【新・世界樹の迷宮2】
【やっぱり嫌いだ】
※フラヴィオ夢
樹海で帯電石を見つけたため、再びギンヌンガ遺跡を進んでいく俺ら。
今回は『空の誓い 』のみんなと合同で進んでいる。
「ふぇえ……ハイ・ラガートの近くにこんなんあったんすね~」
「確かに……あんな渓谷にあるとは思わなかった」
「だよね。……どーやって見つけたのかなぁ、ベル?」
「うっせぇ。ほっとけ、ミカエル」
初めてギンヌンガの中を進む五人は、興味深そうに辺りを見回しながら進んでいる。
樹海とは違った意味で気になるところだし。……何より、ジェダイトの変身にも関係しているはず。
「ミカエル様。次の扉を見つけました」
「あ、ホントだ。ありがとう、ファティア」
周りを警戒していたファティアさんが声を出す。
ミカエルが礼を言えば、「恐縮です」と一礼するファティアさん。
「次はどうなっているのでしょう……」
「んー……そろそろFOEが出てくると思う」
「どうしてそう思うんだ? ルシェ」
「勘!」
ジェダイト、アリアンナと並ぶルシェがニパッと笑顔で答える。
……笑顔、可愛いなあ。そこを代わってくれ、ジェダイト。
「出たら出たで撃ち落とすから構わん。開けるぞ」
「ちょ! 青玉くーん!?」
銃を肩に乗せながら、問答無用と言わんばかりに青玉が扉を開けた。
……さすが傭兵。つーか青玉ってさ、めっちゃくちゃ好戦的だよな。
「お」
「あ」
「え……うげっ!!?」
急に立ち止まり、上を見上げた青玉とルシェに釣られるように俺も見た。
そして鳥肌が立った←
「て、天井が蜘蛛の巣だらけッス……!!」
「蜘蛛の巣だらけって言うか、蜘蛛の巣しか見えないよね」
「天井も見えない。……蜘蛛、相当大きい?」
「一匹どころか何匹もいるかも」
「おまえら、それ以上言うなよ!!?」
クロエとジェダイトの言葉に血の気が引いた気がした。
こんなだだっ広い空間の天井全部を埋める蜘蛛の巣ってなんだよ! 確実にデカイ!! 確実に何匹もいる!!
「どうしたの、フラヴィオ。顔が真っ青だぞ」
「ナ、ナナ、ナンデモナイヨ。ルシェ!」
「……ごめん。とてもそうは見えないんだけど。……もしかして苦手? 蜘蛛」
「うっ……」
ルシェには平気だと伝えるが、顔色の悪さに突っ込まれた。
そりゃルシェの前だから強がってはみたさ。……けどやっぱり無理だ。隠せなかった。
そう。俺は……っ。――俺は虫が大の苦手なんだよおおお!!!
「ああ……フラヴィオは虫全般がダメだったな」
「まあ。フラヴィオ様、大丈夫ですか?」
「……たかが虫だろう。蛞蝓や蝸牛と言った、遠距離以外は絶対に物理で潰したくもない対物理耐性と物理反射と精神汚染を孕んだ軽いトラウマを生み出す軟体生物どもよりは遥かにマシだ」
「……おい。そいつらに何か恨みでもあるのか?」
私怨的な何かを感じさせる青玉の早口で言い切った言葉に、ベルトランだけじゃなく他多数も引きつった顔をした。
……うん。俺も同意見だ。無口で言葉数少ない青玉にしては珍しいのもあるし。
「……というかフラヴィオ。虫ごときにビビるな。軟体生物どもと違って、中身が飛び出てもさほど害はないだろうが」
「いやいやいや!! おもいっきり害あるから! 中身とかキモいこと言うな!」
「あそこのFOEでもダメ?」
「FOEでも…………え?」
突如何の脈絡もなく言ったルシェの言葉に、俺だけじゃなく全員が固まった。
“あそこのFOE”って……。
ルシェの言葉に、全員が彼女の視線の先を見る。
『ギチギチギチ』
「ぎゃああああああッ!!! 出たああああああッ!!!」
天井の蜘蛛の巣にへばりつく、白くて丸々とした物体に悲鳴が上がった。
普通より強力な魔物・FOEがいた。しかも蜘蛛だから余計怖い!
