下手くそに愛を叫べⅡ
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離れがたい思いを抱えたまま、互いに体を解放する。今更ながら、お酒の缶がたくさん入った袋を持って抱き合うのは、なんと情緒のないことか、と一人で反省した。
彼はうろうろと目を彷徨わせた後、頬を掻く。
「あー……そろそろ、帰りますね」
残念そうな顔に、私も現実に戻される。
そっか、そうやんな。蔵ノ介くんもお家に帰らな。
家の中に入れるわけにもいかないし、と想像以上に歓喜に酔いしれている自分がいた。項垂れる私に対し、彼は私の顔を覗き込んで問う。
「……寂しい?」
彼の言葉に口端が強く結ばれる。心の内を見透かされたようで、体の熱が上昇する。
これだけ待たせといて、そんなん決まってるやん。
年上の維持と言葉の卑怯さに私は見栄を張ることしか出来ない。彼の胸板に触れ、ぐいぐいと押しのけようと試みる。勿論、本気じゃない。
「はよ帰り。親御さん心配するやろ」
精一杯の虚栄に、彼は懇切に腕を掴んで下ろした。そして一歩近づくと、低くとも猫撫で声に近いものが鼓膜を響かせる。
「俺は寂しいです。会えたのに、すぐ帰らなあかんの」
胸の奥がきゅうと締め付けられた。年下の特権を堂々と振り回して、私を誘惑する。さりげなく私の手を取るのも、彼の策略か。狡知に長けた行動を受け入れてしまいたい心緒をぐっと堪え、可能になった次を提示した。
「……今度は、すぐ会えるやろ。ちゃんと会える口実があるんやから」
「ハハ、ほんまですね」
好きだから、会いたい。それが理由になる。それをどれほど待ち望んだか。もう焦らなくともいいのに、心は逸るばかり。余裕なんて、ない。もどかしい空気を晴らすために私から彼の手を離す。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
後ろ髪を引かれつつも、私は彼を見送った。
その後、部屋に戻った私は、購入したアルコール類を放って三年ぶりの彼の体温を思い浮かべていた。昔の思い出が芋づる式に引き出され、天を仰ぐ。
「ほんまに、戻ってきたんや……」
劣化することのない恋慕の情。隣に彼がいる未来を思い描いては、目を輝かせた。
◇ ◇ ◇
宙を踏むような心地で自宅へ帰ると、迎えたのは姉だった。
「くーちゃんおかえり」
「ただいま」
挨拶も早々に、先程の逢瀬に浸りたいがために足早で自室に戻る。部屋に戻り、制服から着替えようとするも、視線が煩い。視線の主は姉で、どうやら俺の後をずっと付いてきていたようだ。
「姉ちゃん、何の用なん」
堪らず尋ねると、姉はきょとんとした顔で聞き返す。
「名前先生のとこ行っとったんやろ?」
「……そやけど」
完全に把握されていることを察知し、気味の悪さを感じ取る。姉から目線を外すが、それを追いかけてくる姉。
「ずうっとそわそわ、そわそわしとったもんなあ」
妖しく笑って俺を逃がそうとしない。俺と名前さんの関係の変化に気付いているんだろう。明確な答酬を差し出すまで離れていかないことは易々と理解できる。まだ親の目の前で尋ねられるよりは幾分かマシなのだろう。
「で、どうやったん?」
胸を躍らせる姉に溜息を吐く。俺がそそくさと制服姿で出掛けた時点で予測していたのだろう。正直名前さんと交際できるようになったのは、姉の援護のおかげだ。その礼も兼ねて姉には伝えねばならぬと、面映ゆい気持ちを抑えて成果を伝えた。
「付き合うことに……なった」
言葉にすると、顔から火が出そうなほどの熱が顔を覆う。姉は目を見開くと同時に、拍手をして俺に抱き着いて叫んだ。
「やったやん!くーちゃん、おめでとう!」
ぐらぐらと俺の身体を揺れ動かし、子供のようにはしゃいでいる。そんな姉の姿に胸の辺りがぽかぽかと温まる。
「姉ちゃん、ありがとうな」
「ふふ、どういたしまして」
口元を手で覆っているが、喜色が全く隠せていない。しかし、姉が部屋から出ていこうとした瞬間、衝撃な言葉を残した。
「くーちゃんが先生と結婚したら先生は私の妹やな」
俺が、名前さんと……結婚。
姉の言葉を理解するまでに時間がかかり、何テンポか遅れてアクションを起こした。
「ッ、姉ちゃん!」
先程とは比較対象にならないほど沸騰してしまう。咄嗟に叫んだものの、威力は全くと言っていいほどない。
「きゃ~怖い~」
なんと棒読みの叫び声だろうか。姉は俺の部屋から逃げ出し、階段を駆け下りた。ふう、と呼吸を整え、姉の言葉を思い返す。
「結婚、なあ……」
俺も名前さんといつか出来るとええなあ。
ふいに言われた二文字に口元が緩んだ。例え姉の言葉がおふざけであろうと、俺の脳にはぽつんと座り込む。
始まったばかりの関係に、俺は夢ばかり描いていた。
この日の夜、ベッドに入り、あとは眠るだけとなった頃。俺は未だに湧かない実感に、彼女との再会を思い返していた。暗くなった部屋の中で天井に手のひらを見せつけ、グーパーと手を何度も開いたり閉じたりを繰り返した。そして、手を下ろして自身の胸元で腕を交差させると、疑似的に彼女を抱きしめた感覚を体験する。
彼女はあんなに華奢だっただろうかと体格差を改めて思い知らされた。もっと頼りになる男になりたい。もっと強い男に。
「……頑張ろ」
呟いてから腕を戻し、寝返りを打つ。
これからは遠慮せんと、好きやって言うたり、触れたりしてええんや。名前さんと堂々とデートしたり、キスしたり。一つ一つ、今まで出来ひんかったことを二人で楽しめたらええな。
俺は瞼を閉じると、いつの間にか夢の世界へと入り込んでいた。
ん?どこや、ここ?
