放課後のお姫様
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白石君からきたメールを何回も見直す
―留学か…
みんな驚いたやろうな
凄い決断したな―
凄い決断か…
あたしは何かを掴みたかった
幸「イギリスか…」
「ん?」
渡英する前にゆっきーと美術館に行った
描かれているイギリスの風景の前に足を止めたゆっきー
幸「楽しみ?」
「うん!でも…不安もある」
幸「リリなら大丈夫だよ」
相変わらずのふわりとした笑顔
この笑顔にどれだけ助けられたやろう
何度、救われたやろう…
「ゆっきー」
幸「リリ?!どうしたの?」
「へ?あ…」
気づいたら頬を涙が伝ってた
「はは、ごめん!」
笑いながら涙を拭うと、ゆっきーはまたふわりと笑ってあたしの頬に触れた
幸「リリの笑顔にいつも救われてるんだよ」
「へ?」
幸「だから、泣かないで」
「ゆっきー…」
幸「俺はね…俺だけじゃないか」
「ん?」
幸「みんな、リリの笑顔にどれだけ力を貰ったかわからないくらいだと思うよ」
「えぇ!!」
なっ何ゆーてんの!?
幸「リリには笑ってて欲しいんだ。だから、柳から聞いた時…どうやって引き止めようかなって思ったよ」
いたずらっ子のように話すゆっきー
幸「前にも言ったけど、リリが悩んでたのはわかってたんだ」
「…」
幸「だから…わかって欲しいんだ」
「何を?」
幸「何も得ていない…そんな事はないってことを」
ゆっきー…
幸「君がどれだけのものを得ているかを…ね」
「もうな…ほんまはな…わかってる」
幸「うん」
「みんな…快く送り出そうとしてくれてるのも…わかってんねん」
また、涙が出てくる
「それが、どれだけありがたいか…みんなの事好き」
幸「うん」
「大好きやなって、ほんまに思うねん!!」
幸「そうだね。みんなもそうだと思うよ」
「うん!伝わってる!!あたしも伝えたい…時間かかっても絶対伝えたい!!」
幸「…リリ」
「ん?」
幸「行かないで」
真顔になった精市にドキリとする
「精市?」
幸「俺、言ったよね」
「えっと…」
幸「俺の前からいなくならないでって」
「?!」
突然、抱きしめられた
幸「どうしていつも、俺から離れようとするの?」
「精市…あたし…」
抱きしめる力が強くなるのと同時に心臓の音が早くなる
幸「リリ…必ず戻ってきて」
「う、うん…」
幸「ごめん」
パッと離れた精市
幸「困らせたい訳じゃないんだ。ただ…リリが居ない時間なんて考えられないから」
微笑む精市にあたしはドキドキしっぱなしで…
幸「この二年、本当にずっと一緒だったから…まだ、信じられないんだ」
「…いつも」
幸「ん?」
「ゆっきーは誰よりも…あたしの味方でいてくれて、助けてくれた」
幸「俺のセリフだよ」
「ううん!ほんまにそうやねん!!二年前のあの時から…」
幸「あの時?」
「初めて出会った時から、あたしはゆっきーについてくって決めててん」
入学する前から…
「だから、離れたりなんかせぇへん!距離は離れるけど…戻って来るから。またゆっきーと一緒にテニスしたい」
幸「リリ…」
「ゆっきーのプレイ、一番近くで観るんやから!」
幸「ふふ、楽しみにしているよ」
あの時、決意した
マネージャーとして、もっとゆっきーを支えられるように成長するって
イギリスの学校での選択科目にスポーツ学みたいなのがあった
あたしは迷わずそれを選択した
専門的な知識はなかったとしても、サポートくらいできるようになりたい
侑士にゆっきーとの話をした時、好きなんかって泣かれた
でも、ブン太にその話したら、わかってくれた
あたし達のチームの絆はとてつもなく固いんやから!
色恋沙汰なんかじゃなく、ほんまの絆
次は絶対、青学には負けへん
決意