「む。やっぱり蜘蛛だった。結構大きい」
「ああ。天井埋め尽くすのもわかるわな」
「いかが致しますか。ミカエル様」
「撃退する。……と言いたいところだけど……」
傍観するクロエとベルトラン、剣を構えるファティアの横で、ミカエルが苦笑いで俺を見る。
「大丈夫ですか、フラヴィオ君。……腰が抜けてるッスよ」
「フラヴィオ……」
「翡翠はともかく、そんな目で俺を見るな! ジェダイト!」
元メディックである翡翠は純粋に心配してくれたからまだいい。
けどジェダイト。そんな哀れむような目で俺を見るな!
腰が抜けたのは否定しないが!!
『ギチギチギチ……』
「あわばばば……っ」
あ。ヤバい。蜘蛛と目が合った気がする。
無理無理無理!! 虫だけは無理だあああっ!!!
「……よし」
「……っ? ルシェ?」
ガタガタ震えていると、槍を持ったルシェが俺の前に立った。
蜘蛛を見上げ、対峙する形を取る。
「シングルバーストっ!」
ビュッ。ドドスッ。
そして、生命力を触媒にした全範囲攻撃を発動させた。
ストライクで糸を吐き出す口に命中し、蜘蛛はじたばたともがく。
「フレイムショット」
その隣で、青玉が横の壁に向かって炎の弾丸を撃ち込んだ。
銃声が鳴り、それより遅れて天井の蜘蛛の巣が燃え上がる。
ボトンッ。
そして炎にまみれた蜘蛛は奈落の底へと落ちていった。
……あれ? もしかして、助かった?
「はい。これで退治できたよ。青玉もありがとー」
「礼には及ばん。垂れた蜘蛛の巣を発見したのはルシェだろうが」
ポカン、と呆然と立ち尽くす俺らを余所に、ルシェと青玉は普通に会話していた。
とりあえず感想は……すごいとしか言い様がない。
「青玉はともかく……ルシェも、蜘蛛は平気なのか?」
「うん。ボクらハイランダーは自然と生きてきたからね。それにレジィナさんが前に作ってくれた蜘蛛の姿揚げとか大芋虫のキャセロールとかアゲハの姿佃煮とかも好きだし」
「「食べるのか(食うのかよ)!!?」」
俺とベルトランのツッコミが揃った。何その恐ろしいメニューは。
いや、食べるルシェもだけど、それを作ったレジィナさんや開発したアピキウスさんも何なんだよ……。
「ああいうのも結構好きだよ。いちばんは分厚いお肉のステーキだけど」
「クロエも同感。お肉、好き。ルシェ、話わかる」
「だよねー♪」
意気投合する二人に、何とも言えない空気の俺たち。
しかし虫も食べるって……ルシェって意外と悪食なのか?
「ルシェは好き嫌いないのか。まあいい。行こうか」
「そうだな。行くか」
「おまえらはおまえらでツッコミ無しかよ!!」
「「嗜好の自由だし、どうでもいい」」
「……俺はおまえらのシンクロ率の方が怖ぇよ……」
例のごとく口調を揃えるジェダイトと青玉。
何なんだよ、おまえら。似てるにも程があるだろ。
「まあ攻略もわかったし、出ても何とかなるだろ」
「だな。フラヴィオ。立て……ない、な。まだ」
「……ううっ……」
ミカエルに聞かれるが、俺はまだ立てずにいた。
だってあんなキモい蜘蛛見たら……なあ?
「おまえなあ……。言っとくが、おっさんは担ぐなんてしないからな」
「ですが、フラヴィオ様を置いていく訳にはいきませんし……」
「あの蜘蛛の存在がいる以上、休憩にも心許ないぞ」
「うーん。……あ、そしたら」
悩むアリアンナ、ファティアさんの横で、ポン。と手のひらに拳を置いたルシェ。
そして俺の方へ近寄ると、隣でちょこんと座る。
「え、ルシェ? あの、近「よいしょっ」…………え?」
『あ』
近くなった距離にドキドキしていると、突然浮遊感に包まれた。
膝の下と背中に手を回されている事から、自分が横抱き……いわゆるお姫様抱っこされているのがわかった。
「わ。フラヴィオ、軽ーい! お人形さんみたーい!」
「え? え!? ええっ!!?」
何故かキャッキャッと喜ぶルシェとは逆に、突然の展開に戸惑いと衝撃と緊張と羞恥に襲われる俺だった。
だって情けない姿を見られた上、ルシェに……片思いの女の子にお姫様抱っこをされているんだぞ?
