相棒編
「「ボス(♡)」」
「「うわっ!?」」
ほのぼのとした空気の中互いにポテトやらナゲットやらをつまんでいる所に急に思いもよらない2人が現れた。
「い、イヌピー君にココ君……!?びっくりした……というか2人もファーストフード店来るんですね!???」
「いや、聞くところそこじゃねぇだろ……」
「いや、滅多に来ないな」
「俺も最近は来ねぇな〜」
「ええ……じゃあすごいレアな場面に立ち会ったんスね俺……」
いや言うべきことはそうじゃねぇだろ
そう思ったものの3人を観察しながら千冬は残りのシェイクを啜った。
「総長が居たからな」
「立ち会ったっつーか、ボスか居たから入ってきたんだぜ♡」
まるで仲がいいですとでも言うかのようにココは武道の肩に手を回し、イヌピーもしれっと武道の近くに寄り添うかのように近づいていた。千冬と武道が食べていたバーガーのセット、そして千冬に目をやるとニヤッと笑う。それを見て思わず飲んでいたシェイクを握る手が強くなった。
「水くせぇじゃねぇかボス♡もっと美味ぇところ連れてってやるよ♡」
「ココの選んだ店は確かだ。行こう総長」
見事にシェイクが入った入れ物は握り潰された 。
「ちふゆ、しぇ、シェイクg「なっ、おい!相棒は今俺とデートしてんだよ!!!邪魔すんな!!!」ちふゆ!?」
デートだったのかこれ!?
「悪ぃけどこれから黒龍の集会なんでね」
「飯食いながら集会するってのかよ!?」
「?別になんておかしいことは無いだろう。総長だって、美味いもの食べたいだろ?」
「食い物で!!!俺の相棒を!!!!釣ろうとするんじゃねぇ!!!!!」
まるで千冬が猫のように威嚇しているのを見て、千冬(猫)VSイヌピー(犬)VSココ(狐)の幻影を後ろに見ながら現実逃避した。
多分これがモテ期……男にモテたくなかったかな……
まだこれが本当に動物だったら嬉しかったんだけどな……。
言い争っているのを止める気力もなくなり残り物のポテトを摘む。
「「「相棒/総長/ボスは俺と飯食いに行くよな!!!???」」」
俺こそが武道と食事(デート)するんだ!!!!!!そう言った目で見つめられた武道は一言呟いた。
「いや、そもそも俺食ってる最中なんだけど」