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最初のクエスト

「……ッ!!」

 ……って何考えてんだ、俺は!?

「? おい、ブロッサム?」

「! いや、べつに……」

 あ、危なかった……(気がする)!
 何となく赤い顔を見られないよう、それとなく回復魔法『ヒール』をかける。

「あー……癒される~……」

 心底幸せそうな顔でおとなしく魔法を受けているこいつの顔を、何となく見てみる。
 長い黒髪。不思議な琥珀色の瞳。何故男子の制服を着てるかは不明だが、これはこれでなかなか……。

「……ってまた俺は」

「何がだ?」

「あ……」

 しまった……また不審がられる……。

「な、なんでもない!」

「…………おまえが言うなら、べつに突っ込まないが」

 それはそれで……い、いや、べつにいいけど。

「そ、そうか……あ、動ける、か?」

「とーぜん! つかこの程度でくたばってたまっかよ」

 そう言うとフェルパーも顔負けの動きで起き上がる。
 ……意外とタフな奴だな、こいつ。

「さて、目当ての校章が見つかったことだし。学院に戻るか!」

「あ、ああ……」

 どうしてそんなに元気なんだか……。

 ――――

 翌日。

「やったぜ……これで正式にプリシアナ学院の生徒だぜ……ぐぅ……」

「おい、起きろよ! 授業まであと十分だぞ!」

 校章を見つかったことで正式な学院生徒になったこいつ……だけど、どんだけ低血圧なんだよ!

「おまえを起こす俺の身にもなってくれ! ……いや、ここまで躍起になる俺も俺だが……」

「なんでだよぅ……。
俺と一緒にパーティ組むって言ったくせ……に……かー…」

「うっ……」

 ……ああ。俺は(気の迷いかもしれないが)こいつ……アユミと一緒に組むことになった。
 ……自分でも考えられないし、意味わかんねぇけど。
 でも、こいつとならいいかなっても思ってな……。

「むに……あと十分……」

「だからッ! あと十分で授業が始まんだよーーーッ!!」

 ……。……やっぱ、やめとけばよかったか……?
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