俺のマドンナ
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俺は
俺は!
小春にしか興味ないんや!
ー笑顔クエストー
「はぁ」
さっきから、隣でゲームしてるリリはため息ばっかついてる
連休を利用して、謙也んとこに泊まりに来てるリリ
謙也が学校に呼び出されて、リリは俺んちに来とる
ほんまは小春も来るはずやったのに
小春も用ができたとかで遅れて来る事になって
俺は今リリと2人きり
他の女子なら意識なんかせんけど
リリはあかん
なんか、あかんねん
「はぁ」
ここに来て何回目のため息や
一「お前、さっきからため息ばっかやな」
「え?ほんま?ごめん!ごめん!」
無意識やったんか?
リリは手を合わせて謝ってきた
一「何かあったんか?」
「え?……まぁ、色々と」
小さな声で言うから、思わず顔をしかめた
「ごめんな!ほんまに、ごめん!ゲームしよ!」
リリはもう一度謝ると、コントローラーを持った
「いいよな」
一「?」
「ゲームってさ、ほら!仲間の好感度わかったり、どうすればいいか誰かがヒントくれたりしてさ!悩んでも、進むべき道を誰かが教えてくれる」
一「お前…」
微笑んで俺を見たリリの目から涙が落ちるのが見えて、思わず頰に触れた
「ん?あ!何でやろ!何泣いてんねやろ!」
リリは急いで涙を拭った
一「どうしてん」
「…」
下唇を噛み、泣くのを堪えてるのがわかる
一「何があったん?」
「…何もないねん」
凄く小さい、消え入りそうな声で言うリリ
一「何もないのに泣くん?」
「そうじゃない!」
今度は大きな声になった
「そうじゃ…ないねん。あたしには何もないねん」
一「どういう事?」
「ユウ君にも…あるやろ?」
一「何が?」
「テニス」
そう言って、俺を見たリリ
その表情に心臓がドクンとなって
胸が痛くなった
「謙也にも、侑士にも…みんなテニスがあるやん」
一「リリも…やん」
「ううん。あたしなんて観てるだけやもん!3年間みんなを観てただけ。あたしには何もない…」
リリは堰を切ったように泣き出した
一「観てただけて…そんなわけないやろ。だって」
「みんなに迷惑ばっかりかけて…あたしは選手でもないのに」
一「よ、よう見てみんしゃい!」
「?」
仁王のモノマネをしたらリリはキョトンとした
そこから、思いつく限りのモノマネをする
「ユ、ユウ君もうやめて…お腹痛い」
リリはお腹を抱えて笑ってる
一「…よかった」
「へ?」
笑顔で俺を見るリリに心臓がドキンとした
一「な、なんもないわ!俺のモノマネこんなけ見れるなんて滅多にないんやからな!有り難く思いや!」
「うん!ありがとう!面白かった!めっちゃ笑ったわ」
一「お前は…」
「ん?」
一「リリは1人やない…で?みんなおるやんか。目には見えへんけど、みんな…リリに支えられてるし、リリも…見えへんやろうけど、支えられてる」
「?!」
一「せやから…大丈夫や。なんも、迷う必要あらへん」
せっかく笑顔になってたリリの瞳に涙が溜まってる
一「ほ、ほら!明けへん夜はないし!雨かてあがるやんか!」
「ユウ君…」
リリが微笑んだら、頰に涙が流れた
それが凄く綺麗で、思わず息を呑んだ
「ありがとう。あたし、頑張る!前に進むから!」
一「別に礼とか…てか、泣くなや!俺が泣かしたみたいやんか…」
「ユウ君が泣かしたんやで」
一「なんで!?」
「嬉し涙やもん、嬉し涙はどんなけでも流してええんやから!ユウ君、ほんまにありがとう!」
一「うわっ」
リリが飛びついてきて思わず倒れる
謙「なっなっ」
小「ユウ君が襲われてる!」
そこに謙也と小春がタイミング悪く…悪い?いや、あかんあかん!
タイミングよく来て、リリと俺は謙也と小春から説教される羽目になった
怒られてる最中にリリが小さく
「泣いた事、内緒な?ありがとう、ユウ君」
と、言ってきた
一「リリは笑っとったらええねん」
「ん?なんて?」
小「聞いてんの!この男ったらし!」
「男ったらしってどういうことよ!それ、小春やろ?」
小「違うわ!ブス!」
謙「リリはブスちゃう!可愛いわ!」
とかなんとか言って結局、謙也と小春の不毛な言い合いが続いて、俺とリリは再びゲームに没頭する事になった