ファイル島編
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あれからまた帰る手掛かりを掴む為
移動していた子供たち。
するとゴォオオオと不思議な音がして
みんなは足を止めた。
「「「?」」」
「何の音だ?」
上を見上げると黒い物体が空を飛んでいった。一瞬だったが歯車のようだ。
「歯車みたいだったな」
「空飛ぶ円盤じゃないの?」
「歯車型の隕石だったりして」
「何にしても良い感じのするもんじゃないなぁ…」
そう話していると足を踏み外したのか
タケルが落ちそうになり、近くにいた太一が慌てて引き上げる。
「いてて…」
「大丈夫か?タケル」
「いったぁ…けど、大丈夫。ガマンする」
「我慢しなくていいのよ?
痛かったら痛いって言ってもいいんだから…」
空がそう言うと〝ほんとはちょっとだけ痛い…〟と呟いた。
「大丈夫!?タケルー!!」
「あんさんに言われたないなぁ」
「「「あはは!!」」」
笑い合うみんなをジッと見ていると、
横に立って自分の手を握っているルーチェモンが顔を覗き込んできた。
「律、疲れてない?」
「……大丈夫…」
「そっか。
疲れたら言ってね、私が抱っこしてあげる!」
ムンっ!と力こぶを作るポーズを取るルーチェモンだがそこに力こぶはなく、律はただ黙っていた。
すると近くにいたゴマモンがニヤニヤと笑って口を開く。
「ルーチェモンにそんな力あんのかよー?」
「なんですってー!?
律を持ち上げる力位あるわよ!
何だったら今からでも抱っこしてあげる!」
そう言ってルーチェモンは律の体に手を回し抱き上げる。
ひょいっと軽々と持ち上がった体にルーチェモンは驚いて律の顔を凝視する。
「……律…軽い……」
「ルーチェモン?何してんだお前」
「た、太一…律……軽い…」
クワガーモンに襲われた時も抱っこしたはずだが、あの時は慌てていた事もありすっかり忘れていた。
タケルと同じ位小さいとはいえ、ハープが入ったリュックを背負い、それなりに重いと思っていたのに…その体はとても軽く、ルーチェモンはギギギ…と壊れたブリキのように太一を見た。
それに気付いた太一は〝あー〟と頬をかいてルーチェモンに抱かれている律の頭を撫でる。
「律は少食で体もちっせぇから軽いんだよ。」
「ど、どうしよ…だ、抱きしめたら
律が、つ…つぶれちゃ…!」
「そこまで軟じゃねぇって!」
サァっと顔を青ざめるルーチェモンにツッコミを入れるとまた笑いが起きる。
律は相変わらず無表情だ。
空気も和らいだ所で早速移動を…と思ったが行く宛がない。
「あたしは空がいてくれればそれであーんしん!」
「そんなぁ…100%安心されちゃっても困るんだけどなぁ…責任取れないよ?」
「ひゃくぱー?」
「ゔっ…い、いい!いい!気にしないくて!」
「せきにんとれ…?」
「いいってば!気にしないで!」
「あたし、空の喋ってる事いーっぱい知りたい!教えて!ねー!!」
「そんなの知らなくていいよ〜…」
「何じゃれてるんだよ?」
「余裕だな、な?律」
「……空さん……大丈夫、ですか……」
「……律ちゃんの優しさが染みるわ……ありがとう、大丈夫よ」
「……」
「ピヨモンは人懐っこいデジモンなんや」
「なるほど…
デジモンによって性格がそれぞれ違うんですね」
「ふふ、そ〜ら!そ〜ら〜!」
「(こんな甘ったれなデジモンと上手くやって行けるのかしら……)」
暫く歩いていると森から抜け、
電柱がたくさん立っているサバンナに辿り着いた。
「……これってTVで見たアフリカのサバンナって所に似てる」
「え!?じゃあライオンとかキリンとか出てきちゃうのか!?」
「さぁ?そんな普通のヤツだったらまだマシだけどな」
「ここにはそんな動物いないよ?」
「その通り!ここにはデジモンしかいてまへん!」
「デジモンしかいないか…」
「光子郎が見たサバンナって電柱とか立ってたか?」
「いいえ、立ってませんでしたね」
「きっと、人間が近くにいるんだ!
きっとそうに違いない!」
「えー?でも海岸の公衆電話とか
湖の電車みたいな事があんじゃん!」
「いいや違う!
