Ifストーリー
Ifな出会い・ブロッサム
【生徒会+違うクラスなら】
「……セルシア。そいつは?」
「新しい転校生だよ。アユミ君、彼が前に話した……」
「ああ……生徒会長の従兄弟って奴か。確か……ブロッサムだったっけ」
「まあ……な」
転校生、か。どうりで知らない顔のはずだ。
一応俺も生徒会の一人だから、全校生徒の名前と顔は覚えて(というか覚えさせられた)いる。
(クラッズ……いや、ヒューマンか? ずいぶんと小柄な……あ、でも黒髪綺麗だな……)
初対面なのに、何かいろいろと頭に浮かんだんだ。
そう思いながら目の前の黒髪の女をじっと見る。
「……なんだよ。じっと見て」
「あ……いや、特に何も」
まず……っ。相手を見すぎていたらしい。
ギロッと睨まれる。……こいつ、ホントに女か?
「わ、悪かった。悪気はなかったんだ」
「いいけど……ずいぶんセルシアと感じが違うんだな」
うっ……! 気にしてることを……。
そりゃ、品行方正で真面目で礼儀正しいセルシアと比べたら落ちこぼれだけどさ……。
「とにかく悪かった。委員会あるから……これで」
「あ。待っ――」
手を伸ばしかけたあいつを無視し、さっさと生徒会室から出ていく。
(あいつも俺より、セルシアの方が頭いいってことくらい、気づいているだろうな)
どう足掻いても、何度努力しても、俺ではセルシアに敵うはずがない。
所詮は分家。落ちこぼれの人間だから。
「期待なんて、されるだけ苦しいんだ」
――――
「……うん。結構可愛い奴だな」
「……ブロッサムのこと?」
そうたずねれば「ああ」と彼女はすぐに頷く。
「初めて見た時からそうだったけど……やっぱりあいつは欲しいな。磨けば宝石になりそう」
「まあ、あんな性格だから、誰とも合わなかったんだけど……ホントにブロッサムでいいんだね?」
「ああ。紹介ありがと、生徒会長。あともうちょっと協力してくれや」
片手をひらひらと上げながら、「じゃーなー」と彼女は去っていった。飛びっきり素晴らしい笑顔を浮かべて。
それを見て僕は思う。
(……ブロッサム、まずい方向に変わりそうだな……)
――――
(んじゃ……まずはどうやって接点作るか……生徒会長権限でなんかクエスト作れない?)
(僕でもできることとできないことがあるんだけど……)
――――
ゾクッ。
(な、なに? この悪寒……?)
【生徒会+違うクラスなら】
「……セルシア。そいつは?」
「新しい転校生だよ。アユミ君、彼が前に話した……」
「ああ……生徒会長の従兄弟って奴か。確か……ブロッサムだったっけ」
「まあ……な」
転校生、か。どうりで知らない顔のはずだ。
一応俺も生徒会の一人だから、全校生徒の名前と顔は覚えて(というか覚えさせられた)いる。
(クラッズ……いや、ヒューマンか? ずいぶんと小柄な……あ、でも黒髪綺麗だな……)
初対面なのに、何かいろいろと頭に浮かんだんだ。
そう思いながら目の前の黒髪の女をじっと見る。
「……なんだよ。じっと見て」
「あ……いや、特に何も」
まず……っ。相手を見すぎていたらしい。
ギロッと睨まれる。……こいつ、ホントに女か?
「わ、悪かった。悪気はなかったんだ」
「いいけど……ずいぶんセルシアと感じが違うんだな」
うっ……! 気にしてることを……。
そりゃ、品行方正で真面目で礼儀正しいセルシアと比べたら落ちこぼれだけどさ……。
「とにかく悪かった。委員会あるから……これで」
「あ。待っ――」
手を伸ばしかけたあいつを無視し、さっさと生徒会室から出ていく。
(あいつも俺より、セルシアの方が頭いいってことくらい、気づいているだろうな)
どう足掻いても、何度努力しても、俺ではセルシアに敵うはずがない。
所詮は分家。落ちこぼれの人間だから。
「期待なんて、されるだけ苦しいんだ」
――――
「……うん。結構可愛い奴だな」
「……ブロッサムのこと?」
そうたずねれば「ああ」と彼女はすぐに頷く。
「初めて見た時からそうだったけど……やっぱりあいつは欲しいな。磨けば宝石になりそう」
「まあ、あんな性格だから、誰とも合わなかったんだけど……ホントにブロッサムでいいんだね?」
「ああ。紹介ありがと、生徒会長。あともうちょっと協力してくれや」
片手をひらひらと上げながら、「じゃーなー」と彼女は去っていった。飛びっきり素晴らしい笑顔を浮かべて。
それを見て僕は思う。
(……ブロッサム、まずい方向に変わりそうだな……)
――――
(んじゃ……まずはどうやって接点作るか……生徒会長権限でなんかクエスト作れない?)
(僕でもできることとできないことがあるんだけど……)
――――
ゾクッ。
(な、なに? この悪寒……?)