FF編
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〜翌日〜
「よう」
「こんにちはー」
無事退院できた黒也は、
鬼瓦と共に雷雷軒に足を運んだ。
「いらっしゃい。
なんだ今日は倅もいるのか」
「退院祝いでな」
「そうかい、まぁ座りな」
雷雷軒の店主、響木に促され
鬼瓦と共にカウンター席に腰を下ろす。
「好きなもん頼め」
「ゴチになりまーす。
んじゃ塩のネギ多めと餃子…
源さんも食べるだろうから2つ」
「はいよ」
病院から脅威のスピードで骨折と肉離れを治し、若干恐れられながら退院した黒也。
それには鬼瓦も心底驚いたが、
敢えて何も言及せず祝いとして何か…と考えていた所、黒也からリクエストがあった。
「まさか、雷雷軒がいいとはな」
「だってよーここ最近病院食だったんだぜ?
退院後位ガツンと食べたっていいだろ」
「腹下しても知らんぞ」
「男子中学生ナメんなよ」
「はっはっは、元気がいいな。
ほら餃子2つお待ち」
「ありがとうございます」
目の前に置かれた餃子に美味そうだと目を細めて手を合わせる。隣に座る鬼瓦も小さく息を吐いて箸を持った。
「お前さん、病気か何かか?」
「いーやケガっすよ。
中学生男児2人を庇って」
「そりゃ無茶したな」
「まぁ、その2人は大したケガしてないんで、後悔は無いですよー」
ヘラッと笑えば、横から〝バカ言うな〟と頬を摘まれ思いっきり引っ張られる。
「いっ!?いきなり引っ張るなよ」
「全く…少しは反省しろ。
知美も俺も肝が冷えたぞ」
「へいへい…」
ムッと引っ張られた頬を擦り、
餃子へと箸を伸ばす。口の中でジュワッと広がる肉と油に力んでいた頬が緩む。
〝美味い〟と口に出せば、
〝それは何より〟と横にラーメンが置かれた。
「お待ち」
「ありがとうございます。
……なぁ、親父さん」
「ん?」
「イナズマイレブンの復活に興味ありません?」
一瞬、ほんの一瞬、時が止まる。
響木はチラッと黒也を見ると、
彼はニヤリと挑発的な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「何を言うかと思えば……」
「古傷抉る覚悟で言いますけど、
40年前のこと、後悔してますよね」
「……」
「ついこの間、顧問兼監督がサッカー部を排除しようと動き出しまして、理事長の権限で解雇及び逮捕されました」
「……」
「次の相手……
地区予選決勝戦の相手は帝国学園。
そのトップに影山零治はいます」
「影山…」
「……今、俺たち雷門に必要なのは
帝国学園と渡り合える程の実力ある…
何より俺たちの勝利を信じ、導いてくれる監督です」
「……」
黒也の話に乗ってくる様子はない。 作業に戻ってしまった響木の背中を見ながらラーメンを啜る。
「……(まぁ、わかっていたけどよ…
できれば〝元イナズマイレブン〟の人にお願いしたいんだよなー…)」
そんな事を思っている事も露知らず、
響木はチラッと黒也を盗み見る。
「(彪狼黒也か…)」
脳裏に過るかつて可愛がっていた一匹の狼。良く似ている…と思うが、狼と人間、まず種族が違うと脳裏から消す。
幸い、自分が何も言わないからか
それ以上言及して来ない。
そのまま諦めてくれと思う……が
数時間後、まさかサッカー部が来るとは思いも寄らないし、知りもしなかった。
「え、円堂たちが?」
「あぁ。雷門中に保管してあった秘伝書のことを知っていたって言って新しい監督になってくれとお願いしに来たぞ」
その日の夜、鬼瓦から黒也が帰った後、円堂たち雷門サッカー部が顔を出したことを聞き、〝そうか〟と目を閉じる。
「円堂守がゴッドハンドを使えると言っておいた」
「反応あったか?」
「一応な…響木も元GKだ。
思うことはあるだろう」
「……そうか……
なら、円堂の仕事になりそうだな…」
「…あまり根詰めるなよ、
お前さんはまだ退院したばかりなんだから」
「おう、ありがとな源さん」
鬼瓦を見送り、ボフンッ!とベッドの上に身を投げる。〝あまり埃を立てないの!!〟という知美の文句が脳内を駆けるが本人はいないし、関係ない。
「……40年は…長いよな……」
ふと溢れた呟きは部屋に響くも、
誰の耳にも届かなく消える。
ーーーーーーーーーー
「ん………」
いつの間にか寝ていたのか、
カーテンから漏れる陽の光で目が覚め
寝ぼけ眼で辺りを見渡す。
「くぁ……んーっ」
暫くボーっとした後、大きな欠伸と 大きな伸びをしてベッドから抜け出す。
「(7:00……)
7時!?やべっ!!」
ドタドタ!と激しい音を当てて部屋を出て厨房へ行けば、既に知美が店の下準備を終えている所だった。
「おはよう!!」
「あ!黒也くんおはよう!
