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学園の会計さん

「……わっはぁっ♪ この石、結構使えそう! あ! これも!」

「…………」

「これは……アウト。パス」

「……ねぇ、ルビー」

 ずっと鉱石やら雑草やらをかき集めているルビーに声をかけた。
 僕の声に「なあに~?」とクルンッ、とかわいらしく振り返ってくる。

「……まだ、続ける気……?」

 鉱石、雑草の入った革袋を持つ両手がもう限界だ。
 そろそろ学園に帰ろうよ、と目で訴えながら言えば「ダメ!」と拒否される。

「採れる時に採っておかなきゃダメ! ロレッタとかコーデリア先生に先に取られる可能性大なんだから!」

「いや、でも革袋いっぱいだし。これ以上拾えないんだけど……」

「キュービットのポケットに入れればよくない?」

「無茶言わないでよ!!」

 僕のことはどうでもいいってこと!?
 手伝って(というか手伝わされて)いるのにそれは酷くない!?

「もう。私、お礼だってちゃんとするんだからいいじゃん」

「お礼があるからって何でもかんでも許されるわけじゃ」

「そういえばルビーちゃん、そこの茂みに蛇がたーくさんいるの。……見かけちゃったな~」

「やだな僕がルビー様の頼みを断るわけないじゃないですかアハハハハ!!!」

 僕の背後に指さし、にこりと――いや、ニヤリと笑ったルビーにノーブレスで伝えた。
 だってルビーならホントに僕を蛇の群れの中に突き落としかねないし! というか過去にやられたし!!←

「エヘッ♪ キュービットは話がわかるね♪ んじゃ、さらなるアイテム目指してまっすぐゴーね!」

「はいはい……」

 ……はあ。一見無邪気で可愛いのに、なんでこんなに腹黒いんだろう。
 生徒会長やロジェはまだまともなのに(いや、生徒会長の個性も強いんだけどね)。

「ほらほら、キュービット。次、いっくよ~っ!」

「……はいはい」

 ……まあしょうがないか。
 無邪気で可愛いけどがめつくて腹黒い。これこそがルビーなんだからね。


 学園の会計さん

 ――――

(ルビー……僕、もう……う、腕の感覚が……)

(ガイア! ……わっはぁ! こいつ、超お金持ち♪)

(……ホントにお金が好きなんだね……も、無理……っ……)
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