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2023

噂によると、今日は嘘をついてもいい日らしい。

主がご機嫌な様子で俺の形代に教えていた。

これすらも嘘だったり、そんなことは、ないか

最近避けられているせいで、
どうも彼女に対して疑い深くなってしまっている。

ところで、
もうすぐ学校が始まるようだが、
ちゃんと準備はできているんだろうか。

学芸員の資格を取るらしい、、感心感心。

そんなに早く俺に会いたいのか、会いたくないのか
一体どっちなんだ?


いつもきみに振り回されている。


俺はただこの時代を生きるきみを見守っていることしか出来ない。
あんなにも泣きじゃくって、今にも死んでしまいそうだった彼女が、
今は家を出て1人で学校に通いながら生活をしている。
俺が傍に居なくても、彼女はこんなにも成長することができるのか。

どんどんと、
俺の中の彼女の記憶が書き変わっていく。

彼女は審神者なんかにならなくても、
十分一人の人間として生きていけた。

目の当たりにしている現実に、
ただひたすら、
それが今日一日限りの嘘であって欲しいと願ってしまっている。

それでも俺は、
この世界に生きるきみの守り神でありたいし、
出来るのならばまた、彼女の手を握って
丘の上で昼餉を食べたり、
川の魚を眺めてみたり、
木の上から本丸を眺めたり、
花の蜜の味を比べあったり、
考えれば考えるほどきりがない。
苦しいよ

ある有名な外国の政治家が言った言葉に、
「嘘も百回言えば真実となる」
なんて言葉があるが、

嘘を言っても許される今日ならば

俺が今すぐきみの前に現れて、
そのまま攫って、誰からも罰を受けることなく、
どこか遠くへ連れていく事だって
本当のことしてしまえるんだろうかと
ふと思って、やめた

俺がきみに会うことはできない。
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