武道君のお友達
とある集会前。少し早めについた武道は少し離れた場所にいる稀咲と半間を見つけると初めて出会った時から感じた既視感の正体を探っていた
「(なんか、半間見てると……というか稀咲もか……既視感あるんだよな……なんだ?どっかで似てる人でも見たことあったっけ……?)」
「?どうしたんだよ相棒。考え込んで……あっ、もしかしてさっき言ってたテストのことか??お前には無理だ諦めとけ」
「いや、違う……っていうか千冬酷くね!??まだ勝負(テスト)はこれからだろ!!」
「ギリギリまで勉強せずに一夜漬け決めようとするお前には過ぎた勝負だろ」
信頼する相棒にボロクソに言われ、反論しながらも感じた既視感の正体に頭を悩ませていた。
「ばはっ♡なんだよたけみっち〜。そんなに俺らに熱い視線向けて惚れたか??」
「半間、ぶさけるな……大方、俺達に裏がありそう、なんてことだろ」
武道の視線を感じた半間修二はニヤニヤと笑いながら開いていた距離を詰め武道に声をかけた。一緒にいた稀咲も同様いつもの皮肉を混じえニヒルに笑う。
「そんなこと言って〜稀咲も熱い視線向けられて気があるかもなんてソワソワしてんじゃん??」
「そうだが!!???(そんな訳ないだろ)」
「完全に本音出てるだろ」
「稀咲ィ〜逆逆♡」
「煩いぞお前ら!……花垣は何か言い分あるなら言ったらどうだ聞いてやらんことも無い」
「たけみっちとお話したいってさ」
「半間ァ!!」
せっかくカッコよく(?)言った発言が早々に半間によって通訳されてしまい稀咲は焦りながらも半間の胸倉を揺さぶった。
「いや、そんな話すことでもないって言うか……」
「「あ゛?」」
「ヒェ……ちふゆたすけて……」
「まぁまぁ、落ち着けよ。で?相棒はなんでそんなにこの2人を見つめてんだ???ん????相棒には言えるよな????」
「ヒョワ……俺の相棒がコワイ……いや、あの、2人を見るとすげー既視感感じるというか、誰かに似てる気がして……」
「「「誰かって誰だよ」」」
「それが分かったらこんなに悩んでないんだよなぁ〜〜〜〜??????」
3人に詰め寄られるも何の解決にもならなかった。
「 ん〜〜〜……モヤモヤする……」
「この2人に似てる奴なんているか????コイツらに似てる奴なんてこれ以上いたら世界の危機だろ」
「お??喧嘩かァ???買うぞ?????」
「別にお前がモヤってようがどうでもいいが余所者とオレを重ねてみてやがるのは許さねぇ。解釈違いだ」
「ばはっ♡稀咲、稀咲、たけみっちガチ勢が出てるぜ?」
「強火オタクにも程があるだろ。まぁ、分からんでもないけど」
そんな話をしているといつの間にかメンバーも集まり集会が始まろうとしていた為、各人急いで持ち場についた。
「……気のせいだったのかな?」
勘違いだったかもしれない、そう、思い込もうとするが、それは決して勘違いではないことがこの後直ぐにわかった。
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