所を見つけられたと安堵する。
「呑気なこと言ってる場合か!
食料はどうするんだよ!?
ここには食料なんて……」
「あるよ?」
「何言ってんだよ、
こんなゴツゴツした岩だらけの所に…」
そう言う丈だが、
タケルが指差す先には冷蔵庫があった。
「非常識だ…!
なんでこんな所に冷蔵庫が!?」
「何が入ってるのかな?」
「そういう問題じゃないだろ!?」
「とりあえず開けてみたら?」
「だからー!」
「ミミ、ゼリーがいいなー!」
丈の制止も聞かず、太一は〝開けちゃえ!〟と扉に手をかけ、ガバッと開ける。
そこには……
「うわぁ!」
「卵だ〜!!」
冷蔵庫の中身は大量の卵であり
今日の夕飯確保!とみんなで喜んだ。
「ちょ、ちょっと待ってよ!
食べられるかどうかわからないじゃないか!」
「大丈夫だよ!
毒見だったら俺がやるからさ!」
「何言ってんだよ!
食べられるにしても人の物を勝手に食べるなんて泥棒と変わりないじゃないか!」
「仕方ないだろ? 腹減ってるんだから」
「事情を話せばわかってくれるわよ!」
「何しろ、非常事態ですからね」
「夕食はこれで決まりや!」
丈はまだ何か言いたげだったが
結局みんなに流され、目玉焼きやゆで卵、オムレツを作ることに。
岩を鍋代わりに次々と卵を割って 焼いていく。
「律ちゃん、卵割るの上手ね!お手伝いしてるの?」
「……太一…と、オムライス…作ってました…」
「オムライス!いいわね〜!」
そんな話をしながらデジモンたちが作ってくれた器に完成した料理を乗せていく。
完成した時には既に夜になっていた。
「「「いただきまーす!!」」」
「いただきまーす…」
数日振りのまともなご飯にみんなは顔を明るくさせ、次々と口に運んでいく。
「律ちゃん熱くない?」
「……大丈夫、です…」
珍しく太一の横ではなく、空の隣に座った律は空にあれよあれよと世話を焼かれていた。
「ふふ、ごめんね、私も律ちゃんと仲良くなりたくて太一にお願いしたの」
「……なかよく……」
「律ちゃんの事、もっと知りたいの。
色々と聞いてもいいかな?」
「……はい……」
コクッと頷いた律に空は顔を緩めて色々話す。
何が好きで何が嫌いか、得意なことは何か…など様々だったが踏み切った話はなく心なしか楽しそうにしている律に太一も嬉しそうに顔を緩めていた。
だがその向かい側でただ1人、黙々と不安気にご飯を食べている丈にゴマモンが声を掛ける。
「なんだ丈、食べないのか?」
「あぁ……家に帰ればこんな苦労しなくていいんだなって思ってさ…」
丈のその一言でその場はシーンと静まり、
悲しげに眉を下げた。
「……ぁ…」
「…あたし、おうちに帰りたい…」
「みんな、どうしてるかな…」
「あれからもう、4日も経ってるんですよね…」
「……ねぇ!みんな!
目玉焼きには何かけて食べる?」
沈んでいく空気を変えようと、空が話を変える。
その質問に真っ先に答えたのは丈だった。
「目玉焼きには塩コショウに決まってるじゃないか」
「俺、醤油!」
「マヨネーズ」
「私はソース!律ちゃんは?」
「……おろし、ポン酢……」
「僕も、おろしではありませんがポン酢を少々」
「ポン酢?」
「律ちゃん、それ美味しいの?」
「……詩音が、好き…」
「えー!みんな変よ!
やっぱり、目玉焼きって言えばお砂糖よね!
あたしその上に納豆乗っけたのも大好きー!!」
「納豆…?」
ミミのまさかの発言にみんなは固まり
何も言えなくなったらしく、乾いた笑いしか出なかった。
「えー!?みんな目玉焼きにそんな変なものをかけるのか!?ショックだ!日本文化の崩壊だ!」
「何訳のわかんない事言ってんだよ?」
「お、おい丈?」
「そこまで悩むか普通?
ま、納豆は悩むかもしれないけどな…」
「だって、目玉焼きには塩コショウだもの!
ソースでもマヨネーズでもなく、塩と胡椒!」
「やれやれ、丈は融通がきかないな〜」
「なんだと!?」
「だってそうだろー?
どーでもいいことで悩むし」
「僕のどこが融通がきかないんだよ!?」
「ほーら!すぐムキになるー!」
ケンカになりそうな丈とゴマモンをヤマトが止めようとするも、丈はその手を振り払った。
「うるさい!僕は落ち着いてるよ!
いつだってね!!」
「今日はどうかしてるぞ…疲れてるんじゃ…」
「疲れてなんかないよ!
どうかしてるのは、みんなの方だ!」