するならともかく、されるはないよな? 175位身長あるのに、160の羊みたいなゆるふわ少女に抱えられている事実を認めたくない! すごい近い距離感は嬉しいけど!
しかもそれを他の面々に見られているから余計恥ずかしい!
「ルシェ様は力持ちなのですね! 私、びっくりしました!」
「そりゃ、女伊達らにルシェは旅してるからな。並の人間より……というか、俺らの面々の中ではいちばん腕力が強いぞ」
「フラヴィオを軽いとも言ってるし、虫のFOEをあっさり撃退したし。……ルシェには脱帽ものだな」
衝撃の少ない面々(アリアンナ、青玉、ジェダイト)は呑気にそう言っている。
勘弁してくれ! 他人事だと思って!
「お、俺は大丈夫だから。ルシェ! 下ろしてくれ!」
「え? ボク、力と体力あるから、フラヴィオを抱えながらでも戦えるよ?」
「い、いや……そういう意味じゃなくて……」
「虫が苦手なら無理しなくても大丈夫だよ。ボクがフラヴィオを守ってあげるから」
「そ、そうじゃなくて……」
……ダメだ。鈍いルシェはわかってなかった。
そりゃ、俺はレンジャーだから力はそこそこだけどさ。
だからって女の子に抱えられるなんて……男としてショックだ。
(やっぱり虫なんて大嫌いだああああああっ!!!)
……そしてもう少し体力つけたい。
抱えられている中、心中の中で泣き叫びながら、心底そう思う俺だった。
やっぱり嫌いだ
――――
(敵もそんなに強くないし、ラッキーだったかも。ね? フラヴィオ)
(……ウン。ソーダヨネ)
(((フラヴィオの目が死んでる……)))
↑ジェダイト、青玉、アリアンナ以外のツッコミ
――――
ストーリーモードにも出たフラヴィオ虫嫌いの話。
ルシェ(=ハイランダー)は紙防御ですが力と素早さは高いです。
単純なステータス上なら力の強さは一番。ジェダイト(=ファフニール)は僅差で二番です← まあ一番力強いのはブシドーだけどね←
今更ですが、この短編はクラシック寄りにストーリーを混ぜたものです←
※フラヴィオ夢
樹海で帯電石を見つけたため、再びギンヌンガ遺跡を進んでいく俺ら。
今回は『
「ふぇえ……ハイ・ラガートの近くにこんなんあったんすね~」
「確かに……あんな渓谷にあるとは思わなかった」
「だよね。……どーやって見つけたのかなぁ、ベル?」
「うっせぇ。ほっとけ、ミカエル」
初めてギンヌンガの中を進む五人は、興味深そうに辺りを見回しながら進んでいる。
樹海とは違った意味で気になるところだし。……何より、ジェダイトの変身にも関係しているはず。
「ミカエル様。次の扉を見つけました」
「あ、ホントだ。ありがとう、ファティア」
周りを警戒していたファティアさんが声を出す。
ミカエルが礼を言えば、「恐縮です」と一礼するファティアさん。
「次はどうなっているのでしょう……」
「んー……そろそろFOEが出てくると思う」
「どうしてそう思うんだ? ルシェ」
「勘!」
ジェダイト、アリアンナと並ぶルシェがニパッと笑顔で答える。
……笑顔、可愛いなあ。そこを代わってくれ、ジェダイト。
「出たら出たで撃ち落とすから構わん。開けるぞ」
「ちょ! 青玉くーん!?」
銃を肩に乗せながら、問答無用と言わんばかりに青玉が扉を開けた。
……さすが傭兵。つーか青玉ってさ、めっちゃくちゃ好戦的だよな。
「お」
「あ」
「え……うげっ!!?」
急に立ち止まり、上を見上げた青玉とルシェに釣られるように俺も見た。
そして鳥肌が立った←
「て、天井が蜘蛛の巣だらけッス……!!」
「蜘蛛の巣だらけって言うか、蜘蛛の巣しか見えないよね」
「天井も見えない。……蜘蛛、相当大きい?」
「一匹どころか何匹もいるかも」
「おまえら、それ以上言うなよ!!?」
クロエとジェダイトの言葉に血の気が引いた気がした。
こんなだだっ広い空間の天井全部を埋める蜘蛛の巣ってなんだよ! 確実にデカイ!! 確実に何匹もいる!!
