ファイル島編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
辺りを見渡すも、周りには何もなく
風の音と草木が揺れる音だけが虚しく響く。
「……」
「ど、どうしよう…!みんなー!どこー!?」
ルーチェモンが慌てて呼び掛けるも
それに応えてくれる者はなく、
ルーチェモンの声だけが木霊する…
すると、ドシン…ドシン…と大きな音が響き、森の奥から黄色いクマがやってきた。
「もんざえモンだわ!」
「おもちゃの町へようこそ!」
「……もんざえモン……」
「アンドロモンと同じ位強いデジモンよ!
おもちゃの町の町長!
……なんだけど…ここ、森…よね?」
キョロキョロと辺りを見渡すも
周りは木ばかりで町という町が見つからない。
それに?を浮かべていると
ギュッと律がルーチェモンの手を握った。
「?律?」
「……音……変…」
「!!」
ハッともんざえモンを見上げると
もんざえモンは怪しい笑みを浮かべて
手を伸ばしてきた。
「律!!」
「……ルーチェモン…」
「ラブリーアタック!」
慌てて律に手を伸ばすも
それは空を切り、2人は意識を飛ばした。
ーーーーーーーーーー
『律はスゴイな!天才だ!』
『律は僕たちの自慢の__だ!
きっと天国の母さんも誇りに思ってる!』
『律、誕生日おめでとう!
これは僕からのプレゼントだ!』
「〜♪」
ーーーーーーーーーー
もんざえモンによって連れ攫われ、
子供たちと離れ離れになってしまったデジモンたちは宝箱の中に閉じ込めれてしまった。
すると外からミミとパルモンの声が聞こえて、みんなは騒いで居場所を伝える。
『誰かいるの?』
「パルモン!」
『アグモンなのね!?』
『ピヨモン、テントモン、ガブモン、 ゴマモン、パタモン、ルーチェモンは!?』
「みんないる!」
『どうしたの!?』
「もんざえモンにやられたの!
もんざえモンのラブリーアタックを受けて…気付いたらここに…」
デジモンはおもちゃ箱に、子供たちは感情を消しておもちゃのおもちゃになりましょう!
『おもちゃの、おもちゃ?
!おもちゃに遊ばれてたのね!』
『もんざえモンの身に何が起きたの?』
「わからない…」
『ねえ!この箱から出られないの!?』
「壊そうとしたけどダメだった!」
「オレたちを助ける事より、
ヤマトたちを助ける事の方が先さ!」
「律!!律は無事なの!?」
『律ちゃん?
……そういえば見てないかも…』
「!?ぁ……あぁ……律…!!
どうしよう!律が!律がぁ!!」
「落ち着いてルーチェモン!
もんざえモンを倒す事ができれば
居場所がわかるかもしれないし、
空たちも助かるかもしれないわ!」
『ええ!?』
『無理よ…!』
「パルモン!ミミ!
頼りになるのはお前たちしかいない!」
「お願い!もんざえモンを倒して律たちを助けて!!」
デジモンたちの懇願により、
とりあえず外へと出たミミとパルモン。
するとどこからか綺麗な歌声が聞こえ そこへ向かって走る。
町の中にある小さな野外ステージ。
そこには律がおり、あのハープを持って座っているぬいぐるみたちに歌を聞かせていた。
「律ちゃん…?」
「〜♪」
「……もんざえモンのラブリーアタックは
幸せの詰まったハートを飛ばすハッピーな攻撃のはずなんだけどな…」
無表情で歌う律はどこか機械的で、地下水路で聞いたあの歌より無機質なものだった。
「どこがハッピーなのよ…
確かに律は無表情だけど…
それでも…あんな歌…律ちゃんの歌じゃないわ……」
ーーーーーーーーーー
気付いたら、自分はぬいぐるみに囲まれ
スタンドマイクの前に立っていた。
手にはハープを持っていて、ただその場に立ち尽くす。
いつも手を引いてくれる太一がいない。
隣りにいるルーチェモンがいない。
みんなが、いない。
「…………」
『大丈夫』
「……」
不意に第三者の声が響く。
顔を上げればどういう原理なのか
目の前でふよふよと浮いている女の子がいた。
赤茶の長い髪に真っ赤なマントを羽織った小さな女の子。その女の子はマントと同じ赤い瞳を細め、そっと律を見上げた。
「……」
『もうすぐ君の仲間がここに来る。
安心して、君は1人じゃないからね』
女の子がニコッと笑うと〝律〜〜〜〜!!〟と聞き慣れた声が聞こえた。 顔を上げると涙で顔をぐちゃぐちゃにしたルーチェモンがこっちに向かって飛んできているのが見えた。
「律〜〜〜!!