絶対絶対人間がいるんだって!!」
頑なに人間がいると信じて疑わない丈だが、〝ここにはデジモンしかない〟と聞かされているみんなは疑いの目を向ける。
するとミミが〝ここは一体どこでしょー!?〟とコンパスを取り出した。
だがコンパスはグルグルと動き、やがて高速で回転し始めた。
「やーん!なにこれー!」
「砂みたいに見えるけど これよく見たら鉄の粉だ! 磁石にくっつきますよ!」
「やっぱり私たち、とんでもない所に来ちゃったのかしら…」
「それにしても暑いですね…
早く水を確保した方がいいんじゃないですか?」
「うん…確かにな」
「うわーん!! ここは一体どこなのー!!?」
ミミの声が響き渡るも、
その答えが返ってくるわけでもなく
みんなはまた歩き出す。
「暑い…」
「やっぱり森の中にいた方が良かったんだよ…」
「このままじゃ全員干上がっちまうな…」
「律、平気?抱っこしようか?」
「……大丈夫……」
ルーチェモンに手を引っ張られて歩く律、汗はかいてるものの何も感じないのか何を聞いても〝平気、大丈夫〟としか返ってこない。
ルーチェモンは少し考えると、 羽を大きく広げ、律を日差しから守るように覆い隠す。
「……」
「これでどう?涼しい?」
「……わからない……」
「……そう…」
「……でも」
「!」
「……ありがとう……」
律の一挙一動に目を向け、一言一句聞き逃さないルーチェモンの耳にはその呟きが届いており、すぐに頬を赤らめ、嬉しそうに笑った。
「そーら!そーらー! 頑張って歩こう?」
「あなた元気ねぇ…」
「そら〜!そーら!」
「あーもう!いい加減にしてよ!
私はね、今喉が渇いてて疲れてるし
歩いてて疲れてるし、無邪気にじゃれつかないの!余計に疲れるわ!!」
途端、空の怒鳴り声が響き みんなは足を止める。怒られたピヨモンはハッとして俯いた。
「空疲れてるんだ… ごめん…ピヨモン大人しくする…」
「んー…わかったわかった!一緒に歩こう?」
「!!あたし嬉しい!!
空〜だーいすき〜!」
「もうっピヨモンってば甘えん坊なんだから!!」
「ルーチェモンが言うかよ」
「私のは愛情表現よ!!」
〝一緒にしないで!〟とそっぽを向いたルーチェモンに苦笑を漏らし、森に戻るかどうするかと話を進める。
すると太一が単眼鏡を取り出して、辺りを見渡す。
「ん?んん??あ!!村だ!!」
「え!?」
「ほらほらほら!
村だって!やっぱ人間がいるんだよ!」
「何にせよ行ってみる価値はありそうですね!」
「よし!あの村に行こう!!」
「「「おお!!」」」
移動していた子供たち。
するとゴォオオオと不思議な音がして
みんなは足を止めた。
「「「?」」」
「何の音だ?」
上を見上げると黒い物体が空を飛んでいった。一瞬だったが歯車のようだ。
「歯車みたいだったな」
「空飛ぶ円盤じゃないの?」
「歯車型の隕石だったりして」
「何にしても良い感じのするもんじゃないなぁ…」
そう話していると足を踏み外したのか
タケルが落ちそうになり、近くにいた太一が慌てて引き上げる。
「いてて…」
「大丈夫か?タケル」
「いったぁ…けど、大丈夫。ガマンする」
「我慢しなくていいのよ?
痛かったら痛いって言ってもいいんだから…」
空がそう言うと〝ほんとはちょっとだけ痛い…〟と呟いた。
「大丈夫!?タケルー!!」
「あんさんに言われたないなぁ」
「「「あはは!!」」」
笑い合うみんなをジッと見ていると、
横に立って自分の手を握っているルーチェモンが顔を覗き込んできた。
「律、疲れてない?」
「……大丈夫…」
「そっか。
疲れたら言ってね、私が抱っこしてあげる!」
ムンっ!と力こぶを作るポーズを取るルーチェモンだがそこに力こぶはなく、律はただ黙っていた。
すると近くにいたゴマモンがニヤニヤと笑って口を開く。
「ルーチェモンにそんな力あんのかよー?」
「なんですってー!?
律を持ち上げる力位あるわよ!
