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月間バリボー1月号・特集 佐久早聖臣✕千歳柊生
2023年、VNL優勝後にパートナーシップ制度の元結婚した彼ら。私生活でも、コートの上でも共に在る。選手としての顔からパートナーとしての顔まで、彼らの関係を紐解く特別対談。
文・山本あかね
────お二人の出会いはいつなんですか?
千歳「高1の冬、ユース代表候補合宿ですね。でもその時は、あまり話はしなかったよね」
佐久早「(頷く)」
────第一印象はどうでした?
千歳「やっぱり頭ひとつ抜けて上手い選手だな、と。サーブもスパイクも回転エグかった。本人、あまり本気じゃなかったみたいだけど」
佐久早「腰の調子見て無理しないようにしてただけ」
千歳「当時から本当に慎重だったね。後は、雰囲気あってかっこいいなって」
佐久早「取ってつけたように惚気けるな」
────佐久早選手は如何でした?
佐久早「赤ちゃんみたいなのがいるなって」
千歳「おい」
佐久早「……いちばん抜きづらいブロックしてくるから、嫌だった」
千歳「そう?もっと高くて上手い人いっぱいいたべ」
佐久早「お前全中にも出てなかったから、完全にデータ外だったし。……後は、完全に親父さんの顔そっくりそのままだなって」
千歳「生まれてからこの方、ずっと生き写しだもの。いや、親父元気に生きてるけど」
佐久早「中身も似てきた気がするけどな。……そう言えば、こないだ帰省した時、夜桜さんが柊生と私に似てるとこ探してるんだけどわかんない、って匙投げてたから、笑顔が似てるって言ったらすっごい喜んでた」
千歳「夜桜さんめっちゃめちゃご機嫌だったのはお前が理由か!」
────その後どうやって仲良くなったんです?
千歳「俺がラインで誤爆したのがきっかけで。寮に飛んできたシマエナガの写真を部員に送ったと思ったら聖臣だった」
佐久早「可愛い鳥だったから無視できなかった」
千歳「シマエナガに感謝だね」
佐久早「その後、ちょうど解けなかった数学の問題教えてもらったり……よく雑談してた」
────胸がキュンとします。
千歳「あはは(笑)あの頃って丁度皆スマホを持ち始めてて、SNSも出てきたばっかりだったんですよね。そんな中で日常のシェアが楽しくなっていって、そこから少しずつお互い気になり始めて……って感じですかね」
佐久早「メイド服のコスプレでギター弾いた動画送ってきたりしたよな」
千歳「ある意味黒歴史……いや楽しかったんだけどさ」
────千歳選手は結構、その、ファン感などでも女装されることが多いですが。
千歳「趣味ではないです。面白いかな?喜んでくれるなら、いっか!って感じで恥と外聞をかなぐり捨てております」
佐久早「いや普通にもう趣味じゃん」
千歳「ちょっと、お前が言うと結構アレ……」
佐久早「はあ?」
千歳「普段から女装ばっかしてるみたいに聞こえるしょや(ため息)可愛く思ってくださるならもう何でもいいです……」
────話を戻しますね(笑)遠距離恋愛の上、お互いバレー漬けの学生生活。会う機会は少なかったのでは?
千歳「そう、高校の時は会えるのも年に数回くらい。インハイと春高と、ユース合宿や遠征……後は俺が長期休みに父親の手伝いで上京することがあったので。そういう時にデートしたね」
佐久早「高校の時ったって付き合いは1年くらいだし……大学に入ったら長期休みなんかに少し多く会うようにはしたけど」
千歳「大学の時は旅行楽しかったよねー、富良野と美瑛をバイクで旅したんですよ。聖臣を後ろに乗っけてパッチワークの丘走ったの、今も時々思い出すな」
佐久早「また行きたい」
千歳「行こう。今度は車でマシュマロも一緒にね!」
────遠距離恋愛を支えたものは、やっぱりバレーだったんでしょうか。
佐久早「バレーがお互い1番って話をした気は、する」
千歳「何だっけ、お互いがお互いの4番目?みたいな話はしたね。バレーが1番、2番目は聖臣なら掃除とかゲームとか、俺は勉強とか、ギターだとか。遠距離恋愛の間は、そう(4番目の優先順位に)なっちゃうよねって。4番目同士でうまくいった節はあったかもね」
佐久早「それに……どこかで戦ってみたくもあった」
千歳「うん。高校でも大学でもいつか当たりたいなあって思ってたら見事当たらずにきちゃって、最初の対戦が結婚式だったっていう(笑)」
佐久早「今後はわかんないじゃん」
千歳「まあ、何があるかわかんないもんね、人生。……それこそ同じコートの上で、しかもチームメイトとして一緒に戦うなんて本当に思ってもみなかったから」
─────大学卒業後、共にクラブでのチームメイトになりました。佐久早選手より2年遅れで千歳選手も代表選手登録。そうなると……。
佐久早「こいつが怪我で離脱した時以外はずっと一緒」
千歳「基本年中一緒だっただけに、離脱した時はなんか変な感じだったよね。俺はリハビリ、聖臣は代表で世界中飛び回ってて……当時はマシュマロもいなかったし、一人になる時は寂しかったです」
佐久早「そうは言ってもお前もリハビリに仕事で忙しかっただろ。出来るだけ電話はしたじゃん」
千歳「そうそう!電話口で、なんか久しぶりの遠距離恋愛だねー、って言ったら聖臣ちょっと怒っちゃって」
佐久早「怒ってない」
千歳「いや怒ってたよ(笑)……同棲してたけど、結婚って選択肢を取るにしても、俺がまだプロポーズするどころじゃなかったもんね。(佐久早選手を指差し)こいつ、俺が入院したと同時に一緒に住んでって言ったんです。結婚してって意味も含めてね」
佐久早「(千歳選手を睨みつける)」
千歳「睨まないの、話をさせて。入院当初は本当に、いつ復帰できるかもわからなかったので。僕の中ではまだ結婚という選択肢を持つには至らなかったんです。
当たり前だけど、待たせてる側の俺がのほほんと久しぶりの遠距離恋愛だねー、なんて言ったらそりゃ腹立たしいよね。ごめん」
佐久早「別にいい。もうとっくに謝ってもらってるし気にしてない」
千歳「俺は地味に気にしてましたよ。無意識に甘えっぱなしだったなあって」
佐久早「リハビリすごく大変だったんだから、別にいい。リハビリ最初痛すぎて気絶寸前だったんだろ?岩泉さんに聞いた」
千歳「岩泉さぁん……何して言っちゃうかな(苦笑)」
────な、仲良し。
千歳「ふふ、いい旦那さんなんですよ。本当に。岩泉トレーナーをはじめ、周囲の方々にも本当に助けられてばかりです」
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