ファイル島編
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ふわぁっとパタモンを始め多くのデジモンが欠伸をしその場で眠ろうとしている。
それを見ていた太一も大きく欠伸をして〝そろそろ寝ようぜ〟とみんなに声をかけた。
「交代で見張りをした方が良くないですか?」
「そうだな、順番を決めよう!」
「女の子はやらなくてもいいだろ?」
「タケルもだ」
「僕平気だよ!」
「いいから、お前はゆっくり休め」
「律、お前はどうする?」
「おい太一、律にまで見張りをやらせる気か」
「ちげぇよ。
俺の傍にいるか電車の中にいるかって話だ」
「……」
律はただボーっと太一の手を握っており、何も反応しない
それを見た太一はルーチェモンを呼んだ。
「なぁに?」
「律、ルーチェモンと俺、どっちといたい?手を握って決めてくれ」
「……」
律は太一とルーチェモンの手を握り、2人を見上げる。
太一はそれに頷いて口を開いた。
「ルーチェモン、俺が見張りの間
律の事温めてやってくれ」
「うん、任せて!」
「ついでに俺も…」
「あんたにあげる温度なんかないわよ!!
アグモンと抱き合ってればいいわ!」
「ちぇ…」
ペチッと羽で叩かれた手を擦り、
太一は律の頭を撫でる。
最初こそ不貞腐れていたもののすぐに切り替えて笑顔で手を挙げた。
「律の事もあるし最初の見張りは俺がやるぜ」
「その次は俺がやる」
「わかった、光子郎がその次、最後は僕だ。
さぁみんな、路面電車の中で寝るんだ!」
丈の指示に従い、みんなは路面電車の中に入る。
太一とアグモン、律とルーチェモンは見張りの為、火を起こして身を寄せ合っていた。
「律は寝たな…」
「太一ってば律の前だからってカッコつけすぎよ!」
「うっせっ!
俺が律の手を引かないと行けないんだよ!」
「わわ!太一シーッ!
律起きちゃう!」
「!!」
ハッとルーチェモンによりかかって眠る律を見ると相変わらずすやすやと眠っていて、ホッと息を吐く。
「……ねぇ太一、律はどうして自分では動けないの?これじゃあまるで……」
ふと、ルーチェモンが太一に向かって疑問をぶつける。
その言葉に太一は眉を寄せ、どこか言い難そうにしながら律の頭を撫でた。
「律の…今の両親は最低な奴らでさ…律の事を道具扱いしてるんだよ」
「道具…?」
「あぁ……
律はいわゆる天才ってやつでさ ハープを演奏させれば大人顔負けの実力を持っていたんだ。
……けど、今の両親はそんな律を金儲けするだけの道具としか思ってないんだ」
「〝今の〟って事は昔は違うの?」
「あぁ、律の本当の両親は 律が小さい頃に死んじゃっててさ
確か、今の両親は律の叔父で…」
ジャリッ…
「!!誰だ!?」
「あ……わりぃ…」
太一が話を進めていると 石を踏む音が響き、咄嗟に後ろを向く。そこには気まずそうにしているヤマトがいて、太一たちは肩の力を抜いた。
「なんだヤマトか…」
「悪い…眠れなくてさ…
聞く予定もなかったんだが…」
「別にいいよ。
律の事はいずれわかる事だし…
「ヤマトは律の事知らなかったの?」
「あぁ…誰かが手を引っ張らないと動かないから、時々面倒見てくれって太一から言われただけだからな…」
ヤマトはルーチェモンの腕の中で眠る律の頭に手を伸ばしそっと撫でる。
律は少し身を捩るが すぐに寝息を立てた。
「……なぁ、太一…もしかして律がこうなったのって…」
「あぁ、その叔父が悪いんだ…
しかもあんな事件があったから…」
「事件?」
太一は一瞬しまった…という顔をするも 目を瞑り、意を決したように口を開いた。
「……その叔父には娘がいてさ、
律の1つ下。
その妹が…殺されかけたんだ。
叔父…その子にとっては実の両親に」
「!?」 ヤマトは太一から発せられた話に衝撃を受け、思わず言葉を無くす。
太一はそれに気付きながらも話を続けた。
「何があったのかはわからない…
けど律がハープの練習を終えて帰宅した時には…もう…」
「…その、妹は……」
「まだ生死を彷徨っているらしい…
もう1年になるそうだ…」
「……」
「律にとってその子だけが癒しだったんだ…あの時の律はまだ心があったから」
「そう、なのか…」
「ねぇ太一、律はどんな子だったの?私、律のこともっと知りたいな〜」
「律は優しい子だよ。
あの叔父に引き取られた後も
笑顔で俺とヒカリに接してくれた、泣くことも、弱音も吐く事もなく…」
『僕に、いもうとができたの。
とってもかわいいいもうとが。
僕、お__ちゃんになるんだよ』
「……あいつの性別がわからないのもそれか…?」
「あぁ。
律からしたら全部どうでもいいんだ。
性別も家族も家も…今、律が生きてるのは、その妹の存在と音楽のおかげだ。
それが無くなったら…律は死ぬ」
「そんなっ!!」
「んん……ん……ルーチェモン…」
「はっ!!
