FF編
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大きなイナズママークを掲げる雷門中学校。
その廊下で1人の男子生徒が走っていた。
「はっ、はっ、はっ…」
「見て、黒也くんよ!」
「きゃー!彪狼くーん!」
「はぅ…ステキ…!」
女子からの視線を流しつつ
その生徒…彪狼黒也は自身が所属するサッカー部の部室へと向かった。
「円堂ー!木野ー!」
物置小屋のような古びた部室の前には
バンダナをした少年とオレンジのジャージを着た少女がおり、黒也は2人に声をかけた。
「あ!黒也!」
「わりぃ、生徒会の仕事が長引いちまって…」
「大丈夫よ。
それよりごめんなさい、
グラウンド借りられなくって…」
「今日もか…てことはまた河川敷だな」
「おう!」
黒也は部室の方をチラッと見て
他の部員が来てないことに溜息を吐く。
「(みんなはまたか…)」
少年、円堂守率いる雷門サッカー部は部員8人のゲームもできない弱小チーム。
最初こそやる気はあったが、
試合もできない、練習もままならない事から徐々にやる気を無くして…
今では円堂と黒也、そしてマネージャーの木野しか練習に参加しないチームになってしまった。
「小学生のチーム相手に練習になってるの?」
「……あいつら、結構やるんだぜ?
木野も見りゃわかるって!
な!黒也!」
「そうだな、最近はチームの形が良くなってるし、後は力をどう付けてくか…かな」
放課後、部活の時間は河川敷に行き、
小学生のチームKFCの練習に付き合うことが多くなった2人。
今日も練習のため、河川敷に行き 練習を始める。
「前よりも纏まって来たな。」
「うん!これも黒也兄ちゃんたちのおかげだよ!」
円堂がゴール前に立ち、指示を飛ばす中、黒也はKFCの紅一点の如月マコの頭を撫でて微笑む。
「今度こそオレが決めてやるー!!」
ふと男の子がボールを蹴るが、
まだコントロールが上手く行かず
付近を歩いていた不良2人の方に行ってしまった。
「「うわっ!?」」
「誰だ!?これ蹴ったの!!
不良たちがボールを持って練習をしていた子どもたちに怒鳴りつける。
それに円堂が直ぐ様駆け寄って頭を下げた。
「大丈夫ですか!?すみませんでした!
あの…ボールを返して…っ!!?」
「「「!!」」」
「みんな、下がってろ」
円堂が背の低い不良に蹴られ その場に蹲る。
それを見ていた黒也はすぐに子どもたちを下がらせて円堂の元へ向かった。
「ボールって…これか?」
背の高い不良がそう言いながら
ボールを椅子にして座る。
すると黒也と道路の方にいる少年の顔が怖いぐらいに歪んだ。
不意に背の低い不良が2人が着ているユニフォームに気付き、胸元の文字を見て嘲笑う。
「あれ?雷門中じゃねーの、
部員の全然いねぇ弱小サッカー部ですよ!」
「くだらねぇ、
ガキ相手に玉蹴りかぁ?
ヘックフフフフ……うぉ!?」
その時、不良が派手に転び、
その場にいた全員が驚いて黒也を見た。
彼の足元にはサッカーボール。
不良が椅子代わりにしていたボールを一瞬にして奪ったのだ。
「お、お前!いつの間に!!」
「〝いつの間に?〟今だが?」
黒也は不良2人を鼻で笑いながらその場でリフティングする。
「あー、なるほど…
お兄さん、片目が前髪で見えないから俺に反応できなかったんですね?
なら切ったらどうです?
丸坊主にしちまえば視界良好ですよ!
あ!もしかして… カッコイイと思ってやってました?
いやはやこれは失敬!失言でしたね」
失礼しましたーとほぼ棒読みのような発言に不良2人は顔を真っ赤にする。
「さっきから聞いてりゃ、
生意気なこと言いやがって!!」
「!黒也くん!!」
背の高い不良が黒也に向かって殴りかかってくる…が、
「はい、正当防衛」
「ぐわっ!?」
「や、安井さん!?」
黒也はその腕を掴み
不良を投げ飛ばした。
それによって苛立ちが増したのか、
不良はヤケクソになって近くにあったボールを蹴る。
「やべ!マコ!!」
そのボールの行き先はマコであり、
黒也は急いで向かう。
すると同時に道路にいた少年も来て2人でボールを蹴り返した。
「「っ!」」
2人によってボールに炎が纏い、
不良の顔面に直撃する。
「や、安井さん!? て、テメーら!!」
「「っ」」
背の低い不良は2人の鋭い目付きに ヒィ!!と情けない声を上げ、逃げて行った。
「覚えてろー!!」
「…なっさけな… マコ、大丈夫か?怪我は?」
「大丈夫!ありがとう!」
笑顔でお礼を言うマコに2人は微笑む。
少年はそのまま黒也を怪訝そうに見つめるとすぐ踵を返した。
「お前、すげーな!」
だがそれを円堂が引き止め
矢継ぎ早に質問をしていく。
「はぁ…円堂、やめてやれ」
「でも!」
「でも、じゃない。
その内日も暮れる。
あの子たち送りながら帰るぞ」
黒也は円堂の背中を強引に押し 少年から遠ざける。
「俺たちの問題に巻き込んですまなかった、
お前も気をつけて帰れよ、豪炎寺修也」
「!……あぁ…」
少年…豪炎寺修也は一瞬目を見開きまた歩き始めた。
黒也もまた、小学生たちを送るためみんなの所へ戻る。
「黒也兄ちゃん!
