不思議な時計と赤帽子

10歳の少女アリーは、ある日赤いベレー帽を譲り受ける。喜んで帽子をかぶって出かけたアリーだったが、道端の浮浪者バートに出会ったのをきっかけに、帽子の様子がおかしくなってしまった。
ちょうど同じ頃、11歳の少年ギルは兄から貰ったおかしな懐中時計に悩まされていた。
ふたりは、お互いの時計の謎を解明すべく、「人喰い森」と呼ばれる町外れの森へ向かうが、そこではさらに不思議なことが起こってしまい……

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目次

  • 1 アリーと赤帽子

    かわいい服が大好きな10歳の少女、アリーは服屋に勤めている女性、レイから赤いベレー帽を貰う。喜んで帽子を身につけ出かけたアリーだったが、街で出会った時計売りのバートと話していると、帽子の裏側に刺繍されていた時計がひとりでに動きだし、帽子は飛んでいってしまった。驚いたアリーはレイにこの帽子について尋ねるが、「気のせいだ」と一蹴されてしまう。

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  • 2 ギルと懐中時計

    11歳の少年ギルは、成績が悪かったため母に叱られ、部屋に引きこもっていた。そんなとき、兄のハルが「いいものをあげる」と、銀色の懐中時計をギルにくれた。その夜、時計が突然光り輝き、「時の精霊」と名乗る少女、フローが現れた。フローはギルに、「人喰い森」へ来て欲しいと頼む。

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  • 3 ふたつの時計

    アリーは帽子の持ち主の手がかりを求めて、隣町へ行き、かつての友人ギルに会う。ギルはアリーに懐中時計の話をし、人喰い森へ案内してほしいと頼む。

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  • 4 奇妙な場所

    アリーとギルは、森の中で時計の道案内に沿って歩くうち、人気のない不思議な場所に辿り着く。そこには時計塔があり、アリーはそこで、思わぬ人物と再会する。

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  • 5 兄の真実

    帰宅したギルは、森へ行くことを巡って兄のハルと喧嘩してしまう。やがてハルは様子がおかしくなり、家を飛び出してしまった。ギルが慌てて後を追うと、ハルはギルに一緒に隣町へ行くよう促した。こうしてふたりは隣町へ行き、そこで偶然バートと再会する。一行は森へと向かうが、その道中でハルは自分の過去と隠された真実について話しはじめる。

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  • 6 プリンセス

    どうしてもレイに帽子のことを訊きたいアリーは、両親に内緒でレイのもとを訪ねる。レイは明らかに何かを隠しているようだったが、頑なに話そうとはしない。すると、あのバートが突然、ギルの兄ハルを伴ってレイに会いにきた。3人の様子が気になって仕方ないアリーは、部屋の様子を盗み見ることにするが……

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  • 7  救助

    絶望的な状況の中アリーがたどり着いたのは、海を隔てた隣国のお屋敷だった。アリーはそこでノアとネルという兄妹に出会い、屋敷の客人としてもてなされる。アリーがバートに教えられた「ある名前」について尋ねると、ふたりはそれと同じ名前の人物を知っているという。ところがその人物は、常識的に考えて、現在は生きていないであろう人物だった。

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  • 8 宣告の時

    ハルたちを送りだしたあと、ギルは不安に思いつつも家族と夕食をとっていた。ところが突然、遠くのほうから爆発音が聞こえ、外へ出ると、隣町が森に覆われてしまっていた。ギルはハルの安否を確かめるべく隣町のアリーの家へと向かい、その道中である女性に出会う。女性はハルのことを知っている様子だったが……

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  • 9 最後の魔法

    アリーとノアは扉を抜けて、再びクロックへと戻ってきた。しかし、日没までに森の外へ行くことは難しいことが発覚してしまう。それでもレイを探すため、町を目指すことにしたふたりだったが、その矢先、突然目の前に小さな少女が現れ、不穏な言葉を告げて消えてしまう。そして次の瞬間、風が吹かないはずのクロックに、突風が吹き荒れる。うずくまっていたアリーが目を開けると、そこには昼の青空ではなく、日没寸前の赤黒い空が広がっていた。

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  • 10 真実のお話

    すべてが終わり、アリーたちには以前と変わらぬ日常が戻ってきた。しかし、レイの姿はいつまでたっても戻らなかった。そんな折、バートとノアがレイを訪ねてやってきた。バートはこの町を去るつもりで、ノアの屋敷へ通じる扉も閉鎖してしまうという。最後の挨拶に来たというノアは、レイに一緒に来ないかと誘うが……

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