放課後のお姫様
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真「…」
蓮「…」
丸「…」
桑「…」
仁「…」
比「…」
切「…」
閉会式の後、徐々に言葉数が少なくなっていった
時間が経つにつれて、心が重くなっていく
先頭を歩いていた弦一郎が部室の扉をあけた
みんな、続いて入って行く
「?」
あたしは精市の少し後ろに居た
幸「みんな」
精市がすでに中に入ったみんなに向かい、声を発した
扉の前に立った精市は深々と頭を下げた
幸「すまなかった」
「?!」
幸「ジャッカル、丸井」
桑「お、俺の方が……すまねぇ!」
丸「動揺しちまって…悪かった」
幸「いや、お前達はよくやってくれたよ」
桑「幸村っ」
丸「幸村くっ…」
2人の声が涙声になってるのがわかる
幸「仁王」
仁「…」
幸「無理をさせてしまったね」
仁「そんなことないぜよ…」
幸「蓮二、よく赤也をコントロールしてくれた」
蓮「精市…」
幸「弦一郎」
真「…」
幸「悪かったね」
真「何を…言っている?」
幸「赤也」
切「ハ、ハイ!」
幸「お前には本当にすまないと思っている。無理に覚醒させて悪かった。それに…こんな形で部を引き継がせる事になってすまない」
切「ゆ、幸村部長…」
幸「柳生も、最後の全国大会だったのに」
比「いえ、当然のことをしたまでです」
幸「……部長として、優勝をなんとしても勝ち取るべきだったのに…本当にすまない!」
丸「幸村クン…」
真「何を言っている!」
弦一郎の声が響いた
幸「真田…」
真「お前は!お前は一人で戦っていたわけではあるまい!この結果は俺たち全員で掴んだものだ!」
蓮「精市、お前のせいではない」
丸「そうだよ!」
切「そうっスよ!準優勝でも優勝じゃないっスか!」
比「切原君、何を言っているんですか?」
仁「準でも優勝がついとるって事か?」
切「そっスよ!」
桑「赤也…お前…」
真「幸村、俺は…俺たちは!お前の率いるチームで全力で戦った!俺は、悔いはないぞ!」
蓮「俺もない」
仁「そうじゃな」
丸「当然だろぃ!」
幸「みんな…」
切「俺!俺は!先輩達の雪辱をぜってぇ果たします!」
幸「赤也…ふふふ」
精市が下を向いた
幸「ありがとう」
桑「俺たちこそ、ありがとう…だろ?」
比「そうですね。三年間、私達を率いてくれましたからね」
仁「そうやの。お前さん以外に部長は考えられんよ」
蓮「あぁ。精市、俺たちをよくここまで率いてくれた」
幸「みんな…」
精市は俯いたままやったけど、声が震えてた
精市の背中にそっと手を添える
「精市、本当にありがとう」
精市の体が少し強張ったのがわかった
「大切な時期に我儘言って、自分勝手に動いて…それでも、また変わらず受け入れてくれて…本当にありがとう」
真「リリ…」
「みんな、本当にありがとう。あたしはたいした力にもなれへんかったし、邪魔ばっかりしてたように思うけど…それでも、みんなと共にテニス部で過ごせて誇らしいと思ってる。精市、部長としてプレッシャーもあったと思う。病気の事も…1番苦しかった時、支えられへんくてごめん」
幸「そんなことっ」
精市が振り返って、あたしを見た
その瞳には涙が浮かんでる
「あたしは…精市に支えられてばっかやったのに、ごめんなさい。でも、1番伝えたいのは感謝の気持ち。本当に…本当に部長でいてくれ…戻ってきてくれて、ありがっ」
言葉が続かず、泣き出したあたし
幸「リリ、何度も言うけど…俺はキミがマネージャーで居てくれてよかったよ」
精市はそう言ってギュッとしてきた
切「あー!ずっりぃ!」
後ろから赤也の声がして精市と2人、顔を見合わせてクスクス笑った
あたし達は、負けてしまったけど
チームとしての絆は深まったと思う
それに、まだ終わりじゃない。
これから、新なスタートをする。
今度は、挑戦者として。
王者の敗北