恋のひよこ
《オマケ》
「うわぁ、『ひよこ○ラブ』って初めて買ったけど、どの赤ちゃんも可愛い!癒されちゃうね、石田くん!」
「そうだね、井上さん。託児所訪問、井上さんがいてくれて心強いよ。」
「…あ、あのね、石田くん。」
「何だい?井上さん。急に真剣な顔になって…。」
「く、黒崎くんを…託児所訪問に誘ったら…黒崎くんに迷惑かな?」
「いや、黒崎は井上さんに誘われて嫌な顔はしないさ。黒崎のことだから、託児所訪問企画だって知らないだけだと思うよ。あんなに宣伝してるのに、企画側としては腹立たしいけどね。」
「そ、そうかな?黒崎くん、死神代行と受験勉強の両立で大変そうだし…いつも忙しそうだし…。」
「大丈夫だよ、井上さん。…本当に忙しいヤツは、本屋から尾行した挙げ句木の陰から覗き見してる暇なんてないだろうから。」
「え?なぁに?石田くん。」
「いや…何でもないよ。」
「でも、何だか石田くんさっきからずっと楽しそうだよ?」
「…それはね、アイツがこの光景を見てどう受け止めているか…それを考えると可笑しくてしょうがないだけだよ。」
「…?」
(本当に井上さんは、あんな間抜けでヘタレで鈍い奴のどこがいいんだろうな…?)
※公園のベンチでの二人の会話です。
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