「どうしたの、フラヴィオ。顔が真っ青だぞ」
「ナ、ナナ、ナンデモナイヨ。ルシェ!」
「……ごめん。とてもそうは見えないんだけど。……もしかして苦手? 蜘蛛」
「うっ……」
ルシェには平気だと伝えるが、顔色の悪さに突っ込まれた。
そりゃルシェの前だから強がってはみたさ。……けどやっぱり無理だ。隠せなかった。
そう。俺は……っ。――俺は虫が大の苦手なんだよおおお!!!
「ああ……フラヴィオは虫全般がダメだったな」
「まあ。フラヴィオ様、大丈夫ですか?」
「……たかが虫だろう。蛞蝓や蝸牛と言った、遠距離以外は絶対に物理で潰したくもない対物理耐性と物理反射と精神汚染を孕んだ軽いトラウマを生み出す軟体生物どもよりは遥かにマシだ」
「……おい。そいつらに何か恨みでもあるのか?」
私怨的な何かを感じさせる青玉の早口で言い切った言葉に、ベルトランだけじゃなく他多数も引きつった顔をした。
……うん。俺も同意見だ。無口で言葉数少ない青玉にしては珍しいのもあるし。
「……というかフラヴィオ。虫ごときにビビるな。軟体生物どもと違って、中身が飛び出てもさほど害はないだろうが」
「いやいやいや!! おもいっきり害あるから! 中身とかキモいこと言うな!」
「あそこのFOEでもダメ?」
「FOEでも…………え?」
突如何の脈絡もなく言ったルシェの言葉に、俺だけじゃなく全員が固まった。
“あそこのFOE”って……。
ルシェの言葉に、全員が彼女の視線の先を見る。
『ギチギチギチ』
「ぎゃああああああッ!!! 出たああああああッ!!!」
天井の蜘蛛の巣にへばりつく、白くて丸々とした物体に悲鳴が上がった。
普通より強力な魔物・FOEがいた。しかも蜘蛛だから余計怖い!
「む。やっぱり蜘蛛だった。結構大きい」
「ああ。天井埋め尽くすのもわかるわな」
「いかが致しますか。ミカエル様」
「撃退する。……と言いたいところだけど……」
傍観するクロエとベルトラン、剣を構えるファティアの横で、ミカエルが苦笑いで俺を見る。
「大丈夫ですか、フラヴィオ君。……腰が抜けてるッスよ」
「フラヴィオ……」
「翡翠はともかく、そんな目で俺を見るな! ジェダイト!」
元メディックである翡翠は純粋に心配してくれたからまだいい。
けどジェダイト。そんな哀れむような目で俺を見るな!
腰が抜けたのは否定しないが!!
『ギチギチギチ……』
「あわばばば……っ」
あ。ヤバい。蜘蛛と目が合った気がする。
無理無理無理!! 虫だけは無理だあああっ!!!
「……よし」
「……っ? ルシェ?」
ガタガタ震えていると、槍を持ったルシェが俺の前に立った。
蜘蛛を見上げ、対峙する形を取る。
「シングルバーストっ!」
ビュッ。ドドスッ。
そして、生命力を触媒にした全範囲攻撃を発動させた。
ストライクで糸を吐き出す口に命中し、蜘蛛はじたばたともがく。
「フレイムショット」
その隣で、青玉が横の壁に向かって炎の弾丸を撃ち込んだ。
銃声が鳴り、それより遅れて天井の蜘蛛の巣が燃え上がる。
ボトンッ。
そして炎にまみれた蜘蛛は奈落の底へと落ちていった。
……あれ? もしかして、助かった?
「はい。これで退治できたよ。青玉もありがとー」
「礼には及ばん。垂れた蜘蛛の巣を発見したのはルシェだろうが」
ポカン、と呆然と立ち尽くす俺らを余所に、ルシェと青玉は普通に会話していた。
とりあえず感想は……すごいとしか言い様がない。
「青玉はともかく……ルシェも、蜘蛛は平気なのか?」
「うん。ボクらハイランダーは自然と生きてきたからね。それにレジィナさんが前に作ってくれた蜘蛛の姿揚げとか大芋虫のキャセロールとかアゲハの姿佃煮とかも好きだし」
「「食べるのか(食うのかよ)!!?」」
俺とベルトランのツッコミが揃った。何その恐ろしいメニューは。
いや、食べるルシェもだけど、それを作ったレジィナさんや開発したアピキウスさんも何なんだよ……。
「ああいうのも結構好きだよ。いちばんは分厚いお肉のステーキだけど」
「クロエも同感。お肉、好き。ルシェ、話わかる」
「だよねー♪」
意気投合する二人に、何とも言えない空気の俺たち。
しかし虫も食べるって……ルシェって意外と悪食なのか?