そう思い、目を覚ませば場所は俺の部屋でベッドにきちんと服を着て座っている。ふと手に温もりを感じ、触れてきたものを確認すると、俺は目を見開いた。
「名前さん!?」
どうして彼女が俺の部屋にいるのか。判断がつかないでいると、彼女は緩やかな動作で俺の頬に触れる。伏目がちの瞳は慈愛が込められ、それに見つめられれば俺は息を呑む。彼女は俺の両肩を押し、ベッドの上に倒す。ドクドクと鼓動が騒ぎ始め、次に何が来るのかと待ちわびていると、彼女は艶やかに笑って再び俺の頬を両手で包んだ。徐々に近づいてくる名前さんの顔。俺はそのまま彼女の行動を受け入れ、唇を重ねた。
あ、キスしてもうた。
暢気に考えていると、彼女は次を進めていた。もしかしてと想像したときには遅く、彼女の手は既に俺の衣服へと伸びていた。
「そんな、いきなり、」
彼女の手を止めようとも俺の手は動かない。おかしいとわかっていながら、俺は彼女を見続けることしか出来ない。更に彼女の手は伸び、窮屈そうなズボンへと到達する。そこへ行ってしまったら、と俺は慌てて叫んだ。
「名前さん!あかんって!」
バサッ、という音と共に勢いよく飛び起きる。じんわりとかいた汗が気持ち悪い。部屋はまだ暗く、カーテンから光さえも入ってこない。そこで俺はようやく理解した。
夢オチかい……!
思わず掛布団に拳をぶつけたが、軽い音がするだけに終わる。
「なんちゅう夢見てんねん……」
欲望に忠実な夢。いきなりこんな夢を見てしまった申し訳なさと、もう少し見ていたかった無念さで頭をかき乱す。だが、俺はあることを思いついてしまった。
もう一回寝たら続き見れるんちゃう?
俺も健全な十八歳やからと理由付けして、再び目を閉じる。
落ち着け、蔵ノ介。深呼吸せえ。
深い呼吸を繰り返し、何とか意識が微睡み始める。ぐらっと意識が落ちると、夢の中の俺は目を疑った。互いに何も身に着けていない状態で丁度情事が終了していたのだから。
これは抱いた、後……!?
俺は名前さんの上に覆い被さっているようで、彼女の顔がよく見えるように体勢を変える。体を浮かせ、顎に滴る汗を拭った。動いた後の暑さが生々しい。俺の下にいる○○さんはどうなっているのだろうと確認すると、俺はとんでもない衝撃を受けた。汗で額に張り付いた柔らかな髪に紅潮した頬、だらしなく開いた口。そして媚を孕んだ双眸。
「くら、」
艶めかしい声で俺を呼ぶと、胸元へと誘い込む。彼女の細腕に捕まり、俺の行動は制御される。恐怖を覚える程の鼓動に眩暈がした。本当に彼女はこんな風になるのか、と。
ちゅーかこれほんまに夢か!?