何だったら今からでも抱っこしてあげる!」
そう言ってルーチェモンは律の体に手を回し抱き上げる。
ひょいっと軽々と持ち上がった体にルーチェモンは驚いて律の顔を凝視する。
「……律…軽い……」
「ルーチェモン?何してんだお前」
「た、太一…律……軽い…」
クワガーモンに襲われた時も抱っこしたはずだが、あの時は慌てていた事もありすっかり忘れていた。
タケルと同じ位小さいとはいえ、ハープが入ったリュックを背負い、それなりに重いと思っていたのに…その体はとても軽く、ルーチェモンはギギギ…と壊れたブリキのように太一を見た。
それに気付いた太一は〝あー〟と頬をかいてルーチェモンに抱かれている律の頭を撫でる。
「律は少食で体もちっせぇから軽いんだよ。」
「ど、どうしよ…だ、抱きしめたら
律が、つ…つぶれちゃ…!」
「そこまで軟じゃねぇって!」
サァっと顔を青ざめるルーチェモンにツッコミを入れるとまた笑いが起きる。
律は相変わらず無表情だ。
空気も和らいだ所で早速移動を…と思ったが行く宛がない。
「あたしは空がいてくれればそれであーんしん!」
「そんなぁ…100%安心されちゃっても困るんだけどなぁ…責任取れないよ?」
「ひゃくぱー?」
「ゔっ…い、いい!いい!気にしないくて!」
「せきにんとれ…?」
「いいってば!気にしないで!」
「あたし、空の喋ってる事いーっぱい知りたい!教えて!ねー!!」
「そんなの知らなくていいよ〜…」
「何じゃれてるんだよ?」
「余裕だな、な?律」
「……空さん……大丈夫、ですか……」
「……律ちゃんの優しさが染みるわ……ありがとう、大丈夫よ」
「……」
「ピヨモンは人懐っこいデジモンなんや」
「なるほど…
デジモンによって性格がそれぞれ違うんですね」
「ふふ、そ〜ら!そ〜ら〜!」
「(こんな甘ったれなデジモンと上手くやって行けるのかしら……)」
暫く歩いていると森から抜け、
電柱がたくさん立っているサバンナに辿り着いた。
「……これってTVで見たアフリカのサバンナって所に似てる」
「え!?じゃあライオンとかキリンとか出てきちゃうのか!?」
「さぁ?そんな普通のヤツだったらまだマシだけどな」
「ここにはそんな動物いないよ?」
「その通り!ここにはデジモンしかいてまへん!」
「デジモンしかいないか…」
「光子郎が見たサバンナって電柱とか立ってたか?」
「いいえ、立ってませんでしたね」
「きっと、人間が近くにいるんだ!
きっとそうに違いない!」
「えー?でも海岸の公衆電話とか
湖の電車みたいな事があんじゃん!」
「いいや違う!
絶対絶対人間がいるんだって!!」
頑なに人間がいると信じて疑わない丈だが、〝ここにはデジモンしかない〟と聞かされているみんなは疑いの目を向ける。
するとミミが〝ここは一体どこでしょー!?〟とコンパスを取り出した。
だがコンパスはグルグルと動き、やがて高速で回転し始めた。
「やーん!なにこれー!」
「砂みたいに見えるけど これよく見たら鉄の粉だ! 磁石にくっつきますよ!」
「やっぱり私たち、とんでもない所に来ちゃったのかしら…」
「それにしても暑いですね…
早く水を確保した方がいいんじゃないですか?」
「うん…確かにな」
「うわーん!! ここは一体どこなのー!!?」
ミミの声が響き渡るも、
その答えが返ってくるわけでもなく
みんなはまた歩き出す。
「暑い…」
「やっぱり森の中にいた方が良かったんだよ…」
「このままじゃ全員干上がっちまうな…」
「律、平気?抱っこしようか?」
「……大丈夫……」
ルーチェモンに手を引っ張られて歩く律、汗はかいてるものの何も感じないのか何を聞いても〝平気、大丈夫〟としか返ってこない。
ルーチェモンは少し考えると、 羽を大きく広げ、律を日差しから守るように覆い隠す。
「……」
「これでどう?涼しい?」
「……わからない……」
「……そう…」
「……でも」
「!」
「……ありがとう……」
律の一挙一動に目を向け、一言一句聞き逃さないルーチェモンの耳にはその呟きが届いており、すぐに頬を赤らめ、嬉しそうに笑った。
「そーら!そーらー! 頑張って歩こう?」
「あなた元気ねぇ…」
「そら〜!そーら!」
「あーもう!いい加減にしてよ!
私はね、今喉が渇いてて疲れてるし
歩いてて疲れてるし、無邪気にじゃれつかないの!余計に疲れるわ!!」
途端、空の怒鳴り声が響き みんなは足を止める。怒られたピヨモンはハッとして俯いた。
「空疲れてるんだ… ごめん…ピヨモン大人しくする…」
「んー…わかったわかった!一緒に歩こう?」
「!!あたし嬉しい!!
空〜だーいすき〜!」
「もうっピヨモンってば甘えん坊なんだから!!」
「ルーチェモンが言うかよ」
「私のは愛情表現よ!!」
〝一緒にしないで!〟とそっぽを向いたルーチェモンに苦笑を漏らし、森に戻るかどうするかと話を進める。
すると太一が単眼鏡を取り出して、辺りを見渡す。
「ん?んん??あ!!村だ!!」
「え!?」
「ほらほらほら!
村だって!やっぱ人間がいるんだよ!」
「何にせよ行ってみる価値はありそうですね!」
「よし!あの村に行こう!!」
「「「おお!!」」」