プロローグ
「うげー……広ェな、おい」
晴天の空。
真昼の学校の廊下に、げんなりとした表情をした黒髪の少女がいた。
「プリシアナ学院か……前のタカチホ以上に広いと感じるのは、俺の気のせいか? いや、違うよね?」
少女はどうやら転入生というモノらしい。
刀を握り、物珍しそうに学院内を眺めている。
「……では転入生のアユミ君に来てもらおう。アユミ君! 教室に入って来てくれ」
考え込んでいると、教室から男の声がした。
呼ばれたアユミは「はーい」と間延びした声で教室に入る。
ざわざわ……。
入ってきた途端ざわめく教室。
興味深そうに自分を見る目。
それらすべてをやり過ごし、アユミは自分を呼んだ教師――グラジオラスの隣に立つ。
「どーも。転入生のアユミです。学科は侍、後サブに盗賊。好きなモノはイワシ。身長に関してはつっこむな。以上、よろしくお願いします」
すらすらと言いつつ軽く一礼をすると、周りから拍手が起こった。
ちなみに一部から「ちっちゃくて可愛い……」と言う声が聞こえたが、それはなんとか無視する。
「これから彼女と仲良くするようにな。席は……そうだな……」
グラジオラスは教室全体を見回し、窓際の席に注目する。
「そこの窓際の席にしよう。……ブロッサム!」
「は……俺の隣ですか……!?」
ブロッサムと呼ばれたセレスティアが、がたっと椅子の上でのけ反った。
周り(男子+一部の女子)から視線が注目し始める。
「そうだ。アユミが慣れるまで、プリシアナについていろいろ教えてやってくれ」
「う……わ、わかりました……」
「よし。……じゃあアユミ。彼、ブロッサムの隣に座ってくれ」
「はいよ」
周りの視線に耐えつつ、ブロッサムは頷き、促されたアユミは、そんな彼の近くへ歩み寄っていく。
「……まあ、そんな訳で。とりあえずよろしく頼むわ」
「……ああ」
互いに軽く挨拶を済ませ、席に着くアユミとブロッサム。
これがこれからの物語の
始まりだったりするのだった。
晴天の空。
真昼の学校の廊下に、げんなりとした表情をした黒髪の少女がいた。
「プリシアナ学院か……前のタカチホ以上に広いと感じるのは、俺の気のせいか? いや、違うよね?」
少女はどうやら転入生というモノらしい。
刀を握り、物珍しそうに学院内を眺めている。
「……では転入生のアユミ君に来てもらおう。アユミ君! 教室に入って来てくれ」
考え込んでいると、教室から男の声がした。
呼ばれたアユミは「はーい」と間延びした声で教室に入る。
ざわざわ……。
入ってきた途端ざわめく教室。
興味深そうに自分を見る目。
それらすべてをやり過ごし、アユミは自分を呼んだ教師――グラジオラスの隣に立つ。
「どーも。転入生のアユミです。学科は侍、後サブに盗賊。好きなモノはイワシ。身長に関してはつっこむな。以上、よろしくお願いします」
すらすらと言いつつ軽く一礼をすると、周りから拍手が起こった。
ちなみに一部から「ちっちゃくて可愛い……」と言う声が聞こえたが、それはなんとか無視する。
「これから彼女と仲良くするようにな。席は……そうだな……」
グラジオラスは教室全体を見回し、窓際の席に注目する。
「そこの窓際の席にしよう。……ブロッサム!」
「は……俺の隣ですか……!?」
ブロッサムと呼ばれたセレスティアが、がたっと椅子の上でのけ反った。
周り(男子+一部の女子)から視線が注目し始める。
「そうだ。アユミが慣れるまで、プリシアナについていろいろ教えてやってくれ」
「う……わ、わかりました……」
「よし。……じゃあアユミ。彼、ブロッサムの隣に座ってくれ」
「はいよ」
周りの視線に耐えつつ、ブロッサムは頷き、促されたアユミは、そんな彼の近くへ歩み寄っていく。
「……まあ、そんな訳で。とりあえずよろしく頼むわ」
「……ああ」
互いに軽く挨拶を済ませ、席に着くアユミとブロッサム。
これがこれからの物語の
始まりだったりするのだった。