World is mine

「おーい、コハクーっ!」

「うわっ!?」

 声をかけ、思いっきりコハクに抱き着いた。
 前を歩いていたコハクは後ろからの衝撃によろめく。

「……ちょっとモーリア。危ないんだけど」

「無事だったからいいだろ?」

「あのね……って言うか、ここ廊下なんだけど。抱き着かないで」

 赤目をうれしそうに細めながら、顔をコハクの肩に乗せた。
 言ってることは相変わらず辛辣だけど気にしない。
 俺がコハクを後ろから抱きしめてもいるからな。普段冷静なコハクも顔が赤くなってる。

「えー? いいじゃんかよー。誰もいないし」

「そ、そういう問題じゃない!! 生徒会が風紀を乱す真似をするなってことよ、バカ!」

「はいはい。……チェッ」

 少々不満そうながらをコハクを離した。
 それにまだ赤みが抜けないけど、コハクはキッと俺を軽く睨む。

「まったく……反省してるの?」

「してるよ。次からはなるべくしないからさ」

「なるべくじゃないわよ。つーかするなよ」

「はいはい、わかってるよ。ま、生徒会長は俺のもんだしな。我慢するって」

「ちょ、ちょっと……っ。が、我慢じゃなくて絶対しないでよ!」

「あ、否定するとこ、そっち?」

 コハクの言葉に笑みが止まらない。
 あーもう。なんでコハクってこんなに可愛いんだよ!

「なあコハク~。……なんかすっごいベタベタに甘やかしたい気分なんだケド」

「……っ!!? も、モーリアッ!!」

 うわ、耳まで真っ赤になった。
 うん、きょどって可愛いんだけど。

「なあ、ダメか?」

「…………から」

「え?」

 小さすぎて聞き取れなかったんだけど。
 そう思いながら見ると、睨みながら小さな声で伝える。

「……学校終わってからなら」

「……え? マジで!?」

 やった、許可出た!
 まあ放課後まで結構時間あるんだけど……。
 コハクは生徒会長故に律儀だからな。約束事は守るし。

「ちょっと! プリンとかケーキとかも買って来なさいよ!」

「わかってるよ」

 甘い物好きだしな。ちゃんとわかってるって。

「……モーリア、ホントに買ってくれるわよね?」

「うたぐり深いな……俺を誰だと思ってんだよ」

 コハクのことなら、なんだってわかるんだからな。


 World is mine

 ――――

(なんせコハクは、)

(世界で一番、俺だけのお姫様なんだからな)
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