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体が勝手に動いた。それ以外に理由はなくて、彼女の手を取った瞬間に脳が処理不能な速度で唇が触れた。感触も熱も覚えていない。心に残らなかったのは、彼女を傷つけてしまったのではないかという罪悪感と不安だった。
「怒らへんの?」
彼女の手を握ったまま、冷静を装った。謝罪を口にする訳でも、言い訳を口にする訳でもない。ただ口をついて出たのは、彼女の態度への疑問だった。
好きでもない、ましてや時たま話す後輩に唇を奪われたのだ。好きな相手の後輩。今後を考えれば、一言物申したいと憤るのが普通かと思っていた。しかし彼女は眉間に皺を寄せ、視線を俺から外した。うろうろと彷徨う目は、困惑の色を映していた。そして、握られた手を振り払いもしなかった。
「怒る、とかそういう前に……困ってる」
「困る?」
「嫌とちゃうかったから」
そう告げた彼女の顔がみるみる内に赤らむ。それを確認した俺は、もう一度彼女の手を引っ張ってやった。今度はちゃんと脳に刻み込むために。
「怒らへんの?」
彼女の手を握ったまま、冷静を装った。謝罪を口にする訳でも、言い訳を口にする訳でもない。ただ口をついて出たのは、彼女の態度への疑問だった。
好きでもない、ましてや時たま話す後輩に唇を奪われたのだ。好きな相手の後輩。今後を考えれば、一言物申したいと憤るのが普通かと思っていた。しかし彼女は眉間に皺を寄せ、視線を俺から外した。うろうろと彷徨う目は、困惑の色を映していた。そして、握られた手を振り払いもしなかった。
「怒る、とかそういう前に……困ってる」
「困る?」
「嫌とちゃうかったから」
そう告げた彼女の顔がみるみる内に赤らむ。それを確認した俺は、もう一度彼女の手を引っ張ってやった。今度はちゃんと脳に刻み込むために。