FF編
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「そういえば黒也
お前、何の練習してたんだ?」
帰り道、黒也と練習していた者たちがボロボロだった事に疑問を思った風丸が話しかけてきた。
「結構ボロボロだったよな」
一緒に歩く円堂と豪炎寺も足を止めて黒也を見る。それに合わせて足を止めて〝あー〟と口を開いた。
「野生中のプレイスタイルに合わせて強引なプレイをしただけなんだが…」
「強引?」
「野生中は野生の中で生活し、
脚力や瞬発力、フィジカルを鍛えてる。
今の雷門に必要なのはイナズマ落としだけじゃなく、そいつらに着いていくための持久力と忍耐力だと思った。
だから俺からボールを取って
ゴールまで持っていくゲームをしてたんだ」
「それだけでボロボロになるか?」
思い浮かぶのは集合した時の死んだような顔付きで、豪炎寺は怪訝そうに顔を顰める。
「俺が甘っちょろい練習なんかするかよ。
やるからには全力だ。
いつもより激しいプレイにはなっちまったが…まぁ、今までぬるま湯に浸かってたあいつらにはちょうどいいだろ」
ニッと悪どい笑みを浮かべれば 豪炎寺は口元を引き攣らせ、風丸は溜息を吐いた。
「あまりやりすぎるなよ…」
「そっくりそのまま返すぜ。
お前らが身体痛めてまでやってるのに他のヤツらを呑気に練習させる訳にはいかねぇよ、勝ちに行くなら全力で、だろ?」
「うん!さすが黒也!
他のヤツらのレベルアップ、頼んだぜ!」
「任せてくれ。
そんじゃ、お前ら、しっかりアイシングして身体休めろよ」
〝じゃあな〟と3人とは別の道を歩き家に向かう。
その背中を見送り、ふと豪炎寺は口を開いた。
「黒也はすごいプレイヤーだな」
「あぁ!自慢の副キャプテンだ!」
「ほんと、なんで雷門に来たんだろうな
あいつ程の実力なら帝国や他の強豪校にいてもおかしくないのに…」
風丸が呟いた言葉に頷き、改めて黒也の実力を振り返る。尾刈斗戦で見せた凄まじい脚力、高度なテクニック、そして必殺技のブラックブラスト…どれも全国クラスに匹敵する。
「(しかもあの勘の良さと強い精神力…
去年FFに出ていたら間違いなく注目され他校にとって脅威になっていたはずだ。)」
仲間で良かったと思うべきか…と少し笑えば、?を浮かべる円堂と目があった。
「どうかしたか?」
「いや…ただ、黒也が仲間で良かった…って思っただけだ」
「あぁ!そうだな! 黒也はサッカー大好きだし、チームをよく考えてくれるからな!」
そう言ってニッと笑った円堂。
同時に遠くで〝へっくし!〟とくしゃみをした黒也がいたことは誰も知らない。
〜翌日〜
「最低でもここまで飛んでみろ。
ノルマは…3回、はい開始」
鉄塔広場にて、豪炎寺と壁山の特訓が行われた。
今回は野生中の知識を持つ黒也が2人のジャンプ力を見ることになった。
豪炎寺はさすがの身体能力ですぐに黒也が課したノルマを達成したが、壁山に難が見られた。
「……壁山、自分の足をバネだと思って飛んでみろ。
縮めて…離す、こんなイメージで」
「は、はいッス!」
だが黒也のアドバイスを元に回数を重ねることで解消され高さのノルマは達成された。
「着地に難ありだが…まぁ、良しとする」
「うん!あとは実際に2人で合わせてみるだけだ!」
「うん、行くぞ、イナズマ落とし!」
「ぁ…はいッス…」
2人の準備ができた所で黒也はボールを上に蹴り上げる。