今日はお寝坊さんね!」
「すまねぇ知美さん!
1人でやらせちまって!」
「黒也くんは退院したばかりなんだから無理しなくていいのよ。
ほら、今日から練習参加するんでしょ?なら早く準備しないと!」
〝髪ボサボサでイケメンが台無しよ?〟
と厨房から追い出され、渋々支度をする。
「……はぁ…… 何やってんだか…」
ガクッと肩を落とすも、すぐ切り替えるように頭を振って、両頬を思いっきり叩く。
「……よしっ!」
ーーーーーーーーーー
「待たせて悪かったな。
今日から練習に参加するからよろしく」
「よく戻ってきてくれたな!!
これで後は監督だけだ!」
部室にて、黒也が復活宣言すれば一気に場が明るくなり、わいわいと騒ぎ始める。
「よしっ!早速練習だ!」
「黒也、本当に大丈夫なのか?」
「あぁ、ドクターストップもねぇし
体慣らさないといけないからな。
ちゃんとやるぜ」
「なら、俺たちとシュート練習だな!
手加減無しだぜ、黒也!」
「おうよ、頼んだぜ染岡、豪炎寺」
グッと親指を立て合い、早速、河川敷で練習を始める。だが、監督は不在のまま…黒也の復活だけでは1年生のモチベーションは上がらなかった。
「…またジメジメしてやがんな、
今日は雨かよ、まだ梅雨かよ、カビ生えそうだな」
「いやいや、カビって…」
「それか毒キノコ」
「もっと酷い!」
1年生たちのどんよりした空気に苦言を漏らせば横からまぁまぁ…と抑えられる。
黒也の機嫌も急降下して行き
抑えていた土門もあわあわとしながら豪炎寺と染岡を見るも、2人は目をそらした。
「えぇ……っ!!」
「ん?どうした……!あいつは…」
ふと土門が何かに気付き視線を橋の方に向ける。
黒也もそれを追えば、橋から雷門の様子を見ている鬼道がいた……
「よう」
「こんにちはー」
無事退院できた黒也は、
鬼瓦と共に雷雷軒に足を運んだ。
「いらっしゃい。
なんだ今日は倅もいるのか」
「退院祝いでな」
「そうかい、まぁ座りな」
雷雷軒の店主、響木に促され
鬼瓦と共にカウンター席に腰を下ろす。
「好きなもん頼め」
「ゴチになりまーす。
んじゃ塩のネギ多めと餃子…
源さんも食べるだろうから2つ」
「はいよ」
病院から脅威のスピードで骨折と肉離れを治し、若干恐れられながら退院した黒也。
それには鬼瓦も心底驚いたが、
敢えて何も言及せず祝いとして何か…と考えていた所、黒也からリクエストがあった。
「まさか、雷雷軒がいいとはな」
「だってよーここ最近病院食だったんだぜ?
退院後位ガツンと食べたっていいだろ」
「腹下しても知らんぞ」
「男子中学生ナメんなよ」
「はっはっは、元気がいいな。
ほら餃子2つお待ち」
「ありがとうございます」
目の前に置かれた餃子に美味そうだと目を細めて手を合わせる。隣に座る鬼瓦も小さく息を吐いて箸を持った。
「お前さん、病気か何かか?」
「いーやケガっすよ。
中学生男児2人を庇って」
「そりゃ無茶したな」
「まぁ、その2人は大したケガしてないんで、後悔は無いですよー」
ヘラッと笑えば、横から〝バカ言うな〟と頬を摘まれ思いっきり引っ張られる。
「いっ!?いきなり引っ張るなよ」
「全く…少しは反省しろ。
知美も俺も肝が冷えたぞ」
「へいへい…」
ムッと引っ張られた頬を擦り、
餃子へと箸を伸ばす。口の中でジュワッと広がる肉と油に力んでいた頬が緩む。
〝美味い〟と口に出せば、
〝それは何より〟と横にラーメンが置かれた。
「お待ち」
「ありがとうございます。
……なぁ、親父さん」
「ん?」
「イナズマイレブンの復活に興味ありません?」
一瞬、ほんの一瞬、時が止まる。
響木はチラッと黒也を見ると、
彼はニヤリと挑発的な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「何を言うかと思えば……」
「古傷抉る覚悟で言いますけど、
40年前のこと、後悔してますよね」
「……」
「ついこの間、顧問兼監督がサッカー部を排除しようと動き出しまして、理事長の権限で解雇及び逮捕されました」
