FF編
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ピーッ!!
試合開始のホイッスルが鳴り響き
雷門からのキックオフで試合が始まる。
FWに立つ目金から染岡に渡し
助っ人として入ってくれた松野と共に帝国陣内へ切り込んで行く。
途中、二人のスライディングを
見事に躱して風丸にパスを出した。
「ふーん、結構やるじゃない」
「……いや、帝国が本気を出してないだけだ。」
「!」
夏未は黒也の言葉に驚き試合の方に目を向ける。フェイントで仕掛けた染岡のシュートはあっさり止められていた。
「…ま、こんなものよね…」
帝国のGKである源田が帝国のキャプテンである鬼道にボールを渡すことで空気が一気に変わる。
「…来る」
黒也が呟くと同時に FWの寺門がシュートを打つ。
強力なシュートは円堂の手を弾き、ゴールへと入った。
だが、それだけでは終わらず
圧倒的な力の差で結局10-0で前半が終わってしまった。
「…(クソッ見てられねぇなぁ…!
こんな差があるのわかってんのに、
なんで帝国は試合に望んだんだ…!)」
ギリッと歯を食いしばり
ボロボロの雷門イレブンを見下ろす。
すると視界の端に見覚えのある姿が目に入った。
「?(…あれは、豪炎寺?
試合を見に来たのか…!まさかあいつら…!!)
お嬢!下に行ってもいいか!?」
「は、はぁ?何よいきなり、
まさか試合に出るって言うんじゃないでしょうね?」
「あんな決まり事無けりゃとっくに出てる!
今だってすぐに入ってやりてぇさ!
けど上がダメって言うなら引き下がる。
この試合には出ねぇ、これが俺なりの義理だ。」
キッと夏未を真っ直ぐ見つめれば
彼女は〝はぁ…〟と溜息を吐き 口を開いた。
「貴方の義理堅い性格は嫌ほど知ってるわ…信じるわよ、その言葉」
「ありがとな、お嬢」
「でも教えて。何かわかったの?」
「あぁ、奴らの狙いは
豪炎寺修也を引きずり出すことだ。
ちょっと行ってくる」
「あ、ちょっと!黒也!!」
夏未の言葉を聞かず、
黒也は校長室から出る。
そして木に背を預けている
豪炎寺の元へ向かった。
「何してんだ?」
「!…彪狼…お前、試合には出てないんだな」
「上からの指示でな…
…もう一度聞く、何してんだ?」
「…」
「……そこにいても何も変わらねぇ…
何も動かねぇ、それでいいならそこにいろ」
〝俺は行く〟そう言い残し、ハーフタイムで座り込んでいる雷門イレブンの方へと行く。
「…彪狼…」
「いつからここはキノコ畑になったんだ?」
「「「!」」」
「黒也!来てくれたのか!」
「わりぃ、試合には出られねぇが
見てられなくてワガママ言って来た。
夏未譲からの許しだ、いいよな、冬海先生」
〝反論なんか許さねぇ〟という圧力を込め、冬海を睨みつければヒィ!という情けない悲鳴が出た。
「(何者だ…)」
突然現れた黒也に帝国イレブンは怪訝そうに彼を見つめるが、その視線も気にしてない黒也はへこたれる雷門イレブンを見つめる。
「実力の差ぐらい、
最初からわかってただろーが」
「「「!!」」」
「黒也…」
「だから練習した。
外から見た感じ、お前らは大事なことを忘れてる。」
「大事なこと?」
「何があっても諦めない心」
「!黒也…!」
「諦めない…て言ったって…
この差だぞ?負けは確定だ…」
「…それで諦めるんならそこまでだ。
円堂、俺は信じるぜ。
勝利の女神が微笑む所をな」
「!あぁ!!」
強く頷いた円堂を見て黒也も微笑み、上から見ている夏未に手を振る。
だが睨みつけられた。
「おーこわ…そんじゃ、俺は戻るぜ。
お嬢がうるせーし、ハーフタイムも終わるからな」
黒也は踵を返して戻る。
そこへ鬼道がやってきた。
「ん?」
「お前はサッカー部員か?」
「あぁ、サッカー部の副キャプテンだ。
ワケあって試合には出れなくてなぁ…でも安心しろ、〝あいつ〟は必ず出てくるぜ」
〝だから大目に見てくれや〟と言い残し、黒也は去る。
「…なんだ、あの目付きは…」
「(俺は信じるぜ。
何があったかは知らねぇが、あんな楽しそうにサッカーやってるヤツがこんな所で終わるなんてありえねぇ)」
こちらを見ていた豪炎寺に向かって笑みを深めれば驚いた顔をされふいっと逸らされた。
「……」
ハーフタイムが終わり、半戦が始まる。
だがそれと同時に鬼道の口元が動き
帝国にエネルギーが集まるのを感じた。
「!…(これは…)」
3人が回転し集まったエネルギーをボールに込めゴールに向かって蹴り込む。
「「「デスゾーン!!」」」
強力なシュートが決まり
帝国の勢いはそのまま続く。
黒也はジッとその試合を見続け…点数はいつの間にか19-0まで来ていた。
立っているのは逃げ惑っていた目金だけだった。だが彼がこの現状に泣き喚き、ユニフォームを脱ぎ捨てて走っていく。
後半の残り時間は少なく、選手も全員倒れて絶望的な状況だが、円堂は立ち上がった。
「まだだ…!!まだ、終わってねぇぞ!!」
円堂だけ立ち上がり、鬼道に向かってそう叫ぶ。
黒也はそれを聞き口角を上げた。
「(あぁ、まだ終わってねぇ。
円堂、やっぱお前は最高だよ)」
帝国が20点目を取ったその時、周りがざわつき始めた。
「誰だ、あいつ?」
「あんな奴、うちのチームにいたか?」
「行ったか」
彼らの目線には雷門のユニフォームを着た豪炎寺に向いており、黒也も目を細める。
急に現れた豪炎寺に周りは混乱し、
審判も冬海も止めるが鬼道が承認した事により豪炎寺が11人目として入る。
試合が再開され、直ぐ様ボールを奪った帝国がシュート体勢に入る。
「「「デスゾーン!!」」」
だが、豪炎寺はそのまま駆け出して帝国陣内へと切り込んで行く。
「……(良かったな、円堂。
信じてくれるヤツは他にもいるんだぜ)」
その思いに応えるように、
円堂は黄色いオーラを纏い手に集中させる。
「!!あれは…」
それはやがて大きな手となり、
ボールを止めた。
「まさか、ゴッドハンド…!