それに合わせて豪炎寺と壁山が飛ぶ…が、なぜか壁山の体勢がままならず、豪炎寺もバランスを崩した。
「!おい!大丈夫か!?」
落ちてきたボールを受け止め、
身を縮める壁山の背中をさする。
「2人とも、ケガねぇな」
「あぁ、俺は大丈夫だが… 壁山、お前…」
「どうした?途中まで上手く行ってたのに…」
「……たたた…高いとこ… ダメなんス…怖いッス…!!」
壁山の言葉にあちゃーと頭を抱える。
見守ってたみんなも〝先に言いなよ…〟と肩を落とした。
「ビビって目を瞑るから俺が肩に足をかけた時、バランスを崩したんだろ」
「着地ができなかったのも、それが原因か…」
「目線を豪炎寺だけ向けて下を見ないようにするのはどうだ?」
下を見ないように…とまた挑戦するも やはり下を見てしまい、また失敗する。
「俺が踏み台役やるか?」
「できるのか?」
「できねぇことはねぇが…
その分ボールは高く上げてもらうことになる。あとは豪炎寺の身の危険度だが…」
「……おい、黒也…」
「まず俺が豪炎寺を蹴り飛ばすか投げ飛ばすかどっちがいいからかだな… あ、でもどっちにしろこの鉄塔の天辺は行けると思うぞ!着地に関しては知らねぇけど」
「却下」
「…意気地なし」
ジトーと2人で睨み合えば〝あらあら〟と第三者の声が響いた。目線を向ければ、そこには木に背中を預けている夏未がいた。
「こんな状態で次の試合大丈夫なのかしら?せっかく秘伝書を見つけてあげたのに、この様子では無駄になりそうね」
「おい、夏未譲」
夏未の嫌味につかさず黒也が動くも、円堂に止められた。
「誰が何を言われたって
豪炎寺と壁山はイナズマ落としを完成させるって俺は信じている。そして、絶対試合に勝つ!!」
「そう、試合が楽しみね」
そう言って背を預けていた木から離れ、夏未は黒也の目の前に立った。
「なんだ」
「これあなたの携帯でしょ、教室に置き去りだったわよ」
「あーわりぃ、ありがとなお嬢」
「構わないわ、それじゃあ」
夏未から携帯を受け取り、中身を確認すれば見覚えのある名前からメールが届いていることに気付き慌てて開く。
「黒也?」
「…わりぃ少し電話する。
お前らはそのまま聞いててくれ
壁山について何か聞けるかもしれねぇ」
「黒也さん、それって…」
壁山の言葉を最後まで言わせず、黒也は電話をかける。電話はすぐに繋がり、少し低めの女の声が響いた。
『出るのが遅い』
「部活中なんだが?」
『チッ』
「おいコラ簡単に舌打ちすんな
…わりぃが今お前の用件は聞けない。」
『……ならなんで電話をかけた、
メールでも良かっただろう』
「お前の知恵を借りたい」
『くだらない事だったら切る』
「お前にとってはくだらねぇことだと思うが俺にとっては深刻だ。だから聞け」
『……傲慢な奴め…で、用件は』
「高所恐怖症の治し方を教えてくれ」
『…は?高所恐怖症…?お前が?』
「ちげぇ、チームメイトだ」
『チームメイト……ほう…一体どういう風の吹き回しだ?しばらく練習せず部室に籠り切りだったと聞くが?』
ハッと黒也の電話相手に鼻で笑われ、みんなは少しムッとする。
だがすぐに黒也が止めに入り言葉を続けた。
「FFに出ることが決まったんだ。
相手は強豪、その為には弱点の克服が必要なんだ。だからお前の知恵を貸してくれ」
『……本気か?』
「あぁ、本気だ。」
『…そいつは今いるか』
「いる」
『話をさせろ』
「強い言葉は使うなよ、