すげーカッコよかった!!」
「オレにもあのシュート教えて!」
「ぼくも!」
「はいはい、また今度な。
今日はもう日ぃ暮れ始めたから帰るぞ 円堂、
一部と木野送ってくれるか?」
「おう!黒也のシュート、すごかったぜ!また明日な!」
「またね、黒也くん」
「おう、また明日」
黒也は子どもたちにすごいすごい!と言われながら子どもたちを送り届けるため帰路につく。
「さっきのお兄さんもすごかったよね!」
「うん!兄ちゃんにも負けないすげーシュートだったな!」
「(豪炎寺修也…名門木戸川清修のエースストライカーがなんでここに…)」
黒也は悶々としながら帰るも、
その夜の電話で全てが吹っ飛んだ。
「ずいぶんと遅い時間に電話してくんだな。
何の用だ、夏未譲」
『ごめんなさいね、私も忙しいの。
時間もないし本題よ。
明日、転校生が来るから教室までの案内を頼みたいの』
「は?転校生?ずいぶんと急だな」
『ええ。明日来たらそのまま校長室に行ってちょうだい、お願いね。』
「あ、おい!俺はまだいいって…
……切りやがった…!!
黒也は頭をガシガシと掻きながら携帯の画面を睨みつける。
「はーーー…寝よ」
色々と思う所はあるものの
決まったことは変えられないと自分を納得させ、眠りに就く。
一瞬、今日会った豪炎寺の顔がチラついたがまさかな…と思い目を瞑った…
その廊下で1人の男子生徒が走っていた。
「はっ、はっ、はっ…」
「見て、黒也くんよ!」
「きゃー!彪狼くーん!」
「はぅ…ステキ…!」
女子からの視線を流しつつ
その生徒…彪狼黒也は自身が所属するサッカー部の部室へと向かった。
「円堂ー!木野ー!」
物置小屋のような古びた部室の前には
バンダナをした少年とオレンジのジャージを着た少女がおり、黒也は2人に声をかけた。
「あ!黒也!」
「わりぃ、生徒会の仕事が長引いちまって…」
「大丈夫よ。
それよりごめんなさい、
グラウンド借りられなくって…」
「今日もか…てことはまた河川敷だな」
「おう!」
黒也は部室の方をチラッと見て
他の部員が来てないことに溜息を吐く。
「(みんなはまたか…)」
少年、円堂守率いる雷門サッカー部は部員8人のゲームもできない弱小チーム。
最初こそやる気はあったが、
試合もできない、練習もままならない事から徐々にやる気を無くして…
今では円堂と黒也、そしてマネージャーの木野しか練習に参加しないチームになってしまった。
「小学生のチーム相手に練習になってるの?」
「……あいつら、結構やるんだぜ?
木野も見りゃわかるって!
な!黒也!」
「そうだな、最近はチームの形が良くなってるし、後は力をどう付けてくか…かな」
放課後、部活の時間は河川敷に行き、
小学生のチームKFCの練習に付き合うことが多くなった2人。
今日も練習のため、河川敷に行き 練習を始める。
「前よりも纏まって来たな。」
「うん!これも黒也兄ちゃんたちのおかげだよ!」
円堂がゴール前に立ち、指示を飛ばす中、黒也はKFCの紅一点の如月マコの頭を撫でて微笑む。
「今度こそオレが決めてやるー!!」
ふと男の子がボールを蹴るが、
まだコントロールが上手く行かず
付近を歩いていた不良2人の方に行ってしまった。
「「うわっ!?」」
「誰だ!?これ蹴ったの!!
不良たちがボールを持って練習をしていた子どもたちに怒鳴りつける。
それに円堂が直ぐ様駆け寄って頭を下げた。
「大丈夫ですか!?すみませんでした!
