FF編
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〜試合当日〜
試合会場は秋葉名戸。
知美に車椅子を押して貰って雷門の応援に来た黒也はパチクリと目を瞬かせた。
「……お前ら、何着てんだ」
「っ!黒也!」
「まぁ、可愛らしい格好してるわね!
よく似合ってるわよ!」
マネージャー陣が何故かメイド服に身を包んでおり、その可愛らしい姿に知美はふふっと笑う。
すると秋葉名戸の生徒だろうか、
メイド服を着た数名の女子が黒也を見て頬を赤らめた。
「キャー!カッコイイお方!」
「ステキー!お名前は?」
「ぇ…彪狼…黒也だけど…」
「まぁ!お名前までカッコイイ!」
「黒也様〜!」
グイグイ来るメイドたちに困惑しながら受け答えしていると、目金が恨めしそうにこっちを見ていることに気付いた。
「黒也くん!ズルいですよ!
メイドたちを一人占めして!」
「いや、別に一人占めって訳じゃ…
ていうか、なんでマネージャーたちにメイド服を?」
「それはですね
我が校における試合では、
マネージャーは全てメイド服を着用!と言う決まりになっております!
店長…いえ、監督がお決めになられたのです!」
「監督?」
「はい、あちらに!」
1人のメイドが手を向けた先には スイカを食べているおじさんがいた。
「あれが、監督…」
「普通のおじさん…って感じよね…」
「あのーお姉さんもマネージャーさんですか?」
「ぁ、違うわ。
私はこの子の保護者よ。
黒也くん、ここからは大丈夫そう?」
「あぁ、ありがとな知美さん」
知美はこの後喫茶店に戻るからと、
黒也を雷門に預けてその場から去る。
「黒也様、車椅子をお引きしますね!」
「重いから大丈夫だ、ありがとな」
「「「はぅ…」」」
ニコッと微笑めば、メイドたちは頬を赤らめ黒也の側に仕えた。
「それで、例のサッカー部は?」
「……あれだ…」
豪炎寺が指差した先、
そこにはメイド服を着たマネージャーたちを写真に収めている数人の男…
「……ぁあ…」
「黒也ー!!助けてー!!」
「………… 似合ってるぜお嬢!
そのまま理事長にも見せてやれよ!」
「いやー!!」
案外ノリノリな木野と音無に挟まれ、
最終的には生気を失った夏未。
円堂と黒也、豪炎寺は顔を見合わせて溜め息を吐いた。
「そんで?フォーメーションとかどーすんだ」
「本人立っての希望で目金を入れる!」
円堂からスタメンが書かれたバインダーを受け取り、黒也はジッと目金を見る。
「行けるんだな」
「任せてください!」
「なら言うことねぇよ」
「ちょっと黒也!本当にいいの!?」
「本人のやる気があるなら別に構いやしねぇよ、帝国戦とは違うことを見せてやれ目金」
「は、はい!」
遠回しに逃げんじゃねぇよと目を鋭くさせれば、少し青褪めた顔をして頷いた。
ーーーーーーーーーー
「……って、送り出したはいいけどよ…」
掲示板には0-0の文字。
もうすぐで前半終了を迎える時間。
試合は何も動いてなく、 御影専農とは違うむず痒さを感じた。
「大丈夫かぁ…これ…」
秋葉名戸の独特な空気に飲まれ、
上手く動けない雷門。
そのまま前半終了が終了してまった。
〜ハーフタイム〜
「まるで攻めて来ないなんて、
この僕にも予想外でしたよ」
「お前、あいつらのサッカーが理解できたんじゃなかったのかよ?」
「それにしてもなんでボールが取れないんだ?」
「あいつらのあの変なノリのせいだろ…それによってリズムが狂ってんだ」
「得体が知れない…」
「「っ!!……お前もな…」」
調子が出ない雷門に対し、
秋葉名戸は揃ってゲームをしていて そっちに集中している。
するとさっきのメイドたちが黒也に気付いて黄色い声を上げた。
「やはり黒也くんはズルい!」
「なんでそうなる」
「黒也様ぁ…」
「どんな表情もステキ…」
「ずっとお側に…」
「……すまないな…」
「「「キャー!!」」」
「………」
何をしても黄色い声を上げるメイドと 考えることを放棄した黒也。
