俺のマドンナ
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蔵「おーい、謙也ー!」
みんなが俺の誕生日会や言うてお祝いしてた
謙「なんや?」
蔵「この箱、謙也宛やで」
謙「俺?」
財「差出人書いてないっすね」
財前が覗き込んでくる
小「誰やろね」
一「開けてみぃや」
謙「おん」
箱を開けると、DVDが入ってる
蔵「DVDだけ?」
財「他はなんも入ってませんわ」
一「観てみようや」
謙「せやな」
DVDをセットしてテレビをつけると病室やった
ーリリ、もう録画されてるよー
ーえ?嘘?もう?待って!待って!ー
テレビからリリの声が聞こえてくる
画面が動いて、映し出されたのはベッドに座る幸村精市の姿
小「これ、幸村君?」
財「立海の部長?嘘やん」
ー止め方わからへんし、もういいや!ー
ー撮り直さないの?ー
ーうんー
画面の向こうの幸村は凄く優しい笑顔や
視線の先はリリ
ーよし!あ…えっと…何言うか忘れた!ここ、蓮二に言うてカットしてもらう!ー
ー柳が編集するの?ー
ーうん!パソコンわからんもん!あー、どうしよ!緊張する!ー
リリが幸村の隣に座った
2人は笑顔や
ー精市からどうぞー
ー俺?いいの?1番に言いたいって言ってたのにー
ーそやった!あぁ…えっと…これ、謙也1人で観るかな?ー
ーどうだろう?ー
ー白石君観たらどうしよー!変ちゃう?ー
リリが頰に手を当てて幸村を見る
白石を見たら、案の定照れた顔をしてた
ーリリは可愛いよー
幸村がリリの前髪を整える
財「なんなんこれ?こんなイチャついてんのひたすら見せられるんすか?」
小「幸村クン、素敵やわぁ!」
一「なんでや小春!」
ーありがとう、よし!謙也!お誕生日おめでとう!サプライズプレゼント用意してん!これはその1つ!最後までちゃんと観るんやで!よし!じゃあ次は精市!ー
ーふふ、初めまして…かな?立海の幸村精市です。こんな所からですまない。キミの事はよくリリから聞いているよ。俺も先日誕生日だったんだけど、リリのサプライズは本当に驚かされるから、楽しみにしていてあげて。お誕生日おめでとうー
蔵「幸村クン…」
場面が突然切り替わった
ー赤也!あーかーやー!ー
ーはいはい!もう撮ってんすか?ー
今度は部室や
立海の部室か?トロフィーが見える
ーどうも!切原赤也っス!謙也さん!お誕生日おめでとうございます!今度ゲームで勝負しましょう!あ、テニスでもいいですけど!あぁ!ちょっと丸井さん!それ俺のっすよ!ー
切原が画面から消えた
ーおいブン太!赤也!静かにしろ!ー
2人を怒りながらスキンヘッドのやつが入ってきた
ーブン太!それあたしの!もう!ジャッカル!ー
ー俺かよ!ほら、撮るんだろ!ー
ーもぉ!ー
ーはぁ…あ、騒がしくして悪いな。ジャッカル桑原だ。誕生日おめでとう。忍足はドラムが得意らしいな。ぜひ今度聴かせてくれー
ードラムに合わせて踊るん?ー
ーそれもいいなー
ー嘘やん。動画撮らなー
ー忍足、会えるのを楽しみにしてるぜ!本当におめでとう!ー
財「ハーフなんすか?」
謙「せやろな」
ーでは、次は私ですねー
ーどうぞ!ー
ー忍足君、初めまして。お会いした事はありませんが、リリさんからよく貴方の事は伺っているので、昔からの友人のように感じております。お誕生日なんですね、おめでとうございます。お会いできるのを楽しみにしております。柳生比呂士でしたー
ーありがとう!あれ?仁王は?ー
ー先ほどまで居たのですが…探して参りますー
ーありがとう!じゃあブン太!ー
ーえぇー?何でだよー!ー
財「丸井ブン太…」
全員が食い入るように画面を見つめてる
ーあー、丸井ブン太だ。誕生日おめでとうー
ーえ?ー
ー何?ー
ーそれだけ?ー
ーえ?別に他に話す事なんか…ー
丸井は手に持ってたボールを指でクルクル回し出した
ー謙也の誕生日やで?スピードスターの誕生日やで?ー
ー何だよ、スピードスターって。あ、イグアナ触りたいー
ーは?ー
ー飼ってんだよな?今度、触らせてくれよな!ー
ーえ?謙也さんイグアナ飼ってんすか?俺も触りたい!謙也さん!俺にも見せて下さいよ!ー
ー赤也、てめぇ出てくんなよ!ー
ーいいじゃないっすか!謙也さぁぁぁんー
ーうるせぇよ!ー
画面の中で2人がじゃれだした
ーはぁ…ー