ぶじで…ぐずっ…ぶじでよがっだぁああ!!
うわああああん!!!!」
ルーチェモンは勢いのまま律に抱き着くとわんわん泣いた。
すると奥から子供たちも駆け付け、太一を筆頭に心配そうな顔をしていたが、律の顔を見てホッと肩の力を落とした。
「もんざえモンが謝りたいんだと!
律も行こう!」
「えぐっ…ぐすっ…!
律…!ぶじで…よかったぁ…!」
「ほら、ルーチェモンもいい加減泣き止めって!」
太一にぐりぐりと頭を撫でられながら
律はあの女の子を探す。
さっきまでいた所には既におらず
ただ虚しくぬいぐるみがこちらを見ているだけだった……
「……」
ーーーーーーーーーー
「おもちゃは遊びに飽きられると
あっさり壊され、ホイホイと捨てられてしまう…それが許せなかったのです。
だから、おもちゃの町の町長のワシは
おもちゃの地位向上を目指して…」
「おもちゃのチイコウジョウって?」
「おもちゃを偉くするって事だと思う」
「その通りです。
おもちゃが遊ばれちゃいけない。
おもちゃが遊ばなくちゃいけない、と」
「それで俺たちがおもちゃに遊ばれてたんだ!」
「すみません…思い上がってたんです…」
もんざえモンがそう言うと
もんざえモンの中にあった黒い歯車が壊れた。
「あ!黒い歯車!」
「もんざえモンが思い上がってたのは
歯車が原因だったのか!」
「もんざえモンのおもちゃを愛する気持ち、わかるわ!」
「ええ!」
「パルモン、ワシの思い上がった心を正気に戻してくれてありがとう。
お礼にハッピーにしてあげましょう!
これが本当のラブリーアタック!!」
赤いハートに包まれ、
みんなは幸せそうに笑う。
『おとさん!
はーぷ!はーぷ聞かせて!』
『おとさんのはーぷきれい!
しおんもいつか、おとさんみたいにきれいなえんそうするんだ!』
「……詩音……」
みんなの笑い声が響く中、
律はそっと目を閉じて
温かなそれに身を委ねた。
『……幸せだね』
風の音と草木が揺れる音だけが虚しく響く。
「……」
「ど、どうしよう…!みんなー!どこー!?」
ルーチェモンが慌てて呼び掛けるも
それに応えてくれる者はなく、
ルーチェモンの声だけが木霊する…
すると、ドシン…ドシン…と大きな音が響き、森の奥から黄色いクマがやってきた。
「もんざえモンだわ!」
「おもちゃの町へようこそ!」
「……もんざえモン……」
「アンドロモンと同じ位強いデジモンよ!
おもちゃの町の町長!
……なんだけど…ここ、森…よね?」
キョロキョロと辺りを見渡すも
周りは木ばかりで町という町が見つからない。
それに?を浮かべていると
ギュッと律がルーチェモンの手を握った。
「?律?」
「……音……変…」
「!!」
ハッともんざえモンを見上げると
もんざえモンは怪しい笑みを浮かべて
手を伸ばしてきた。
「律!!」
「……ルーチェモン…」
「ラブリーアタック!」
慌てて律に手を伸ばすも
それは空を切り、2人は意識を飛ばした。
ーーーーーーーーーー
『律はスゴイな!天才だ!』
『律は僕たちの自慢の__だ!
きっと天国の母さんも誇りに思ってる!』
『律、誕生日おめでとう!
これは僕からのプレゼントだ!』
「〜♪」
ーーーーーーーーーー
もんざえモンによって連れ攫われ、
子供たちと離れ離れになってしまったデジモンたちは宝箱の中に閉じ込めれてしまった。
すると外からミミとパルモンの声が聞こえて、みんなは騒いで居場所を伝える。
『誰かいるの?』
「パルモン!」
『アグモンなのね!?』
『ピヨモン、テントモン、ガブモン、 ゴマモン、パタモン、ルーチェモンは!?』
「みんないる!」
『どうしたの!?』
「もんざえモンにやられたの!
もんざえモンのラブリーアタックを受けて…気付いたらここに…」
デジモンはおもちゃ箱に、子供たちは感情を消しておもちゃのおもちゃになりましょう!
『おもちゃの、おもちゃ?