メイドたちが彼にベタ惚れだと気付いた秋葉名戸はギリィ…と目金と同じように歯を食い縛っているのには…気付かないフリをした。
「……尾刈斗と同じ位、面倒くせぇ…」
ーーーーーーーーーー
秋葉名戸のキックオフで後半戦が始まる。
すると秋葉名戸は前半とは打って変わり攻め込んできた。
「行くぞ!!」
「何…!?」
「動きが変わった!?」
「(漫画家と小説家…
明らかに運動していない身体付き…)
前半は体力を温存してたのか」
明らかに動きが変わった秋葉名戸について行けず、攻め込まれ…
「ド根性バット!!」
1点先制されてしまった。
「こんなシュートを隠してたのかよ!」
「まだ1点だ!焦ることはねぇ!」
「攻めるぞ、染岡」
「あぁ!」
雷門のキックオフで試合が再開。
すると秋葉名戸は全員下がって守りを固めた。
だがそれに怯む染岡と豪炎寺ではなく、
2人で攻め上がって行く。
「行くぞ! 五・里・霧・中!!」
すると彼らは3人係で土煙を起こし、
目隠しをし始めた。
「こんな目眩ましで俺のシュートが止められると思ってんのか!喰らえ!ドラゴンクラッシュ!!」
染岡のシュートは真っ直ぐゴールへと向かう…が、土煙が晴れると疲れ果ててるGKとゴールより後ろにあるボールがあった…
「あれ?」
「確かにゴールの真ん中を狙ったのに…!」
「どうなっているんだ…」
「………」
黒也は少し悩むと、
横に座る少林を呼ぶ。
「は、はい!」
「冬海せんせー、交代」
「え?」
「黒也くん?」
「栗松に代わって少林入れてくれ。
少林、伝言頼む」
「…はい!」
ピーッ!とホイッスルが鳴って
選手交替の合図がなる。 栗松の番号と少林の番号が掲示板に映し出され、2人は入れ違いになる。
「少林!」
「目金さん!豪炎寺さん!染岡さん!
黒也さんから伝言です!」
「「「!」」」
少林の言葉に3人は栗松の頭を撫でている黒也を見る。
視線に気付いた黒也は顔を上げて3人に向かって頷く。
「それで、黒也くんからの伝言とは?」
「シュートは真っ直ぐゴールに向かってるから安心しろ。攻め込んで行け。あとは目金に託す。だそうです!」
「黒也が言うならそうか…」
「黒也くんが僕を… わかりました!」
それから何度もシュートを打つが、
全てゴールから外れてしまう。
「……」
なぜ外れるのか、黒也はジッとそれを見つめ、静かに息を吐く。
「黒也くん?」
「……とんだトラップを仕掛けてくれたな」
「え、わかったんですか!?」
「どういうことなの?説明して」
「見てればわかるぜ、目金が動く」
黒也の言う通り、
みんなは試合に目を向ける。
シュートを打とうとした豪炎寺に待ったをかけた目金は土煙の中へと消えた。
「目金!?」
「見破ってしまいましたよ…!
シュートが決まらなかった訳を!!」
土煙が晴れて、 ゴールが見えるようになる。
そこには五里霧中を発動した選手たちが必死にゴールをズラしていて、目金はそれを食い止めていた。
「こいつ…!離せ…!」
「ゴールをズラしてる!?」
「シュートが入らなかった訳はこれか!?」
「貴様、なぜわかった…!」
「仮面ソイヤー…第28話
怪人スナゴリラの使った土煙の煙幕作戦…あれを思い出したのですよ!
五里霧中とは あれをヒントにした技と見ました!」
「よく知っていたな! ズバリその通りだ!」
理由は不明だが、優勝しなければならない、勝てばいいと言い張る秋葉名戸に火が着いたのか、目金が動いた。
「僕にボールをください!!」
「!目金…!?」
「半田ー!目金にボールを渡せー!」
「ええ!?
……わかった、頼むぞ!目金!」
半田からボールを貰った目金は、
すぐ切り込んで行った。
「ここは通さん!」
「正々堂々悪に挑む、
それがヒーローでしょう!
スイカとボールを入れ替えて相手を欺くなど、ヒーローの技ではありません!」
「止めるんだ!」
「漫画萌先生…野部流来人先生… 僕は悲しい!貴方たちの書くシルキーナナの勇気と愛に僕は幾度となく元気を貰いました!
…なのに、その作者である貴方方がこんな卑怯なことをする人たちだとは…シルキーナナに謝りなさい!!