リリのため息がして、画面が動く
蔵「どこ向かってんねやろ?」
リリは部室を出る
ー見ぃーつけたー
ー見つかってしもうたかー
やれやれという感じの返事が聞こえる
ー比呂士は?ー
ー柳生はコートにでも行ったんやなか?こっちには来とらんぜよー
一「こいつ誰?」
蔵「仁王君ちゃうかな」
仁王…
ー録っとるんか?ー
ーうんー
ーさよかー
ーちょっと!謙也におめでとうは?ー
ーそうやったのう、おめでとさんー
ー心がこもってへんわ!謙也の誕生日やのに!ー
ー初恋の人やしのうー
ーそうそう、謙也は初恋……ちゃうわ!ー
ーそうなんか?残念ー
ほんま、残念やで
そんな力強くつっこまんでもええやん
ーほんで、何でこんなとこおんの?水やりでもしてたん?ー
仁王が座ってる横にジョウロがある
ー今日は当番じゃしなー
ーお花、綺麗に咲いてんなー
画面に花壇が映る
ー精市の花壇やで、謙也ー
色とりどりの花が咲いとる
ーみんなで当番制で世話してんねんー
ちょっと、泣きそうや
みんなを見たら、みんなも目を潤ませとった
ーほら、仁王!謙也にもっかいおめでとう言うてあげてよー
ーお、そうじゃー
ー何?ー
ー忍足にプレゼントじゃー
ープレゼント?ー
ーカメラ貸してみんしゃいー
今度はリリが映る
ーなんなん?ー
ーそのジョウロの水、あの花にかけるんじゃー
ーこの花?ー
リリが花に水をやる
ーどうじゃ?ー
ーあぁ!謙也!見える?虹や!ー
ジョウロから出る水で虹ができる
ーおめでとうー
ー謙也!虹くれたで!よかったなぁ!ー
虹から笑顔のリリにカメラが動いた
小「仁王クン!なんて素敵なん!」
蔵「いや、リリちゃん可愛いわ…」
財「キザすぎでしょ?」
ーあ!蓮二!蓮二ー!ー
リリが走り出して、仁王がそれを追う
ー蓮二、謙也に一言!ー
カメラの前に柳が来た
けど、仁王はリリに合わせてるから柳の顔が映ってへん
ー蓮二、謙也に何かあるやろ!ほら!早く!ー
ー構わないが、仁王。それでは俺が見切れているんじゃないか?ー
ーええやろー
ーえ?蓮二映ってへんの?仁王、カメラ返して!ー
ーはいはいー
ー仁王、ありがとうな!はい、蓮二!どうぞ!ー
ーあぁ、柳蓮二だ。忍足、誕生日おめでとう。確か、お前は青汁が好物だったな。俺の考えたレシピをお前に贈ろうー
ーえ?青汁のレシピ?蓮二、乾汁作ってんの?ー
乾汁?
ー笑止。貞治と一緒にするなー
ーいやいやいや、絶対不味いやん。あかんで、謙也にそんな危険なもの飲ませへんからなー
ーならば試しにお前が飲んでみるといいー
ー何味?ー
ー?ー
ーそれ、何味なん?てか青汁とか無理やし、あ!そや!蓮二のデータあげたら?ほら!謙也のデータ2冊くらいあったやん!ー
2冊?!
ー俺がそう易々とデータを渡すと思っているのか?ー
ー謙也、諦めて。蓮二のデータはあげれへんて。ごめんなー
全然ええねんけど、何書いてあるんや!
ーリリ、弦一郎はいいのか?ー
ーそやった!弦一郎ー!!ー
ーむ?なんだー
一「絶対同い年ちゃうわ」
財「監督とちゃうんですか?」
蔵「真田君は中2や」
財「嘘やろ…」
ーほら、話したやろ?謙也にビデオレター!
ーそうだったな。コホン、真田弦一郎だ。誕生日おめでとう。昨年の全国大会での試合、シングルスに出ていたなー
な、なんや?
ー弦一郎、その話はいいからー
ー何故だ?あいつの得意とするー
ーいいの!いいってば!その話はもういいの!ー
ーだがー
ー弦一郎?ー
リリの声が低くなり、真田の表情が一瞬固まったかと思うと、咳払いが聞こえた
ー己を信じ貫けば、お前は上を目指せるはずだ。日々、その事を忘れず鍛錬に励めー
ー終わり?ー
ーあぁー
画面が切り替わって再び病室になった
ー以上!立海テニス部からでしたー!
病室に勢ぞろいしてみんなが手を振ってる
財「リリは何がしたいねん、ほんま」
蔵「謙也、よかったやん!みんなからのビデオレター!」
謙「嬉しいけど、会うた事ない連中ばっかやから、なんか申し訳ないわ」
小「みんなリリちゃんに付き合ってあげて、優しいわぁ」
一「なんかまた始まったで」
謙「え?」
突然、盛大なオーケストラの曲が流れ始めた
ーえー、氷帝学園にお邪魔していますー
ー忍足!誕生日らしいな!この俺様が直々に氷帝学園を案内してやろう!ー
財「なんかめっちゃ派手な奴出てきた」
蔵「なんや、ここ」
レストラン?