(40年の時を経て伝説のイナズマイレブンの技が復活したのか…!)
さすがだぜ円堂…!」
「行け!豪炎寺!!」
そしてボールはゴール前まで来た豪炎寺まで行き、炎を纏いながらシュートを打った。
「ファイアトルネード!!」
豪炎寺によって1点入り、黒也は満足そうに微笑んで 校長室へと戻っていった。
「え、帝国が棄権?」
「えぇ…目的を果たしたから棄権したと思うわ」
「じゃ、サッカー部はそのまま継続だな」
ニヤリと意地悪な笑みを浮かべた黒也に若干イラつき、夏未はふいっとそっぽを向いた。
「命拾いしたわね」
「ったく
(言いたいことはたくさんあるが…まぁそれは追々でいっか…)」
窓から豪炎寺がユニフォームを脱ぎ捨てて去って行く姿が見え、黒也は目つきを鋭くさせる。
「(いい顔でサッカーしてたクセに…
どいつもこいつも、素直じゃねぇな)」
だが、勝利は勝利。
今は喜ぶ円堂たちを見ながら 黒也も笑みを浮かべた。
試合開始のホイッスルが鳴り響き
雷門からのキックオフで試合が始まる。
FWに立つ目金から染岡に渡し
助っ人として入ってくれた松野と共に帝国陣内へ切り込んで行く。
途中、二人のスライディングを
見事に躱して風丸にパスを出した。
「ふーん、結構やるじゃない」
「……いや、帝国が本気を出してないだけだ。」
「!」
夏未は黒也の言葉に驚き試合の方に目を向ける。フェイントで仕掛けた染岡のシュートはあっさり止められていた。
「…ま、こんなものよね…」
帝国のGKである源田が帝国のキャプテンである鬼道にボールを渡すことで空気が一気に変わる。
「…来る」
黒也が呟くと同時に FWの寺門がシュートを打つ。
強力なシュートは円堂の手を弾き、ゴールへと入った。
だが、それだけでは終わらず
圧倒的な力の差で結局10-0で前半が終わってしまった。
「…(クソッ見てられねぇなぁ…!
こんな差があるのわかってんのに、
なんで帝国は試合に望んだんだ…!)」
ギリッと歯を食いしばり
ボロボロの雷門イレブンを見下ろす。
すると視界の端に見覚えのある姿が目に入った。
「?(…あれは、豪炎寺?
試合を見に来たのか…!まさかあいつら…!!)
お嬢!下に行ってもいいか!?」
「は、はぁ?何よいきなり、
まさか試合に出るって言うんじゃないでしょうね?」
「あんな決まり事無けりゃとっくに出てる!
今だってすぐに入ってやりてぇさ!
