俺のマドンナ
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世の中には
ギャップ萌
なんて言葉があるが
俺からすれば
あの人の場合は
最悪だ。
イライラする。
あの人を初めて見たのは
1年の時の新人戦
鳳「新人戦かぁ〜。わくわくするね!」
日「フン、別にいつもと変わらない」
鳳「え〜。俺はすっごいわくわくしてるよ!樺地君も楽しみだよね?」
樺「ウス」
鳳のヤツは何を浮かれているんだ?
そもそも、大会名が気に食わない
新人戦だと、丸でテニスの素人の大会
みたいじゃないか
どうせなら新一年生の大会とか
新入生トーナメントにすればいいのに
鳳「それにしても、ここ広いよね。受付はどこなんだろう?」
「あの」
立ち止まり、キョロキョロしていたら
背後から少し控えめな声がした
鳳「ん?」
「新入生の方ですか?」
声の主は王者、立海大附属中学の制服を着た
女子生徒だった
真っ白いカッターシャツもスカートもきちんとアイロンがけされていてシワ一つない
スカートの丈もウチの学園の女子とは違い長かった
同じ新入生なのかと思ったが、腕に付いていた腕章で上級生だとわかった
サラサラと風に靡く髪は陽に照らされ艶が目立っていたし、爪もどっかの部長の周りにいる女子のように長くない
あの人の第一印象は
清楚
そのものだった
きっと、一目で恋に落ちる
というのは、こういう事なんだと
出会って数十秒までは思っていた
鳳「そうです。僕たち受付がわからなくて…」
「やと思った」
その人はニッコリ微笑んだが
その容姿で関西弁を話す事に俺は
なんだか、凄く違和感を感じた
「受付まで連れて行ってあげるわ!行こう!」
そう言って俺たちの前を歩き出した
鳳「ありがとうございます!助かったね!」
樺「ウス」
「に、しても!氷帝にもこぉぉんな可愛い新入生が来たんやなぁー!」
あの人は上機嫌で振り返った
鳳「か、可愛い…ですか?」
どう考えても俺たちの方が大きい
この人は何を言ってるんだ?
「可愛いよ!可愛い後輩!そっか、そっかー!あたしもやけど、侑士も先輩かぁー!」
日「?!」
侑士?
鳳「あ、あの…侑士って」
「ん?あぁ、忍足侑士!あたしの弟やねん!」
その言葉を耳にした瞬間
目の前が真っ暗になったのを
俺は忘れない
よりによって何で忍足さんなんだ?
あの人ほど胡散臭い先輩はいない
あの胡散臭い先輩と目の前のこの人が
姉弟なんて
とてもじゃないが、信じられない
と、いうか信じたくない
鳳「そうなんですか?!」
「うん。侑士は双子の弟」
日「双子?!」
「ん?そやで!」
鳳「忍足さんが双子だったのは初耳です!」
「そうなん?まぁ、やしよろしくな!氷帝にはたまに遊びに行くねんで!」
それから、あの人は鳳と何やら楽しげに会話していたが、俺はなんとも言えない感情を押し殺すのに必死になっていた
さらに、あの人は追い討ちをかけるように俺達に構ってきた
よく言えば、面倒見がいいんだろうけど
俺はとにかくほっといて欲しかった
挙句に新人戦は立海のヤツに負けるし
負けた瞬間、つい観客席にいたあの人を見てしまった
きっと喜んでるんだろうなと思ったが
あの人は立海サイドにいて、唯一笑顔になっていなかった
なんとも言えない表情を浮かべ、俺を見ていた
それが、また俺をイラつかせる
新人戦後、鳳や樺地を待ってベンチに座って本を読んでいてら、あの人が来た
慰めに来たのか?
なんて思い、無視していたら
あの人から話しかけてきた
「何読んでんの?」
日「別に」
「ん?あ!それ、妖怪のやつやんな?」
日「へ?」
「え?妖怪が出てくるやつやろ?」
日「そうですけど、読んだ事あるんですか?」
「うん!お化けとかUMAとか好きやねん!」
日「?!」
「夢があるやん!いつか、絶対見たい!」
そう言って笑顔になるあの人につられ、つい、俺も表情が緩んだ
その後、鳳達が来るまで、俺たちは妖怪について話し合っていた
あの人は本当に
見た目とは大違いな性格だ。
それが悪い訳ではない
が、大迷惑な事には違いない
あの人と居ると心が騒つく
本当にあの人にはイライラさせられる。
first loveー日吉若ー