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制服の謎

「なあ、アユミ。一つ気になってたんだけど」

「なんだ?」

 暗黒校舎を進む中、ブロッサムが突然こんな質問を投げてきた。

「……おまえのその制服、どうなってんだ?」

「……は?」

 ……どういう意味だ?
 よくわからないんだけど。

「いや……おまえさ、呪いを解除した時、身長でかくなっただろ? ……なのに制服のサイズ、ピッタリだったし……」

 ああ。そういうことか。

「何? 普通過ぎて露出がカケラもないことに残念とか?」

「ぶはっ!!? ち、違う! 制服がどういう仕組みか気になっただけだ!」

 盛大に吹いたな。面白い奴←

「ごめんって。……実は」

「実は……?」

「トリックスターによる奇術によって行われた手品「黙れ嘘つき」痛い、痛いって!」

 ゴンッ、と杖で殴られた。何故ばれた!?

「明らかに目が嘘ですって語ってんだよ! 真実話せや!!」

 チッ。こういう時、本当に鋭いんだよな……。

「はいはい。この制服、ロアが作った特別製なんだよ」

「特別?」と首を傾げるブロッサム。

「そ。知っての通り、あの高すぎた魔力は俺の身体にも影響を及ぼしているからな。この制服は魔力に反応して伸縮率70%もある特別製なんだよ」

 あの野郎、本当にいろんな物を作っているからな。
 ま、おかげで助かってるけど。

「……あのノーム、マジで何者なんだ?」

「知らねぇよ、俺にも。何、露出がなくて残念なのか? この変態め」

「おまえだろうが!! いつまで引っ張る気!? それ!」

 即座にツッコミが飛び交った。
 相変わらず鋭いツッコミを持つな……。

「……ああ、そういうことか。つまり、おまえは俺のことなんてどうでもいいと。だから俺の身体などどうでもいいと?」

「え!? 違っ……つかそうじゃなくて!!」

「ひどいなあ……夏休み、あんなことやこんなことをしておいて……」

 よよよ、と嘘泣きすれば慌て出すブロッサム。
 気付いてないってか……どう遊ぼうか……←

「……だって……」

「ん?」

 今なんかつぶやいたような……?

「だって……よ」

 ……なんだ? 急に赤くなって……。

「だって……嫌なんだよ……」

「……何が?」

「ほ、他の野郎が……その……見てるのが……」

「……?」

「だーかーらーっ! ……おまえのその……身体とか! 見られるのが嫌なんだよ! 他の男に!」

 他の……あ、そういうこと?

「えーっと……何? それは独占欲とか嫉妬とかと受け取ってよろしいのですか?」

「~~~ッ!! そうだよ! なんだ、悪いか!!」

 そう言ってキッと俺を睨む。
 赤面+涙目で。

「…………」

 ……なんなんだこの可愛い生き物は←
 嫉妬とか独占欲とか……ヤバイ、状況忘れて押し倒したいんだけど←

「ブロッサム」

「なん――」

 ぐいっ、と思いきり胸元を引っ張り、いきなり唇奪ってやった。
 ホントはこのまま押し倒して、あんなことやそんなこともしたいんだが、さすがにここは敵の本拠地なのでこれで我慢してやろう←

「ん、おいし♪ 柔らかくって」

「ななななな……!!? な、何しやがんだ、このバカ!!」

 真っ赤になって怒鳴るブロッサム。
 しかたないだろ? 俺の加虐心を煽る真似をするのがいけないんだよ。

「ま、楽しみは後で取っておくとしますか。……帰ったら覚えてろよ♪」

「何を!?」


 制服の謎

 ――――

(ねぇ……ボクのこと忘れてる~う~?)

((あ))
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