けど上がダメって言うなら引き下がる。
この試合には出ねぇ、これが俺なりの義理だ。」
キッと夏未を真っ直ぐ見つめれば
彼女は〝はぁ…〟と溜息を吐き 口を開いた。
「貴方の義理堅い性格は嫌ほど知ってるわ…信じるわよ、その言葉」
「ありがとな、お嬢」
「でも教えて。何かわかったの?」
「あぁ、奴らの狙いは
豪炎寺修也を引きずり出すことだ。
ちょっと行ってくる」
「あ、ちょっと!黒也!!」
夏未の言葉を聞かず、
黒也は校長室から出る。
そして木に背を預けている
豪炎寺の元へ向かった。
「何してんだ?」
「!…彪狼…お前、試合には出てないんだな」
「上からの指示でな…
…もう一度聞く、何してんだ?」
「…」
「……そこにいても何も変わらねぇ…
何も動かねぇ、それでいいならそこにいろ」
〝俺は行く〟そう言い残し、ハーフタイムで座り込んでいる雷門イレブンの方へと行く。
「…彪狼…」
「いつからここはキノコ畑になったんだ?」
「「「!」」」
「黒也!来てくれたのか!」
「わりぃ、試合には出られねぇが
見てられなくてワガママ言って来た。
夏未譲からの許しだ、いいよな、冬海先生」
〝反論なんか許さねぇ〟という圧力を込め、冬海を睨みつければヒィ!という情けない悲鳴が出た。
「(何者だ…)」
突然現れた黒也に帝国イレブンは怪訝そうに彼を見つめるが、その視線も気にしてない黒也はへこたれる雷門イレブンを見つめる。
「実力の差ぐらい、
最初からわかってただろーが」
「「「!!」」」
「黒也…」
「だから練習した。
外から見た感じ、お前らは大事なことを忘れてる。」
「大事なこと?」
「何があっても諦めない心」
「!黒也…!」
「諦めない…て言ったって…
この差だぞ?負けは確定だ…」
「…それで諦めるんならそこまでだ。
円堂、俺は信じるぜ。
勝利の女神が微笑む所をな」
「!あぁ!!」
強く頷いた円堂を見て黒也も微笑み、上から見ている夏未に手を振る。
だが睨みつけられた。
「おーこわ…そんじゃ、俺は戻るぜ。
お嬢がうるせーし、ハーフタイムも終わるからな」
黒也は踵を返して戻る。
そこへ鬼道がやってきた。
「ん?」
「お前はサッカー部員か?」
「あぁ、サッカー部の副キャプテンだ。
ワケあって試合には出れなくてなぁ…でも安心しろ、〝あいつ〟は必ず出てくるぜ」
〝だから大目に見てくれや〟と言い残し、黒也は去る。
「…なんだ、あの目付きは…」
「(俺は信じるぜ。
何があったかは知らねぇが、あんな楽しそうにサッカーやってるヤツがこんな所で終わるなんてありえねぇ)」
こちらを見ていた豪炎寺に向かって笑みを深めれば驚いた顔をされふいっと逸らされた。
「……」
ハーフタイムが終わり、半戦が始まる。
だがそれと同時に鬼道の口元が動き
帝国にエネルギーが集まるのを感じた。
「!…(これは…)」
3人が回転し集まったエネルギーをボールに込めゴールに向かって蹴り込む。
「「「デスゾーン!!」」」
強力なシュートが決まり
帝国の勢いはそのまま続く。
黒也はジッとその試合を見続け…点数はいつの間にか19-0まで来ていた。
立っているのは逃げ惑っていた目金だけだった。だが彼がこの現状に泣き喚き、ユニフォームを脱ぎ捨てて走っていく。
後半の残り時間は少なく、選手も全員倒れて絶望的な状況だが、円堂は立ち上がった。
「まだだ…!!まだ、終わってねぇぞ!!」
円堂だけ立ち上がり、鬼道に向かってそう叫ぶ。
黒也はそれを聞き口角を上げた。
「(あぁ、まだ終わってねぇ。
円堂、やっぱお前は最高だよ)」
帝国が20点目を取ったその時、周りがざわつき始めた。
「誰だ、あいつ?」
「あんな奴、うちのチームにいたか?」
「行ったか」
彼らの目線には雷門のユニフォームを着た豪炎寺に向いており、黒也も目を細める。
急に現れた豪炎寺に周りは混乱し、
審判も冬海も止めるが鬼道が承認した事により豪炎寺が11人目として入る。
試合が再開され、直ぐ様ボールを奪った帝国がシュート体勢に入る。
「「「デスゾーン!!」」」
だが、豪炎寺はそのまま駆け出して帝国陣内へと切り込んで行く。
「……(良かったな、円堂。
信じてくれるヤツは他にもいるんだぜ)」
その思いに応えるように、
円堂は黄色いオーラを纏い手に集中させる。
「!!あれは…」
それはやがて大きな手となり、
ボールを止めた。
「まさか、ゴッドハンド…!
(40年の時を経て伝説のイナズマイレブンの技が復活したのか…!)
さすがだぜ円堂…!」
「行け!豪炎寺!!」
そしてボールはゴール前まで来た豪炎寺まで行き、炎を纏いながらシュートを打った。
「ファイアトルネード!!」
豪炎寺によって1点入り、黒也は満足そうに微笑んで 校長室へと戻っていった。
「え、帝国が棄権?」
「えぇ…目的を果たしたから棄権したと思うわ」
「じゃ、サッカー部はそのまま継続だな」
ニヤリと意地悪な笑みを浮かべた黒也に若干イラつき、夏未はふいっとそっぽを向いた。
「命拾いしたわね」
「ったく
(言いたいことはたくさんあるが…まぁそれは追々でいっか…)」
窓から豪炎寺がユニフォームを脱ぎ捨てて去って行く姿が見え、黒也は目つきを鋭くさせる。
「(いい顔でサッカーしてたクセに…
どいつもこいつも、素直じゃねぇな)」
だが、勝利は勝利。
今は喜ぶ円堂たちを見ながら 黒也も笑みを浮かべた。