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Water castle

「それではいってきまーす……」
私は小声で言うと
一目散に水楼閣に向かっていった

一方家の中では兄がセーナの部屋の前にいた
「セーナ、今日こそは書類整理を手伝って貰うぞ」
……返事はない
ドンドン
「おーい」
ドンドンドンドン
ガチャ
部屋の扉を開けると、そこには誰もいなかった
「あんにゃろう……また書類整理から逃げやがったな!」
背後から執事があらわれた
「ご主人様」
「なんだ、俺は今イライラしているんだ」
「セーナ様は恐らく水楼閣に向かっていらっしゃるかと」
「そんなことわかっているさ……はあ
おい、セバスチャン」
「なんでしょう?」
「今朝の水質試験が終わったら絶対家に連れ帰ってこい。いいな?」
「御意」
そういうとセバスチャンは一瞬で兄の前から居なくなった

セーナは大水楼閣到着していた
水楼閣の警備さんに挨拶をする
「おはようございますー」
「おお、セーナちゃんおはよう。随分と早いね」
「書類整理から……逃げてきた……」
「またか、お兄さん怒ってるんじゃないか?」
「水質試験と巡回は私の仕事だし!」
「さようでございますが、水質試験の結果をまとめるのもお嬢様のお仕事にございます」
突然後ろから、セバスチャンの声がしてきた
「セ、セバスチャン……」
恐る恐る振り返る
「今朝の水質試験はお済みですか?まだのようでしたらお供致しますよ」
「ひ、1人で行けるわよ」
「いいえ、なりません。絶対連れてかえってこいと言う命令でございます」
「絶対……」
「はい」
「わかったよ、もう逃げないから、水質試験一緒に行こ」
「はい」
セバスチャンのにっこりから有無を言わさない圧力を感じたのであった

「今日の天気は曇り水路の増水の心配は無し、水温は18.5鱗よる異常は検知ナシっと」
「お済みになりましたか」
「終わったわよ……」
「では帰りましょう」
「はぁ……」
「説教が終わったら、セーナの好きな紅茶入れてやるから」
セバスチャンはそう耳元で囁くとにっこり笑って水楼閣から出ていった
「せ、せせせセバスチャン……!!!」
許すまじ!乙女の純情を揺さぶるな!
と喉まで出かかったが、ぐっと堪えて家に帰った

家に帰ると案の定兄が激怒して待っていた
兄はじっくりゆっくり怒るタイプの人である
「おかえり、今日は随分と早起きだったじゃないか?」
「はいぃ……お兄様……」
「さて、先月分のまとめをそろそろしてもらいたいのだが?」
「そうですね、早めがいいですよね……」
「では、なぜ朝早くから水楼閣に行っていたのだろうか?」
「ま、毎日の癖出ちゃったかなー?なんて……」
「セーナ」
「はいい」
「先月の検査記録がまとめ終わるまで外出禁止だ!」
「うわあああああああ」
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