ー自己紹介してあげてー
ー自己紹介だぁ?この俺様が誰かわからねーようじゃ、スターには遠いな。俺様が氷帝テニス部部長、跡部景吾だ!ー
謙「うわぁ」
ーはぁー
ーここは氷帝学園中学の中にあるー
ー食堂やろ。案内とかええし、早くコメントしてーやー
ー滅多に見られねぇんだ、堪能させてやれ。このー
突然、早送りになった
蔵「あれ?」
謙「何でや?」
財「謙也さん、早送りしたんすか?」
謙「触ってへん」
財「あ、これ元が早送りなってますわ」
蔵「え?」
小「柳君が編集したんやろ?あえての早送りなんやない?」
一「長そうやもんな」
跡部が何か話しながら歩いとる映像がひたすら続いてる
その後、何人か生徒が出てきて何か言うとったけど、そこも早送りなっとった
柳、せめてそこは聞かせてくれや…
蔵「あ、切り替わったで」
謙「お、リリの部屋や」
蔵「え?」
リリの部屋のソファに侑士がおる
ー侑士!ほら、謙也になんか言うことあるやろ!ー
ーわざわざ録らんくてもええやんかー
ー撮りたいの!ー
ーそれに、どうせ電話で言うんやしー
ー侑士!ー
ーわかった、わかった。謙也、おめでとうさん。やっと14歳か?こないだまでオムツしとったのにえらい早いなぁー
謙「いやいや、同い年やろ」
ー近々、俺も大阪帰るさかい、帰ったら串カツ食いに行こな。俺は謙也の好物やしおでんがええと思うねんけど、リリが串カツ食べたいんやて。ほんまわがままな姫さんやでー
ー誰がわがままや!てか姫さんってなんやねんー
財「さむいわ…」
ー今日は四天宝寺の連中に祝うてもろてるんやろ?お前の事や、みんなにお礼言うてへんのとちゃう?祝うてくれてる仲間に感謝しぃや。あと、せっかちなとこ治さなあかんでー
謙「お前は俺のおとんか!」
ーせっかくの誕生日やさかいな、楽しい1日にしぃや。ほなー
侑士が手を振って、画面が暗くなった
謙「終わった?」
小「終わったみたいやね」
一「スロー再生したら氷帝の連中の観れんちゃう?」
謙「長そうやったけど、今度観てみるわ」
蔵「謙也、ええビデオレターもろたな」
謙「おん。侑士が言うとったからってのもしゃくやけど、今日はおおきに!」
蔵「当たり前やろ。謙也の誕生日なんやから」
小「そうよ」
一「ケーキ食おか?」
財「そうっすね」
財前が立ち上がった途端、部屋の電気が消えた
蔵「あれ?」
謙「なんや?」
「ハッピバースデー謙也ー!」
ドアが開いて、リリが歌いながら入ってきた
それに続いてろうそくに火を灯したケーキを持って侑士が入ってくる
謙「え?な、なんで?」
「ハッピバースデートゥーユー!」
パチパチパチと拍手がして、俺の前にケーキが差し出された
謙「え?」
侑「早よ消さんかい」
謙「あ、あぁ」
火を消したら、みんなから次々とおめでとうと言われた
「サプライズやで!謙也!」
電気をつけて、笑顔のリリが見えた
蔵「わざわざ来たん?」
侑「春休みやさかいな。おめでとうな、謙也」
小「いやーん!感動やわ!」
「そやろ!そやろ!次のサプライズはな!ケーキ!ブン太から!」
謙「は?」
「ブン太の手作り!あ、でもここの生クリームは赤也がした」
ちょっと形の崩れた生クリーム
「チョコのプレートは弦一郎が書いてくれてん」
すごい達筆に書かれとる
侑「味は丸井作やから保証したる」
蔵「謙也!よかったな!」
謙「ほ、ほんま…おおきに…」
財「何泣いとんねん」
一「リリ、完成したビデオレター見た?」
「ん?ビデオレター?持ってきたで!」
蔵「え?まだあんの?」
「え?」
侑「まだあるって?」
財「今、観ましたよ」
財前がDVDを取り出した
「なんで?」
財「あ…」
謙「なんや?」
財「ケースの裏面」
そう言ってケースを渡された
謙「リリがDVDを持って行くだろうが、未編集の方がいいだろう。PS氷帝は早送りしておいた」
「えぇー!」
侑「いや、氷帝早送りてなんやねん!」
侑士のやつが文句たらたら言うてたけど、俺は突然の訪問者に嬉しくて、嬉しく…
謙「おおきに…」
そう言って、また泣いた俺はしばらく
みんなにからかわれる羽目になった。