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同担拒否の春千夜くん

もし、黒龍組念願のヨシヨシが叶ったら




「ココ君はとってもお利口ですねぇ、よしよし…」


とある一件でココ、イヌピー両名は自分たちのボス(と、勝手に決めた)である武道に有益な情報をもたらした。
貰ってばかりでは対等ではないと判断した武道はご褒美として何が欲しいのかを2人に聞いた所、先日、『黒龍暴走事件(タケミチ命名)』で話題に出ていた「武道に褒められること」がいい、むしろそれでなければ嫌だと駄々をこね、念願のヨシヨシをして貰えることになった。


「はぁ〜〜〜…………生き返る……」

「オァ……」

「ボス!俺も沢山頑張ったんだ!褒めてくれるか……?」

「勿論!イヌピー君もとってもお利口さんですね!いい子いい子……」

「〜〜〜ッ!」

「ヒグゥ……」


小刻みに身体を震わせた春千夜の口から度々言葉にならない声が漏れる。
確かに今回黒龍2人組は武道の為になる事をし、それによって武道が褒美としてしていることは(まっっったく納得していないが)理解している。だがいくら理解していようが嫌なものは嫌なのだ。


「〜〜〜〜〜ッッッたけみち!!!!!!!!」

「うわっ……どうしたの春千夜」

「たけみち!!たけみち、……たけみち……」

「はいはい、なぁに?」


突然叫んだかと思えば、今度は次第に弱々しい声で必死に武道を呼ぶ。まるで迷子になった子供が母親を探すように。そんな春千夜に優しくどうしたのかを武道は問うた。


「たけみち……たけみちは、おれのだ……!!テメェらなんか、あっちいけ!!そのばしょはおれのだ!!!」


まるで本当に幼子が駄々をこねるように若干泣きそうになりながら春千夜は必死に武道は自分のものだと主張した。


「あらら……寂しくなっちゃったんですねほら、こっちにおいd「「今日ヨシヨシしてもらうのは俺たちだけだ!!」」……あ〜〜〜……こっちもかぁ〜……」


可愛がっている春千夜を傍に呼ぼうと声を掛けると今度はココとイヌピーが武道の両腕にしがみついた。絶対に離すまいという意志を感じる。


「テメェはいつも総長に甘やかされてるだろうが!」

「そうそう、それに俺たちはちゃーんとやる事やって褒美としてヨシヨシの権利を貰ってるんだぜ?邪魔すんな」

「ま、まぁまぁ、2人ともそんな風に言ってあげないでやって下さい春千夜は寂しがり屋さんで甘えん坊さんなんですよ」


そう言って2人を宥めるようにまた頭を撫でる。撫でられた2人が幸せそうに目を閉じ、もっとして欲しいと訴えるように武道の手のひらに頭を擦り寄せた。


「総長に撫でられるのは気持ちいい。もっと撫でてくれ」

「あ、ずりぃよイヌピー。俺ももっと撫でてくれよボス♡」


甘えるように擦り寄る黒龍、そしてそれに応える武道を見てそれまで何とか留めていた涙をボロボロ零しながら春千夜は叫んだ。


「やだやだやだ〜!!!!!!!!おれいがいのやつをなでるなよォッ!!!おれもなでろよォ〜〜〜〜!!!!!」


両腕は黒龍に盗られてしまっているため、真正面から武道の胴体に思い切りしがみついた。両腕に黒龍、前に春千夜、全く身動きがとれなくなった。


「はるちy「たけみちのばかぁぁぁ!!!おれをなでろよぉぉぉ!!!」撫でてあげたいのは山々なんだけど……イヌピー君、ココ君、一旦離しt「「ぜっっっったい嫌だ」」ええ…………」


誰一人として全く譲らない状況に唯一動かせる顔を上げ思わず空を見上げた。
こんなの現実逃避しなければやっていけない。


「今日の晩御飯何にしようかなぁ……」


がら空きの背中にマイキーがしがみつき、「たけみっちは、おれの!」と宣言してさらに状況が悪化することを、この時の武道は知る由もなかった。



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