「……」
「次の相手……
地区予選決勝戦の相手は帝国学園。
そのトップに影山零治はいます」
「影山…」
「……今、俺たち雷門に必要なのは
帝国学園と渡り合える程の実力ある…
何より俺たちの勝利を信じ、導いてくれる監督です」
「……」
黒也の話に乗ってくる様子はない。 作業に戻ってしまった響木の背中を見ながらラーメンを啜る。
「……(まぁ、わかっていたけどよ…
できれば〝元イナズマイレブン〟の人にお願いしたいんだよなー…)」
そんな事を思っている事も露知らず、
響木はチラッと黒也を盗み見る。
「(彪狼黒也か…)」
脳裏に過るかつて可愛がっていた一匹の狼。良く似ている…と思うが、狼と人間、まず種族が違うと脳裏から消す。
幸い、自分が何も言わないからか
それ以上言及して来ない。
そのまま諦めてくれと思う……が
数時間後、まさかサッカー部が来るとは思いも寄らないし、知りもしなかった。
「え、円堂たちが?」
「あぁ。雷門中に保管してあった秘伝書のことを知っていたって言って新しい監督になってくれとお願いしに来たぞ」
その日の夜、鬼瓦から黒也が帰った後、円堂たち雷門サッカー部が顔を出したことを聞き、〝そうか〟と目を閉じる。
「円堂守がゴッドハンドを使えると言っておいた」
「反応あったか?」
「一応な…響木も元GKだ。
思うことはあるだろう」
「……そうか……
なら、円堂の仕事になりそうだな…」
「…あまり根詰めるなよ、
お前さんはまだ退院したばかりなんだから」
「おう、ありがとな源さん」
鬼瓦を見送り、ボフンッ!とベッドの上に身を投げる。〝あまり埃を立てないの!!〟という知美の文句が脳内を駆けるが本人はいないし、関係ない。
「……40年は…長いよな……」
ふと溢れた呟きは部屋に響くも、
誰の耳にも届かなく消える。
ーーーーーーーーーー
「ん………」
いつの間にか寝ていたのか、
カーテンから漏れる陽の光で目が覚め
寝ぼけ眼で辺りを見渡す。
「くぁ……んーっ」
暫くボーっとした後、大きな欠伸と 大きな伸びをしてベッドから抜け出す。
「(7:00……)
7時!?やべっ!!」
ドタドタ!と激しい音を当てて部屋を出て厨房へ行けば、既に知美が店の下準備を終えている所だった。
「おはよう!!」
「あ!黒也くんおはよう!
今日はお寝坊さんね!」
「すまねぇ知美さん!
1人でやらせちまって!」
「黒也くんは退院したばかりなんだから無理しなくていいのよ。
ほら、今日から練習参加するんでしょ?なら早く準備しないと!」
〝髪ボサボサでイケメンが台無しよ?〟
と厨房から追い出され、渋々支度をする。
「……はぁ…… 何やってんだか…」
ガクッと肩を落とすも、すぐ切り替えるように頭を振って、両頬を思いっきり叩く。
「……よしっ!」
ーーーーーーーーーー
「待たせて悪かったな。
今日から練習に参加するからよろしく」
「よく戻ってきてくれたな!!
これで後は監督だけだ!」
部室にて、黒也が復活宣言すれば一気に場が明るくなり、わいわいと騒ぎ始める。
「よしっ!早速練習だ!」
「黒也、本当に大丈夫なのか?」
「あぁ、ドクターストップもねぇし
体慣らさないといけないからな。
ちゃんとやるぜ」
「なら、俺たちとシュート練習だな!
手加減無しだぜ、黒也!」
「おうよ、頼んだぜ染岡、豪炎寺」
グッと親指を立て合い、早速、河川敷で練習を始める。だが、監督は不在のまま…黒也の復活だけでは1年生のモチベーションは上がらなかった。
「…またジメジメしてやがんな、
今日は雨かよ、まだ梅雨かよ、カビ生えそうだな」
「いやいや、カビって…」
「それか毒キノコ」
「もっと酷い!」
1年生たちのどんよりした空気に苦言を漏らせば横からまぁまぁ…と抑えられる。
黒也の機嫌も急降下して行き
抑えていた土門もあわあわとしながら豪炎寺と染岡を見るも、2人は目をそらした。
「えぇ……っ!!」
「ん?どうした……!あいつは…」
ふと土門が何かに気付き視線を橋の方に向ける。
黒也もそれを追えば、橋から雷門の様子を見ている鬼道がいた……