俺のマドンナ
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あれはまだ一年の頃
リリがテニス部のマネージャーになるって言い出した時や
一回だけ俺は立海に行った事がある
何でかって?
そりゃリリが心配やしやん
立海言うたら強豪や
ウチみたいに取り巻く奴らがいるやろし俺のかわいい姫さんがいじめられてへんか不安やん
やから立海に潜入してん
無敵な姫君
侑「ここか…」
マンモス校なだけあるわ
敷地がバカデカい
でもテニスコートを探す必要はなさそうやな
侑「あそこやな」
黄色い声援が凄い
まぁ跡部目当てに来てる子らもかわらんけど
「ジャッカルー!!いくでぇー!!」
大勢の中からでもリリの声だけは聞き取れる
どこにいようと見つけられる
そんな自信が俺にはあんねん
まぁリリはいつも俺を探しとるみたいやけど…
─あの子誰?
ムカつくんだけど
何でコートにるの?─
青空の下、笑いながらフリスビーをしてるリリはほんまに天使みたいや
俺がそう思ってたらそんな声が聞こえてきた
やっぱりな。来て正解や
こいつらがリリにちょっかい出す前にリリをテニス部から遠ざけよ
そう決意した俺のオデコにピンクの円盤が直撃した
「あー!!ごめーん!!あんたノーコンやろ!!早よ謝って来い!!」
うずくまる俺の遥か前方でリリが叫んでた
桑「お前が投げたんだろ!!」
なんて言い合う声がして誰かに肩を掴まれた
桑「大丈夫か?悪かった」
侑「い、いや…俺も余所見しとったから」
俺の目の前には明らかに生粋の日本人じゃないハゲ頭がいた
桑「保健室行くか?」
侑「大丈夫や、気にせんとって」
リリにバレるわけにはいかん
「ジャッカルー!!早くフリスビー!!」
桑「うるせぇよ!!本当に大丈夫か?」
侑「あぁ、もう戻って。俺は大丈夫やさかい」
桑「すまなかったな!!ちゃんと冷やせよ!!」
ハゲ頭はそう言い残しリリの元に去って行った
侑「ズキズキする…」
冷やさなあかんな
とりあえず水道や
俺が水道でハンカチを濡らして戻ろうとしたら声がした
「あんたマネージャーするって聞いたんだけど」
さっきリリの文句言うてた声や
「抜け駆けなんて許さないんだから!!」
どんどん怒鳴り声がヒートアップしてきてる
陰からチラッと覗くと数人に囲まれて下を向いてジッとしてるリリが見えた
侑「リリ…」
下を向いて耐えてるリリ
なんていじらしいんや!!
アカン!!可愛すぎる!!
「あなた聞いてるの?!」
きっとリーダー格なんやろな
長い髪をバサッとさせながらリリを見下す脚の綺麗な女の子
まぁリリのが綺麗やけどな
「ルールは守るべきよね?」
その子がリリを見つめてるとリリがふと顔を上げた
その目が太陽の光でウルウルして見えた
はっ鼻血もんや!!
なんて健気なんや!!その悲しそうな瞳がヤバい!!
「ルール?」
リリが小さく呟いた
「ルールなんてないし」
「はぁ?」
リリの言葉に眉を寄せる女の子達
「そんなルール知らん!!」
「自分が何を言ってるかわかってるの?」
「マネージャーになりたいならなりゃいーやん。ウジウジキャピキャピ何やねん!!」
ウジウジキャピキャピ?
「うるさいうるさいうるさい!!」
リリが壊れた?
丸「リリー!!何やってんだよ!!」
「今行くー!!文句あるなら一人ずつ来いや」
そう言い残し去っていくリリ
なんて男らしいんや!!
「待ちなさいよ!!」
一人がリリの腕を掴んで頬を殴った
侑「あっ!!」
俺が飛び出そうとした瞬間、殴った奴が飛んだ
「正当防衛やんな」
スカートやのに回し蹴りをしたリリ
むっちゃ綺麗に決まったな…
「あたし女やし女でも手加減せぇへんで」
ニヤリと笑ったリリに顔をひきつらせた女の子らは逃げて行った
「逃げんな!!かかって来いや!!」
それをきっかけに女子の間でリリは大人気になったらしい
散々、嫌がらせをしてたテニス部の取り巻きの女の子らはビビって手を出さなくなったとか
要するに、俺が守ろうとしている姫さんは無敵やったっちゅーわけや
テニス部の番犬のごとく
暴力を振るうリリも
どうしようもないくらい
可愛くて愛しくて
俺だけの姫さん
やったらいいのに…
無敵の姫君