接給中や合体中に攻撃を仕掛けるなどロボットマニアとしては失格です!」
目金は今までに見たことがない程の動き(説教付き)を見せ突破していく。
「やるじゃないの!目金くん!」
「よくわからねぇけどな…」
「シュートを打たせちゃダメなんだなぁ!」
「みんな!五里霧中だ!」
「まだこんなことを続けるつもりですか!?」
「これがオタクの必殺技だ!」
「君たちなどオタクではありません!」
「なに!?」
「オタクとは!1つの世界を信じ、真っ直ぐに極めた者!ゲームのルールを破ってまで勝とうとする貴方たちに、オタクを名乗る資格などありません!!」
「「「!!」」」
目金の言葉に戦意喪失したのか、
土煙は立たず何も起こらない。
そんな中、GKが動きを見せ、また目金が動く。
「ドラゴンクラッシュ!!」
「ゴールずらし!!」
「っ!!」
ずれたゴールを見越した目金は、
シュートの間に入り、顔面で機動を変える
1-1で同点に追いついた。
「おぉ…見事な顔面シュート…」
「これぞ、目金クラッシュ…」
倒れた目金は担架で運ばれ、
黒也はそっと覗き込む。
「大丈夫か?」
「うぅ…どうですか、黒也くん、僕の実力は…」
「ちゃんと見てたぜ。お見事。
秋葉名戸の奴らも心入れ替えたようだしな」
〝目を覚ましてほしかった、サッカーも悪くない〟その言葉で心変わった秋葉名戸。
黒也も満足そうに頷き、 ベンチで手当を受ける目金から 自分の足に目を向けた。
「(目金が体を張って同点にした…
なら、俺も体張らないとな)」
正々堂々、その言葉通り勝負をしている雷門と秋葉名戸。だが能力は雷門が勝っており、豪炎寺と染岡がシュート体勢に入った。
「ドラゴン」「トルネード!!」
2-1
雷門が逆転し 試合終了のホイッスルが鳴り響く。
無事勝利を収め、安堵の息を吐くと、
円堂と豪炎寺が黒也の元にやって来た。
「勝ったぜ!」
「おう、お疲れさん。
今回のMVPは目金だな」
「あぁ、今度は黒也の番だな」
「絶対に治すから待ってろよ」
「ああ!待ってるぜ!」
パァン!とハイタッチの音が鳴り響き
準決勝は幕を閉じた。
試合会場は秋葉名戸。
知美に車椅子を押して貰って雷門の応援に来た黒也はパチクリと目を瞬かせた。
「……お前ら、何着てんだ」
「っ!黒也!」
「まぁ、可愛らしい格好してるわね!
よく似合ってるわよ!」
マネージャー陣が何故かメイド服に身を包んでおり、その可愛らしい姿に知美はふふっと笑う。
すると秋葉名戸の生徒だろうか、
メイド服を着た数名の女子が黒也を見て頬を赤らめた。
「キャー!カッコイイお方!」
「ステキー!お名前は?」
「ぇ…彪狼…黒也だけど…」
「まぁ!お名前までカッコイイ!」
「黒也様〜!」
グイグイ来るメイドたちに困惑しながら受け答えしていると、目金が恨めしそうにこっちを見ていることに気付いた。
「黒也くん!ズルいですよ!
メイドたちを一人占めして!」
「いや、別に一人占めって訳じゃ…
ていうか、なんでマネージャーたちにメイド服を?」
「それはですね
我が校における試合では、
マネージャーは全てメイド服を着用!と言う決まりになっております!
店長…いえ、監督がお決めになられたのです!」
「監督?」
「はい、あちらに!」
1人のメイドが手を向けた先には スイカを食べているおじさんがいた。
「あれが、監督…」
「普通のおじさん…って感じよね…」
「あのーお姉さんもマネージャーさんですか?」
「ぁ、違うわ。
私はこの子の保護者よ。
黒也くん、ここからは大丈夫そう?」
「あぁ、ありがとな知美さん」
知美はこの後喫茶店に戻るからと、
黒也を雷門に預けてその場から去る。
「黒也様、車椅子をお引きしますね!」
「重いから大丈夫だ、ありがとな」
「「「はぅ…」」」
ニコッと微笑めば、メイドたちは頬を赤らめ黒也の側に仕えた。
「それで、例のサッカー部は?」
「……あれだ…」
豪炎寺が指差した先、
そこにはメイド服を着たマネージャーたちを写真に収めている数人の男…
「……ぁあ…」
「黒也ー!!助けてー!!」
「………… 似合ってるぜお嬢!