彼女の腕から逃れようと動くと、彼女は甘い声を漏らす。
「っあ、くら、ッ、」
これは、さすがに。
「あかん!!」
ようやく夢の彼女から逃れられたのか、ベッドには俺一人。自分の逞しさに辟易しつつ、迫りくる興奮に汗が噴出する。
「あかん……どないしよ……」
ハア、と溜息を吐き、自身の下半身を確認してベッドから出た。家族が起きる前に、とそそくさと事後処理をしたのだった。
「どないな顔して会ったらええねん……」
いずれするだろう答え合わせがまだ程遠いことなど、この時の俺には知る由もなかった。
彼はうろうろと目を彷徨わせた後、頬を掻く。
「あー……そろそろ、帰りますね」
残念そうな顔に、私も現実に戻される。
そっか、そうやんな。蔵ノ介くんもお家に帰らな。
家の中に入れるわけにもいかないし、と想像以上に歓喜に酔いしれている自分がいた。項垂れる私に対し、彼は私の顔を覗き込んで問う。
「……寂しい?」
彼の言葉に口端が強く結ばれる。心の内を見透かされたようで、体の熱が上昇する。
これだけ待たせといて、そんなん決まってるやん。
年上の維持と言葉の卑怯さに私は見栄を張ることしか出来ない。彼の胸板に触れ、ぐいぐいと押しのけようと試みる。勿論、本気じゃない。
「はよ帰り。親御さん心配するやろ」
精一杯の虚栄に、彼は懇切に腕を掴んで下ろした。そして一歩近づくと、低くとも猫撫で声に近いものが鼓膜を響かせる。
「俺は寂しいです。会えたのに、すぐ帰らなあかんの」
胸の奥がきゅうと締め付けられた。年下の特権を堂々と振り回して、私を誘惑する。さりげなく私の手を取るのも、彼の策略か。狡知に長けた行動を受け入れてしまいたい心緒をぐっと堪え、可能になった次を提示した。
「……今度は、すぐ会えるやろ。ちゃんと会える口実があるんやから」
「ハハ、ほんまですね」
好きだから、会いたい。それが理由になる。それをどれほど待ち望んだか。もう焦らなくともいいのに、心は逸るばかり。余裕なんて、ない。もどかしい空気を晴らすために私から彼の手を離す。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
後ろ髪を引かれつつも、私は彼を見送った。
その後、部屋に戻った私は、購入したアルコール類を放って三年ぶりの彼の体温を思い浮かべていた。昔の思い出が芋づる式に引き出され、天を仰ぐ。
「ほんまに、戻ってきたんや……」
劣化することのない恋慕の情。隣に彼がいる未来を思い描いては、目を輝かせた。
◇ ◇ ◇
宙を踏むような心地で自宅へ帰ると、迎えたのは姉だった。
「くーちゃんおかえり」
「ただいま」
挨拶も早々に、先程の逢瀬に浸りたいがために足早で自室に戻る。部屋に戻り、制服から着替えようとするも、視線が煩い。視線の主は姉で、どうやら俺の後をずっと付いてきていたようだ。
「姉ちゃん、何の用なん」
堪らず尋ねると、姉はきょとんとした顔で聞き返す。
「名前先生のとこ行っとったんやろ?」
「……そやけど」
完全に把握されていることを察知し、気味の悪さを感じ取る。姉から目線を外すが、それを追いかけてくる姉。
「ずうっとそわそわ、そわそわしとったもんなあ」
妖しく笑って俺を逃がそうとしない。俺と名前さんの関係の変化に気付いているんだろう。明確な答酬を差し出すまで離れていかないことは易々と理解できる。まだ親の目の前で尋ねられるよりは幾分かマシなのだろう。
「で、どうやったん?」
胸を躍らせる姉に溜息を吐く。俺がそそくさと制服姿で出掛けた時点で予測していたのだろう。正直名前さんと交際できるようになったのは、姉の援護のおかげだ。その礼も兼ねて姉には伝えねばならぬと、面映ゆい気持ちを抑えて成果を伝えた。
「付き合うことに……なった」
言葉にすると、顔から火が出そうなほどの熱が顔を覆う。姉は目を見開くと同時に、拍手をして俺に抱き着いて叫んだ。
「やったやん!くーちゃん、おめでとう!」
ぐらぐらと俺の身体を揺れ動かし、子供のようにはしゃいでいる。そんな姉の姿に胸の辺りがぽかぽかと温まる。
「姉ちゃん、ありがとうな」
「ふふ、どういたしまして」
口元を手で覆っているが、喜色が全く隠せていない。しかし、姉が部屋から出ていこうとした瞬間、衝撃な言葉を残した。
「くーちゃんが先生と結婚したら先生は私の妹やな」
俺が、名前さんと……結婚。
姉の言葉を理解するまでに時間がかかり、何テンポか遅れてアクションを起こした。
「ッ、姉ちゃん!」
先程とは比較対象にならないほど沸騰してしまう。咄嗟に叫んだものの、威力は全くと言っていいほどない。
「きゃ~怖い~」
なんと棒読みの叫び声だろうか。姉は俺の部屋から逃げ出し、階段を駆け下りた。ふう、と呼吸を整え、姉の言葉を思い返す。
「結婚、なあ……」
俺も名前さんといつか出来るとええなあ。
ふいに言われた二文字に口元が緩んだ。例え姉の言葉がおふざけであろうと、俺の脳にはぽつんと座り込む。
始まったばかりの関係に、俺は夢ばかり描いていた。
この日の夜、ベッドに入り、あとは眠るだけとなった頃。俺は未だに湧かない実感に、彼女との再会を思い返していた。暗くなった部屋の中で天井に手のひらを見せつけ、グーパーと手を何度も開いたり閉じたりを繰り返した。そして、手を下ろして自身の胸元で腕を交差させると、疑似的に彼女を抱きしめた感覚を体験する。
彼女はあんなに華奢だっただろうかと体格差を改めて思い知らされた。もっと頼りになる男になりたい。もっと強い男に。
「……頑張ろ」
呟いてから腕を戻し、寝返りを打つ。
これからは遠慮せんと、好きやって言うたり、触れたりしてええんや。名前さんと堂々とデートしたり、キスしたり。一つ一つ、今まで出来ひんかったことを二人で楽しめたらええな。
俺は瞼を閉じると、いつの間にか夢の世界へと入り込んでいた。
ん?どこや、ここ?