「ルシェは好き嫌いないのか。まあいい。行こうか」
「そうだな。行くか」
「おまえらはおまえらでツッコミ無しかよ!!」
「「嗜好の自由だし、どうでもいい」」
「……俺はおまえらのシンクロ率の方が怖ぇよ……」
例のごとく口調を揃えるジェダイトと青玉。
何なんだよ、おまえら。似てるにも程があるだろ。
「まあ攻略もわかったし、出ても何とかなるだろ」
「だな。フラヴィオ。立て……ない、な。まだ」
「……ううっ……」
ミカエルに聞かれるが、俺はまだ立てずにいた。
だってあんなキモい蜘蛛見たら……なあ?
「おまえなあ……。言っとくが、おっさんは担ぐなんてしないからな」
「ですが、フラヴィオ様を置いていく訳にはいきませんし……」
「あの蜘蛛の存在がいる以上、休憩にも心許ないぞ」
「うーん。……あ、そしたら」
悩むアリアンナ、ファティアさんの横で、ポン。と手のひらに拳を置いたルシェ。
そして俺の方へ近寄ると、隣でちょこんと座る。
「え、ルシェ? あの、近「よいしょっ」…………え?」
『あ』
近くなった距離にドキドキしていると、突然浮遊感に包まれた。
膝の下と背中に手を回されている事から、自分が横抱き……いわゆるお姫様抱っこされているのがわかった。
「わ。フラヴィオ、軽ーい! お人形さんみたーい!」
「え? え!? ええっ!!?」
何故かキャッキャッと喜ぶルシェとは逆に、突然の展開に戸惑いと衝撃と緊張と羞恥に襲われる俺だった。
だって情けない姿を見られた上、ルシェに……片思いの女の子にお姫様抱っこをされているんだぞ?
するならともかく、されるはないよな? 175位身長あるのに、160の羊みたいなゆるふわ少女に抱えられている事実を認めたくない! すごい近い距離感は嬉しいけど!
しかもそれを他の面々に見られているから余計恥ずかしい!
「ルシェ様は力持ちなのですね! 私、びっくりしました!」
「そりゃ、女伊達らにルシェは旅してるからな。並の人間より……というか、俺らの面々の中ではいちばん腕力が強いぞ」
「フラヴィオを軽いとも言ってるし、虫のFOEをあっさり撃退したし。……ルシェには脱帽ものだな」
衝撃の少ない面々(アリアンナ、青玉、ジェダイト)は呑気にそう言っている。
勘弁してくれ! 他人事だと思って!
「お、俺は大丈夫だから。ルシェ! 下ろしてくれ!」
「え? ボク、力と体力あるから、フラヴィオを抱えながらでも戦えるよ?」
「い、いや……そういう意味じゃなくて……」
「虫が苦手なら無理しなくても大丈夫だよ。ボクがフラヴィオを守ってあげるから」
「そ、そうじゃなくて……」
……ダメだ。鈍いルシェはわかってなかった。
そりゃ、俺はレンジャーだから力はそこそこだけどさ。
だからって女の子に抱えられるなんて……男としてショックだ。
(やっぱり虫なんて大嫌いだああああああっ!!!)
……そしてもう少し体力つけたい。
抱えられている中、心中の中で泣き叫びながら、心底そう思う俺だった。
やっぱり嫌いだ
――――
(敵もそんなに強くないし、ラッキーだったかも。ね? フラヴィオ)
(……ウン。ソーダヨネ)
(((フラヴィオの目が死んでる……)))
↑ジェダイト、青玉、アリアンナ以外のツッコミ
――――
ストーリーモードにも出たフラヴィオ虫嫌いの話。
ルシェ(=ハイランダー)は紙防御ですが力と素早さは高いです。
単純なステータス上なら力の強さは一番。ジェダイト(=ファフニール)は僅差で二番です← まあ一番力強いのはブシドーだけどね←
今更ですが、この短編はクラシック寄りにストーリーを混ぜたものです←