放課後のお姫様
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「帰りたい…」
ブン太と知り合ってからまだ2年と8ヶ月やけど、3ヶ月も顔を合わせへんことなんかなかったし
こんなにも自分はブン太がいなあかんなんて思わへんかった
「ぬわ~」
モヤモヤするわぁ
「何か食べよう、んで宿題しよ」
立ち上がってリビングに行くとあたし宛の手紙が何通かあった
「ユッキー、侑士と、手塚君…白石君や!!」
真っ白な封筒に綺麗な字で書いてある名前を何回も確認する
他の手紙たちを申し訳ないっていいながら机に置くと、ドキドキしながら白石君からの手紙をあけた
内容は白石君や四天宝寺のみんなの近況とあたしの様子を伺うもんやった
「あ…」
同封されてた写真はテニスコートで撮ってあるもの
「元気そう」
笑みが零れた自分の頬に涙が流れてるのに気づいた
「うぅっ…」
わかったこと
テニスを通して出逢った人達に、自分は支えられてたんやって事
何も得られてない
そう思って留学した
でも、それは間違いで
あたしはたくさんの出逢いをして、みんなからたくさんのものを得てたんやって
離れてから気づくなんて遅いけど…
こうして気づけたならいいやんな!!
「ブン太!!」
『何…』
「あたし、もう泣かへんから」
画面越しのブン太に満面の笑みを向ける
『…』
「ごめん!ブン太の気持ち考えんと甘えてばっかでさ」
ジーッとあたしを見てるブン太
「みんなに支えてもらってんのに泣いてばっかで…ごめんな」
『別に…』
「白石君から手紙もらったし…がんばる!!」
『はぁ?!』
「何?」
『何で白石が手紙なんか…つか元気になったのって白石の手紙でかよ!?』
「…なくもない。でもな、見て!!」
ブン太に見えるように手紙をカメラに近づける
「白石君もやけど、みんなから一言書いてあってさ…頑張らなって思ったの!!」
『お前ってまじで…』
「どしたん?」
なぜか頭を抱えるブン太
『いや、いい』
「でも…一番はブン太やで!!」
『俺?』
「ユッキーが送ってきた!!」
『あぁ!!』
「ユッキー解説によれば、最近空ばっか見上げてるって。きっと璃梨を想ってるんじゃないかって」
『いつの間に…』
空を見上げて微笑んでるブン太の写真
「ほんまなら嬉しいなぁって!あたしも見てるもん!!」
『…本当だよ』
照れたらしく、不機嫌に言うブン太にニヤニヤする
「ブン太、ブン太が世界で一番好き!!大好きやから!!」
『はいはい』
「ほんまに大好きやからな?」
『わかったっての』
「日本に帰ったら嫌ってくらい付きまとうから」
『付きまとうって…』
呆れるブン太
「なので、シクヨロ」
『嫌になんかなんねぇし…お前こそ覚悟すれば?』
「ブンちゃん、大好き!!」
笑顔で言うとブン太も笑顔を返してくれた
この笑顔のためならなんだって乗り越えてみせる!!
そう誓ったのは留学生活が残り1ヶ月になった頃やった…
大切な人へ