お前より歳下なんだからな」
黒也は壁山に目線を合わせるように座り、携帯を壁山に向ける。
「黒也さん…?」
『……なんだその声は…情けない声だな』
「ヒッ!!」
「おい」
『……まぁ、いい……
高所恐怖症……ならば高さに慣れろ』
「た、高さ…ッスか…?」
『そうだ。自分が怖いと思う高さから慣れさせるんだ。そこから高くしていけばいい。 なるべく長く立って慣れるようにしろ。イスの上、机の上…乗れる場所はたくさんある』
「でも…」
『言い訳無用。
まだやってもいないのにできないなんて言うな。せめてやってから言え。
それで諦めるのならお前はそこまでの奴だったというだけの話だ。』
「言い方!」
『事実だ。負けるのが嫌なら真っ向から食らいついて抗うことだな。
…そろそろ切る、じゃあな黒也』
「あ、おい!!……マジで切りやがった…
ツー…ツー…と電話が切れ、
黒也は思わず溜息が出る。
「おい黒也、なんだよ今のヤツ」
「キツイ言い方だったな」
「なんだか怖かったです…」
「わりぃな、みんな。
今のは俺の双子の兄弟なんだ。」
「え、兄弟?お前、兄弟いたの?」
「あぁ、訳あって離れて暮らしてる。
まぁ、聞いての通り…口は悪いわ、言い方キツイわ…とんだ不良娘だよ。
でも、あいつが言うことは信じていいぜ、俺が保証する。言い方キツイけど…あいつもサッカー好きだし、がんばって努力するヤツのことは最後まで応援する優しい子なんだ」
「黒也の兄弟かぁ…いいヤツだな!」
「えー、あんなキツイ言い方されたのに?」
「でもやってもないのにできないのは違うって俺も思う!とりあえず何事も挑戦だぜ!壁山!」
円堂は壁山を立たせ背中を押す。
それを見送っていると横に豪炎寺が立った。
「いい兄弟なんだな」
「!あぁ、自慢の兄弟だ。
俺よりも頭いいし、何より弱点を見抜くのも克服させるのも上手い。口はものすごく悪くなっちまったがな」
はぁ…と溜息を吐けば、豪炎寺にクスッと笑われ、ジトッと横目で見る。
「なんでもない」
「…ああ、そうかよ…とりあえず壁山の様子見に行かねぇとな…」
お前、何の練習してたんだ?」
帰り道、黒也と練習していた者たちがボロボロだった事に疑問を思った風丸が話しかけてきた。
「結構ボロボロだったよな」
一緒に歩く円堂と豪炎寺も足を止めて黒也を見る。それに合わせて足を止めて〝あー〟と口を開いた。
「野生中のプレイスタイルに合わせて強引なプレイをしただけなんだが…」
「強引?」
「野生中は野生の中で生活し、
脚力や瞬発力、フィジカルを鍛えてる。
今の雷門に必要なのはイナズマ落としだけじゃなく、そいつらに着いていくための持久力と忍耐力だと思った。
だから俺からボールを取って
ゴールまで持っていくゲームをしてたんだ」
「それだけでボロボロになるか?」
思い浮かぶのは集合した時の死んだような顔付きで、豪炎寺は怪訝そうに顔を顰める。
「俺が甘っちょろい練習なんかするかよ。
やるからには全力だ。
いつもより激しいプレイにはなっちまったが…まぁ、今までぬるま湯に浸かってたあいつらにはちょうどいいだろ」
ニッと悪どい笑みを浮かべれば 豪炎寺は口元を引き攣らせ、風丸は溜息を吐いた。
「あまりやりすぎるなよ…」
「そっくりそのまま返すぜ。
お前らが身体痛めてまでやってるのに他のヤツらを呑気に練習させる訳にはいかねぇよ、勝ちに行くなら全力で、だろ?」
「うん!さすが黒也!