そのまま理事長にも見せてやれよ!」
「いやー!!」
案外ノリノリな木野と音無に挟まれ、
最終的には生気を失った夏未。
円堂と黒也、豪炎寺は顔を見合わせて溜め息を吐いた。
「そんで?フォーメーションとかどーすんだ」
「本人立っての希望で目金を入れる!」
円堂からスタメンが書かれたバインダーを受け取り、黒也はジッと目金を見る。
「行けるんだな」
「任せてください!」
「なら言うことねぇよ」
「ちょっと黒也!本当にいいの!?」
「本人のやる気があるなら別に構いやしねぇよ、帝国戦とは違うことを見せてやれ目金」
「は、はい!」
遠回しに逃げんじゃねぇよと目を鋭くさせれば、少し青褪めた顔をして頷いた。
ーーーーーーーーーー
「……って、送り出したはいいけどよ…」
掲示板には0-0の文字。
もうすぐで前半終了を迎える時間。
試合は何も動いてなく、 御影専農とは違うむず痒さを感じた。
「大丈夫かぁ…これ…」
秋葉名戸の独特な空気に飲まれ、
上手く動けない雷門。
そのまま前半終了が終了してまった。
〜ハーフタイム〜
「まるで攻めて来ないなんて、
この僕にも予想外でしたよ」
「お前、あいつらのサッカーが理解できたんじゃなかったのかよ?」
「それにしてもなんでボールが取れないんだ?」
「あいつらのあの変なノリのせいだろ…それによってリズムが狂ってんだ」
「得体が知れない…」
「「っ!!……お前もな…」」
調子が出ない雷門に対し、
秋葉名戸は揃ってゲームをしていて そっちに集中している。
するとさっきのメイドたちが黒也に気付いて黄色い声を上げた。
「やはり黒也くんはズルい!」
「なんでそうなる」
「黒也様ぁ…」
「どんな表情もステキ…」
「ずっとお側に…」
「……すまないな…」
「「「キャー!!」」」
「………」
何をしても黄色い声を上げるメイドと 考えることを放棄した黒也。
メイドたちが彼にベタ惚れだと気付いた秋葉名戸はギリィ…と目金と同じように歯を食い縛っているのには…気付かないフリをした。
「……尾刈斗と同じ位、面倒くせぇ…」
ーーーーーーーーーー
秋葉名戸のキックオフで後半戦が始まる。
すると秋葉名戸は前半とは打って変わり攻め込んできた。
「行くぞ!!」
「何…!?」
「動きが変わった!?」
「(漫画家と小説家…
明らかに運動していない身体付き…)
前半は体力を温存してたのか」
明らかに動きが変わった秋葉名戸について行けず、攻め込まれ…
「ド根性バット!!」
1点先制されてしまった。
「こんなシュートを隠してたのかよ!」
「まだ1点だ!焦ることはねぇ!」
「攻めるぞ、染岡」
「あぁ!」
雷門のキックオフで試合が再開。
すると秋葉名戸は全員下がって守りを固めた。
だがそれに怯む染岡と豪炎寺ではなく、
2人で攻め上がって行く。
「行くぞ! 五・里・霧・中!!」
すると彼らは3人係で土煙を起こし、
目隠しをし始めた。
「こんな目眩ましで俺のシュートが止められると思ってんのか!喰らえ!ドラゴンクラッシュ!!」
染岡のシュートは真っ直ぐゴールへと向かう…が、土煙が晴れると疲れ果ててるGKとゴールより後ろにあるボールがあった…
「あれ?」
「確かにゴールの真ん中を狙ったのに…!」
「どうなっているんだ…」
「………」
黒也は少し悩むと、
横に座る少林を呼ぶ。
「は、はい!」
「冬海せんせー、交代」
「え?」
「黒也くん?」
「栗松に代わって少林入れてくれ。
少林、伝言頼む」
「…はい!」
ピーッ!とホイッスルが鳴って
選手交替の合図がなる。 栗松の番号と少林の番号が掲示板に映し出され、2人は入れ違いになる。
「少林!」
「目金さん!豪炎寺さん!染岡さん!