あの…ボールを返して…っ!!?」
「「「!!」」」
「みんな、下がってろ」
円堂が背の低い不良に蹴られ その場に蹲る。
それを見ていた黒也はすぐに子どもたちを下がらせて円堂の元へ向かった。
「ボールって…これか?」
背の高い不良がそう言いながら
ボールを椅子にして座る。
すると黒也と道路の方にいる少年の顔が怖いぐらいに歪んだ。
不意に背の低い不良が2人が着ているユニフォームに気付き、胸元の文字を見て嘲笑う。
「あれ?雷門中じゃねーの、
部員の全然いねぇ弱小サッカー部ですよ!」
「くだらねぇ、
ガキ相手に玉蹴りかぁ?
ヘックフフフフ……うぉ!?」
その時、不良が派手に転び、
その場にいた全員が驚いて黒也を見た。
彼の足元にはサッカーボール。
不良が椅子代わりにしていたボールを一瞬にして奪ったのだ。
「お、お前!いつの間に!!」
「〝いつの間に?〟今だが?」
黒也は不良2人を鼻で笑いながらその場でリフティングする。
「あー、なるほど…
お兄さん、片目が前髪で見えないから俺に反応できなかったんですね?
なら切ったらどうです?
丸坊主にしちまえば視界良好ですよ!
あ!もしかして… カッコイイと思ってやってました?
いやはやこれは失敬!失言でしたね」
失礼しましたーとほぼ棒読みのような発言に不良2人は顔を真っ赤にする。
「さっきから聞いてりゃ、
生意気なこと言いやがって!!」
「!黒也くん!!」
背の高い不良が黒也に向かって殴りかかってくる…が、
「はい、正当防衛」
「ぐわっ!?」
「や、安井さん!?」
黒也はその腕を掴み
不良を投げ飛ばした。
それによって苛立ちが増したのか、
不良はヤケクソになって近くにあったボールを蹴る。
「やべ!マコ!!」
そのボールの行き先はマコであり、
黒也は急いで向かう。
すると同時に道路にいた少年も来て2人でボールを蹴り返した。
「「っ!」」
2人によってボールに炎が纏い、
不良の顔面に直撃する。
「や、安井さん!? て、テメーら!!」
「「っ」」
背の低い不良は2人の鋭い目付きに ヒィ!!と情けない声を上げ、逃げて行った。
「覚えてろー!!」
「…なっさけな… マコ、大丈夫か?怪我は?」
「大丈夫!ありがとう!」
笑顔でお礼を言うマコに2人は微笑む。
少年はそのまま黒也を怪訝そうに見つめるとすぐ踵を返した。
「お前、すげーな!」
だがそれを円堂が引き止め
矢継ぎ早に質問をしていく。
「はぁ…円堂、やめてやれ」
「でも!」
「でも、じゃない。
その内日も暮れる。
あの子たち送りながら帰るぞ」
黒也は円堂の背中を強引に押し 少年から遠ざける。
「俺たちの問題に巻き込んですまなかった、
お前も気をつけて帰れよ、豪炎寺修也」
「!……あぁ…」
少年…豪炎寺修也は一瞬目を見開きまた歩き始めた。
黒也もまた、小学生たちを送るためみんなの所へ戻る。
「黒也兄ちゃん!
すげーカッコよかった!!」
「オレにもあのシュート教えて!」
「ぼくも!」
「はいはい、また今度な。
今日はもう日ぃ暮れ始めたから帰るぞ 円堂、
一部と木野送ってくれるか?」
「おう!黒也のシュート、すごかったぜ!また明日な!」
「またね、黒也くん」
「おう、また明日」
黒也は子どもたちにすごいすごい!と言われながら子どもたちを送り届けるため帰路につく。
「さっきのお兄さんもすごかったよね!」
「うん!兄ちゃんにも負けないすげーシュートだったな!」
「(豪炎寺修也…名門木戸川清修のエースストライカーがなんでここに…)」
黒也は悶々としながら帰るも、
その夜の電話で全てが吹っ飛んだ。
「ずいぶんと遅い時間に電話してくんだな。
何の用だ、夏未譲」
『ごめんなさいね、私も忙しいの。
時間もないし本題よ。
明日、転校生が来るから教室までの案内を頼みたいの』
「は?転校生?ずいぶんと急だな」
『ええ。明日来たらそのまま校長室に行ってちょうだい、お願いね。』
「あ、おい!俺はまだいいって…
……切りやがった…!!
黒也は頭をガシガシと掻きながら携帯の画面を睨みつける。
「はーーー…寝よ」
色々と思う所はあるものの
決まったことは変えられないと自分を納得させ、眠りに就く。
一瞬、今日会った豪炎寺の顔がチラついたがまさかな…と思い目を瞑った…