他のヤツらのレベルアップ、頼んだぜ!」
「任せてくれ。
そんじゃ、お前ら、しっかりアイシングして身体休めろよ」
〝じゃあな〟と3人とは別の道を歩き家に向かう。
その背中を見送り、ふと豪炎寺は口を開いた。
「黒也はすごいプレイヤーだな」
「あぁ!自慢の副キャプテンだ!」
「ほんと、なんで雷門に来たんだろうな
あいつ程の実力なら帝国や他の強豪校にいてもおかしくないのに…」
風丸が呟いた言葉に頷き、改めて黒也の実力を振り返る。尾刈斗戦で見せた凄まじい脚力、高度なテクニック、そして必殺技のブラックブラスト…どれも全国クラスに匹敵する。
「(しかもあの勘の良さと強い精神力…
去年FFに出ていたら間違いなく注目され他校にとって脅威になっていたはずだ。)」
仲間で良かったと思うべきか…と少し笑えば、?を浮かべる円堂と目があった。
「どうかしたか?」
「いや…ただ、黒也が仲間で良かった…って思っただけだ」
「あぁ!そうだな! 黒也はサッカー大好きだし、チームをよく考えてくれるからな!」
そう言ってニッと笑った円堂。
同時に遠くで〝へっくし!〟とくしゃみをした黒也がいたことは誰も知らない。
〜翌日〜
「最低でもここまで飛んでみろ。
ノルマは…3回、はい開始」
鉄塔広場にて、豪炎寺と壁山の特訓が行われた。
今回は野生中の知識を持つ黒也が2人のジャンプ力を見ることになった。
豪炎寺はさすがの身体能力ですぐに黒也が課したノルマを達成したが、壁山に難が見られた。
「……壁山、自分の足をバネだと思って飛んでみろ。
縮めて…離す、こんなイメージで」
「は、はいッス!」
だが黒也のアドバイスを元に回数を重ねることで解消され高さのノルマは達成された。
「着地に難ありだが…まぁ、良しとする」
「うん!あとは実際に2人で合わせてみるだけだ!」
「うん、行くぞ、イナズマ落とし!」
「ぁ…はいッス…」
2人の準備ができた所で黒也はボールを上に蹴り上げる。
それに合わせて豪炎寺と壁山が飛ぶ…が、なぜか壁山の体勢がままならず、豪炎寺もバランスを崩した。
「!おい!大丈夫か!?」
落ちてきたボールを受け止め、
身を縮める壁山の背中をさする。
「2人とも、ケガねぇな」
「あぁ、俺は大丈夫だが… 壁山、お前…」
「どうした?途中まで上手く行ってたのに…」
「……たたた…高いとこ… ダメなんス…怖いッス…!!」
壁山の言葉にあちゃーと頭を抱える。
見守ってたみんなも〝先に言いなよ…〟と肩を落とした。
「ビビって目を瞑るから俺が肩に足をかけた時、バランスを崩したんだろ」
「着地ができなかったのも、それが原因か…」
「目線を豪炎寺だけ向けて下を見ないようにするのはどうだ?」
下を見ないように…とまた挑戦するも やはり下を見てしまい、また失敗する。
「俺が踏み台役やるか?」
「できるのか?」
「できねぇことはねぇが…
その分ボールは高く上げてもらうことになる。あとは豪炎寺の身の危険度だが…」
「……おい、黒也…」
「まず俺が豪炎寺を蹴り飛ばすか投げ飛ばすかどっちがいいからかだな… あ、でもどっちにしろこの鉄塔の天辺は行けると思うぞ!着地に関しては知らねぇけど」
「却下」
「…意気地なし」
ジトーと2人で睨み合えば〝あらあら〟と第三者の声が響いた。目線を向ければ、そこには木に背中を預けている夏未がいた。
「こんな状態で次の試合大丈夫なのかしら?せっかく秘伝書を見つけてあげたのに、この様子では無駄になりそうね」
「おい、夏未譲」
夏未の嫌味につかさず黒也が動くも、円堂に止められた。
「誰が何を言われたって
豪炎寺と壁山はイナズマ落としを完成させるって俺は信じている。そして、絶対試合に勝つ!!」
「そう、試合が楽しみね」