!おもちゃに遊ばれてたのね!』
『もんざえモンの身に何が起きたの?』
「わからない…」
『ねえ!この箱から出られないの!?』
「壊そうとしたけどダメだった!」
「オレたちを助ける事より、
ヤマトたちを助ける事の方が先さ!」
「律!!律は無事なの!?」
『律ちゃん?
……そういえば見てないかも…』
「!?ぁ……あぁ……律…!!
どうしよう!律が!律がぁ!!」
「落ち着いてルーチェモン!
もんざえモンを倒す事ができれば
居場所がわかるかもしれないし、
空たちも助かるかもしれないわ!」
『ええ!?』
『無理よ…!』
「パルモン!ミミ!
頼りになるのはお前たちしかいない!」
「お願い!もんざえモンを倒して律たちを助けて!!」
デジモンたちの懇願により、
とりあえず外へと出たミミとパルモン。
するとどこからか綺麗な歌声が聞こえ そこへ向かって走る。
町の中にある小さな野外ステージ。
そこには律がおり、あのハープを持って座っているぬいぐるみたちに歌を聞かせていた。
「律ちゃん…?」
「〜♪」
「……もんざえモンのラブリーアタックは
幸せの詰まったハートを飛ばすハッピーな攻撃のはずなんだけどな…」
無表情で歌う律はどこか機械的で、地下水路で聞いたあの歌より無機質なものだった。
「どこがハッピーなのよ…
確かに律は無表情だけど…
それでも…あんな歌…律ちゃんの歌じゃないわ……」
ーーーーーーーーーー
気付いたら、自分はぬいぐるみに囲まれ
スタンドマイクの前に立っていた。
手にはハープを持っていて、ただその場に立ち尽くす。
いつも手を引いてくれる太一がいない。
隣りにいるルーチェモンがいない。
みんなが、いない。
「…………」
『大丈夫』
「……」
不意に第三者の声が響く。
顔を上げればどういう原理なのか
目の前でふよふよと浮いている女の子がいた。
赤茶の長い髪に真っ赤なマントを羽織った小さな女の子。その女の子はマントと同じ赤い瞳を細め、そっと律を見上げた。
「……」
『もうすぐ君の仲間がここに来る。
安心して、君は1人じゃないからね』
女の子がニコッと笑うと〝律〜〜〜〜!!〟と聞き慣れた声が聞こえた。 顔を上げると涙で顔をぐちゃぐちゃにしたルーチェモンがこっちに向かって飛んできているのが見えた。
「律〜〜〜!!
ぶじで…ぐずっ…ぶじでよがっだぁああ!!
うわああああん!!!!」
ルーチェモンは勢いのまま律に抱き着くとわんわん泣いた。
すると奥から子供たちも駆け付け、太一を筆頭に心配そうな顔をしていたが、律の顔を見てホッと肩の力を落とした。
「もんざえモンが謝りたいんだと!
律も行こう!」
「えぐっ…ぐすっ…!
律…!ぶじで…よかったぁ…!」
「ほら、ルーチェモンもいい加減泣き止めって!」
太一にぐりぐりと頭を撫でられながら
律はあの女の子を探す。
さっきまでいた所には既におらず
ただ虚しくぬいぐるみがこちらを見ているだけだった……
「……」
ーーーーーーーーーー
「おもちゃは遊びに飽きられると
あっさり壊され、ホイホイと捨てられてしまう…それが許せなかったのです。
だから、おもちゃの町の町長のワシは
おもちゃの地位向上を目指して…」
「おもちゃのチイコウジョウって?」
「おもちゃを偉くするって事だと思う」
「その通りです。
おもちゃが遊ばれちゃいけない。
おもちゃが遊ばなくちゃいけない、と」
「それで俺たちがおもちゃに遊ばれてたんだ!」
「すみません…思い上がってたんです…」
もんざえモンがそう言うと
もんざえモンの中にあった黒い歯車が壊れた。
「あ!黒い歯車!」
「もんざえモンが思い上がってたのは
歯車が原因だったのか!」
「もんざえモンのおもちゃを愛する気持ち、わかるわ!」
「ええ!」
「パルモン、ワシの思い上がった心を正気に戻してくれてありがとう。
お礼にハッピーにしてあげましょう!
これが本当のラブリーアタック!!」
赤いハートに包まれ、
みんなは幸せそうに笑う。
『おとさん!
はーぷ!はーぷ聞かせて!』
『おとさんのはーぷきれい!
しおんもいつか、おとさんみたいにきれいなえんそうするんだ!』
「……詩音……」
みんなの笑い声が響く中、
律はそっと目を閉じて
温かなそれに身を委ねた。
『……幸せだね』