三学園交流戦・後編
――――
???
「――そうか。三学園交流戦はプリシアナ学院が勝利したか……」
暗い闇の空間。その中に何人かの少年少女が集束していた。
その中の一人、銀髪の少年がぽつりとつぶやく。
「ふうん。なんだかつまんないの。……それで? 見所がある子たちはいた?」
もう一人、エルフの少年が口を開いた。軽く、だがあまり興味がないようにたずねる。
「茶番、茶番。あの程度では……もっとも、予言の娘やウィンターコスモスの分家――それと、おまえの弟には、多少は期待しても良いかもしれないがな」
「は……? あいつに?」
どこか貫禄あるディアボロスの少年が全員に、だが最後の方は横にいるフェアリーの青年を見ながら話した。
青年は出てきた人物の中の一人に弟が入っていたことに驚く。
「弟に……? ねぇジャコツ。その子、強いの?」
「さあ? でも、ヌラリ様がおっしゃっているんだから、ちょっとは強いんじゃない?」
ジャコツと呼ばれたノームの少女は、青年の横にいる同じノームの少女に言葉を返した。
少女は「ふぅん」とどこか感情のないようにつぶやく。
「ボクはウィンターコスモスの分家に期待したいところだね。彼には……少し興味が沸いてるんだ」
「へぇ? スティクスにしちゃ珍しい……。ってかあの子、そんなに強くなったんだ? ……これは、今度あった時が楽しみかも♪」
スティクスと呼ばれたエルフの少年がつぶやく。
そのつぶやきに人形を動かしていたフェルパーの少女が、どこか楽しそうに笑った。
「どうでもいいよ。それより、予言の娘ってあのムカつく女でしょ? あー、思い出すだけで腹が立ってきたし!」
「勝手に喚いていろ、アマリリス。……だがワシの気配に気づいたといい、あの娘は見所があるな。……おまえが執着するのもわかるぞ、エデン」
「ヌラリ」
怒るアマリリスを一瞥もせず、ディアボロスの少年ヌラリを睨む銀髪のヒューマン――エデン。
「おまえがあいつをどう思おうと勝手だが、あいつ――アユミを倒すのは僕だ。――余計なことはするなよ」
「ふん……まあ、例えあやつらが相手でも、我ら――“闇の生徒会”に敵う者など……」
エデンの睨みをものともせず、ヌラリが言い返した、その時だった。
「……油断は禁物だ」
それはまるで地の底から響くように、そして聞く者を震え上がらせるように恐ろしい声。
「間もなく時は訪れる……星々の位置が正しくなった時、禁断の島への道が開かれ……我らが待ち続けた“始原”への鍵が手に入る……」
男の声はどこと無く興奮に溢れている。
その瞳に宿るのは、深い闇。
「さあ行け、我が生徒たちよ。行って、この世を闇に包め!」
『――闇の生徒会の名にかけて』
男の声に彼ら――闇の生徒会の声が揃った。
回り始めた運命の歯車。
自分の運命の本当の開演は、
もうすぐ始まる――。
???
「――そうか。三学園交流戦はプリシアナ学院が勝利したか……」
暗い闇の空間。その中に何人かの少年少女が集束していた。
その中の一人、銀髪の少年がぽつりとつぶやく。
「ふうん。なんだかつまんないの。……それで? 見所がある子たちはいた?」
もう一人、エルフの少年が口を開いた。軽く、だがあまり興味がないようにたずねる。
「茶番、茶番。あの程度では……もっとも、予言の娘やウィンターコスモスの分家――それと、おまえの弟には、多少は期待しても良いかもしれないがな」
「は……? あいつに?」
どこか貫禄あるディアボロスの少年が全員に、だが最後の方は横にいるフェアリーの青年を見ながら話した。
青年は出てきた人物の中の一人に弟が入っていたことに驚く。
「弟に……? ねぇジャコツ。その子、強いの?」
「さあ? でも、ヌラリ様がおっしゃっているんだから、ちょっとは強いんじゃない?」
ジャコツと呼ばれたノームの少女は、青年の横にいる同じノームの少女に言葉を返した。
少女は「ふぅん」とどこか感情のないようにつぶやく。
「ボクはウィンターコスモスの分家に期待したいところだね。彼には……少し興味が沸いてるんだ」
「へぇ? スティクスにしちゃ珍しい……。ってかあの子、そんなに強くなったんだ? ……これは、今度あった時が楽しみかも♪」
スティクスと呼ばれたエルフの少年がつぶやく。
そのつぶやきに人形を動かしていたフェルパーの少女が、どこか楽しそうに笑った。
「どうでもいいよ。それより、予言の娘ってあのムカつく女でしょ? あー、思い出すだけで腹が立ってきたし!」
「勝手に喚いていろ、アマリリス。……だがワシの気配に気づいたといい、あの娘は見所があるな。……おまえが執着するのもわかるぞ、エデン」
「ヌラリ」
怒るアマリリスを一瞥もせず、ディアボロスの少年ヌラリを睨む銀髪のヒューマン――エデン。
「おまえがあいつをどう思おうと勝手だが、あいつ――アユミを倒すのは僕だ。――余計なことはするなよ」
「ふん……まあ、例えあやつらが相手でも、我ら――“闇の生徒会”に敵う者など……」
エデンの睨みをものともせず、ヌラリが言い返した、その時だった。
「……油断は禁物だ」
それはまるで地の底から響くように、そして聞く者を震え上がらせるように恐ろしい声。
「間もなく時は訪れる……星々の位置が正しくなった時、禁断の島への道が開かれ……我らが待ち続けた“始原”への鍵が手に入る……」
男の声はどこと無く興奮に溢れている。
その瞳に宿るのは、深い闇。
「さあ行け、我が生徒たちよ。行って、この世を闇に包め!」
『――闇の生徒会の名にかけて』
男の声に彼ら――闇の生徒会の声が揃った。
回り始めた運命の歯車。
自分の運命の本当の開演は、
もうすぐ始まる――。