そう言って背を預けていた木から離れ、夏未は黒也の目の前に立った。
「なんだ」
「これあなたの携帯でしょ、教室に置き去りだったわよ」
「あーわりぃ、ありがとなお嬢」
「構わないわ、それじゃあ」
夏未から携帯を受け取り、中身を確認すれば見覚えのある名前からメールが届いていることに気付き慌てて開く。
「黒也?」
「…わりぃ少し電話する。
お前らはそのまま聞いててくれ
壁山について何か聞けるかもしれねぇ」
「黒也さん、それって…」
壁山の言葉を最後まで言わせず、黒也は電話をかける。電話はすぐに繋がり、少し低めの女の声が響いた。
『出るのが遅い』
「部活中なんだが?」
『チッ』
「おいコラ簡単に舌打ちすんな
…わりぃが今お前の用件は聞けない。」
『……ならなんで電話をかけた、
メールでも良かっただろう』
「お前の知恵を借りたい」
『くだらない事だったら切る』
「お前にとってはくだらねぇことだと思うが俺にとっては深刻だ。だから聞け」
『……傲慢な奴め…で、用件は』
「高所恐怖症の治し方を教えてくれ」
『…は?高所恐怖症…?お前が?』
「ちげぇ、チームメイトだ」
『チームメイト……ほう…一体どういう風の吹き回しだ?しばらく練習せず部室に籠り切りだったと聞くが?』
ハッと黒也の電話相手に鼻で笑われ、みんなは少しムッとする。
だがすぐに黒也が止めに入り言葉を続けた。
「FFに出ることが決まったんだ。
相手は強豪、その為には弱点の克服が必要なんだ。だからお前の知恵を貸してくれ」
『……本気か?』
「あぁ、本気だ。」
『…そいつは今いるか』
「いる」
『話をさせろ』
「強い言葉は使うなよ、
お前より歳下なんだからな」
黒也は壁山に目線を合わせるように座り、携帯を壁山に向ける。
「黒也さん…?」
『……なんだその声は…情けない声だな』
「ヒッ!!」
「おい」
『……まぁ、いい……
高所恐怖症……ならば高さに慣れろ』
「た、高さ…ッスか…?」
『そうだ。自分が怖いと思う高さから慣れさせるんだ。そこから高くしていけばいい。 なるべく長く立って慣れるようにしろ。イスの上、机の上…乗れる場所はたくさんある』
「でも…」
『言い訳無用。
まだやってもいないのにできないなんて言うな。せめてやってから言え。
それで諦めるのならお前はそこまでの奴だったというだけの話だ。』
「言い方!」
『事実だ。負けるのが嫌なら真っ向から食らいついて抗うことだな。
…そろそろ切る、じゃあな黒也』
「あ、おい!!……マジで切りやがった…
ツー…ツー…と電話が切れ、
黒也は思わず溜息が出る。
「おい黒也、なんだよ今のヤツ」
「キツイ言い方だったな」
「なんだか怖かったです…」
「わりぃな、みんな。
今のは俺の双子の兄弟なんだ。」
「え、兄弟?お前、兄弟いたの?」
「あぁ、訳あって離れて暮らしてる。
まぁ、聞いての通り…口は悪いわ、言い方キツイわ…とんだ不良娘だよ。
でも、あいつが言うことは信じていいぜ、俺が保証する。言い方キツイけど…あいつもサッカー好きだし、がんばって努力するヤツのことは最後まで応援する優しい子なんだ」
「黒也の兄弟かぁ…いいヤツだな!」
「えー、あんなキツイ言い方されたのに?」
「でもやってもないのにできないのは違うって俺も思う!とりあえず何事も挑戦だぜ!壁山!」
円堂は壁山を立たせ背中を押す。
それを見送っていると横に豪炎寺が立った。
「いい兄弟なんだな」
「!あぁ、自慢の兄弟だ。
俺よりも頭いいし、何より弱点を見抜くのも克服させるのも上手い。口はものすごく悪くなっちまったがな」
はぁ…と溜息を吐けば、豪炎寺にクスッと笑われ、ジトッと横目で見る。
「なんでもない」
「…ああ、そうかよ…とりあえず壁山の様子見に行かねぇとな…」