黒也さんから伝言です!」
「「「!」」」
少林の言葉に3人は栗松の頭を撫でている黒也を見る。
視線に気付いた黒也は顔を上げて3人に向かって頷く。
「それで、黒也くんからの伝言とは?」
「シュートは真っ直ぐゴールに向かってるから安心しろ。攻め込んで行け。あとは目金に託す。だそうです!」
「黒也が言うならそうか…」
「黒也くんが僕を… わかりました!」
それから何度もシュートを打つが、
全てゴールから外れてしまう。
「……」
なぜ外れるのか、黒也はジッとそれを見つめ、静かに息を吐く。
「黒也くん?」
「……とんだトラップを仕掛けてくれたな」
「え、わかったんですか!?」
「どういうことなの?説明して」
「見てればわかるぜ、目金が動く」
黒也の言う通り、
みんなは試合に目を向ける。
シュートを打とうとした豪炎寺に待ったをかけた目金は土煙の中へと消えた。
「目金!?」
「見破ってしまいましたよ…!
シュートが決まらなかった訳を!!」
土煙が晴れて、 ゴールが見えるようになる。
そこには五里霧中を発動した選手たちが必死にゴールをズラしていて、目金はそれを食い止めていた。
「こいつ…!離せ…!」
「ゴールをズラしてる!?」
「シュートが入らなかった訳はこれか!?」
「貴様、なぜわかった…!」
「仮面ソイヤー…第28話
怪人スナゴリラの使った土煙の煙幕作戦…あれを思い出したのですよ!
五里霧中とは あれをヒントにした技と見ました!」
「よく知っていたな! ズバリその通りだ!」
理由は不明だが、優勝しなければならない、勝てばいいと言い張る秋葉名戸に火が着いたのか、目金が動いた。
「僕にボールをください!!」
「!目金…!?」
「半田ー!目金にボールを渡せー!」
「ええ!?
……わかった、頼むぞ!目金!」
半田からボールを貰った目金は、
すぐ切り込んで行った。
「ここは通さん!」
「正々堂々悪に挑む、
それがヒーローでしょう!
スイカとボールを入れ替えて相手を欺くなど、ヒーローの技ではありません!」
「止めるんだ!」
「漫画萌先生…野部流来人先生… 僕は悲しい!貴方たちの書くシルキーナナの勇気と愛に僕は幾度となく元気を貰いました!
…なのに、その作者である貴方方がこんな卑怯なことをする人たちだとは…シルキーナナに謝りなさい!!
接給中や合体中に攻撃を仕掛けるなどロボットマニアとしては失格です!」
目金は今までに見たことがない程の動き(説教付き)を見せ突破していく。
「やるじゃないの!目金くん!」
「よくわからねぇけどな…」
「シュートを打たせちゃダメなんだなぁ!」
「みんな!五里霧中だ!」
「まだこんなことを続けるつもりですか!?」
「これがオタクの必殺技だ!」
「君たちなどオタクではありません!」
「なに!?」
「オタクとは!1つの世界を信じ、真っ直ぐに極めた者!ゲームのルールを破ってまで勝とうとする貴方たちに、オタクを名乗る資格などありません!!」
「「「!!」」」
目金の言葉に戦意喪失したのか、
土煙は立たず何も起こらない。
そんな中、GKが動きを見せ、また目金が動く。
「ドラゴンクラッシュ!!」
「ゴールずらし!!」
「っ!!」
ずれたゴールを見越した目金は、
シュートの間に入り、顔面で機動を変える
1-1で同点に追いついた。
「おぉ…見事な顔面シュート…」
「これぞ、目金クラッシュ…」
倒れた目金は担架で運ばれ、
黒也はそっと覗き込む。
「大丈夫か?」
「うぅ…どうですか、黒也くん、僕の実力は…」
「ちゃんと見てたぜ。お見事。
秋葉名戸の奴らも心入れ替えたようだしな」
〝目を覚ましてほしかった、サッカーも悪くない〟その言葉で心変わった秋葉名戸。
黒也も満足そうに頷き、 ベンチで手当を受ける目金から 自分の足に目を向けた。
「(目金が体を張って同点にした…
なら、俺も体張らないとな)」
正々堂々、その言葉通り勝負をしている雷門と秋葉名戸。だが能力は雷門が勝っており、豪炎寺と染岡がシュート体勢に入った。
「ドラゴン」「トルネード!!」
2-1
雷門が逆転し 試合終了のホイッスルが鳴り響く。
無事勝利を収め、安堵の息を吐くと、
円堂と豪炎寺が黒也の元にやって来た。
「勝ったぜ!」
「おう、お疲れさん。
今回のMVPは目金だな」
「あぁ、今度は黒也の番だな」
「絶対に治すから待ってろよ」
「ああ!待ってるぜ!」
パァン!とハイタッチの音が鳴り響き
準決勝は幕を閉じた。