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相棒編



「はぁぁぁあ!??黒龍の総長になったぁぁぁ!???」

「うわっ!うるせぇよ、千冬!」


学生にも安価で入りやすいファーストフード店の片隅で相棒こと、松野千冬の叫び声が響き渡った。


「なっ、おま、なんでンなことになってんだよ……?第一、よくマイキーくんが許したな……?」


無敵のマイキー、佐野万次郎は知る限りカリスマ性はあるものの傍若無人、天上天下、唯我独尊を地でいく男だ。そして、目の前にいるたけみっちこと花垣武道には執着のレベルを超えた執着をしている。

『たけみっちは俺の!』

『俺が最初に見つけた俺のダチ!』

と、常日頃から周囲に言いまくりマウントを取ってくることで有名だ。まぁ、東京卍會のメンバーは千冬含めそんなことでは諦めない奴らの集まりの為マウント合戦は並行戦を辿っている。


「あ〜〜…………そのですね……」

「おまえ……もしかして……」

「……あはっ」

「マイキー君許してねぇのか!??おま、殺されるぞ!!!??」


こいつマジで言ってんのか?生き急ぎすぎでは??という表情でつまんでいたナゲットがぽとりと落ちた。


「いや、ゆる……許してはい……ないかもだけど……」

「許してねぇんじゃねぇか!」

「まぁまぁまぁ、落ち着けって千冬。ポテトはいかが?」

「あっ、ご丁寧にどうも……あ〜〜揚げたてうめぇ〜〜…………ってしれっと話逸らしてんじゃねーよ!!お前から振ってきた話だろうが!!!」

「くっ、バレたか……」

「バレるわ!!!……というか……よく相棒も総長になるって決めたな?お前だったら断りそうなもんだと思ったけど……」

「いや、俺も最初は断ったよ?でも、2人ともすげー真剣な顔で言ってくるし……それに、倒しきれてはないけど、2人のボスだった大寿君に喧嘩売ってこうなったんだし、責任は取らないとと思って」


花垣武道の諦めの悪さは美徳の1つ、そしてお人好しレベルも天元突破しているため1度懐に入れてしまえばもう見捨てるなんてこともできやしない。そんな所が千冬も東卍メンバーもそして黒龍までも魅了してしまうのだろう。


「……まぁ、お前が決めたことなんだから応援くらいはしてやるよ……あっ、でも俺と遊ぶ予定は優先しろよ!!絶対だかんな!!!」


決めたことなら容認するけど、俺と遊ばなくなるのは許さん!!と、口周りにバーガーのソースを付けながらも呆けた表情をしている武道にビシッと指を指した。


「ちふゆ〜〜〜〜!!!!!」

「うるせぇ!じゃれるな、じゃれるな!」

「あ、あと口にソースついてるぞ」

「は!?くっそ……カッコつかねーじゃん!!」


口元をゴシゴシと拭き顔を赤くしながら、照れを隠すようにシェイクを飲む千冬を見て思わずホッとため息をついた。




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