そう思い、目を覚ませば場所は俺の部屋でベッドにきちんと服を着て座っている。ふと手に温もりを感じ、触れてきたものを確認すると、俺は目を見開いた。
「名前さん!?」
どうして彼女が俺の部屋にいるのか。判断がつかないでいると、彼女は緩やかな動作で俺の頬に触れる。伏目がちの瞳は慈愛が込められ、それに見つめられれば俺は息を呑む。彼女は俺の両肩を押し、ベッドの上に倒す。ドクドクと鼓動が騒ぎ始め、次に何が来るのかと待ちわびていると、彼女は艶やかに笑って再び俺の頬を両手で包んだ。徐々に近づいてくる名前さんの顔。俺はそのまま彼女の行動を受け入れ、唇を重ねた。
あ、キスしてもうた。
暢気に考えていると、彼女は次を進めていた。もしかしてと想像したときには遅く、彼女の手は既に俺の衣服へと伸びていた。
「そんな、いきなり、」
彼女の手を止めようとも俺の手は動かない。おかしいとわかっていながら、俺は彼女を見続けることしか出来ない。更に彼女の手は伸び、窮屈そうなズボンへと到達する。そこへ行ってしまったら、と俺は慌てて叫んだ。
「名前さん!あかんって!」
バサッ、という音と共に勢いよく飛び起きる。じんわりとかいた汗が気持ち悪い。部屋はまだ暗く、カーテンから光さえも入ってこない。そこで俺はようやく理解した。
夢オチかい……!
思わず掛布団に拳をぶつけたが、軽い音がするだけに終わる。
「なんちゅう夢見てんねん……」
欲望に忠実な夢。いきなりこんな夢を見てしまった申し訳なさと、もう少し見ていたかった無念さで頭をかき乱す。だが、俺はあることを思いついてしまった。
もう一回寝たら続き見れるんちゃう?
俺も健全な十八歳やからと理由付けして、再び目を閉じる。
落ち着け、蔵ノ介。深呼吸せえ。
深い呼吸を繰り返し、何とか意識が微睡み始める。ぐらっと意識が落ちると、夢の中の俺は目を疑った。互いに何も身に着けていない状態で丁度情事が終了していたのだから。
これは抱いた、後……!?
俺は名前さんの上に覆い被さっているようで、彼女の顔がよく見えるように体勢を変える。体を浮かせ、顎に滴る汗を拭った。動いた後の暑さが生々しい。俺の下にいる○○さんはどうなっているのだろうと確認すると、俺はとんでもない衝撃を受けた。汗で額に張り付いた柔らかな髪に紅潮した頬、だらしなく開いた口。そして媚を孕んだ双眸。
「くら、」
艶めかしい声で俺を呼ぶと、胸元へと誘い込む。彼女の細腕に捕まり、俺の行動は制御される。恐怖を覚える程の鼓動に眩暈がした。本当に彼女はこんな風になるのか、と。
ちゅーかこれほんまに夢か!?
彼女の腕から逃れようと動くと、彼女は甘い声を漏らす。
「っあ、くら、ッ、」
これは、さすがに。
「あかん!!」
ようやく夢の彼女から逃れられたのか、ベッドには俺一人。自分の逞しさに辟易しつつ、迫りくる興奮に汗が噴出する。
「あかん……どないしよ……」
ハア、と溜息を吐き、自身の下半身を確認してベッドから出た。家族が起きる前に、とそそくさと事後処理をしたのだった。
「どないな顔して会ったらええねん……」
いずれするだろう答え合わせがまだ程遠いことなど、この時の俺には知る由もなかった。
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