……ごめん、起こしちゃった…」
「律、まだ眠そうだな」
「……ふぁ…ふ……」
うとうとと船を漕いでいる律に 太一は優しい笑みを浮かべ、ルーチェモンを見る。
「ルーチェモン、先に電車に戻ってくれ」
「ぇ…でも…」
「いいからいいから
律の体冷やしちゃやべーし
どうせもうすぐで交代だからよ」
「……わかった…律、少し運ぶよ」
「……ん…」
半分寝ている律を抱き上げ ルーチェモンは路面電車の中に入る。
みんなは既に眠っていて、空いてる席を見つけるとそっと横にならせて自分も律を抱きしめるように横になる。
「……」
『律は死ぬ』
「っ……死なせないから……
律は…私が守るから…」
ルーチェモンはすやすやと眠る律を見て改めてパートナーとして守ることを誓い眠る為に目を閉じた。
ドゴーーーン!!
それを見ていた太一も大きく欠伸をして〝そろそろ寝ようぜ〟とみんなに声をかけた。
「交代で見張りをした方が良くないですか?」
「そうだな、順番を決めよう!」
「女の子はやらなくてもいいだろ?」
「タケルもだ」
「僕平気だよ!」
「いいから、お前はゆっくり休め」
「律、お前はどうする?」
「おい太一、律にまで見張りをやらせる気か」
「ちげぇよ。
俺の傍にいるか電車の中にいるかって話だ」
「……」
律はただボーっと太一の手を握っており、何も反応しない
それを見た太一はルーチェモンを呼んだ。
「なぁに?」
「律、ルーチェモンと俺、どっちといたい?手を握って決めてくれ」
「……」
律は太一とルーチェモンの手を握り、2人を見上げる。
太一はそれに頷いて口を開いた。
「ルーチェモン、俺が見張りの間
律の事温めてやってくれ」
「うん、任せて!」
「ついでに俺も…」
「あんたにあげる温度なんかないわよ!!
アグモンと抱き合ってればいいわ!」
「ちぇ…」
ペチッと羽で叩かれた手を擦り、
太一は律の頭を撫でる。
最初こそ不貞腐れていたもののすぐに切り替えて笑顔で手を挙げた。
「律の事もあるし最初の見張りは俺がやるぜ」
「その次は俺がやる」
「わかった、光子郎がその次、最後は僕だ。
さぁみんな、路面電車の中で寝るんだ!」
丈の指示に従い、みんなは路面電車の中に入る。
太一とアグモン、律とルーチェモンは見張りの為、火を起こして身を寄せ合っていた。
「律は寝たな…」
「太一ってば律の前だからってカッコつけすぎよ!」
「うっせっ!
俺が律の手を引かないと行けないんだよ!」
「わわ!太一シーッ!
律起きちゃう!」
「!!」
ハッとルーチェモンによりかかって眠る律を見ると相変わらずすやすやと眠っていて、ホッと息を吐く。
「……ねぇ太一、律はどうして自分では動けないの?これじゃあまるで……」
ふと、ルーチェモンが太一に向かって疑問をぶつける。
その言葉に太一は眉を寄せ、どこか言い難そうにしながら律の頭を撫でた。
「律の…今の両親は最低な奴らでさ…律の事を道具扱いしてるんだよ」
「道具…?」
「あぁ……
律はいわゆる天才ってやつでさ ハープを演奏させれば大人顔負けの実力を持っていたんだ。
……けど、今の両親はそんな律を金儲けするだけの道具としか思ってないんだ」
「〝今の〟って事は昔は違うの?」
「あぁ、律の本当の両親は 律が小さい頃に死んじゃっててさ
確か、今の両親は律の叔父で…」
ジャリッ…
「!!誰だ!?」
「あ……わりぃ…」
太一が話を進めていると 石を踏む音が響き、咄嗟に後ろを向く。そこには気まずそうにしているヤマトがいて、太一たちは肩の力を抜いた。
「なんだヤマトか…」
「悪い…眠れなくてさ…
聞く予定もなかったんだが…」
「別にいいよ。
律の事はいずれわかる事だし…
「ヤマトは律の事知らなかったの?」
「あぁ…誰かが手を引っ張らないと動かないから、時々面倒見てくれって太一から言われただけだからな…」
ヤマトはルーチェモンの腕の中で眠る律の頭に手を伸ばしそっと撫でる。
律は少し身を捩るが すぐに寝息を立てた。
「……なぁ、太一…もしかして律がこうなったのって…」
「あぁ、その叔父が悪いんだ…
しかもあんな事件があったから…」
「事件?」
太一は一瞬しまった…という顔をするも 目を瞑り、意を決したように口を開いた。
「……その叔父には娘がいてさ、
律の1つ下。
その妹が…殺されかけたんだ。
叔父…その子にとっては実の両親に」
「!?」 ヤマトは太一から発せられた話に衝撃を受け、思わず言葉を無くす。
太一はそれに気付きながらも話を続けた。
「何があったのかはわからない…
けど律がハープの練習を終えて帰宅した時には…もう…」
「…その、妹は……」
「まだ生死を彷徨っているらしい…
もう1年になるそうだ…」
「……」
「律にとってその子だけが癒しだったんだ…あの時の律はまだ心があったから」
「そう、なのか…」
「ねぇ太一、律はどんな子だったの?私、律のこともっと知りたいな〜」
「律は優しい子だよ。
あの叔父に引き取られた後も
笑顔で俺とヒカリに接してくれた、泣くことも、弱音も吐く事もなく…」
『僕に、いもうとができたの。
とってもかわいいいもうとが。
僕、お__ちゃんになるんだよ』
「……あいつの性別がわからないのもそれか…?」
「あぁ。
律からしたら全部どうでもいいんだ。
性別も家族も家も…今、律が生きてるのは、その妹の存在と音楽のおかげだ。
それが無くなったら…律は死ぬ」
「そんなっ!!」
「んん……ん……ルーチェモン…」
「はっ!!
……ごめん、起こしちゃった…」
「律、まだ眠そうだな」
「……ふぁ…ふ……」
うとうとと船を漕いでいる律に 太一は優しい笑みを浮かべ、ルーチェモンを見る。
「ルーチェモン、先に電車に戻ってくれ」
「ぇ…でも…」
「いいからいいから
律の体冷やしちゃやべーし
どうせもうすぐで交代だからよ」
「……わかった…律、少し運ぶよ」
「……ん…」
半分寝ている律を抱き上げ ルーチェモンは路面電車の中に入る。
みんなは既に眠っていて、空いてる席を見つけるとそっと横にならせて自分も律を抱きしめるように横になる。
「……」
『律は死ぬ』
「っ……死なせないから……
律は…私が守るから…」
ルーチェモンはすやすやと眠る律を見て改めてパートナーとして守ることを誓い眠る為に目を閉じた。
ドゴーーーン!!